失われた世紀

なんか紹介したつもりになっていて、前回ちょろりと触れた際にも説明していなかったのだが、2999話と3000話の間の時間ジャンプを埋める企画〈失われた世紀(Verlorene Jahrhunderte)〉全6巻のタイトルがAmazonで公開されていた。

この企画、6人の作家がそれぞれ異なる人物を取り上げて、上記時間ジャンプ(どのくらいの期間になるのかは依然不明)の間のできごとを短編として綴る。1巻「フローレンス」だけ先行して公式やAmazonに紹介が上がっていた。草案担当はクリスティアン・モンティロン。

今回明らかになったのは、各巻のタイトルと発売日。e-book先行で、1月31日から週刊で刊行される。後日プリント版も出る予定だそうだが、そちらの期日は未詳。
1巻のみ、ジェネシス・サイクル後半でアトランと、くじら座矮小銀河の冒険を共にした商船長フローレンス・ホーニゴールドさんが主役らしいが、現状それ以外の内容については、これまた未詳である。

以下、タイトル:

  1. Christian Montillon / Florence / フローレンス
  2. Thomas Rabenstein / Der Goldene Frieden / 黄金の平和
  3. Michelle Stern / Bestellter Tod / 注文された死
  4. Oliver Fröhlich / EL DORADO / エル・ドラド
  5. Rüdiger Schäfer / Admiralin außer Dienst / 退役した女提督
  6. Michael Marcus Thurner / Die Leben des Blaise O’Donnell
    / ブレイズ・オドネルの生涯

2巻の著者、トーラことトーマス・ラーベンシュタインは、2003年12月までPerry Rhodan-Webchronikという情報サイトを運営していた方で、当時、輸入前に先読み情報を得るならまずここ、であった。お世話になりました。
#Perrypediaが2004年1月スタート。

その後、オンラインでNebularというSF小説を発表したり(サイトは現在改装中)自費出版していたことは知っていたのだが、最近の活動まではフォローしていなかった。公式にローダン関係を執筆するのは、これが初めてのはずである。

以下余談だが……このタイミングで公開された公式Logbuchが、作家の紹介だけでタイトルすらないって、また順番まちがえてない?(笑)

■公式Logbuch:VERLORENE JAHRHUNDERTE IN SECHS GESCHICHTEN

記念巻の年・インタヴュー攻勢

今年はローダン・ヘフトが3000話、NEOが200巻を迎えるということで、2月9日のイベントを含め、いろいろと企画が目白押しなわけだが。年明け早々、あっちこっちで作家のインタヴュー記事が掲載されている。

(1) ファンツェントラーレ・ニューズレター

ペリー・ローダン・ファンツェントラーレ(PRFZ)の会員連絡紙ニューズレター27号の、プロモ版が公開された。宣伝用に、会員登録していない人でも読めるようになっている。
本紙では、新サイクルでヘフト本編を執筆する予定のアンドレアス・ブランホルストや、NEO草案作家のリュディガー・シェーファーなどの分も収録されるそうだが、プロモ版では2995話、2997話を担当するウーヴァ・アントンの記事が1面使って掲載されている。

インタヴュアー言うところの“サイクルを〆るスペシャリスト”には笑ったが、確かにアントンは、1999話「鼓動」に始まり、トレゴン・ラージサイクルの幕切れである2199話「仄暗い未来」、2299話「アハンダバ」、2499話「犠牲」、2699話「ニューロヴァース」、2899話「星墓」と、作家チームに参加して以来、大物どころの〆をほとんど担当している(「テズ」は…無理w)。今ジェネシス・サイクルの幕切れは、新鋭カイ・ヒルトに譲った形だが、上記2話はゲメン関連の話の終幕→銀河系への場面転換(登場人物紹介にグッキーがいるので)までを引き受けている。

実際はこれから発売される号のことなので、内容については触れていないのだが……「間に1話挿入されてるけど、典型的な前後編だよ。2997話は2995話が終わったとこからはじまるんだ」という表現に、アレ?2996話もアトランたちの話だよね?と思ったら:間の1話、アトランたち覚醒したゲショドの勢いに呑まれて回想シーンで終わってたのには苦笑したw
「2000話に続いておまけテキストで参加できる唯一の作家なのは誇らしいよ」って……あー、当時の作家、あとはもうヘーンゼルとシュヴァーツしか残ってないのね……。

