新作家:オリヴァー・フレーリッヒ

7月15日付けの公式サイト発表によると、2768話「不幸の惑星(Der Unglücksplanet)」より、オリヴァー・フレーリッヒ(Oliver Fröhlich)がレギュラーとしてローダン作家チームに加わるとのこと。

オリヴァー・フレーリッヒは1967年、バイエルン州オーバーフランケン県の独立市ホーフ生まれ。現在も当地で暮らしている。本職は公務員(税務署職員か、はたまた財務官僚か)のようだ。
基礎学校(おおむね、日本の小学校低~中学年に相当)時代の教師から、「夢見がちで、冒険小説への傾倒が見受けられる」と評価されたそうで、長じてSF/ファンタジー作家となったのも驚くにはあたらない……とは、ローダン公式サイトの作家紹介の弁。
幼年期に夢中になったのは、『スリー・インヴェスティゲイターズ』(アメリカのジュブナイル推理小説シリーズ)や『ジョン・シンクレア』シリーズのようなホラー、そしてスタートレックを主とするSFであったらしい。ローダン読者になったのは、わりと後年になってからみたい(笑)
仕事の傍ら、短編を書いたり、詩をものしたりしていたようだが、そのへんは未公開。

作家業のスタートは、Zauberspiegel社のオンライン・ホラー『Der Hüter』から。全14話中4話(うち1話は共著)を担当している。
2008年にBastei社のホラー・シリーズ『Professor Zamorra』への参加を持ちかけられ、2010からは同社のSFシリーズ『Maddrax』、Zaubermond社の『Dorian Hunter』シリーズ(新生Dämonenkiller)の作家チームにもそれぞれ参加している。

ローダン関連への執筆は、FanPro版アトランの『星の欠片編1 溶岩流ダイヴァー』が初(2010年末)。
2012年にフランク・ボルシュからの誘いでローダンNEOに参加、現在までに3編を担当している。
そしてローダン・ヘフト本編では、2730話『ヴィーナス・チーム』でゲスト参戦、アトピック法廷の実質的支配下に置かれた銀河系での、テラ陸戦部隊特殊チームの活躍を描いた。

……今回の報をうけて確認してみたら、意外と書いてたんだな、ローダン(^^;
個人的には、ザモラのチーム作家というイメージが強い。ホラー畑というか、ファンタスティーク系というか。上記アトランやらNEOやら読んでないので、SF方面でどれだけできるヒトなのかも、まだ予想がつかない。
現状、フレーリッヒがローダンに新風を呼び込むことを期待するばかりである。

■公式News:Oliver Fröhlich steigt ins PERRY RHODAN-Autorenteam ein
■公式作家紹介:Oliver Fröhlich
■Perrypedia:Oliver Fröhlich
■Maddraxion:Oliver Fröhlich

惑星小説ポケットヘフト拾遺

意外と食いつき評判のよかったPRポケットヘフトのタイトルリスト。
うちにも全部あるわけではないし、あっても読んでないものの方が多いわけだが、ペリペのあらすじ等たぐって、いくつかネタ的にピックアップしてみよう。

4巻『《バジス》をこの手に』は、1799/1800話の空白期間が舞台。
ヴォイド遠征、アプルーゼ侵攻、そして火星のアレズム転送を経て、すっかり冷え切ったローダンら活性装置携行者と自由テラナー連盟の関係を象徴するように、第一テラナー、ブッディシオ・グリゴールは老朽化した《バジス》の売却を検討。
アダムスらはなんとか事態の打開をはかるも、議会の承認を経て、歴史的巨船はドナドナされることに。そしてスプリンガーやらブルー族等、意外と引く手あまた(笑)
一方で、巨船に愛着をもつバジス退役兵の一団が、売却を阻止せんと動きだし……。
最終的に、《バジス》がギャラクティック・ガーディアンのトンネル会社に買収され、巨大カジノに改装されたのは皆様ご存じのとおり……かな? あれもう20年くらい昔の話だしね!!

