3000話おまけ「新しい時代へようこそ!」

さて、どーにか3000話の要約も終了……したところで。
いちおう、コレも紹介しておこうか。

「新しい時代へようこそ!(Willkommen in einer neuen Zeit!)」。

プリント版だと巻中12ページの、9人の作家による9つの掌編。
基本、新情報は一切ないので、そのつもりで。

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オルゴナイト神話(Mythos Orgonit / Kai Hirdt):

テラナー(笑)相手に怪しいアーティファクトを販売している故買屋の話。
はいプロフォス産のアミュレット(よし買った!) どうやら今回の客は懐が相当暖かいらしいと、とっておきをひっぱりだした。こいつはテラの都市チャイナで作られたとゆーいわくつきの代物(ビーム式掃除機・未開封)で……あれ? お客さん?
「う、嘘だ! テラなんて、テラなんてホントウは存在しないんだー!!」
お、お客さーん!? ……あーあ、いっちゃった。どーすんのこのアミュレット。
ひらりと舞い落ちる小さな紙。「製造:テラ 中国 天津市」(ホンモノでした)

オデマス神話(Mythos Odemas / Uwe Anton):

どこぞの宗教家が子供たちに言い聞かせている説法の話。
創造主ペレグリヌス(放浪者)だとか、テラナー(笑)の故郷はTi(テラ・インコグニタの略)だとか、偉大な執政者マグヌス・アドミニストラトスマンチェステリ(ローダンの出身地はマンチェスター)とか、微妙な概念が入り交じる、オデマス様によるテラ神話創造の“真相”。
Odemaは「神の授けもの」という意味らしい。

旅行神話(Mythos Reisen / Oliver Fröhlich):

テラナー(笑)相手の、神話をモチーフにしたテーマパーク“テラの首都ミュソピア(Mythopia)へようこそ!”のツアコンの話。
いやあ、昔、娘がここの案内ドローンに聞かせてもらった話がおもしろかったって言っててねえ……ドローンいないの? テラナー(笑)の旅行熱が下がって、経費削減のためドローンはもういませんという世知辛いストーリー(爆)
……Piaミュソ……いや、なんでもないw

アトランティス神話(Mythos Atlantis / Verena Themsen):

分別ついたおねーちゃんに妹がいちびられるお話(笑)
え、なに、土(Erde)なんてどの惑星にだってあるじゃない、とかゆーセリフはまさにデュマレスト/フレイミング・ベスを思い出して草。
アトランティスはあるもん! へー、どこに? ……テラに。ぷっ、神話の中にそのまた神話? 言い負かされ、くっ、わたしはあんな年寄りにはならないわ! と憤る妹さん。
でも、ねーちゃんのセリフ見てると、なんとかの王、はまだしも、震動勢力とかコロニーの離反とか大群による愚鈍化とかシミュセンスとかメイルストロームとか……すっげー詳しいで?(笑)

信じる神話(Mythos Glanbe / Susan Schwartz):

宙航士向けのバー〈最後の出口ラスト・エグジット〉で飲んだくれているテラナー(笑)の話。
「ホントなんだ。伝説じゃないんだ。存在するんだ。どこか、どこかに。必ずみつけてみせる」「はいはい、あんたらテラナー(笑)ときたら、いっつもそうだ」「夢だとわかってるから、そのザマなんだろ」「テラは……夢なんかじゃ……」
でも、そう……ひょっとしたら……あんたらの言うことの方が、正しいのかも……。ぐぅ……zzz。
「信じ続けたまえ」と、後ろから誰かの声。緑の瞳の知らない男が立っていた。「信ずることを忘れないで。わたしはちゃんと、わかってるから」
目をしばたたいて、起き直ると、男は消えていた。幻? それとも……。

メルヘン神話(Mythos Märchen / Michelle Stern):

タルク少年を寝かしつけるママが語るお伽噺の話。
壁には渦状銀河のホログラフィ。毛布を肩までひきあげてやり、ママが語りはじめる。
「昔々、ふたりの星の王子さまが治めるテラという世界がありました。ふたりの王子さま、アトラノスとローダノスは、まるで似ていませんが兄弟でした。ふたりには、グックをはじめとするたくさんのミュータントが仕えていて、いちばん強いミュータントはローダノスのお妃さまでした。お妃さまはエイリスを作ることができ、オン量子とノオン量子さえもひれふすと言われていました……」
いや、ハルト人かと思ったぜ! ってか、お妃さま……。
「お眠りなさい、わたしの宇宙英雄」と、ママが去ったあと。寝たフリしていたタルクくん。「ボク、もうお伽噺なんて歳じゃないもん」(笑)

ファン神話(Mythos Fans / Leo Lukas):

とあるチャットにおけるマニアの自慢話(笑)
Ivica>聞いたか聞いたか。新しいカードが出たんだぜ。
Ivica>プロモ用の超限定500枚! アリメントのゲームフェスで2枚手に入れちゃった♪
Ivica>じゃーん! 「テラ」!
Ivica>「細胞活性装置」と合わせて使うと全パラメータが2倍!
Ivica>「神話」ブースターとのコンボで敵艦隊の攻撃をほぼシャットアウトだぜ!
おいおい、ツインスター・コスモコントール(販売会社)狂ったか?
〈カイラの覇権〉だってひっくり返せるじゃん!
今日もネットは大騒ぎであった……。

ローダン神話(Mythos Rhodan / Hubert Haensel):

祖先の故郷を発見した考古学者……と、思っている男の話。
小さな太陽が地平に沈もうとしている。アイアスは歓喜の叫びをあげようとしたが、薄い大気のためつけている呼吸マスクのせいでうまくいかなかった。
最後の希望を持って訪れた銀河辺境の惑星。こここそは、人類の故郷テラ。
おっと、アーティファクトか。埋まっていたのは全長5メートルの彫像。これは……ローダンか!?(鼻の横の傷は伝説通り) 思わず跪き、祈りを捧げる……。
部屋の外:「彼はもう駄目です。投薬量も限界。あの壁、手で彫ったんですよ……まったく、テラナー(笑)ときたら!」

テラニア神話(Mythos Terrania / Christian Montillon):

とある賢者に耳を傾けるオクンリン氏の話。
こう始めましょうか。あなたもまた、テラナーである、と。
あなたはいま存在せず、かつて存在もしなかった惑星を発祥とするもの。誰もがそう信じています。そう聞かされてきたはずです、生まれてから、それらの伝説を。さあ、目を閉じて。自分の中に耳を澄まして。何が見えますか?
「何も」と、オクンリン。
では、見えないことは、わたしが存在せず、かつて存在もしなかったということでしょうか。わたしの存在を、あなたは否定できますか?
「…………」
あるいは、わたしはテラを知っていたかもしれません。山を、海を、街を、火山を、湖を、日没を、自分の目で見たことがあるかもしれません。ゴビ砂漠にそそぐ光を、素晴らしき宇宙都市テラニアに灯る明かりを。あなたはそれを、信じますか?
……信じますか?(笑)

ローダン3000話『地球神話』(3)

3000話『地球神話』要約、その後編である。
伝説と化した地球へと旅をする話、実はローダン作家トマス・ツィークラーにも『フレイミング・ベス(Flaming Bess)』という全9巻のシリーズがある。