(2) ガイスターシュピーゲル

オンラインマガジンGEISTERSPIEGEL(どうにも、雲外鏡.deとやりたくなるタイトルだ。おんじー)では、その間の2996話を担当したミシェル・シュテルンのインタヴューが掲載されている。インタヴュアーが同じアレクサンドラさんなのはご愛敬(笑)

ミシェル・シュテルンは、本邦未紹介の作家さんである(→新作家、ミシェル・シュテルン)。以前書いた、NEO第3シーズンのハヤカワ版が実現するなら、その2巻目『初代トルト』を担当しているので、それが初訳となるだろう。参加からまもなく、記念号である2800話「時割れ(Zeitriss)」をまかされたり、評価は高い。

今回のお題である2996話「ショド期」は、おそらくは超知性体ゲショドの記憶。これまで知られていなかった〈それ〉の補助種族メリル人の船が、超知性体として覚醒したばかりのゲショドのもとを訪れる話である。
が、これまた記事の日付が発売日前日/Kindle版の公開日なので、詳しい内容には触れていない。

なんというか、頭の切れそうな女性である。“嘘吐き”の異名をもつカピンのタマレイルを「創造性に富んだ語り部」と評したり、これまでに登場した超知性体というネタに、「ワタシがチームに参加するより前に、ワタシにちなんだ名前の超知性体が出てくるのはおもしろいわね」(2000万年前の超知性体〈星(STERN)〉のこと)と返したり。

今回の話の登場人物が、アトランを除くとほとんどが女性で占められていることにインタヴュアーが触れると、大学時代に研究のテーマのひとつとしてシリーズ物を取り上げたことがあって、女性読者の共感を呼べる女性登場人物の出てくることが当時すでに当たり前であったと回答。今回のメンツがこうなったのは、草案の指定でもあり、ローダン・シリーズも時代とともに成長しているのです、とのこと。
まあ、かつてローダン世界の星の海は(軍人さん万歳な)男の世界だった。それが変わったのは、おそらくは新銀河暦が導入されたコスミック・ハンザ時代だと思われる。ニッキー・フリッケルも、たしかもうハヤカワ版でも登場してるよね?

(3) 公式ニュース

そして今度はそのミシェル・シュテルンがインタヴュアーに転じて、NEO草案チームのシェーファー&ショルムに〈けだもの〉シュタッフェルのクライマックスとその後について訊ねる企画。同じものが2996話のLKSにも掲載されたらしい。

そして……なんでこんなにぶっちゃけてるんだコレ(笑)

「〈それ〉とアンドロスの間の宇宙チェスは終了します」
「〈闘争(Ringen)〉も終了です」

おいおいw ホントに単なる局地戦になっちゃったよ……。
ローダン・ヘフトは、いろんな作家がちょろっ、ちょろっと(意図してか、無意識にか)残した伏線を、10年20年積んだところでフォルツが取りまとめてデータファイル化して、エーヴェルスみたいな作家が好き勝手しても(笑)どうにかなるように世界構築したわけだけど。こう、次から次に舞台背景片付けてっちゃ、積立もナニもないよーな。
#ま、名前だけ同じで、まったく別モノ扱いしてて、どう転ぶかわかんないネタもいっぱいあるけどね。トマスとか、ネーサンとか。
#NEO版長女ナタリーちゃんは、ホモ・スペリオルかね?

一番笑ったのは、
シェーファー「ホントは今休暇中で……この文章も、パルマからドバイへ向かうクルーズ中に書いてるんだ。あ、でも草案作家としては常時営業中で、並行してNEO195巻と新しいe-book企画(おそらく”Mythos 失われた世紀”の一作)も書いてて、もう110%いっぱいいっぱいです」
ショルム「リュディガーが駱駝を乗りつぶして日焼けしまくってる間、相方のボクは194巻書いて、データシート作って、作家や校正さんの質問に回答して、195巻以降の草案書いて……200巻からもプラン練ったりディテールをつめたり。フォルツ御大やボルシュパイセンがどうやってこんなのひとりで何年もこなしてたのか、謎だよね」
シュテルン「わたしにも謎です(笑) ボルシュは信じられないほど構造化して動いてて、その分超早起きでした。まあ、規律なんてものは、カオティックな文筆業のクリシェとは相反するものですけどね」
#キミたち、本来必要ないものに懲りすぎるからだと思うですよ……(爆)

