ミッション《ソル》続報

6月14日から隔週全12話でスタートするミニシリーズ〈ミッション《ソル》〉の内容について続報があった……のだが。

ミニシリーズの草案担当はカイ・ヒルト。現在タイトルは、

1. Kai Hirdt / Das Raumschiffgrab / 宇宙船の墓標
2. Bernd Perplies / Die Althanos-Verschwörung / アルタノスの陰謀

の2話のみ明らかになっている。

《ソル》とロワ・ダントンについては、スターダスト・サイクル(2500-99話)においてほとんど言及がなく、2600話において、「混沌の終末戦隊との戦後処理が落ち着いた新銀河暦1369年頃に未知のミッションにスタートして消息不明。100年経ったので公式にロスト扱い」となったと述べられている。居場所等わかれば《ジュール・ヴェルヌ》があるので駆けつけることは可能だったはずだが、ミッションの内容等一切未詳なので打開策は存在しない。なにせ《ソル》だからショウガナイネのレベルである。

それから50年後、アトピック法廷サイクルになって、アトランを捜してワンダラーを訪れたレジナルド・ブルの前にスーザン・ベティ・ローダンのプロジェクションが現われて、「《ソル》のミッションは失敗し、ロワも父の助けを必要としている」と告げる。
とはいえ、この時点では父ローダンはアトプに「未来の〈劫火〉放火の主犯(のひとり)」と糾弾、弾劾、タイホされ、脱走してラール人の故郷ラルハトーンへと逃亡中。頼みの《ジュール・ヴェルヌ》はアトプの陰謀で撃沈されている。やはり手の打ちようがない状態だ。

しかし、考えてほしい。この後ローダンは、アダムスがこっそり建造していた《ラス・ツバイ》が、ほとんどないに等しいシュプールをたどってラルハトーンまで救援に赴いている。
あげく、アトプに逆襲するべく時間を遡行した《アトランク》が引き起こした時割れ現象のため2000万年前のファリスケ=エリゴン(現在の銀河系)で暴れていた侵略者ティウフォルが現在時まで突破。大艦隊がソル系を強襲。撤収の条件のひとつとしてローダンのÜBSEF定数を要求され、これを受託した結果、ローダンは殺されてしまう。
なのに、「ペリーが死んだはずないよ!」(グッキー)という論拠だけで、1億3100万光年離れたティウフォルの故郷銀河オルプレイドまで《ラス・ツバイ》は遠征。あろうことか存命(復活)していたローダンを救出してしまう。
なんか……ものすごく……待遇がちがうよね。まあ主人公だし?

さて、それから30年。ジェネシス・サイクル終盤に、超知性体ゲショド由来の転送機=〈ショドの鏡〉をくぐったローダンが、「はっ。オレは何週間留守にしていた? いままでずっとロワのとこにいたんだ!」とか言い出した。しかし、状況は銀河系どころか大宇宙滅亡3日前。はいはい幻覚乙で片付けられてしまう(笑)
その後はすったもんだで、地球が神話と化してしまう状態なので、ご老人の妄想は当然忘却の彼方であったが……

ここで本題:
《ソル》は、ローダンの命令で、タレ=シャルムを訪れていた! ことが今回突然明らかになった!(爆)

タレ=シャルム(Tare-Scharm)は地球から見て六分儀座の方角へ4500万光年離れた銀河で、NGC3423と同定されている。
2000万年の昔、この地では〈負の球体ネガスフィア〉が生まれようとしており、これを巡って超知性体アルケティムを中心とした勢力が混沌の軍勢と大戦争をくりひろげていた。2400話に始まるテンパス作戦で、文脈改竄機で過去へと遡行した《ジュール・ヴェルヌ》も、この闘いに参戦し、どーにかネガスフィアの反転に成功。現在時への帰還の際、いまのタレ=シャルムは秩序側の勢力圏であることが確認され、工廠惑星エヴェラクスとも接触していた。

そこへ、《ソル》を、派遣した――んなら、音信不通になったとき、せめて捜索隊送れよ! 待遇ちがいすぎんだろwww
#ま、100年経つ前になんか送ったことになってるかもだが。

ともあれ、上記〈ショドの鏡〉を(一瞬)通過した際、ローダンはいつの時点かはさだかでないが、タレ=シャルムに転移していたらしい。幻覚ぢゃなかったんだ(笑)
わずかな手がかりから、伝説の宇宙船と、ついでに息子を探すテラナーの旅がはじまる……かどうかは、まだよくわからない。

