ベルリン書籍見本市開催中

11月23・24日の両日、ベルリンのメルクーレ・ホテルを会場に書籍見本市BuchBerlin (Berlin Book Fair)が開催されている。
“ドイツ国内三番目に大きな”ブックフェアだ、と公式サイトで述べられている。第一は当然、フランクフルト書籍見本市だとして、二番目は……ライプツィヒかな?
こーしてみると、ホント、ローダン以外のドイツのこと知らないなあと、少々気恥ずかしいが(笑)

今年は、23日の18:30というから、日本だと明日の明け方に、ファンタスティーク大賞の授賞式が執り行われるはずである。BuchBerlinの主催(Schirmherrschaft)には、ファンタジー作家のベルンハルト・ヘンネンの名前が挙がっているが、こちらではどうだろうか。

■公式サイト:BuchBerlin

亜鈴船の旅は終わらない

11月15日発売の第12話「キューブが落ちる」をもって、ミニシリーズ・ミッション《ソル》は閉幕を迎えた。多くの犠牲を払ったが、これでローダンが元の時間へ帰還して、さてその後500年、《ソル》はどうなってるのやら~とやや方向のちがう期待で開いた最終話。
もはや伝説の船《ソル》の旅路は、予想外の展開をむかえたのだった(笑)

  1. Kai Hirdt / Das Raumshiffgrab / 宇宙船の墓
  2. Bernd Perplies / Die Althanos-Verschwörung / アルタノスの陰謀
  3. Dietmar Schmidt / Gefährlicher Pakt / 危険な契約
  4. Ben Calvin Hary / Welt des ewigen Todes / 永遠の死の惑星
  5. Olaf Brill / Strafkolonie der Ksuni / クスニの懲罰コロニー
  6. Hermann Ritter / Das Orakel von Takess / タケスの宣者
  7. Marc A. Herren / Eine kosmische Bestimmung / 宇宙的天命
  8. Bernd Perplies / Krise auf Evolux / エヴォラクス危機
  9. Ben Calvin Hary / Ins Herz der Finsternis / 闇の中心へ
  10. Olaf Brill / Die Höllenfahrt der SOL / 《ソル》の地獄下り
  11. Dietmar Schmidt / NEUBEGINN / 《新生》
  12. Kai Hirdt / Der Würfel fällt / キューブが落ちる

ヘフト本編2998話で、〈劫火〉の拡大を阻止するため、騎士のオーラのパチモンを着用せんと超知性体ゲショドの補助種族が用いる転送機〈ショドの鏡〉をくぐったペリー・ローダンは、なぜか奇妙な作用ではるか彼方の宙域へ転送され、外界と隔絶された〈漂着者の谷〉に出現する。そこには過去の記録をうしなったソラナーの末裔が暮らしており……2つの“神殿”がソル=セルであることをローダンは知る。谷の秩序を乱すものとされたローダンは、協力するわずかなものたちとともにソル=セル2を再起動、離陸する。
――というのが、ミニシリーズ第1話(既報)。

〈漂着者の谷〉を離床したソル=セル2から、ローダンは即座に特徴的な恒星配置を発見。F2型巨星8個が均等間隔でキューブ状に配列されたそれが示すのは、コスモクラートの工廠惑星、〈白い惑星〉エヴォラクス!

エヴォラクス(Evolux):
〈白の惑星〉エヴォラクスはタレ=シャルム銀河に存在するコスモクラートの工廠惑星である。初登場は2450話「エヴォラクス」(フェルトホフ)。
一辺あたり69億キロの距離で配置された8つのF2型恒星の立方体の中心に位置する。直径14万キロ、質量は木星の77倍、ただし表面重力は1.05Gという、いろんな意味で規格外、人工の世界であることがうかがえる。地球の125倍の面積をもつ地表はハイパー物理学的フィールドによって無数のセグメントに分割され、さまざまな種族が各種工程のため働いている。首都は〈天嶮都市〉ベリオサで、シーケンス評議会が惑星全土を管理する。
新銀河暦1346年、タレ=シャルム銀河の負の球体“反転”を目撃して2000万年前から帰還した《ジュール・ヴェルヌ》は、コスモクラートの使者が使用する青い転子状船が建造されているのを目撃している……のだが、当時、能率アップのため総監督として猛威をふるっていたコスモクラートの人造人間ディラメシュとひと悶着あって、これをエヴォラクスから追放している。
無茶なブラック業務を押しつけられなくなって感謝したヤコントらエヴォラクス諸種族は、《ジュール・ヴェルヌ》をいろいろいじくりまわしていらん機能をてんこ盛りにしてくれたのだが、それは今回の物語とは関係がない。ディラメシュのリターンマッチでもなかった(笑)