5巻『氷結の未来』は999/1000話の空白期間が舞台……つーか、新銀河暦403年とゆーから、1007話のちょっと前の時点である。新型ミニATGのテスト中に消息を絶った《TS-T8》。その乗員の数奇な運命が物語られる……のだが。
彼らの巻き込まれたドンパチとゆーのが、なんと、超知性体セト=アポフィスvs冷気のエレメントであるwww

10巻『幽霊船《クレストIV》』は、ファンダムでも何度か取り上げられたことのある、《クレストIV》サルベージ作戦。
西暦3437年、50年前に受信されて以来、《クレストIV》の探知シグナルがとだえた。遅延航行の関係で、本来2秒ごとに発進されるシグナルが、外界では50年間隔になるとやらで、“通信途絶”したことが確認されるまで50年以上かかったというわけだ。
かくして、ローダンの特命をうけ、新型ディメセクスタ駆動(ダッカルドライブだ)を搭載したソラー級巡洋戦艦《ハンプトンT》がM-87へ向けて発進する……のはいいんだけど。3437年って、カレンダーを確認すると、《マルコ・ポーロ》がグルエルフィンに向かった直後じゃないか、この作戦(笑)

11巻『デログヴァニアを覆う死』は、新銀河暦1年が舞台。原題が『~への帰還』とあるとおり、主役はかつてこの惑星を訪れたアラスカ・シェーデレーアである。
個人的には、「ケモアウク! ケモアウク!」のあの話で、ガネルクの運命はきれいに閉じたと思うんだけど……短編「アイテランへの帰還」でアポりんが悲惨な目に遭うように、思い出したようにローダンたちがかつての犯行現場に立ちもどると、ろくなことにならない気がする。
悪しき発展を遂げた人形文明。物質の沼オウレルの介入。そして隻眼のライレまで登場して、最後はガネルクの超自我を物質の泉の彼岸へと連れていく……らしい。それは、果たして大団円といっていいのだろーか。

13巻『テラ・イン・トランス』は新銀河暦6世紀末のテラが舞台。
クロノパルス・ウォールに閉ざされた銀河系の中、さらにデフトラ・フィールドに包まれ禁断ゾーンと化したソル星系。すでにテラは荒廃し、シミュセンス・ネットワークが稼働している。これは、クリル=クラン神に挑んだひとりの男の、敗北の物語――。
と、書いたはいいけど、1500話翻訳に添付するつもりだった1491/92話の要約「テラは夢を見ている」は、現在絶賛非公開中だった……(汗)
と、とりあえず、テラニアの廃墟で、ドリームヘルパー/ドリームハンターの両派閥が生まれた背景、マルチタスキング技術の流布等、上記2話の著者であるフェルトホフ自身による落ち穂拾いの巻。
「テラは夢を見ている」 2019年4月にごやてん収録

15巻『不死を鍛つ者』は、紀元前24000年頃のアンドロメダを舞台に、島の王の台頭にいたる過程を物語ったストーリー。
だが、1574話の過去編とはかなり齟齬が生じるため、正史といえるかは相当微妙ではある。
なおこの巻は、ファンジンF-Aktorで一部翻訳が発表されている……けど、入手は困難か?

16巻『《ソル》の長い道』は、ATLAN674話「権力の終焉」とローダン・ヘフト1048話「アトランの帰還」の間に位置するストーリー。
ついに座標を入手したヴァルンハゲル=ギュンスト宙域をめざす《ソル》。しかし、艦載脳セネカの警告のとおり、艦のポジションは予定より数百万光年もずれていた。原因を探るうち、正体不明の攻撃により、次々と倒れていく仲間たち……。アトランは謎を解き、ミッションを完遂することができるのか!?
……という感じで、1048話の時点でアトランの周囲にいない人材が次々と抹殺されていくおそろしい話である(笑)

18巻『タリガを見ずして死すべからず』は、新銀河暦1203年の事件。
アコン人からテラ企業へと売却され、改造された惑星タリガは、一大歓楽世界として大々的なキャンペーンとともにオープンした。しかし、本来植民に適さない惑星を改造する際に――半ば故意に――見逃されたファクターのため、パラダイスは地獄へと一変する……!
えーと、このタイトル、「日光を見ずして結構と言うなかれ」みたいな素敵な案を思いついたかたは、是非ご一報を(笑)