ミッション《ソル》が年末に終わるとして、明けて来年序盤(3050話)からまた異銀河遠征がスタートするらしいが、ひょっとしてタレ=シャルムの可能性も、あり?(さあねぇ

■公式News:EIN BLICK AUF DEN INHALT VON PERRY RHODAN-MISSION SOL

テラは夢を見ている

えー、まあ覚書というか、死蔵しているものをちょこちょこっと出しておこうかなと。

以下は、1500話「不死を呼ぶ声」の翻訳をしている際に、関連するあらすじとして用意したもの。1500話前半において、1491/92話に出てくる少女ブリスが重要な役どころで再登場するので、『銀河系に還る』ですっぱりカットした彼女の紹介のためだった。
結局、1500話は7割方進んだあたりでストップしたので、こちらも出番がなくなってしまった。ここらで供養しておきたい(笑)
#いつもと違って段落アタマが一字下げなのもそのへんで。

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 謎の停滞フィールドに囚われて遅すぎる帰郷を果たしたペリー・ローダン。だが、三重の障壁に包まれ外宇宙から隔絶された銀河系はドロイド種族〈カンターロ〉の圧政下にあった。レトルト生命インヴィトロたるクローンと本来の生胎発祥者インヴィヴォを種族内で互いに争わせ、また宇宙航行を禁ずることで星間文明の分断に興じるカンターロの背後には、タルカンに発祥する種族ナックの支持と、そして神秘に包まれた〈回廊の主人たち〉ヘレン・デア・シュトラーセンと名乗る存在があった。
 太古にブラックホールを結ぶ〈星の暗黒回廊〉シュワルツェ・シュテルネンシュトラーセンを築き、滅び去った偉大な種族の名を詐称する存在の玉座は、封鎖された銀河系の中でもさらに禁断ゾーンの太陽系、テラ! 〈主人〉に仕えつつも不可解な行動をとるナックのアイシュフォンとエムザフォルにいざなわれ、ローダンは超バリア〈デフトラ・フィールド〉に包まれ、すべてのハイパー機器が作動しえぬ〈絶対停滞アブスティル〉状態の太陽系に潜入し、〈制御ステーション・タイタン〉から転送機を経由して故郷テラの地を踏んだ。そこは擬似体感装置〈シミュセンス〉のネットワークが支配するドリーム・テラ、眠りながら架空の人生を生き、死んでいくアクセサーたちの世界だった。
 事前に〈チップ〉を移植され、ネットワークに接続されたローダンも、夢のテラを目撃し、回廊の主人のひとりドリアン・ワイケンの姿をかいまみた――銀河系を支配するテラナーの代表者として。なんと甘美な夢! テラナーこそ銀河系の支配者。だが、夢から覚めてみれば、そこにあるのは廃墟だけが連なる荒れ果てた惑星でしかない……。

 一定の年齢に達したテラナーは、手首に埋めこまれたバイオ・チップからシミュセンス網にアクセスし、夢の世界(トラウムテラ)に融合する。しかし、介護ロボットの世話をうけながら死ぬまで夢見つづける人々のなかにも、やはり現実との接点を捨てきれない者たちがあった。その一派が〈ドリームハンター〉。他人の夢に介入ハッキングすることをなりわいとする夢の狩人たち。数千年の人生のためか、夢の指標たるドリーム・インデックス値の異常に高いローダンは、かれらにとり恰好の獲物。ハンターのモルト・ゲリンに追われ、ローダンはテラニアの廃墟に逃げ込んだ。かれを匿った子供たちは、〈キッドボット〉と自称した。
 ブリスとシンヴィというふたりの少女に率いられたキッドボットは、シミュセンス網にアクセスできる年齢に達しない幼いテラナーたち。いたるところにある廃墟から、なにがしかの使える装置類を拾い集め、〈電子市場〉エレクトリック・バザールと呼ばれる闇市で売ることで生計をたてているのだった。そして、一定の金額がたまると、リーダーはチップを手に入れ、シミュセンスに入ることができる。ローダンの案内で穴場をみつけたキッドボットは次のエレクトリック・バザールでかつてない収益を上げ、闇チップを獲得したブリスはグループを離れて夢のネットワークにアクセスした……。