仮借なきヘラクレアンの侵攻に滅亡寸前の中央銀河連盟。難民の集う辺境の惑星には、「人類に危機が迫るとき、船長コマンダーはめざめる」という伝説が残っており……人類最古の植民船コマンダーであったフレイミング・ベスは、最後に残った難民たちを守護しつつ、人類の故郷・地球をめざす、というもの。個人的にはおもしろいと思うんだけど……いま検索したら、ロックバンドしかひっかからんな(笑)
#最近、Kindle版原書も出そろっている。

閑話休題。

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間髪を入れず、搭載艇の格子状転送機をプログラムする。こちらが何の目的でステーションに忍び込んだか、そして何を手に入れたのかを、相手が理解する前に行動する必要があった。転送ケージに送出フィールドが発生し……ジュナさんたち3名は〈出口のない道〉へと転送された。

受入側は、小さな部屋ひとつきり。ジュナさんの背後で転送機のフィールドが消えると、天井にひとつだけのランプがわずかに狭い室内を照らすばかり。予期したとおりに、監視ロボットや生身のコントロール要員はいない。誰も望んで〈出口のない道〉へと踏み入ることはない。
こんなところへ、夫を救うため侵入するなど、自分はなんというリスクを犯してしまったのか……。
「気をつけろよ。すでにわれわれ、〈生命抑圧器〉の影響圏内だ」と、コンダイク。
あきらめてしまえ、と湧き起こる感情。四肢が萎えてしまいそうな無力感。これがカイラ人最悪の懲罰兵器、生きる意志を奪う〈生命抑圧器〉――。
抵抗する。抵抗できる。ジュナさんは目を閉じて、ランコの顔を脳裏に描いた。たかが機械に、単なるモノに、この燃えるような想いを奪われてなるものか。

ひとつだけの出入口を抜けて、3人は“外”へと歩み出た。彼方に丘の連なりが見える以外、変化のない平野のただなか、唯一の岩の小山の上に受入部屋はあった。どこか遠くで叫び声。それが人なのか獣なのか、ジュナさんには判断がつかなかった。
上を見上げる――広がるのは空ではなく、いまいるのと同様の風景。彼らが立っているのは、直径4キロの環状ステーション、その内側である。地平線は当然存在せず、上り坂のように、はるか遠方では壁のようにそそり立っているのだが、繊細な重力制御により、足下の地面はつねに“平ら”であると感じる。
外部から見ると、リング側面は透明な素材――あるいはバリアか?――でできていたはずだが、こちらからでは、グレイの霧のようなものに遮られて、惑星ペロリウスや星々の輝く宇宙空間は見えない。囚人たちがそんな“希望”を見ることなど、カイラ人は許さないのだ。

デフレクターを起動し、コンダイク、ジュナさん、サイプランの隊列で飛行する。近くに人影は――オクリルも――見えない。振り返ると、受入転送機があった小山も見えなくなっていた。不可視化スクリーンを張り巡らせ、組織的に囚人を転送機から遠ざけているのだろう。
〈生命抑圧器〉の作用か、悪い想像ばかりしてしまう。だが、いまはまだ、モチベーションを奪おうとするカイラ人への怒りが、ジュナさんを奮い立たせていた。

やがて最初の囚人たちを発見。ヒューマノイド――テラナーか、テフローダーか、ともかく見た目はレムール同盟(die Lemurische Allianz)の構成種族だ――の女性が1名、男性が2名。四つ脚の非ヒューマノイドが2名。
ここから、当初の打ち合わせどおり、ジュナさんは“単独行動”に移る。彼女はランコを捜すため、ただひとり〈出口のない道〉まで潜り込んだ、という体で、彼女たちの――彼女以外のふたりの――真の目的である〈生命抑圧器〉とは無関係を装う。

……無理があった(笑)
そもそも、ぼろ切れくらいしか着るもののない世界で、ちゃんとした防護服を着た女が突然登場したら、カイラ人の手先かと疑われてもしゃーないわなwww
ランコを探す手がかりを得ようと会話を試みるも、けんもほろろである。

だが、そのとき。天の配剤、というより、直前に女性が漏らした「カイラ人の悪魔の所業」だろう、いきなり地響きがした。宇宙ステーションで、地震――?
まだ体力の残っていた男性と非ヒューマノイドたちが走り出す。もはや立つ気力もない女性と、それを助け起こそうとした男性が逃げ遅れた。ジュナさんとふたりの間に、唐突に巨大な地割れが発生し、男女が呑み込まれる。
この防護服、故障してんのよー、なんて言い訳はどこかへすっとんでいた。飛翔装置を起動し、奈落へ落ちかけたふたりを掬い上げる。……女性はすでに、心停止状態だった。〈生命抑圧器〉は彼女から奪えるものを根こそぎ奪っていったのだ。
怒りと、涙がこみ上げてきた。

アガロルと名乗った男性は、ジュナさんに単純だが、唯一の解決方法を提示する。
飛べ――そして、問え。〈出口のない道〉は広大。もし同じ面積の都市であったなら、とうてい望みはないが、この世界はごく、ごく人口が少ない。飛翔服があれば、二、三週間でランコはみつかるだろう、と。
とはいえ、ジュナさんに残されているだろう時間にも、さほどの余裕はあるまい。多くの人々が集まる、配給所のある村へ向かえ。ただし、その“服”がここの人々にとってどれほどの価値があるかを考え、重々用心するがいい……。

アガロルに教わった方角の村――本来、囚人たちは皆そこへ送り込まれるという――。防護服を脱いで、その粗末な小屋がつらなるところまでたどりついた、まさにその瞬間。
環状ステーションと宇宙空間をへだてる灰色の霧が消え失せた。無数の星々の輝く夜空に、燃えるようにゆらめく赤い目玉があった――〈出口のない道〉の囚人たちを見下ろす、カイラ人の“目玉船”が。どこかに隠されたスピーカーから、声が、

『〈出口のない道〉への侵入者があった。ただちに出頭することを勧告する。さもなくば、おまえにも、邪魔するすべてのものにも、死あるのみ』

ジュナさんはいくつもの視線が自分へ向けられているのを感じた。あっれー、この格好でも、まだマズかったかしら……(汗)

『侵入者のつかまるまで、〈出口のない道〉の危険度は倍増する。食糧配給は現在をもって停止。諸君の協力を要求する』

ここよ! ここだ! ここにいるぞ! もはや大合唱である。聞きつけた戦闘ロボットが近づいてくるのも見えた。誰かが、彼女の腕をつかんで……

「ジュナ」

ふりむくと、ランコがいた。
充血し、わずかに濁った目。髪の毛は一部むしりとられ、カサブタになっている。足下もややおぼつかない。
だが、ランコだ。幼馴染みで、恋人で、夫で……。みつけた。いや、彼が彼女をみつけたのか。唇がふるえて、うまくしゃべれない。

「やっぱりあなたも、希望を捨てられないバカだったのね?」

バカってなにさ、キミだってつかまったんだろ? つーか、呑気に会話してる場合かキミたち(笑)
戦闘ロボットが発砲し、世界が爆発した。
……。
…………。
………………。
気がつくと、そこは《忠誠と信頼》の医務室だった。

あらわれたサイプラン・オクリは、彼とコンダイクが――記録上はすべて“ジュナさんが”やったことだが――どうやってジュナさんたちを救出したかを話してくれた。キミは迫る戦闘ロボットをたたきつぶし、追跡をふりきって転送ステーションまで舞い戻り脱出した。ステーションは爆破されたので、キミの足取りは誰にもわからない。
キミのご主人は爆発するロボットの破片で重傷を負った。あのありさまだったので、けっこうアブナイところだったようだが、医療機器による診断だと、無事快復するそうだ。コンダイクが現在タン・ハルウルと協議中の“商談”を終えたら、NDEがキミたちに新しい身元を用意する。
ああ、〈生命抑圧器〉自体は発見できなかったが、キミのご主人は3週間もあそこにいたんだ。なにかしら得られるデータもあるだろう……。

もはやあきれるしかないジュナさんである。あの状況で、ホントにいったいどうやったっていうのよ……?

