2700話はゲスト作家が執筆

3月18日付け公式サイトのニュースによると、5月17日からスタートする新サイクル〈アトピア法廷〉、その開幕である2700話『テクノ・ムーン』は、ゲスト作家アンドレアス・エシュバッハが担当するとのこと。

2700. Andreas Eschbach / Der Techno-Mond / テクノ・ムーン

以下は余談的話になるが、実は公式BBSである銀河フォーラムのネタバレ板において、昨年12月中旬に、

「2700話はエシュバッハが書くって噂だけどなにか問題ある?」 (超意訳)

というスレッドが立っており、

「いや、それ、実現するには素敵すぎるから!」
「2699話でシリーズ終了という噂なら聞いたけど?」
「ジョージ・R・R・マーティン執筆じゃないの? >2700話」
「↑ 発売が2023年になってしまうでふ……」

みたいな感じに盛り上がっていた。
わたしも年明けにマガンにそんな話をして、

「やー、でも正直、草案変わったばっかでゲスト丸投げはないよねー」
「むしろ、2700話はモンティロン/ファンデマーン共著とかでしょー」
「「はっはっは」」

みたいな? 完全にネタスレ扱いをしていたわけで。
実際問題、当時のスレッドでも、他にそんな噂を聞いたという書き込みが皆無だったので、昨今では、スレ主の情報(噂)の出元はどこだったんだろーねえ……的な論調でスレが伸びていたりする。
#ぶっちゃけ、ユーザー登録して間がない書き込みなので、観測気球だったりするのかもねー。

個人的には、エシュバッハは好きな作家でもあるし、需要にこたえる書き方のできるヒトだと思うので、作品の質的な心配は、特にしていない。
でもさー、サイクルの第1話からゲストって、あまりに商業ベース的なあれこれが透けて見えすぎて、今後が心配になっちゃうなー?

■公式News:Andreas Eschbach verfasste PERRY RHODAN-Jubiläumsband

ローダンの奇妙な法廷

公式サイトによると、モンティロン/ファンデマーンの新草案チームによる、2700話からの新サイクルの名称が決定したとのこと。

2700話から2799話までの100話サイクルで、名称は《アトピア法廷(das Atopische Tribunal)》。

これ……原語は要するに「アトピー的法廷」で、atopisch は先天的過敏症とかアトピー性皮膚炎を指すアトピーとまるっきり同じ根っこである。むしろ検索してもその意味しか出てこないw
だからといって、これを「アトピー裁判」とか訳すと、カッコつけもへったくれもなくなってしまう。しょうがないので、いろいろと……というか、ぐるぐる考えてみた結果が、上記の仮訳になる。
以下は、そのぐるぐるの内容で、いってみれば、すべて余談である(笑)

以前、無限架橋ではアフィリー(Aphilie)を「アフィリア」と訳していたが、あれは「病名だから」。もっとも、件のアトピー(Atopie)とかは、たぶん英語のatopyをそのまま読んでいるんじゃないかと思われる。××恐怖症、とかも××フォビアだったりフォビーだったりするわけで。だから、アフィリーで問題なかったのだった。

一方、PrivateCosmos でカリブソの人形惑星をデログヴァニアと訳していたのは、-en とつくドイツ語の国名(「はてしない物語のファンタージェンとか)が英語の-a と対応しているから。ファンタジア、なわけで。
とはいえ、一個の固有名詞として考えれば、Derogwanien をそのまま音読みすることに、やはりなんの問題もない。

ひるがえって、上記アトピーは病名なわけだが、そのまま読んでいいのか。いや、絶対誤解されるだろ?
#誤解でない可能性も、なきにしもあらず。

そこで、語源であるギリシア語の atopos (奇妙な、異常)、さらにその派生元 atopia まで遡って考えると、a-(否定の前置詞)+topia (場所) で、「とらえどころがない、場所がさだまらない」となり、ユートピア(Utopia)とかと同系列の単語ではないか……という推論が成り立つ。
「非在法廷」なんて強引な訳も可能なわけだが、とりあえず、地名とかの固有名詞の形容詞形である可能性を(若干)考慮してカタカナに、というわけだ。なんだこの言い訳感あふれる文章は。
正直、最近の両作家のヘフト執筆作品を見ていると、不安しか感じられないのだが。さて、どうなるやら。

■公式サイト:PERRY RHODAN-Zyklustitel steht fest

3/19追記
atopisch の(ぐるぐるの)件についても、マガンからコメントを頂戴した。

ちなみに、topic ですが
アリストテレスの著作に topika てのがありまして
「平凡なコト」みたいな意。

それに否定の接頭辞 a- がついて……というもの。なるほど納得。
そんな感じで、現状、でぃんふぉとごやてんでは仮訳が異なっているが、元々仮訳とはそーゆーもの。実態がはっきりするまではダブルスタンダード二正面作戦で(違

いのちのたね

Biophore / 搬生素、バイオフォア

ふぉあーーー(前、あぶないよーーー)、と叫びたくなったのはわたしだけ? わたしだけか、うんw
ちなみにこっちのフォアは fore。フォアサイトとか、前・先をあらわすけどまさに余談。

コスモクラートの協力者が、生命・知性の播種に用いるオン量子・ノーオン量子のことを総じてバイオフォアという……のだが。ちょっと乱暴じゃないかねその“訳語”。
-phor/phore は、ギリシャ語の phoreinpherein (追記参照) からきており、「運ぶもの、宿すもの」である。
したがって、Biophore とは、「生命のキャリア」なわけで……ファンダムの先達がつくった「搬生素」は、そのものズバリな名訳だと思うのだ。あえて意味わからんカタカナ語にする必要はなかろう。

前に胞子船 Sporenschiff を「播種船」にしちゃうと、わりと汎用SF用語なので、PRS独特のギミックとしての意味が伝わらない旨書いたことがあるが、あえて「搬素船」とかしてもよかったんじゃないかと。
まあ、Sporen (胞子) の語源は、ギリシャ語・ラテン語の Spora ……そのものずばりの「種子」なんだけどね。

長年考えた、とかのたまうわりに、関連する用語を並べたときに、ぜんぜん関連して見えないのは困ったものである。

3/19追記
-phoreの語源の話について、後日マガンから指摘を頂戴した。

phora 名詞
phero 動詞・現在直説法能動相
pherein 動詞・現在不定法能動相

ネタ元にしているペリペの文脈からして、動詞を想定していると思われるので、pherein の誤植であろう、とのこと。
わぁい、やっぱり哲学専攻で希臘語を学んだお人はひと味ちがうぜー。
ありがとうございましたぁっm(__)m