シーケンス評議員コルウィン・ヘルタマーとコンタクトするも、《ソル》本体の行方や、乗員の子孫が孤立した状態の理由のわからない状態で、ローダンは一旦エヴォラクスを離脱。インドクトリネーターで協力者たちに催眠教育を施す一方で、消去された航宙日誌ログブーフとは別に、艦長フィー・ケリンドによる草稿の個人的なバックアップを発見。
……このあたりで、《ソル》がタレ=シャルムにいるのは、遠征自体がこれまでヘフト本編で言われたような“目的地不詳”ではなく、アルゴリアンのクルカリャン・ヴァランティルの委託を受けたローダン自身の指示であったことが明らかになる、のだが。

ヴィラメシュ、ドムラトと、かつてヘフト本編に出てきた島宇宙での中間ストップを経て、30年の時間をかけてたどりついた目的座標には〈法〉付与機《ケオス=タイ》の姿が。強制接収されそうになったり、エヴォラクスでようやく邂逅したヴァランティルが依頼のことなど何も知らないとけんもほろろなど、踏んだり蹴ったりである。
手ぶらでは帰れないソラナーたちは、ヴァランティルの助手マスリン・ドリウの取引に乗って、帰路の時間を短縮する衝撃パルス・プロジェクターを盗み出すことにし、担保として両ソル=セルと、幼い子供たちを残して出発した……。

〈法〉付与機(GESETZ-Geber):
カーライト製で黄金に輝く、直径1126kmの球体。銀河点火弾、〈インシャラム〉と並ぶ、コスモクラート由来の胞子船派生技術である。第三の謎に述べられた〈法〉と、実際に関わりがあるのかは不明。2000万年前の、原混沌胞→混沌胞→混沌叢と〈負の球体〉化が進んだタレ=シャルムにおいて、秩序勢力の軍が侵攻する“門”を開くのに用いられた。
今回登場する《新生》は少々特殊なタイプみたい。

ヴァランティルとの再会や、終末戦隊〈トライトア〉の末裔がいまなお懲罰的な生活を強いられている星系でのマスリン・ドリウとの対決などを経て、エヴォラクスに戻ったローダンらは、コルウィン・ヘルタマーによって捕縛されるが、青い転子状船《光力》を指揮し、いまや〈秩序の総督〉と呼ばれるアラスカ・シェーデレーアによって救出される。

やがて、ヘルマターらが《ソル》を誘き寄せたのは、ソロニウム製の亜鈴船でなければ進入不可能なある特殊空間の存在するためと明らかになる――エヴォラクスそれ自体の内部に生まれた、原混沌胞――負の球体の卵――である。
ローダンはソル=セルで特異空間へと突入し、時空の迷宮に囚われた《ソル》本船を救出せんとするが、一方で秩序勢力は〈法〉付与機《新生》を派遣し、混沌に冒された宙域を“除染”しようと試みる。物質の生まれる前の空間に“初期化”する――すなわち、エヴォラクスを含む周辺宙域の完全破壊である。
救出作戦は成功するのか。破滅のカウントダウンを止めることはできるのか!?

と、まあ、盛り上がったような、そうでないような全12話。
最後、《光力》に招かれたローダンに、アラスカ・シェーデレーアのプロジェクション(記録映像)が謝って曰く、あなたをタレ=シャルムへ運んだのはわたしです、とか。そのときのセルンは洗浄・保管してありますんで、着替え終わったら、エロイン・ブリゼルが元の時点に送り返します。なお、今回の事件の記憶は、数週、あるいは数ヵ月のあいだ、消去されて戻りません。その方が、諸々、都合がいいですよね?
帰ったら、銀河系の〈劫火〉、不可逆までアト3日である。確かに、その方がよかろう。んじゃ、アンドロイド君、送還よろしく~。

……というところで、それまでむっつり黙っていたエロイン・ブリゼルが、

「着替え終わったら送り返せとは言われているが、セルンを渡せとは言われていない」

ちょw 『勇者召喚の使命は果たしたけれど、過労で倒れた旧友の執事が帰してくれない』ですかwww
なんでも今回、アラスカはコスモクラートの指示に逆らってローダンを助け、かつ《光力》を長時間離れて行動していたせいで、現在治療カプセルから出られない状態らしい。エロイン・ブリゼル先生、ご立腹である。

「しかもエヴォラクスを放棄せざるを得なくなり、高次勢力間のバランスが大きく揺らいでいる。アラスカが対処できない以上、おまえがやるのだ。さ、《ソル》へ戻れ」

ローダンと亜鈴船の旅はまだまだ終わらない。
続きは2020年3月予定! 乞うご期待!! って、おいおい(笑)

#しかし、ジェネシスとも神話とも、まるで関係なかったなぁ……。

訃報:眉村卓

眉村卓(MAYUMURA Taku)
1934.10.20 – 2019.11.03

共同通信等によると、SF作家の眉村卓(本名:村上卓児)が本日11月3日早朝、誤嚥性肺炎のため搬送された在阪の病院にて亡くなったとのこと。85歳。

ここに来られる方なら、説明の要などいらないだろう、日本SFを代表する作家のひとりである。二度にわたる星雲賞受賞作を出した〈司政官〉シリーズや、NHK少年ドラマシリーズで映像化された『ねらわれた学園』『なぞの転校生』など、枚挙にいとまがない。