サイプランはにやりと笑って、

「だって、われわれ、NDEの工作員だからね」

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カイラ・ゾンデによる探知の危険を少しでも下げるため、ローダンは《ブジョ・ブレイスコル》で別行動を取ることを決断。目的地は、かつての中央銀河ユニオンの首星系エフェレゴン。その〈中央銀河要塞〉にいるというブリーなら、なんらかの有効な情報を持っているはずだ。
アトランの強硬な主張により、ゼミナさんとそのパアウと星船も引き連れての旅となる。艦長兼パイロットとしてファリエさんが同行することになったのは、ひょっとしてお目付役か?w

《ラス・ツバイ》による早急なソル系探査も議題に挙がったが、〈アナンシ〉によると太陽系は人類の故郷としてではなくともなお銀河系の焦点のひとつであるらしく、拙速は勧められないとのこと。これを受けてアトランは巨船のオーヴァーホールのため、銀河間虚空にあるポスビの暗黒惑星クルスー(Culsu)を目指すつもりでいた。
万能母艦の建造に一役買った惑星であるが、そもそもが民間(笑)の極秘プロジェクトであった関係で、ギャラクティカムにもその存在は秘匿されていた。いまとなってはその座標を知るのはポスビたちと〈アナンシ〉――と《ブレイスコル》のポジトロニクス〈オックスフォード〉――のみであった。当時を知る、シクさん並び〈アナンシ〉担当のカマシト人シャルヴァさんは、そのため《ツバイ》に同行する。

《ツバイ》の修理には、クルスーのドックが十全な機能を保持していると想定して、4~6週間が必要と見積もられている。再会の予定は8週間後、11月4日とさだめられた。合流ポイントは、敵に予測されない場所である必要から、〈アナンシ〉と〈オックスフォード〉の間で乱数ジェネレーターにより決定している。
だが、ローダンはそれでもなお納得しきれない懸念があるのか、アトランとふたりだけの会話で、追加の合意を取り付けた。

「11月5日の24時まで待って相手が来なかった場合――11月15日に、惑星ヘルゲイトで」

フラグか(笑)

アルコン人にも憂慮はあった。なんといっても500年が経過している。ひとつの帝国が勃興し、また滅亡するに足る時間である。“混沌寄り”の調整を受けた活性装置を持つブルが、かつての友であるとも限らない。
わたしがカオタークであるならば――とアトランは言う――、終末戦隊すら退けた銀河を制御下に置くために、不和と不信の種をまき、分裂を誘うだろう……ちょうど、現在の銀河系のように。ローダンは微笑んで、

「そして、わたしがわたしであるならば、信頼を育てることで戦いを挑むでしょう」

ああ、キミならそうするだろうさ――と、アルコン人もようやく破顔した。

ローダンとファリエさんを先頭に、《ブジョ・ブレイスコル》の乗員たちが持ち場を埋めていく。
パイロット・シートに座を占めたファリエさんの横に立ち、ローダンは思う。人は時に、手にしたことのないものを失い、その喪失に苦しむもの。彼女の母に――自分の娘に――ローダンは会ったことがない。その存在さえ知らなかった。
ファリエさんは、細胞活性装置所持者の子がよくそうであるように、60歳をすぎた現在でも少女のように若々しい。あと何年一緒にいられるだろう。それでも、こうして彼女の人生に関われるのは、神の慈悲といえよう。

点灯したパノラマ・ギャラリーをみつめながら、ファリエさんが問う。待ち受けるものが、怖くないの?
「いや」ローダンは答えて、「いま抱いているのは、心配だけだ」
元レジデントにして元・深淵の騎士、人類の本番パイロット兼水先案内人であるおじーちゃん少佐殿は、心配している、と。自らに言い聞かせるように、また同時に、ややおちゃらけた調子のファリエさん。
でも、カイラ時代の星々が用意するものを恐れはしない。――なんで?

係留具が次々と開放され、マーズ級巡洋戦艦が解き放たれる。
ローダンは、ファリエさんが座るシートの背もたれに手を置き、囁くように、

「あれら幾千億の太陽は、エネルギーを冷たい宇宙に放出するガス球にすぎない。われわれがそれへと手をのばして、はじめて“星々”になるのだ」

そーゆーもの?
「そういうものさ」
うん、とひとつ頷き、ファリエさんが高らかに発進を告げた。

-*-

夜。新テラニアの広がる夜空を見上げる男がひとり。
自由ギャラクティカー連盟のレジデント、レジナルド・ブル。
バルコニーのバリアを消し、冷たい空気を胸に吸い込む。銀河中枢部に近いこのあたりでは、雲がたれこめていない限り、闇夜になることはない。密集する星々の光景は、何度見ても驚嘆させられる。
テティス湖上空に浮かぶ太陽系政庁を擁する都市の夜景。

ブリーは星座を探した。人類はどこへ行っても星座を作る、と揶揄するように、あるいは感嘆するように、他の種族は言う。太古レムール人の時代からそうだった。ましてルディンから見えるこの星の数なら、人類の持つ素材からいくらでも生み出せた。カサンドラ座、オルフェウス小径座、深淵徴税人座……。だが、それは彼が見たいと望むものではなかった。

背後に、1体のポスビが現われた。かつてヴェトリス=モラウドの顧問をしていたガヌドである。現在はブルの護衛と秘書のような役割を務めている。
毎度々々バリアを消去するのは感心しませんな、というガヌドに、勇敢なるポスビはぐっすり眠って電気羊の夢を見ているこの時間に、お小言を言いにきたのかね、と返す。
ポスビは《ヴォーラタ》の到着を告げにきたのだ。タマロンの旗艦がエフェレゴン星系を包むクリスタル・バリア前面に到着し、着陸許可を求めている。ポスビの“サードアイ”がタマロンの立体映像を映し出した。
「やあ、ケール」と、ブリー。
#ケール=ケドファン(Caer-Cedvan)はヴェトリス=モラウドの本名(改名前)。

「アコンの友はもう着いたかね?」と、タマロン。
着いていなかった。アコン評議会共和国最高評議会の第一議員を務めるアコン女性レーロナ・タン・タロルからは遅刻を詫びる連絡が入っていた。
ソル宙港へ下りたら今後のスケジュールについて知らせる、と着陸許可を出して通信を切った。
夜空を見上げる。何かを探すように。一筋の流れ星に見えたものが、次第に大きくなり、着陸する球形艦に姿を変えはしないかと。
だが、彼が帰りを待つ船は《ヴォーラタ》ではなかった。