 ブリスの母アレイラは、〈ドリームヘルパー〉に属していた。「夢見る権利は平等」というモットーを掲げるヘルパーたちは、他者の夢をもてあそぶハンターと対立関係にあったが、ローダンはかれらが共にシミュセンス網の存在に依存したものであることに気づく。二勢力は、いわば硬貨の両面。覚醒しつつも依然として夢見つづけているのだ。しかし、ともかくもハンターよりはヘルパーのほうにより共感を見出したローダンは、そのもとでチップの制御装置〈マルチタスカー〉を提供され、それまで時折生じていた夢の「発作」から完全に自由となる。そして、ヘルパーの長老の語る〈ギガ〉の伝承を耳にする――。

 ギガ……「タイタンから生還した男」。シミュセンス網の制御装置は、土星の衛星タイタンにある。制御ステーション・タイタンの中央管制シントロニクスが、テラのすべてを管理しているのだ――ルナのネーサンの存在はなぜか知られていない。ギガなる男は、シミュセンス網をさかのぼり、タイタンに達してなお生還した唯一のドリーマーと伝えられていた。かれはシミュセンスの究極をきわめた男。タイタンのくびきから、ただひとり自由な者。シミュセンスの世界に埋没してしまうのを防ぐマルチタスキングも、このギガがもたらしたとされている。
ヘルパーたちと別れ廃墟にわけいったローダンは、アクセサーの中に植民惑星出身としか思えない者を目撃、惑星ロクフォルトで消息を絶った人々のことを思い出す。〈主人〉たちは悪夢の虜となったテラナーを緩慢に滅びへと押しやりながら、なおもドリーム・テラを維持せんと意図しているらしい。

 おなじ廃屋でローダンはまたもモルト・ゲリンに遭遇、囚われの身となる。しかもドリームハンターの本拠こそ、かつての宇宙ハンザ同盟本部HQ-ハンザ! ハンターの首領パスカルは、おそらくローダンを除いては史上最高のインデックスの持ち主。しかしかれは年老い、死の寸前でかろうじて踏みとどまっている状態であった。この老人を生き永らえさせているのが、やはりギガの伝説――いや、ギガは老パスカル自身の「夢」にあらわれ、全シミュセンス・システムを掌握する〈究極のモジュール〉の存在を語ったというのだ。権力への鍵はタイタンにある……。パスカルを動かすのは、しかし権力欲ではなく、自らが死した後もドリームワールドの中で永遠の生命を得たいという渇望であった。生命維持装置のただなかで動けない自分に代わって制御ステーション・タイタンを攻略すべき人物として、パスカルはローダンを選んだ。アブスティルの中で唯一機能する転送機通廊の終点こそタイタン!

 無人のタイタンを進むのは、ローダンを筆頭にモルト・ゲリンと部下のハンターたち、そしてローダン救出にHQ-ハンザへ侵入し捕らえられたアレイラとシンヴィ。かれらを待ち受けるのは、〈ドリームオペレーター〉の準備した「夢の迷宮」トラウムラビュリンス。ハンターたちのマルチタスカーをもってしてさえ、シミュセンスの悪夢が襲いかかってくる。ローダンのインデックスと、そしてタイタンでテラナーの帰還を待っていた2体のナックの介入がなければ、一行は迷宮のなかで息絶えていたことだろう。
 ところが、究極モジュールの広間でかれらを出迎えたのは、ドリームオペレーター……ギガ! しかも、ローダンはその姿に見覚えがあった。ドリームテラで、〈回廊の主人〉ドリアン・ワイケンとして!! ギガとは、タイタン・シントロニクスの産み出した幻でしかなかったのだ。ドリームオペレーターは一行を嘲笑う。すべてはゲーム、〈主人〉の強大さを「玩具」に思い知らせるためのゲームにすぎない、と。テラへ還るがいい。再び夢見るがいい。一切の記憶を失い、ただおのれの卑小さだけを痛感しながら……。

