エルマー、LKS担当を降板

すでに公式サイトでは2月の時点で告知済みであるが、ローダン作家のアルント・エルマー(Arndt Ellmer)が、“読者とのコンタクト・ページ(LKS)”の担当、通称〈LKSおじさん(LKS-Onkel)〉を降板するとのこと。時期はいまのとこ未定。

エルマーは本名Wolfgang Kehl。1954年2月26日生まれであるから、今年ちょうど還暦を迎えたばかり。
1989年に当時の草案作家ヴルチェクから読者ページを引き継いで、かれこれ四半世紀。ここ数年、そろそろ若手にバトンタッチを……と考えつつ、私事に取り紛れて伸ばし伸ばしになっていたそうな。
詳細については、2749話(今週末発売である^^;)のLKSにて発表、とのこと。

しかし、エルマーがなあ……と、つい時の流れに想いを馳せてしまう。
エルマーがレギュラー作家として参戦したのは1983年、1155話『目ざめさせる者(Der Erwecker)』から。その名前を、まだ原書読みではなかったわたしがはじめて目にしたのは、ローダン研究会MDI(当時)刊行の『ペリー・ローダン・ノート 1984年版』……タイトル・リストの最終ページだった。まだ海のものとも山のものともつかない新人さんとして、である。
その後、かれは実に30年以上、つねに1割以上の巻を担当し続け、今日にいたる。一時は“穴埋め作家”なんて言われたりもしたが、これはこれで、大変なことである。同時期に加入したツィークラーも鬼籍に入り、ちょい後に参加したフェルトホフも夭折し、先輩作家もひとり欠け、ふたり欠け……気づけばエルマーは作家チーム最古参となっていた。
(次にチーム歴の長いのが、1752話からのヘーンゼルである)

かく言うわたしも、『タルカンが呼ぶ!』あたりのあらすじをまとめながら、「エルマーの巻だと話が進まないんですよね~」とか、マガンにボヤいていた記憶がある(すまん)
そんなエルマーをちょっと見直したのが、ストーカー(ソト・タル・ケル)最後のエピソード前後編。「永遠の生命!(Unsterblichkeit!)」の叫びとともに、惑星エトゥスタルの植物相に呑み込まれて消えた最後のソト、かれの700年にわたる苦闘の歴史は圧巻だった。

他にもエルマーは、ヴルチェクが草案作家だった時代の、いわゆる〈草案ファクトリー〉の一員としてサポート体制を担ったとか、シリーズにおいて果たした役割は大きい。
去年あたり、ついに担当話が2話と、1割を切ったのは、上述の私事のためか、はたまた年齢からくる衰えか。でも、もうちょっと頑張ってねエルマー先生。まだまだ、若手ばっかの草案チームとか心配なんじゃよ……。

■公式News:Arndt Ellmer gibt die Leserkontaktseite ab (2/21)
■公式Logbuch:60 Jahre Arndt Ellmer – Der Mann aus dem Hotzenwald

2019/06/19追記:
結局エルマーは、2014年2月発売の2740話を最後に、現在まで新作の執筆はない。作家会議には出てるみたいなんだけどな……。
2750話からの後任はMichelle Stern。LKSおばちゃん(Tante)とは言いづらいwww

ファンタスティーク大賞2014本選はじまる

4月19日付けPhanstik-Newsにて、ドイツ・ファンタスティーク大賞2014の本選ノミネート作品が発表された。今年の本選期間は5月18日まで。授賞式はフランクフルト書籍見本市開催中のブーフメッセコンにて、10月11日の予定。
主な部門のノミネート作品は、以下のとおり:

長編部門 Bester deutschsprachiger Roman:

Ann-Kathrin Karschnick / Phoenix – Tochter der Asche
    / 灰の娘フェニックス (Papierverzierer)
Bernd Perplies / Das geraubte Paradies / 奪楽園 (Egmont-LYX)
Oliver Plaschka / Das Licht hinter den Wolken / 雲上光 (Klett-Cotta)
Thilo Corzilius / Dorn / 棘 (Piper)
Tian Di / Reisende 3 – Diktatur / 独裁 (旅路ゆく者たち3) (Xin)

短編部門 Beste deutschsprachige Kurzgeschichte

Barbara Wegener / New Eden / ニュー・エデン (収録:Schockstarre #9)
Heike Schrapper / Gotteskrieger / 神の戦士 (収録:Krieger)
Jacqueline Montemurri / Reise in den Kosmos / 宇宙への旅 (収録:Fremde Welt)
Markus Heitkamp / Soldat und Krieger / 兵士と戦士 (収録:Krieger)
Miriam Schäfer / Claire / クレア (収録:Weltentor 2013 Mystery)