「まだ、希望を捨てていないのですね」ガヌドが言う。
「いつか彼らは帰ってくるとも」応えるブリー。

〈全所の都市〉にこもった彼の妻子、トイオとシナエ。彼の友人たち、アトラン、グッキー……そして、ペリー・ローダン。ため息が漏れた。

希望など、ないほうが良いのかも。と、ガヌド。その方が、物事がよく見えるようになり、決断が容易になり、驚かされることもなくなり――。

「より仮借なく、非人間的になるのさ」

無論ブルにはわかっていた。ガヌドが彼から希望を奪おうとして言ったのではないことくらい。だが……。

そう、それは希望ではない。彼は“知って”いるのだ。彼らはいつか必ず、帰ってくる――。
ブルは両手をぴしゃりと叩いて、

「さ、ちょっとばかり超過勤務だ、ブリキ箱! 仕事にかかるぞ!」

(ENDE)

ローダン3000話『地球神話』(2)

伝説と化した故郷・地球を探しもとめる話の代表格は、やっぱりE・C・タブのデュマレスト・サーガだろうか。The ReturnとChild of Earthまだ読んでないんだよねえ……どうなったのかにゃあ。
それはさておき。3000話『地球神話』、ちょっと長くなってしまったので、後編ではなく中編である。

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ローダンは艦内セミトロニクス〈アナンシ〉を再起動するため、《ラス・ツバイ》司令室へ向かった。反重力シャフトも停止しているので、2時間がかりである。
司令室の入り口で、指紋認証……細胞認証……血液認証…まだか…音声認証:

『リンカーン』
「第16第アメリカ大統領」
『ノーマ・ジーン・モーテンソン』
「マリリン・モンロー」
『スーザンとマイクルの誤差は』
「8分」
『ようこそ、ペリー・ローダン』

……おい、出入りするだけでそれか。しかも、なんだその、シクさんと一緒だと口にできなさそうなパスワードwww

指揮台の座席におさまったローダンは、ゼミナさんとの対話で得た知識を反芻する。神話と化した地球。現在、銀河系を支配するカイラ人。そして、活性装置携行者のインパルスを探知するゾンデ、“モバイル・メンタル走査器”が銀河系ハローを徘徊しているという。
だが、このまま手をこまねいているわけにはいかない。ローダンはおのが権限で〈アナンシ〉再起動の命令を下した。直径8メートルの透明な球体に、セミトロニクスのアヴァターが浮かび上がる。

「ご機嫌いかが、ペリー?」

いつものセリフで問いかける半透明なブルーの姿は、しかし、“成長し”ていた。かつては4、5歳くらいの少女の姿であった〈アナンシ〉は、いまや成人した女性となって浮遊していた。それがいかなる意味を持つのか、ローダンにはわからない。
損傷を負った《ラス・ツバイ》の修復を開始し、サスペンション・ベンチで眠る乗員たちを覚醒プロセスに移行させ、既存ハイパー周波を傍受し状況の確認をはじめたセミトロニクスに、ローダンは訊ねる。いまは「いつ」なのか。

「新銀河暦2045年9月8日です」

そう――彼らは493年を失っていたのだ。

艦の損傷は、予想外の強度に達していたカオテンポラル干満フィールドによるものだと報告する〈アナンシ〉。その仮説では、ワンダラーはもはやこの宇宙の一部ではなく、《ラス・ツバイ》はその断絶がもたらす時空・ハイパー空間の乱流に巻き込まれたとのこと。
また、その際生じた“突発性多次元非同期”のため〈アナンシ〉自体も自己を引き裂かれたような状態にあったという。
ゼミナさんが〈アナンシ〉を麻痺させた理由として「発狂しそうだったから」と述べていたことが、セミトロニクス自身によって肯定された形であった。

ともあれ――〈茨姫〉のめざめに呼応した猟犬のように――巨艦は覚醒した。
サスペンションから復帰した乗員たちが司令室でも空席を埋めていく。白髪のアルコン人アトラン。ローダンの妻、アトル人シク・ドルクスタイゲル。孫娘ファリエ・セフェロア。艦長のエルトルス人カスカード・ホロンダー。パイロットのブリオニー・レフ、アンドリス・カントヴァイネン。……そーいや、若芽の保護者テーラー君はどーなっちゃったんだろうねぇ……。
アルコン人のひそかな視線に、こちらもほんのちょっとだけうなずくローダン。やだ、目と目で通じ合っちゃってる……。当然、疑惑の対象は、のんびりあくびをかましているゼミナさんである。問題は、ふたりのミュータントの反応。ドン・ヤラドゥアのうなずきは、メタボリストがゼミナさんの生態活動をロックオンできるということ。一方のグッキーの表情からは、読心に失敗したことがローダンには見てとれた。

1時間後、主立った幹部を集めて会議で状況確認がおこなわれた。新銀河暦2045年――ほぼ500年後の未来に漂着した事実が人々に重くのしかかる。
アトランは当然のようにゼミナさんに対する疑念を口にする。ローダンとて100%の信頼を寄せるわけではないが、もしゼミナさんに悪意があれば、無人の《ラス・ツバイ》をいいようにできたのも疑う余地のないことではあった。
ちなみに、さっきあくびをかましていた彼女は――これ、実はドン・ヤラドゥアが疲労を促進したせいだという――、その了承のもと配置されたタラ型ロボットに案内されて、あてがわれたキャビンにひっこんでいる。移動時に、なんにもしないのに巨大なトランク――パアウ――が、すううっとその後ろに続いたのには少し驚いた(笑)

〈アナンシ〉指揮のもと、修理ロボットが応急処置にあたっているが、多くの機能はまだ回復しないか、十全に作動しない。
パラトランス・プログレッサーは起動不可能。36基あるパラトロン・コンヴァーターの動作も保証できない。パラトロン・バリアを張れないことはもちろん、パロス影バリアも投入不可。攻撃兵器としてのパラトロン・ランチャーも駄目。最強の〈アーゲンフェルトの雷〉も、4基のプロジェクターすべてが使用不可となっている。
とはいえ、銀河系内での航行ならリニア駆動でことたりる。216門のMVH砲や、ハイパーパルスランチャーの動作にも問題はない。希望する乗員の離脱に使用した2隻を除く、マーズ級巡洋戦艦6隻。240隻のコルヴェット、120隻のマイナー・グローブ、500機のスペースジェット、420機のハレー型戦闘機、300台のシフト……。
そう、《ラス・ツバイ》はスーパーノヴァ型万能母艦、まさしく“強大な力”なのだ。

ハローから銀河系へ飛行し、“中央銀河要塞”とやらにレジナルド・ブルとのコンタクトを求める、とおおよその方針を決したところで、ローダンは休憩に入った。

自室のベッドに横たわり、子供6人孫1人の写真をおさめたホロ・キューブなぞ見つめるローダン。その大半は、いまドコでナニしてんのかわからん連中だが……おい、デロリアンの写真とかいつ撮ったw

30分ほどそうしたところへシクさんが来室。ワオ! 銀河の救世主様のベッドね、もちょっと場所空けて! とルパンダイブ……はしなかったが(笑) そっと身を寄せ合うふたり。

