隣のビルへの道を訊かれて…

…答えられないというのはどうだろうか。困ったものである。

きょうの昼前頃、恰幅のよい中東系のかた2名が、おもむろにうちの会社にあらわれて、「Mビルはどこだろうか?」(Mは某商社の社名)と、英語でのたもうた。たまたま、うちの社があるビルもMビルなので、まちがえたのかもしれない。
件のMビルは、通りをはさんだ向こう側にそびえている。
「えーと、まっすぐいって、道渡って、そこにあるですよ、Mビル」
……といった類のことを、(カタコト英語で)言ってはみたものの、なぜか「道を渡る」部分で何回説明してもひっかかる。cross the road ぢゃ通じないのだろうか。
#帰宅してから辞書ひいてみたが、どうもダメそうである。across the street と言えばよかったのかな。

そこで唐突に、途中まで黙っていた少し年若い方の男性が、
「ここにもM社、ありますね?」(当然英語)
廊下はさんでお向かいには、件のM社の関連会社がある。
「あー、それ、どーたー・かんぱにーです」
「オー、ドーター・カンパニー。アイ・シー」
……なんで、こーゆーことだけ、即座に通じるのか(笑)

で、結局どーなったかというと、
「それで、遠いの? 近いの?」(まるで説明が通じていない)
「ねくすと・びるでぃんぐでっすー」
「オー、ネクスト・ビルディング。サンキュー」
お二方は、にこにこ笑いながら去っていた。ふりかえると、同僚たちがなんか目をそらしているような……(笑)
やはり、場数を踏むことは大切である。と、無理矢理まとめようとしてもせつない話。

外国人とコミュニケーションをとろうとするのは、某独検を除くと、実に10ン年ぶりくらいだったり。上野公園前の道路で、中国人らしいふたり連れに、
「銀座って、ここからどーやって行けばいい?」
と、(やはり英語で)質問されたのだが。
思い起こせば、あのときも、回答は英会話をやっていた連れにおまかせだったのだ。
ただし、彼女はヒアリングがぜんぜんダメで、わたしが聞きとり、連れが説明という変則タッグ(爆)
「だって、英会話教室の時は、相手の発音がきれいなんだもの~」
……やっぱり、場数を踏むのが肝要みたいな?(をひ

カトロンの異人 -1-

必ずしも、正しい翻訳でなければ読めない、というものでもないのだが。それにしたって限度があるだろう。
翻訳のせいか編集のせいかは、もう問うつもりもないが……商品としてどうかね。

ハヤカワ版:
 寝ざめがひどく悪かった。イリュージョンをうつしだす、大きなパネルに近づく。背景には公園の植物が見え、上空では雲がたなびき……しずかな朝だ。しかし、このままおだやかにすぎるはずがない。

原文:
 Er wachte schon mit einer äußerst schlechtenn Laune auf. Langsam geng er zu der riesigen Scheibe, die eine Illusion des Nichtvorhandenseins vorspiegelte. Hinter der großen Platte sah er die Gewächse des Parks, darüber denn Himmel, an dem sich die Wolken bewegten. Ein stiller Morgen brach an, aber der Tag würde keineswegs still bleiben.

試訳:
 寝ざめは最悪だった。ゆっくりと大窓に近づく。日々これ変わらぬ幻想のような風景が目に映る。ガラスのむこうには草木の繁茂する公園があり、空では雲がたなびいている。おだやかな朝だ。だが、このままですむはずがあるまい。
#何の説明もなく「イリュージョン」とやれば、公園の情景が虚像のように思えてしまう。

Scheibe には窓ガラスの意味があるので、普通に外の風景。ただし、人口過密なレイトではそれ自体が幻想めいている。

ハヤカワ版:
かつて、身長百八十センチメートルのからだは、全身がやわらかいグリーンの苔でおおわれていたもの。いまもプライドは失っていない。

原文:
Einstmals hatte sein Körper, bedeckt mit dem waichen, moosgrünen Haarwuchs, eine Höhe von hundertachtzig Zentimetern gehabt. Damals stand er gerade da und war ein Mann voller Stolz.

試訳:
かつてはモスグリーンの体毛に覆われていた身長百八十センチメートルの肉体。まだ背筋もしゃんと伸び、誇りに満ちあふれていた。
#それがいまでは、既述のとおり背が曲がって……というか、苔! デュイント人は若い頃、苔と共生しているとかいう設定を読み落としたかと思った。マジ勘弁。

ハヤカワ版:
パネルごしに見る公園は、おのれの権力を証明するものだ……そして、年齢を。

原文:
Er blickte durch die Scheibe, die so klar wie gute Luft war. Auch dieser Park war ein Zeichen seiner Macht – und seines Alters.