23巻『死にさだめられた者たちの遠征隊』の舞台は西暦2400年の銀河系。
両親と死に分かれ、家系の過去も知らない法学生キャミー・ニッセン。とある法律事務所に呼び出され、訪れた先で彼女を待っていたのは、同じような立場のふたり…デリングハウスとフレイト。さらに現われたペリー・ローダンは、3人に、2326年、細胞シャワーを浴び不死となりながら、細胞活性装置を得られなかったものたちの運命を物語る……。
そして、死に定められた者たちが最期の地と選んだ惑星で、その子孫たちを待つものはいったい何か?
……つーわけで、これはちょっと読んでみたいなぁ(笑) >マガン

26巻『ダタバールのシレーネ』は、新銀河暦435年が舞台とゆーことで、1299/1300話の空白期間を扱ったもの。
エスタルトゥ十二銀河の奇蹟中、本編で登場しなかった〈タタバール銀河のカリュブディスのシレーネ〉を題材としたもの。主人公はフェルマー・ロイドで、永遠の戦士クロフォールとの対決まである。
あと、余談だが、1300話で登場したローダン家の隣人、非ヒューマノイドの網を歩む者オビーフも活躍……活躍、していた、はず(うろおぼえ)。

……。
惑星小説は玉石混淆というか、おもしろいものは本当に絶賛できる。マガンあたりはそろそろ耳タコかもしれないけど、ヴルチェクの『暗黒の諸世紀』(318巻)とか、確かにカンターロ・サイクル関連の予備知識前提ではあるけど、いつかちゃんと紹介したい。
落ち穂拾いとかわたしも書くけど、その一方で、エーヴェルスの一連の作品とか、ローダン宇宙を拡大したものも確実に存在する。
コレクター世代がそろそろリタイアとか、電子出版の一般化とか、売れなくなった理由はいろいろあろう。しかし、惑星小説はこれまでも様々な形で再版されている(Weltbild社からの合本形式とか、今回初めて知った)し、いつかまた、ちがう形でわれわれの前に姿を見せることもあるだろう。そして、“新作”と出会える日もやってくることを祈りたい。

惑星小説ポケットヘフト、打ち切りに

ローダン公式サイトでの発表によると、2009年から続いていた惑星小説ポケットヘフト版(NEOと同判型)が、2014年5月刊行の30巻『宇宙からのSOS』をもって打ち切られるとのこと。わりと急な決定だったのか、公式サイト内でもまだ31巻が“準備中”のままになっている。

同ポケットヘフト版は、近年のドイツ語新表記に対応したり、ローダン作家ヘーンゼルによって一部内容に手が入っていたりする、いわば「新装版」である。VPM版、Burgschmiedt版合わせて415巻ある惑星小説から任意の巻をピックアップしつつ刊行されていたわけだが、ぶっちゃけ、想定外に売れなくなった、らしい。
時代が時代だけに昔の本を再販しているだけでは苦しかろう……という以外に、個人的には、取りあげた巻の問題もあったのではないかと思う。後掲するタイトルリストを見てもらえばわかるが、400超あるうちの、後半……というか末期のものがほとんどなのだ。小シリーズになっているものの一部は、傘下の他社から合本出てたりするし、どうしても落穂拾いな感じがつきまとう。
あとは、うがった見方をすれば、「いま生きて書いてる作家の作品」でないと、印税が身内に入らないじゃなーい、なんてこともあるかもしれない。
上記のとおり、そもそもほぼ過去作の焼き直しなわけだが。一応、覚書的意味でまとめておく。