「で、記憶に欠落があるとかゆーあのナイスバディなお客様のこと、どー思ってんの?」
「ナイスバディかね?」
「そー思わなかった?」
「……(視線をそらす)」

こ、こわいwww だが、シクさんはそれ以上その点について追求することはなく、横臥したままローダンの方を向いて、

「このままにしたら、どうなるかしら?」
「このまま、とは?」

もし、銀河系へ帰らなければ? 失われた500年は、乗員の誰にとっても流刑のようなもの。だが、これをチャンスとみなしたらどうだろう。誰もわたしたちを待つものはいない。誰もあなたを待っていない。あなたはその全力を尽くし、〈劫火〉を消し止めた。銀河系への負債はない。あなたは自由なのだ……。
それも考えないではなかったよ、とローダン。10秒くらいね、とも。
――この故郷なるものの特別な重力よ。
そう笑うシクさん自身、故郷であるアンスレスタ銀河と隔絶して久しい。いつかそこへも帰る日が来る。いつか、われわれがしたいと望むことをできる日が。

その時、警報が鳴り響いた。

接近中のふたつの物体は平たい楕円形……つまり小判形で全長100メートルちょっと。舳先と艫にアンテナが林立している。5000万キロと、トランスフォーム砲射程のはるか外で、2基は《ラス・ツバイ》を中心とした周回軌道に移った。発される、暗号化したハイパー通信。
グッキーのテレポートで司令室へ連れてこられたゼミナさんは、それがカイラ人のゾンデ、前述のモバイル・メンタル走査器であると喝破した。彼女の聞き知るところでは、数万基が銀河系ハローに展開しているという。
広大なハローに対するにはわずかな数ともいえるが、ナシャダーンによると、それは“ひとつの世界がこの宇宙から消えた場所”、すなわちワンダラーのあった宙域を集中的に警戒していたらしい。ゾンデはローダンの、というか活性装置のインパルスを13光年の距離から探知できる模様。ただし、装置の増えるごとに相乗効果で有効距離が延びる。アトランの活性装置で13×13、さらにグッキーのものがプラスされて13×13×13光年……。優に2000光年の距離から《ラス・ツバイ》の所在を突き止めることが可能となるという。

そして、《ツバイ》が加速をはじめた瞬間、進行方向に3隻の巨艦が物質化した。
基本はゾンデと同じ小判形だが、中央部が空洞になったリング状。長径2800メートル。厚みは300メートル。空洞部には、4本の支持架に納まった赤いエネルギー球体が宝玉のように輝いている。シルバーにきらめく鏡面のような船体に、大小さまざまなドーム状突起が見える。
こちらから呼びかけるより早く、中央の船から通信が入った。

ホロ球体に浮かび上がったのは、ヒューマノイドと言えないこともない黄金の姿だった。
比較対象がないのでわかりづらいが、おそらくローダンよりも背が高い。ずんぐりした胴体に長い脚。両肩が球状に張り出しており、両腕の先には2本の手――外側を向いた方は筋肉質で不格好、内側はごく繊細な造りをしている。
肌は金色で斑が見られる。無毛の頭蓋では特に文様のようだ。土色の瞳に瞳孔は紫の横棒。鼻は平たく、鼻孔がこちらのにおいを嗅ぐかのように開いた。唇はなく、口のまわりは角質化していた。
抑揚のないインターコスモで、

「本艦は《マイダク・オダイル》。ハロー領事アイオングマ・バルダライセの命を受け、我らのテリトリーを警固する部隊の先鋒である」

道を空けてもらいたい、と言うローダンに対し、カイラ人は臨検を要求する。

「キミのもののような船をワレワレはずっと待ち受けていた。カイラ領事府の平和同盟に対する脅威とならぬよう確保する必要がある」

誰を脅かすつもりもない。本艦に来るのもよい、わたしにもそちらへ行く用意がある。しかし、本艦を明け渡すつもりはない――そう言った瞬間、ローダンは相手の内側の手の一方が、ほんのわずかな合図を送るのを見た。
ホロンダーの言う“目玉船(Augenschiff)”――その中央の艦が砲門を開いた。

敵の砲はおそらくインパルス砲。展開されたHÜバリアがなんなく跳ね返す。インパルス・モードのMVH砲によるこちらの反撃も、高性能なパラトロン・バリアと思われる障壁の前に効果がない。お互い、手探りの状態である。
リブロトロン・エンジン――ホークVコンヴァーターによるリニア駆動――が復旧したとの〈アナンシ〉の報告に、次の被弾と同時に半空間へ離脱するよう命じるローダン。無駄にリスクを負うこたねーだろというアトランの諫言は少々遅きに失したか(笑)
目玉船の次なる攻撃は、1000メガトン級のパラトロン・ランチャーだったらしい。フル火力ではなかったようだが、それでもリニア空間へ逃走する寸前、《ラス・ツバイ》を包むHÜバリアが崩壊する威力だった。
「間一髪だったな」と、アルコン人。
「いつものことでは?」そう返すローダンだが……いや、この場合はアトランの方が正しいんじゃないか?(笑)
それはさておき、すたこらと接敵宙域から逐電する《ラス・ツバイ》であった。

-*-

〈出口のない道〉は、カイラ人の擁する最悪の懲罰ステーションである。
ランコを救うために情報を集めた際、真偽のさだかでない様々な噂を耳にした。囚人を狩りたてる野獣、プラズマの塔、気温はつねに80度を超え、囚人たちは疲れて眠るまでひたすら逃げ続ける……。

いま見せられた映像では、遺伝子操作で凶暴化したオクリルが囚人2名を追い立てていた。逃亡者の一方の目には果てしない疲労感しかなく、動作もまるで人形のよう。やがて、倒れ伏した姿は動かない……。
カイラ人の恐るべき兵器〈生命抑圧器〉を知らぬものはない。ゾリウス星系に下された〈ヌーム〉の懲罰はあまねく知れ渡っていた。いかなる原理か、それは“生きる意志”を奪うのだ。子供を成すこともなく、未来は奪われ、無人の地と化す。
当時、現地にいたNDEの工作員も、ミッションを遂行する気力どころか、帰還する意志すらなくし、その惑星のいずこかで息をひきとったという。NDEはその全力を傾けて、この恐怖のテクノロジーの秘密を探ろうとしてきたが、これまでのところ、カイラ人の諜報組織CP――サイファー・ポールではない(笑)、〈カイラ全書館(das Cairanische Panarchiv)〉である――を相手取っての情報戦には勝ち得ていなかった。

だが、1年前の作戦で得られたわずかな映像によれば、〈出口のない道〉では〈生命抑圧器〉が使用されているものの、理由は不明(囚人を長く苦しめるためか)ながら、その効果は比較的抑えられているらしい。意志力を根こそぎ奪われる前に、装置本体を探り当てることも可能かもしれないのだ。
ジュナさんの役割は、要するにおとりである。〈出口のない道〉への潜入それ自体は隠しおおせるものではない。それゆえに、より明らかな“目的”――〈生命抑圧器〉ではない――を持つ隠蔽役として、彼女が必要だった。

アファラク星系第8惑星、氷雪世界ペロリウス。これまで氷惑星を訪れたことのないジュナさん的には、真っ白で平坦な死の世界を想像していたのだが、現実はまるでちがった。雪山や雪庇は、吹きすさぶ霜のなか、まるで海のようだった。餌を求めて徘徊する毛皮に包まれた獣、白い冬羽の鳥が舞い、嘴だけが非現実的なまでに赤い。