■公式News:EIN SONDER-NEWSLETTER DER FANZENTRALE IST ERSCHIENEN
■Geisterspiegel:Im Gespräch mit … (… Michelle Stern zu Die Phase Shod)
■公式News:»… DIVERSE ROTE FÄDEN ZU EINEM STARKEN SEIL VERKNÜPFEN …«

3000話のおまけ企画

年も明け、ギリギリまで内緒にされていた2999話までのタイトルも判明し、いよいよ3000話到達を目前とした昨今。
本編のおまけと、Webでのおまけ企画が公式サイトに掲載された。

先頃Logbuchに投稿された草案作家ファンデマーンの“読者の要望にお応えした、暴力もアクションも完全にオミットした”〈ピース、ジョイ、パンケーキ〉サイクルとやらを見ると、3話分使って銀河平和祭とか繰り広げる莫迦話である。むしろ(批判的な)読者のこと皮肉ってんじゃない?と感じないでもない。
#「ピース、ジョイ、パンケーキ」という言い回し自体が、ベルギーの脚本家・批評家の書いた、“最後にはお決まりのピース、ジョイ、パンケーキ、はい拍手”という文章に由来するっぽい。
1/11追記:こんなおふざけ企画、2回目ホントにあったよ……。10話かけてローダン5000歳の誕生パーティとか……ハァ……。

相方のモンティロンも、公式フォーラムでアトピック法廷サイクルで棚上げにされた謎について突っ込んでいる発言に、「それはもう終わったことだから」みたいなレスをわざわざつけていて、ああ、批判されるのがよっぽどイヤなんだなあ、だったらもうちょい整合性のあるプロット作ればいいのに、と思ったものだが。
ジェネシス・サイクルも、登場人物たちの動機やら意味ありげな行動の意味やらさっぱりわからない状況なんで、先行き不安なこと甚だしい……のは超さておいて(笑)

ローダン・ヘフト3000話『神話』は、巻中、月イチでペリー・ローダン=レポートとかが入る位置に、「新時代へようこそ!(Willkommen in einer neuen Zeit!)」なる12頁の小冊子が収録されるとのこと。
2000話の際には「太陽系政庁破壊計画」(アントン著)なるテラニア遊覧船を舞台にした短編が収録され、新時代のテラニア及び新造の太陽系政庁を紹介する運びとなっていたが、今回は作家ごとほぼ1頁程度の短編を執筆し、“人類の故郷”をめぐるさまざまな“神話”を提示すると同時に、おそらくカイラ時代の銀河系社会を読者に理解させる形になるのだろう。
執筆作家は、カイ・ヒルト、ウーヴェ・アントン、オリヴァー・フレーリヒ、フェレナ・テムゼン、スーザン・シュヴァーツ、ミシェル・シュテルン、レオ・ルーカス、フーベルト・ヘーンゼル、クリスティアン・モンティロンの総勢9名。現役ほぼ総動員である。
「太陽系政庁破壊計画」はストーリーもすっきりまとまっていて面白かったので、興が乗って全訳してしまったのは、長年rlmdi.にお付き合い頂いている向きにはご存じの方もおられよう。今回もそれくらいの力作を期待したい。

3000話は、公表された表紙絵(アルント・ドレクスラー画)が公式フォーラムではすごい勢いで酷評されている。まあ、部長島耕作とヤング島耕作くらい差があるので、無理もないというか(笑) 個人的には、絵柄より、1000話、2000話のような、物語を暗示するモチーフがまるで入っていない、ただ人物を並べただけみたいな構図がちょっとなぁと感じた(まあ裏表紙に期待w)。1000話単位号をまかされたということは、今後さらにメインをはっていく予定なのだろう、頑張れドレクスラー。

■公式Logbuch:FUNZYKLUS TEIL 1
■公式Logbuch:FUNZYKLUS TEIL 2
■公式New:EIN BESONDERER INHALT FÜR DEN JUBILÄUMSBAND