タイトルリスト
巻数表記は「ポケットヘフト/旧惑星小説」。タイトルが変更されている場合、旧題も併記した

 1/350. Hubert Haensel / Agent für Terra
    テラの工作員
 2/364. Robert Feldhoff / Die Show der Sterne (Die größte Show im Universum)
    星々のショー (旧題:宇宙最大のショー)
 3/349. Peter Terrid / Die Gottes-Maschine
    神の機械
 4/410. Arndt Ellmer / Griff nach der BASIS (Raumschiff zu verkaufen)
    《バジス》をこの手に (旧題:宇宙船売ります)
 5/385. Uwe Anton / Eisige Zukunft
    氷結の未来
 6/303. Robert Feldhoff / Im Zentrum der Nacht
    夜の中心で
 7/357. Susan Schwartz / Chandris Welt
    チャンドリの世界
 8/363. Hubert Haensel / Safari ins Ungewisse (Der Weltraum-Zoo)
    未知へとつづくサファリ (旧題:宇宙動物園)
 9/339. Peter Terrid / Die andere Seite des Todes
    死の向こう側
10/191. Kurt Mahr / Geisterschiff CREST IV
    幽霊船《クレストIV》
11/405. Achim Mehnert / Tod über Derogwanien (Rückkehr nach Derogwanien)
    デログヴァニアを覆う死 (旧題:デログヴァニアへの帰還)
12/392. Uwe Anton / Tödliches Psychospiel (Psychospiel)
    死の心理ゲーム (旧題:心理ゲーム)
13/368. Robert Feldhoff / Terra in Trance
    テラ・イン・トランス
14/—. Michael Marcus Thurner / Der Killer von Terra (Mit den Augen des Mörders)
    テラのキラー  (ファン・エディション『殺し屋の目を通し』の改版)
15/288. Peter Terrid / Schmied der Unsterblichkeit
    不死を鍛つ者
16/294. Peter Griese / Der lange Weg der SOL
    《ソル》の長い道
17/289. Robert Feldhoff / Der Alpha-Asteroid
    アルファ=アステロイド
18/403. Hubert Haensel / Tariga sehen und sterben
    タリガを見ずして死すべからず
19/369. Peter Terrid / Das Aralon-Komplott
    アラロンの陰謀
20/344. H. G. Francis / Der Club der Königinnen
    女王たちのクラブ
21/367. Hans Kneifel / Altans Mörder
    アトラン暗殺計画
22/397. Konrad Schaef / Duell in Terrania
    テラニアの決闘
23/212. Peter Terrid / Expedition der Todgeweihten
    死にさだめられた者たちの遠征隊
24/ 15. William Voltz / Ich, Rhodans Mo”rder
    われ、ローダンを暗殺す
25/237. Hubert Haensel / Sechs flammende Sonnen
    六つの燃える太陽
26/284. Kurt Mahr / Die Sirenen von Dhatabaar
    ダタバールのシレーネ
27/373. Hans Kneifel / Deserteur der USO
    USOの脱走兵
28/326. Arndt Ellmer / Ein Befehl für Hamiller
    ハミラーへの指令
29/  9. William Voltz / Invasion der Puppen
    人形たちの侵略
30/—. Clark Darlton / SOS aus dem Weltall (Bonus Story: Der Flug nach Eden)
    宇宙からのSOS (付録短篇:エデンへの飛行)

(以下は未刊行)
31/346. Robert Feldhoff / Die Ferrol-Dolche
    フェロルの短剣
32/???.(不明)
33/185. H. G. Francis / Die Einmann-Operation
    ワンマン・オペレーション

結果的に最終巻となった30巻『宇宙からのSOS』は、1967年に初公開された映画の“ノヴェライズ”。チケットのおまけか何かだったのか、その後書籍として再販されたことがないらしい。まあ、映画の評判がアレだし……w
しかし本作は、ダールトン御大による、ノヴェライズとゆーか、いかにもローダンらしく仕上がっているとの評。さらに、1975年にACEブック版のおまけとして発表され、79年にRhodan Magazinで“翻訳”が掲載された、ローダンがトーラにプロポーズするらしい(!)短篇まで併録である。まあ、幕切れとしては奇麗にしめた……のではなかろうか。

■公式News:PERRY RHODAN-Planetenromane werden eingestellt