ジュナさんとサイプランは、デフレクター・フィールドに隠れてこの世界を飛翔していた。頭上はるかに、こぶし大に見える環状ステーションこそ〈出口のない道〉である。
だが、いま集中しなければならないのは、前方、白銀の世界のなか浮かび上がった白い塔……制御センターだった。
高さ103メートルの塔のてっぺんに、直径12メートルの居住球体が設置されている。鏡のような白を好むのはカイラ人建築に共通することだが、この惑星だとまるで迷彩効果を狙ったかのようだ。

本来、作戦のこの部分はサイプランだけで十分。自分が連れてこられたのは、要するに訓練である。最初はトリヴィドで放送されるような冒険の登場人物になったような非現実感だけがあった。
だが、いまの彼女は怖かった。警報が鳴りはしないか。補給業務を管理するポジトロニクスが置かれた、普段は無人のこのステーションに、攻撃をしかけてくるものがいはしないか。死が恐ろしかった。ランコを助けられずに終わるのが、怖かった。
目の前でデコーダーを操作しているNDEの男……テラを信じている男。なぜ、彼やコンダイクは、ああも確信をもって語れるのだろうか。テラなど、テラナー(笑)以外には何の意味もないお伽噺ではなかったのか。

クラックして開いた扉を抜け、停止した反重力シャフトをのぼる。倉庫と思われる場所には補給物資と思われる箱が山積みにされ、そのごく近くに……格子型転送機があった。それを抜ければ〈出口のない道〉。だが、同時にカイラ人の支配領域のまっただなかに飛び込むことになる。今回、ここに潜入したのは、別の目的あってのことだった。
再度のデコーディング。通廊を抜け、センサーを迂回しつつ管理ポジトロニクスのターミナルへ。サイプランが多目的アームバンドを操作し、NDEが入手したセキュリティ・コードでハッキングを開始した――が。

「問題発生。時間を稼いでくれ」

おいいいいっ!?(笑) 何らかの警報にひっかかって、ロボットが触手をワキワキさせながら登場――ジュナさんの銃がうなり、即刻退場した。響き渡るサイレン。
格子戸が開いて飛行するロボット部隊が室内に突入してくる。
「つかまえた――あと、1分」サイプランがつぶやく。
だが、すでにジュナさんのディスプレイにはバリアの過負荷を知らせる警告ランプが点滅している! 30秒で支度しな! 爆弾のスイッチを入れ、放り投げるジュナさん。ビビってたんじゃないの?(笑)

「コード保存……完了!」

どっかーーーん。ジュナさんの目の前が真っ白に……。

気がつくと、シャフトを下降中だった。サイプランがこちらの防護服を遠隔操作していたらしい。
「目がさめたか。それ、爆弾を落とせ!」
もうわやくちゃである(爆)
搭載艇でふたりを出迎えたコンダイクA-1も、開口一番、
「成果はあったのか? ……あの花火の他に」
もう潜入工作というかほとんどテロである。だが、そう、成果はあったのだ。
〈出口のない道〉への転送機受入コード。
〈生命抑圧器〉が待ち受ける、牢獄への。

-*-

さらに2度のリニア行程を経て、《ラス・ツバイ》は1000光年以上の距離を稼いでいた。とはいえ、ゼミナさんの(ナシャダーンの)理論通りなら、これでも探知圏外に出たとは言えない。〈アナンシ〉も、猶予はせいぜい4、5時間と見積もっていた。
ローダンは今後の方針を決めるべく緊急会議を招集した。艦内評議会のスポークスマンであるコル・ツバイが、乗員投票の結果を報告する。賛成多数により、ローダンは今後もミッションリーダーとして認められた。3000名以上の保留票はあったが、反対票はなし――まあ、反対しそうな人間は、そもそもワンダラー行く前に下船してますけどね、とコル・ツバイが苦笑する。アトランも代表権を持つ取締役……じゃない、サブリーダーとして認可された。そもそも、リーダーに突き上げしてる場合じゃないよねえ(笑)

〈アナンシ〉からも通信傍受で得た新情報が報告される。いつの時点かは不明だが、ソル星系では〈ラプトゥス(der Raptus)〉と呼ばれる事件があったという――“除去”ないし“強奪”を意味する。何があったのかについては、これまた伝説が錯綜している。
――テラとルナの除去
――長らく星系を占拠していたテラナーの一団のエクソダス。
#これについては、秘密の銀河間転送機網を経由して伝説のララトム(Larratum)銀河へ逃げたとされる。ラルハトーン(Larhatoon)銀河の濁りだろう。
――本来の居住者たちの銀河系ハローの惑星への追放。
#惑星の名は、カーソルだったり、ワンダラーだったりする。

その他、テラナーの歴史にまつわる、種々雑多なバージョンの数々:
――テラナーはソンブレロ銀河ことグルエイイン(Ghrueyin)に発祥し、そこで戦乱を起こしたあげくに追放された。(タケル人か)
――テラナーの故郷は、とある暗黒星雲の中の惑星ガイア。(NEIじゃねえか)
――銀河系に最初のテラナーの一派テルムール人(die Termurer)がおり、その故郷惑星は“星のけだもの”たちによって破壊された。(イロイロごった煮)

真実はどこにあるのか。それは現在の銀河系の住人には手が届かないものになっていた。
ポジトロニクス殺しポジサイド〉と呼ばれる、銀河規模の情報カタストロフによってすべてのデータバンクが破損するか、機能を失った。その後起こった〈データの大洪水〉――あらゆる計算脳が、それぞれ相反する内容の多量のデータで上書きされた――により、どれが正しいデータであるのか、もはや確認できない状態にある。
「なんと親切な偶然か」アトランが皮肉る。
そう、偶然のはずがない。何者かが計画的かつシステマティックに人類の歴史を破壊し、改竄したのだ。
いかなる手段をもってすればそれが可能なのか、想像もつかない。だが、もし、本当にあらゆるポジトロニクスが“殺され”てしまったのだとしたら……。

《ラス・ツバイ》が、最後に残された人類の記憶なのだった。

(続く)

■Wikipedia:E・C・タブ

ローダン3000話『地球神話』(1)

© Pabel-Moewig Verlag KG, Rastatt

2月15日(Kindle版は14日)、記念すべきローダン・ヘフト3000話『地球神話』が発売された。カオテンポラル干満フィールドに包まれた人工惑星ワンダラーへと到り、銀河系の〈劫火〉を消し止めたローダンたちであったが、過去から未来まで秤動するフィールドを抜け、銀河系へと帰り着くまで、故郷が「いつ」であるのかわからない。
かくて、新サイクル〈神話〉の開幕と相成ったのだが――

-*-

子供のころ、エリーおばあちゃん(実際には母の大叔母)が話してくれたお伽噺。錘で指を刺した〈茨姫〉はお城で100年、眠り続けた。お城の人々も、馬も、猟犬も、はては暖炉の炎まで……。
「100年? どうやったらそんなことができるの?」と訊ねるペリー少年に、エリーおばあちゃんは「それが魔法だよ」と諭したものだ。
そんなものかなと納得がいかない困った少年は、老いない長き眠りをもたらしたのは、小人の手になる水晶の棺だったりするのだろーかとかいらぬ考察を続けた。
そう、サスペンション・ベンチで眠る《ラス・ツバイ》の人々のように――。
(水晶の棺から起きる時間よ、王子様)
おうぢさまwww 相変わらず夢見がちなところが直らない、われらが主人公であった。
#ああ、そーいやどっかの白魔術都市セイルーンのおうぢさまも“平和主義者”だった(笑)