海外作品部門 Bester internationaler Roman

Ben Aaronovitch / Ein Wispern unter Baker Street / Whispers Under Ground
    / 地下の囁き (dtv)
Brent Weeks / Die blendende Klinge / The Blinding Knife
    / 晦ましの刃 (光もたらすもの2) (Blanvalet)
George R. R. Martin / Der Heckenritter von Westeros – Das Urteil der Sieben /
    The Hedge Knight / 放浪の騎士 (ダンクとエッグの物語1) (Penhaligon)
Jo Walton / In einer anderen Welt / Among Others / 図書室の魔法 (Golkonda)
Peter V. Brett / Die Flammen der Dämmerung / The Daylight War
    / 護られし者3 攻勢 (Heyne)
Stephen King / Doctor Sleep / Doctor Sleep / ドクター・スリープ (Heyne)
Tad Williams / Die dunklen Gassen des Himmels / The Dirty Streets of Heaven
    / 天国の裏通り (ボビー・ダラー1) (Klett-Cotta)
Terry Pratchett / Dunkle Halunken / Dodger / ドジャー (ivi)
4/24修正 Among Others の翻訳は4/30に創元から出版予定でした。

新人部門 Bestes deutschsprachiges Romandebüt

Alessandra Reß / Vor meiner Ewigkeit / わが永遠の前に (Art Skript Phantastik)
Gaby Wohlrab / Eldorin – Das verborgene Land / 秘密の国エルドリン (Vier Raben)
Sabrina Železný / Kondorkinder – Die Suche nach den verlorenen Geschichten
    / コンドルの子ら――失われた物語たちを探して (Mondwolf)
Selma J. Spieweg / Rattenauge … etwas Besseres als den Tod …
    / 鼠の目……死よりはマシな何か…… (Qindie)
Simon André Kledtke / Sarania – Das Vermächtnis der Magier
    / サラニア――魔術師たちの遺産 (UBV)

今回はあんまりネタがない。Die Reisende はちょっとおもしろそうだが、なんせ第3巻だし、最初から読むのはちょっと手間だ。

短編部門の Markus Heitkamp 、作家名を見たとき、てっきりMarkus Heitzのタイプミスかと思ったらちゃんと別人だった(笑)

Tad Williams は、名前くらいはわたしでも知っている作家さんだが、これまで読んだことがない。しかし、この作品から始まる三部作、続きが『地獄のハッピー・タイム』『最後の審判に寝坊した!』(どちらも仮題)なんである。読んでみてぇ(爆)

Terry Pratchett は、ちょっと大きな洋書売場にいくと大抵置いてある作家なのだが、これまた読んだことがない。この作品は、『オリヴァー・ツイスト』に登場する“逃げの名人”ドジャーへのオマージュ的なものみたい。

■DPP公式:Deutscher Phantastik Preis

2019/06/19追記:
タッド・ウィリアムスの〈ボビー・ダラー・ブックス〉は2014年に4巻が出てたw
『世の豚 忘るな(God Rest Ye Merry, Gentlepig)』だって……。

【亀】ファンタスティーク大賞2013受賞作一覧

昨年すっぽかした分を、一応掲載しておこう。
2012年にドイツ国内で初版が刊行された作品が対象。

長編部門 Bester deutschsprachiger Roman

1. Judith & Christian Vogt / Die zerbrochene Puppe / 砕かれた人形
2. Aileen P. Roberts / Der Feenturm / 妖精の塔
3. Andreas Suchanek / Heliosphere 2265 – Das dunkle Fragment/Zwischen den Welten
    / ヘリオスフィア2265――闇の欠片/世界のはざま
4. Jens Schumacher / Frozen – Tod im Eis / フローズン――氷中の死神
5. Jennifer Benkau / Dark Canopy / ダーク・キャノピー

短編部門 Beste deutschsprachige Kurzgeschichte

1. Bernd Perplies / Der Automat / 自動機械
2 . Stefanie Altmeyer /Das Fest der Waldschrate / 森妖祭
3. Miriam Schäfer / Die Yuki’hiyaku und das Licht / 雪百族と光
4. Barbara Wegener: The Time After / ザ・タイム・アフター
5. Frank Lauenroth: K’tarr! / ク・タル!
6. Ollivia Moore / Elwetritsche im Speckhemdchen / エルヴェトリッシュのベーコン巻

海外作品部門 Bester internationaler Roman

1. George R. R. Martin
    / Das Lied von Eis und Feuer 9/10: Der Sohn des Greifen/Ein Tanz mit Drachen
    / A Dance with Dragons / 竜との舞踊 (氷と炎の歌5)

2. Patrick Rothfuss / Die Furcht des Weisen / The Wise Man’s Fear
    / 賢者の危惧 (キングキラー・クロニクル2)
3. Jasper Fforde / Wo ist Thursday Next? / One of our Thursdays is Missing
    / サーズディ・ネクスト失踪せり (文学探偵サーズディ・ネクスト)
4. John Scalzi / Redshirts / Redshirts / レッド・スーツ
5. David Brin / Existenz / Existence / イグジスタンス
5. Ian McDonald / Cyberabad / Cyberabad Days / サイバラバードの日々

新人部門 Bestes deutschsprachiges Romandebüt

1. T. S. Orgel / Orks vs. Zwerge / オーク対ドワーフ
2. Sabrina Qunaj / Elfenmagie / エルフの魔法
3. Horus W. Odenthal / Ninragon 1 – Die standhafte Feste / ニンラゴン1――不動の城塞
4. Pia Biundo / Alle Zeit der Welt / 世界のすべての時間
5. Greta Zicari / Dämonenschicksal / 悪魔の摂理

■DPP公式:Deutscher Phantastik Preis