ATLAN新サイクル情報

過ぎる5月28日、ガルヒンコンのアトラン関係プログラムで、編集責任者ザビーネ・クロップ女史より2点の情報開示がおこなわれた。

まず、草案作家の交代。
現草案作家のウーヴェ・アントンはダークスター・サイクル終了とともに降板(作家としては継続して執筆)。新しい草案作家はミハエル・マルクス・ターナーが担当する。
……交代の理由が、アントンの〆切破りであるというのは、なんといったらよいのやら(苦笑)

そして、新サイクル名の公開。
新アトラン・ヘフト37話(9/23発売予定)からはじまるサイクルは〈イントラヴェルト(INTRAWELT)〉になるそうだ。
〈中間世界〉、ないしは〈中有界〉と仮称しておく。詳細は、どちらにしろ秋にならねば明らかにならない。なにしろ、ダークスター・サイクルはまだ序盤戦なのだから。
――ではあるが、なんとなく、時間病塞の〈内科宇宙〉を思い出してしまうのだが。それともヴァルガン人のマイクロ宇宙のが近いのかな。新鋭ターナーには、ますます期待がかかるところだ。

■公式News: Neues von ATLAN (リンク切れ)

ゲスト作家:Gisbert Haefs

シリーズ2289話『神の鉄指』で、新たな作家がゲスト参加する。SF、ミステリ、歴史小説と、ドイツ語圏娯楽文学ジャンルにおける大家のひとりとのこと。

ギスベルト・ハーフス(Gisbert Haefs):

1950年、オーストリアは低ライン地方ヴァハテンドンク生まれ。ボン大学で英語・スペイン語を学び、ニュースの翻訳のかたわら、シャンソンの翻訳・紹介等もおこなっていたらしい。翻訳の仕事としては、シャーロック・ホームズ物の独訳も手がけている。
1980年、ミステリ『百万長者の丘の殺人』で作家デビュー。エドガー・ウォレス賞(『キングコング』の原作者である)を受賞したこの作品は、ハーフスの代表的キャラクター「悪徳探偵バルタザール・マッツバッハ」物の第一作でもある。
SFでは、1990年に「放浪衝動」でクルト・ラスヴィッツ賞(短篇部門)、1995年に「工作員のドリームタイム」でドイツSFクラブ(SFCD)のベスト・オブ・ザ・イヤーを獲得。長編としては〈監視員バラクーダ〉シリーズ(全4巻?)がある。
これだけでもげっぷが出そうだが、実は一番売れているのは歴史小説なのだそうな。1999年の『ハミルカルの庭』は歴史ミステリだが、その後の『ハンニバル』『ローマ~マルクス・アウレリウス最初の死』『アレクサンダー』『アジアのアレクサンダー』『トロヤ』はいずれも歴史物(戦記物?)で、ドイツではベストセラーらしい。

……と、長々と書いてみたが、いかんせん邦訳は出ていなかったり。
とにかく、かれの担当する2289話、舞台は大マゼラン雲、パーラコン星団の一惑星になるとのこと。個人的には、ちょっと関係ないところでホッとしている。
いや、《リチャード・バートン》の困った面々にも、まだ出番ありそうだなあ、って(笑)

■公式INFOS: Gisbert Haefs

パン=タウ=ラ続々報

11月から刊行スタートの『ペリー・ローダン:パン=タウ=ラ』。大判ペーパーバックで450ページ前後、各巻12ユーロ。でもって、実は隔月刊だったことが判明した。
また、公式サイトでは作家3名が公表されたばかりだが、ファン・ツェントラーレのニュースメール等ではタイトルも明記されている。以下のとおり:

  1. Frank Borsch / Die Lebenskrieger
    生命の戦士団
  2. Andreas Brandhorst / Die Trümmersphäre
    廃墟球圏
  3. Marc Hillefeld / Die Quantenfestung
    量子の要塞

3巻担当のマルク・ヒレフェルトはシリーズ初出。1968年生まれで、作家というより脚本家、実用書を多く手がけてきた人物で、代表作は文化人類学の研究を小説風にまとめた『時間の支配者(Der Herrscher der Zeit)』と、『ダ・ヴィンチ・コード』の関連書籍『こじあけられた暗号(Code wird geknackt)』。特に後者はドイツではベストセラー、らしい。

ちなみに脚本・ノヴェライズの翻訳等で名前がみつかったのが『チャームド:魔女3姉妹』。魔女版チャーリーズ・エンジェルというか、アメリカのTVシリーズなのだが、各話タイトルとか見ると、「……ギャグ?」な感じ満載。しかし、本国ではすでに第8シーズンが放送される人気作。日本でも昨年まで、天下のNHK、BS2で第1~4シーズンが毎週放送されていたという……いや、見てないよ?
さらにちなみに、同作のノヴェライズ翻訳(独訳)、かのトマス・ツィークラーも参加していたりする。うあ、ちょっとだけ読みたいかも……(笑)

■公式Logbuch: Die »Drei«, Teil zwei (リンク切れ)
■Charmed ~魔女3姉妹~ オフィシャルサイト (日本語) (リンク切れ)