-*-


ペリー・ローダンが目覚めると、寝室もといサスペンション・ベンチの置かれた部屋に知らない女が立っていた。
え……起きたのオレだけ? ふと気がつくと、着衣に乱れが(爆)
残念ながら、艶のある話にはならなかったw 冒頭、

〈到着したのか〉と、ペリー・ローダンは思った。

という文章がいきなり2回あったのには、ちゃんと理由があったのだ。
イラストにもなっている、ちょっと人形めいた顔をした、つなぎを着た黒短髪のおねーさんはゼミナ・パース(Zemina Paath)。身長1.9メートルとのっぽさんである。イエス、と答えるときに右手の人差し指と親指でOKマークをつくるのは、ちょっとかわいい(笑)

彼女は1.6×1.0×1.0mの、濃紺のトランク――彼女の言うところの“パアウ(Paau)”――の補助で、漂流する《ラス・ツバイ》に侵入し、セミトロニクス〈アナンシ〉を麻痺させ、ローダンのサスペンション状態を解除し、イロイロと分析していたらしい。活性チップを摘出し、調べた後で元に戻したとかいうのである。こわっ。
ペリー・ローダンと名乗ると、いきなり不審そうな顔をされた。ひどい。

ゼミナさんはローダンの質問に忍耐強く答えてくれる。なんだか、時代遅れのおじーちゃんに現代っ子がモノを教えるような口調なのがくやしいローダン。

――あなたたちがどれだけ留守にしていたかは知らない。
――伝説だから、正確な時間の記述なんてない。(伝説?)
――〈それ〉の使者ではない。そも超知性体なんて聞いたことない。
――LFG市民でも、そう、テラナー(笑)でもない。(なんだその笑い)

では、キミは何者なのだ、との問いに対しては、わたしはスカスカ(porös)なのよ、とか、わけわかんないことを漏らしつつ、自分の後頭部を指さして、「誰かがわたしの脳髄の一部を奪ったから」
少なくとも、その誰かが《ラス・ツバイ》にいないことは、彼女の星船――“莢(Hülse)”、ナシャダーン(Nashadaan)――とパアウが確認しているとか。
この船を調べてみたけど、これは強大な力ね。彼らがあなたを恐れるのがわかる……と漏らすゼミナさん。彼ら? とローダンが問い返すと、

「カイラ人(die Cairaner)よ。カイラ時代の銀河系とハローの領事。その仰せにしたがい星の車輪がまわり、平和を乱す輩を滅ぼす者たち」

ゼミナさんの知識は、ハローを放浪しつつハイパー無線を傍受して得たものだという。
それによると、カイラ人は自らを〈神の意志ヌーメン〉と称し、はじまったカイラ時代になおも戦火と冒涜をもたらそうとするラドホン(die Ladhonen)たちを打ち破ったとされる。
なぜかは知らず、カイラ人は“ペリー・ローダン”を――あるいはその伝説を――敵視しているらしく、《ラス・ツバイ》を再起動させれば必ず探知され、脅威を殲滅するため襲いかかってくるだろう……。
自由ギャラクティカー連盟はまだ存在するらしい。レジデントはレジナルド・ブル。彼と仲間たちは、無敵の躰をもつ巨人が護る〈中央銀河要塞〉に拠っているとのこと。これもまた神話めいた響きに悩みつつも、ローダンは安堵する。友がまだ生きていることがわかったのだ。

ゼミナさんの星船――“莢”――ナシャダーン――どれが名前だかわからんw――は、元《ラルフ・マルテン》のものだったドッキング・ベイに係留されていた。全長300メートル、一辺60メートルの、暗赤色にきらめく六角柱。
ベイの近辺には、巨人が斧で一撃したかのような大きな亀裂が生じていた。何者かの攻撃でも受けたのか、それとも……。ゼミナさんはその損傷を見て、漂流船と判断したっぽい。
《ツバイ》の外殻を歩きながら、ローダンは奇妙な印象を抱く。足下が何かに包まれるような感覚。調べてみると、未知のエネルギー場がワニスのように――あるいは、皮膚のように――巨船の全体を包んでいた。ナシャダーンが張り巡らせたものらしい。
いくつも開いた“窓”の素材をすり抜けるようにして入った“莢”内部は巨大な空洞で、サイズの異なるいくつもの箱や蜂窩状の物体――“ダーン”――が柱やひものような支持材で結ばれている。それぞれが生活空間やメディア施設、機関部や倉庫、ドリームカプセルや医療キャビンであるらしい。内壁には様々な筆致で壁画が描かれている。無数の窓から差し込む光が、カテドラルめいた雰囲気を醸し出していた。

見るべきものは見た。乗員たちを起こして、テラへ帰らねば、というローダンに、ゼミナさんはまた不審そうな目を向けて、「テラ?」
銀河系に入ることなくハローを彷徨い続けていたゼミナさんにとっては、傍受されたハイパー無線だけが、この世界のもたらす情報のすべて。そこでは、テラはなんと言われていたか――。

「――テラという場所はない。存在したこともない」
「――テラはこの銀河の鬼火」
「――テラナーの一団が、おのが価値を高め特権を得るため考え出した」
「――テラは多くの戦争の原因となった、銀河系共同体を破壊する火種」
「――善意を抱く人々を萎えさす毒」
「――テラは伝説。神話にすぎない」

-*-


ジュナ・リン(Giuna Linh)さんはテラナー(笑)である。。
アファラク星系の惑星アニャアルトでは、アコン人シャド・タン・ハルウル(タンはアルコン語のダに相当し、お貴族様であることを示す。前にも書いたが、ラス=トオルのアウリスたんではない)を司令とし、銀河系イーストサイドとウェストサイドを結ぶ長大な転送機網の拡充計画が進められていた。
612の区間駅がイーストサイドとウェストサイドを結ぶ延べ5万光年の転送機ネットワーク。そこにアニャアルトが加わると、シェボパル人の故郷惑星プスポプタへの直通ルートが落成する。……まあ、アレだ、財務支援のタマモノである。世知辛いね。

1ヵ月前、ジュナさんは旦那のランコ・ウォーとともにこのプロジェクトに参画する機会を得た。実はふたりが持つ星間商業マネージメントの資格は、〈ポジトロニクス殺しポジサイド(Posizid)〉と〈データの大洪水(Datensintflut)〉を経た銀河系の各種データバンクの隙をついた大嘘で、要するにふたりはプリk詐欺師なのであった。ところが、なんの因果か、旦那はわずか1週間でトラブルを引き起こした。よりにもよって、カイラ人に殴りかかったというのだ(ジュナさんはその真偽を疑っているが)。
かくて旦那は“銀河系とハローの領事たるカイラ平和同盟(das Friedensbund der Cairanischen Konsulate)”のもたらす平和を脅かした犯罪人として、〈出口のない道(die Ausweglose Straße)〉の流刑囚となりはてた。以来ジュナさんは、〈出口のない道〉の転送受入ステーションのデータをもとめて、区間転送機ネットワークのデータバンクにハッキングをかます機会を狙っている。正直、なんでクビになってないのかわからんな(笑)