 ギガの哄笑が、夢の迷宮ごと人々を吹きとばした。テラに回送されるのだ――そのとき、ローダンを不思議な力がつかんだ。アイシュフォンとエムザフォルが、テラナーを強引に回収したのだ。かれらはタイタンで、ローダンに何らかの行動をとらせる心算でいたらしい。だが、いまやすべてがご破算となっていた。テラナー救出が、いまはソル系におらぬ〈主人〉の注意を喚起してしまったのだ! 全速力で太陽系から脱出するナックの三叉船ドライツァックシッフ。デフトラ・フィールドの彼方には、友の危急を察知したアトランの《カルミナ》が待機していた。それへとローダンを転送し、超空間に逃走しようとしたその瞬間、ナックの船は爆発、この宇宙から消滅した。〈主人〉はナックの背信を許さなかったのだ。

 廃墟に覆われたテラの荒野を、ひとりの少女がさまよっていた。名をシンヴィ。シミュセンスに適当な年齢に達していなかったため、介護ロボットに追い出されたのだ。ゲリンたちはタイタンでの記憶のすべてを失い、マルチタスキングの助けもなしに夢を見ている。アレイラは急激なドリームワールドへの移行に耐えられず、発狂した。パスカルは死んだ。かれの最期に見た夢が、ギガであったのか、それともシミュセンスを具現化するという〈クリル・クラン神〉であったのか、知るものはない……。

 わずか3ヵ月後の1147年5月、真の支配者〈モノス〉は失墜。テラと銀河系の新時代がはじまる。

(Traumterra)

NEOの新作家:ルーシー・ガス

第4期のはじまるNEOに新作家が加入する。
ミシェル・シュテルンとともに201巻の共著者となるのはルーシー・ガス(Lucy Guth)、本名をターニャ・ブルスケ (Tanja Bruske)。

1978年生まれ。ゲーテ大学で演劇・映画等メディア関連を専攻した後、地方紙の編集者として働きながら、本名でファンタジー小説『永遠の歌』や歴史ミステリーのキンツィヒタル三部作等を上梓している。
また、ペンネームのルーシー・ガスでは主にBastei社のSFシリーズ「マッドラックス」のチーム作家として活躍。372話からほぼ1割程度を担当し、最近作は499話『宇宙的暴力』。

■自サイト:www.tanjabruske.de

NEO第4期、開幕は〈太陽系連邦〉

5月14日に発売の200巻「ガラスの男(Mann aus Glas)」からローダンNEOは第4期に入る。その最初のシュタッフェル(200巻~209巻)は〈太陽系連邦(Die Solare Union)〉。

従来(第2期以降)のローダンNEOはxx1~x10巻の10冊単位でシュタッフェルが構成されていた。これを旧ヘフトと同様にxx0巻~xx9巻の形式に変更したのは、まあ、「200巻だよ! 第4期だよ! まったく新しいストーリーだからご新規さんにも最適だよ!」というキャンペーンのため、としか思えない。
帳尻合わせで全9巻となったシュタッフェル〈けだもの〉において、シリーズ初期からの諸々の謎に答えを出し、大きな区切りとして第4期の開幕と相成ったわけであるが……。

新シュタッフェルの開始は西暦2082年4月12日。
植民惑星オリンプの代表アンソン・アーガイリスの招待を受けたローダンは、《マゼラン》でふたご座のカストル星系を皮切りにコロニー周遊の旅をスタートする――というのが序盤の展開らしい。他にプロフォスの名も挙がっている。
199話が2058年なので、時間ジャンプは24年。その時間でテラフォーミングを行い、植民し、複数のコロニーからなる連邦(Terra Unionがテラ連合なので、太陽系連合と訳すべきかもしれない)をつくりあげ……と考えると、ちょっとどーなのという気がしないでもない。まあ、トレード・シティが人口40万というから、建設途上と言えるかもしれないが。

メインの読者層がヘフト版とは異なるそうだし、ここまでストーリーを別モノにするならもうちょい考えてほしいところ。固有名詞だけ使い回しを続けるのは、「ローダン・ブランド」を名乗り続けるためかもしれないが、少なくとも旧ヘフト版の読者には違和感ばかりが増していく気がする。

ちなみにカストル系オリンプの代表、原語はObmann。まあ、英語でいえばchairmanくらいの意味らしいのだが、これ、ヘフト版におけるイラーティオ・ホンドロの称号と同じである。植民星系の代表、という意味なのかもしれない。ヘフトでは、他の種族でもたまに使用されているみたい。

4/18追記:続報に惑星イマルトも出てきたけど、やっぱりObmannですねー。そして、しちゃうんだ、遺伝子操作……。

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