試訳:
晴朗な空のように透明なガラスごしに目をやる。この公園もまたおのが権力を証明するもの――そして、老齢を。
#ここで再度「窓」であることがわかる。

昔、50話「アトラン」とか100話「超種族アコン」とかを原書と照合したことがあるが、あれは実に勉強になったと思う。最近のは、正直苦行。誰かが言わなくちゃわからないとか、そういうレベルの問題でもないと思うが……。

そら読者減るって。むやみに難解だもの。

319巻『カトロンの異人』

ハヤカワ版319巻『カトロンの異人』を読破中。著者は前半「カトロンの異人」がクナイフェル、後半「対抗策」がヴルチェク。訳者は渡辺広佐氏。

レイチャ継承をめぐる事件の最終段階、武力行使も辞さないマイチェタン率いる過激派の暴挙に、ローダンがナウパウムに隣接する(といっても1億光年以上離れている)カトロン銀河の元首を演じ、大衆をあっと言わせる前半。ある意味、ローダンのが外道な気もしないでもない……。

一方の後半は故郷銀河系が舞台。やることなすことうまくいかないアンドロ・ローダン。ナウパウムにいるオリジナル脳からのアクセス等もあって、ぶちきれる寸前。〈反それ〉のテコ入れ計画は、はたしてうまくいくのか……。

今月は正直、読むのが辛い。最初の段落からまちがってちゃ、しようがない話。「イリュージョンをうつしだすパネル」って、「何ごとも起こっていないかのような幻想(的な情景)が見えるガラス窓」じゃないか。単にイリュージョンとやって、その公園から手をふっている男とマイチェタンが会話するという、ファンタジーめいた展開をおかしいと思わないのだろうか。何の描写もないけどパネルには別のイリュージョンが投影されているんだよ、とでも言うのか。「晴れた空のように透明な窓を通して」のぞくという文章が「パネルごしに見る」になっているから、ある意味、確信犯である。誤訳云々以前に、ちゃんと原文読んでもらいたい。

ローダン・シリーズ45周年

今年は戌年……とは関係なく、PRSがスタートしてから45年になる(9月)。公式サイトLogbuchによると、いろいろと計画が進んでいるようす。

まず、3月のライプツィヒ書籍見本市に於いて、PRSのファクトブック”AllMächtiger! – Faszination PERRY RHODAN”が刊行される。著者は元VPMのマーケティング担当だったエックハルト・シュヴェットマン。出版社はHannibal社。3000点を超える図版・写真を用いて、シリーズとその作り手たちを多面的にとらえる。大判ハードカヴァーで384p、予価49.90ユーロ。
確かこの本、昨年の11月あたりに発売予定だったはず。どおりでAmazonからいつまで経っても届かないわけである(笑)

6月には、すでに一部で既報だが、ペーパーバック版『ペリー・ローダン:レムリア』がアメリカで刊行開始。VPMと関係の深いファンプロ社の姉妹会社から出版される。シャドウラン・シリーズとか、ラスヴィッツ賞がらみでd-infoで紹介したことがあるようなないような……。そういう会社である。

8月から発売予定なのが、新しいCDドラマ(Lübbe Audio社)。全6枚のようだが、あるいは相互に独立した作品になるのかもしれない。現在わかっているのは、扱われる題材がシリーズ2200話台のスターオーシャン・サイクルであるということと、ライターがフランク・ベーメルトなこと。
6枚じゃサイクルまるごとはとうてい無理なので、ひょっとしたら複数枚のCDドラマが6本、なのかもしれない。詳報を期待しよう……っても、聞き取れないのだが。ドラマCD。

10月には、新しいコンピューター・ゲームの発売も予定されている(開発:Braingame社)。原案:ロベルト・フェルトホフ、グラフィック監修;ディルク・シュルツらしい。携帯ゲームが話題を呼んだのも、気がつけばもう一昨年の話である。無限架橋を題材にしたインタラクティヴ・ソフトは言うにおよばず。今回はオーソドックスなアドヴェンチャー・ゲームのようだが、どんな感じになるのだろうか。詳報のプレゼンは、8月にライプツィヒで開催されるゲーム・コンヴェンションで行われるそうだ。
……日本語版Windowsで動くといいなあ。

その他、ATLANヘフトの次のサイクルが〈フレイムダスト(Flammenstaub)〉に決まったとか(3月スタート)、パン=タウ=ラの次のペーパーバック・シリーズも決定しているなど、予定はてんこもりである。
期待と不安がこもごも入りまじった感じだが、今年もローダンを追いかけていくタネだけは困らないようだ。

■公式Logbuch: 2006 wird ein Aktionsjahr zum Geburtstag (リンク切れ)
■公式News: Gigantisches Sachbuch zu PERRY RHODAN (リンク切れ)
■Hannibal社: AllMächtiger! – Faszination PERRY RHODAN (リンク切れ)