そんな折、惑星アニャアルトでテロ事件が発生。爆弾でホテルがひとつ全壊した。
事前にアコン人と利権を争うバルニト人の通商連合から脅迫めいた通信が届いており、どう考えても連中のしわざなのだが、事件現場をいくら探しても証拠が出てこない。
事態を重くみたカイラ人の調査委員会がアニャアルトへ来駕することが決定。タン・ハルウルは、カイラ人と悶着を起こした旦那を持つジュナさんに、監査が落着するまで外出禁止を命ずる。まあ、当然ではある。
#バルニト人は500話あたりから偶に出てくるテラ系の環境適応人。主に通商活動を生業としている。

しかし、旦那に再会したい一心のジュナさんは、上司・同僚の目を盗んで、虎の子を使っての取引をバルニト人代表として到着したコンダイク-A1(Kondayk-A1)に持ちかける。
虎の子……ジュナさん(28)の両親は、共にゲメンの細胞活性装置を受け取った相対的不死者だった。劣化コピーであるゲメンの卵形活性装置は、数百年を経て次々と機能を停止したらしい。ただ、多くの所持者が地下に潜行したため、装置自体はほとんど回収されていない。ジュナさんは、10年前まで存命だった母がゲメン製装置の保持者では最高齢だったろうと推測していたが……ともかく、亡き両親の燃え尽きた細胞活性装置2基は、それなりに価値があるだろう。

売り込みなら、わしの会計士と話せと言い残し、コンダイク-A1はカイラ人との面談に向かった。
会計士サイプリアン・オクリ(Cyprian Okri)は、研究素材としての活性装置(残骸)は悪くない、と評価する。だが、気がつくと、話の流れが、なんか変だ。
ペリー・ローダンは生きている、って、ナニその信仰? 確信?
わたしがアコン人のとこで働いてた理由って、偶然よ偶然。え? 惑星ドロラーを失った根無し草種族としての共感?
わかった……こいつもテラナー(笑)だ!
テラは伝説、神話にすぎない、と笑われるテラナー。
特権階級の夢が捨てられない妄想家ども、と蔑まれるテラナー。
多くのテラナーは、もはや自分でもテラの存在など信じていない。この男は単なる狂信者なのか、それとも……。

あれよあれよという間にジュナさんはコンダイクの船《忠誠と信頼(TREU & GLAUBEN)》に連れ込まれていた。やばい。

「テラにはかつてTLDと呼ばれる諜報組織があった」(それも伝説)
「テラ消失後、その後継組織が誕生した。エフェレゴン諜報局(NDE)Nachrichtendienst Ephelegonだ」

「われわれはNDEの工作員。ちなみに上司はボクね」と、会計士。
ワタシはいったいナニに巻き込まれたのだろう……内心泡を吹いているジュナさんに、サイプリアンはにやりと笑って、
「ご主人を救い出したいのだろう? われわれ、〈生命抑圧器(der Vital-Suppressor)〉の秘密を探るために、〈出口のない道〉に潜入する鉄砲玉もとい意志のあるヒトとして、キミに白羽の矢を立てたのだ!」
ええええぇっ……!?

(続く)

Armadaeinheit

昔、マガンがFC会誌で「無限艦隊レキシコン」とかつくってた頃。「Flotteだったら銀河系艦隊(die Galaktische Flotte)、Armadaだったら無限艦隊(die Endlose Armada)。一目瞭然なんです」と言っていた記憶がある。

当時は「無限アルマダ」ではないので、同じ「艦隊」でも、実は原語がちがうという話である。
その頃のわたしは、ペリーワールド(後にミレニアム・ソル)の月例会にたまに顔を出し、マガンをはじめとする先達各位のご高説を、ほへ~と阿呆面さらして拝聴していたわけだが。ちょうど、いまは亡き中央洋書経由で神田三省堂にヘフト原書がこっそり積まれていた時期でもあった(笑)
#ちょうど大学生になり、恵比寿での例会に上京する際、神田に顔を出すようになった、あの数年だけである。何事もタイミング(爆)

同時に説明されたのが、同じ「艦隊」でも、規模があまりにちがうので、構成単位からしてちがうのだ、という点。
ドイツ語の名詞Einheitは、「ひとまとまり、単位、部隊、規格(新現代独和辞典)」等さまざまな意味があるのだが、要するに英語で言うユニットである。

銀河系艦隊フリートの場合だと、Einheitユニットというと個々の艦艇を指す。
これが無限アルマダの場合、主として種族ごとに構成された艦船の集団を意味するわけで――これがArmadaeinheitとなる。通常後ろにユニット番号が付随する。ええと……ハヤカワ版だとなんていうんだ(ググっている)……そうそう、ジェルシゲール・アンのシグリド人だとアルマダ第176部隊(Armadaeinheit 176)。
#いまだに脳内ではイェルチュゲール・アンなので(笑) 刷込みェ。

麾下にある構成単位をなんと呼ぶかは、まあケースバイケースだろう。艦隊、戦隊……最初に述べたとおり、Einheit単独で「部隊」の意味があるし。上記シグリド人にしても、第176艦隊と、そこだけ取り出してみれば特に混乱はないわけで。
頭にアルマダをつけてしまうと、艦隊艦隊みたいでちょっともにょっするかもしれないが、意味としてはそんなわけで、別にまちがいではない。

ただ、ローランドレだけは、あれ単艦なのでねえ……。
それだけアルマダユニット1とかにすると、超浮きそうではある。かといって、他をアルマダユニット176とかやると、訳としては正しいけど、意味はともかく字面的に集団であることがわかりづらい。痛し痒し、といったところだ。
#アルマダ初号機?(笑) 機じゃないか。

……と、書いたのを読み直して:アルマダ第1艦隊といいつつ、実は単艦というのはある意味ネタバレだったかも。まあ、こーゆーブログなので、ご容赦を(^_^;

2999話読了

……したけど。結局ジェネシスって何だったの?
いや、カイ・ヒルトの前後編、おもしろかったけどさ。特に前編。

アウレスのアダムを倒し、〈劫火〉の拡大はとめられた。
影響は今後数十年、あるいは数百年残るかもしれない。ともあれ、エクソダスは回避された。
新しいエイリスがアムブル=カルブシュを満たし、力の集合体へ散っていく。宿無しの超知性体がこの銀河群に食指をのばすことも避けられる。
……キミたちがカオテンポラル干満フィールドを抜けて銀河系に帰れるのは〈いつ〉になるかわからないけどね?

ホムンク「新しい時代がはじまったのだ」

まさか、これを言うためだけのサイクル名だったんぢゃ…(をひ

公式もどうやら新サイクルにまつわる情報はこれ以上いっさい出さない方針みたいだし。
「神話サイクルの重要な登場人物」とかいうタイトルの記事載せて、

  • ペリー・ローダン
  • アトラン
  • レジナルド・ブル

――って、おい(笑)
#ブリーは地球に残ったので、ある意味重要ではあるが。
#なお、今回お試し版はパスした。

〈失われた世紀〉も、「フローレンス」は50年後、「黄金の平和」はNGZ1750年ながら、なにぶんどちらも劫火の影響範囲外かつLFGとは往来がない場所なので、これといった出物がない。
まあ、前者では超知性体を“神”と崇める宗教団体があったり、後者では「このペリー・ローダンって人物を見てみろよ。不死を与えられた? それ以来ずっと宇宙に平和をもたらすために戦っている? オレたちの歴史は虚構と神話がないまぜになってるんだ!」とか言ってる始末なので、〈神話〉サイクルへの布石っちゃ布石なのかもだけど。それって単なる退行現象でわ。

やっぱり、おとなしく来週を待つしかないか……。