ガルヒンコン2005 (5/27-29)

ドイツの著名なSFコンベンション、ガルヒンコンが、この5月27日~29日に開催される。

ガルヒンはミュンヘン近郊の小都市。マックス・プランク研究所もあるので、物理を心得ている方々には日本でも知られている、かもしれない。会場となるのは市民公会堂……でいいんだよな?(Bürgerhausだから)
当地ではほぼ隔年の割合でSF大会が開催されており(ドイツは地方分権というか、毎年各地でSFコンベンションが頻繁に催される)、ローダン関連のプログラム等で、ファンダムではしばしば話題にのぼる。

ガルヒンコンの公式サイトを見ると、今回の主なゲスト・オブ・オナーが掲載されているが、ローダン作家目白押しである。作家・元作家のみならず、イラストレーター、編集者、広報担当……ドイツSFにおけるローダンの占める比率の大きさがよくわかる。
プログラムを見ると、作家による講演、ワークショップ、パネルディスカッション。ローダンTRPGやローダン・トレカの部屋もある。さらに、昨年亡くなったツィークラー、ダールトンの追悼企画も予定されている。
ローダン以外にも、先頃「ローダン:レムリア」に参加したアンドレアス・ブランホルストを招いて、かれのカムバック作品「カンタキ・ユニヴァース」シリーズの企画があったり、「スターゲート」関連の企画等々……。とはいえ、やはりローダン関係がメインなのは明らかである。

笑ったのは、大ホールでの深夜企画が「バルコン人……じゃなくてビールコン人の帰還」と銘打たれていること。要するに、徹夜で宴会なのだが(笑)

カネとヒマがあれば、ぜひ一度逝ってみたいイベントである。いや、宴会じゃなくって。

■ガルヒンコン公式サイト: GarchingCon 2005

311巻『盗まれた脳』発売

ハヤカワ版5月の新刊『盗まれた脳』を本日、店頭にて捕獲した。著者は前半「時間改変」がエーヴェルス、後半「盗まれた脳」がクナイフェル。訳者は五十嵐洋氏。

PAD編最終話の前半は、惑星D=ムナーを舞台に、未来をポジティヴに変えるため、ローダンIIを射殺ではなく「くびり殺す」((c)マガン)ため、ローダンとアトランがシナリオを微妙に(?)変更しつつ、ドッペルゲンガーを狩りたてる。
一方の後半では、突如「ローダンは敵だっ!」とか言いだしたコル・ミモの扱いに苦慮した太陽系帝国首脳部の面々がガンクビそろえて無い知恵をしぼる……だけではない。タイトルのとおり、ついに〈脳オデッセイ〉のはじまりである。

それにしても、宇宙チェス・サイクルは、前話からの申し送りが実に機能していないストーリーが展開されまくりだが、今回も、けっこうキている。マルコル・デ・ラパルの素性とか、伏線ナシでいきなりだもんなあ。
あと、余談だが、これで当分のあいだローダン(の肉体)は本編に登場しないのだが。依光先生、表紙絵どうされるのだろうか……。

さらに余談:PGTは錬金術だったのか…… >等価交換

パンドラの箱再び

――というわけで。前回報じたポケットブック小シリーズ、続報である。

正式名称は「ペリー・ローダン:パン=タウ=ラ」。
出版形態は、これまでの3シリーズとは異なり、大判ペーパーバック(トレード・ペーパーバックというらしい)。新装版の刊行がはじまっている大群サイクルが同じ判型らしいが、ヘフト全話あるし、邦訳も出てるしで、購入していないので正確なところは不明だったり(汗)
また、これまでと一番異なるのは、全3巻であるということだ。大判かつ大増ページだそうなので、分量的にはあまり変わらないとのこと。ログブーフを執筆したフランク・ボルシュによると、作家3名中2名は「ローダン:レムリア」に参加した人で、3人目が誰かは次回のログブーフの目玉なのだとか。
内容自体については、前回に追加するような情報公開はないに等しいのだが、すでに公式サイトのBBS・銀河フォーラムでは、この小サイクルが本編のどのあたりに相当するのか、どんな話になるのか推測がとびかっている。

以下、余談:
《パン=タウ=ラ》とは、力強き者バルディオクが使用していた胞子船。胞子船は、「やわらかい金属」アレナントで造られた、直径1126kmと小型の月ほどもある巨大な球形艦で、コスモクラートの協力者が生命・知性を播種する過程で、搬生素――オン量子とノオン量子――の散布に用いる。
《パン=タウ=ラ》は200万年ほど昔に、時知らざる者の同盟を裏切ったバルディオクによって盗まれた。バルディオク自身は叛逆の試みが露見し肉体消却刑に処せられたが、胞子船の所在は長く秘密のままだった。西暦3586年、《パン=タウ=ラ》はコスモクラートのロボット・ライレによって、内部で無秩序に誕生した搬生素生命体の拡散を防ぐため、最終的に超空間へと封印された。
なお、パン=タウ=ラの名称は太古の地球にも伝わり、パンドラの箱の伝説の由来になったともいう。

■公式Logbuch: Die »Drei« (リンク切れ)