個人的には、やはり少年ドラマシリーズの原案となった短編「名残の雪」が好きだった。
いまWikipediaを見ると、『幕末未来人』(1979年)だけじゃなくて、1994年にも映像化されてるんだな、これ。しかも映画化まで(『幕末高校生』)。え、映画版、コメディなのか……。

眉村先生、長い間のご活躍と、たくさんの作品に感謝を。
謹んでご冥福をお祈りする。

新シュタッフェル〈コンパレータ〉開幕

とゆーか、すでに先月の4日付け発売の210巻『ローダンを救え!』(プラシュカ)で開幕しているのだが、前シュタッフェル終盤からペリペのあらすじも更新されないし、公式フォーラムの方は「ペリペの方が早いから」とゆー身も蓋もない理由でNEOスポイラー板は実質死に体である。現状確認の意味で、ひさしぶりにNEOを購入してみたら……。

人類を星々へと導いたプロテクター、ペリー・ローダンの生命は風前の灯だった。ハラトン・テクノロジーの衰退もあってか、不調をきたした細胞活性装置は〈ダークライフ〉の窓口となり、ホンドロの行動の背後にもその影が見られる謎の存在をその身に宿すことになった。だが、同時にそれは、テラナーが感染したラシャト・ウィルスを中和してもいた。ローダンの体内では2つの業病が相食む状況であり、活性装置がなければとうにその体力は尽きはてていただろう。活性装置が“息切れ”したとたんに昏倒してしまうのはそのためである。
もはやプロテクターの肉体は、長距離遷移に耐えることさえできない。唯一の希望は、オプロン人メルコシュが提示した、〈コンパレータ〉の所属世界である惑星ラシャトでの治療のみだったが、そこへといたる手段がなかった。非物質化をともなわないリニア駆動を搭載した実験艦《ファンタジー》のテスト飛行は不可解な状況で失敗し、その経済的・軍事的効果の波及を憂慮するテラ連合議会は、第三者委員会による原因解明が終了するまで、一切のプロジェクトを凍結する。
テラニアでは大規模なデモがおこなわれ、人々は唱和する――ローダンを救え!

ローダン自身は、すべてを受け入れる心境だった。パウンダー、アダムス、マーカントら、すでに彼に先んじて旅立った者たち。デリングハウス、ティフラー、ンガタら、活性装置の受領を謝絶した者たち。ローダンの息子たちやブルの双子の娘もすでに独り立ちしている。人は生まれ、いつかは死ぬものなのだ。彼は一個の人間になしうる以上のことを、すでになしとげた……。
彼を叱咤したのは、妻であるアルコン人トーラだった。あなたの生命は、ひとりあなただけのものではないのだ、と。ローダンの知らぬところで、多くの人々がひとつのプランを実行に移していた。“ブルの90歳の誕生パーティ”に招かれた人々がルナに集結する。ルナ・リサーチ・エリアの奥深くにおさめられた《ファンタジー》を盗み出すために!

……そして、ヘフト版からの《ファンタジー》伝統というか、出先で難破するのだった(笑)

なんでも、NEOではテケナーよりも先にラシャト病(ラスハト、になってるんだっけ?)だけが、すでにハヤカワ版既訳分でも出てきているそうだが。テケナー、そしてメルコシュの登場とともに、またちがう意味を持たされている。
14歳で両親を失ったロナルド・テケナーは、スペース・ディスクの事故(その記憶が彼にはない)の後、それまで未知の・・・・・・・ラシャト病に罹り、医者もサジを投げたところを、奇跡的に持ち直したという過去を持つ。ラシャトが〈コンパレータ〉の惑星であるとか、メルコシュがやたらテケナーに関心を抱いているとか、伏線は敷かれていた。
そして、〈ダークライフ〉も、〈コンパレータ〉には未知の存在ではないという。……遠征して生命助かっても、行った先でヤヴァいことにまきこまれそうなにおいがプンプンするのだった。

しかし……〈大断裂〉の閉鎖にともなうハラトン・テクノロジーの衰退が、当然活性装置にも影響あるだろうなあと思ったら、第4期になってから、「アヴァンドリナさんは予備の活性装置10基もローダンに託した」って話になってたのね。現状、受理が確認できたのは、ブル、ジョン・マーシャル、ラス・ツバイ、ベル・マックグロウ(ライデン・チームの天文学者でジョンの奥様)の4名。わりとけっこうな人数(ブルの奥さん含む)に断られてて、ローダン、「彼らの方が正しかったかも……」とかやさぐれてるし(笑)
いまのところ、機能不全を起こしてるのはローダンのものだけだが……個人的にすごーく気になってるのは、エリック・ライデンの名前を見かけないこと。彼のチーム、細胞シャワーの利用権持ってたはずなんだけどね……。消されたか(方針的に)。

まあ、わざわざ数を増やしたってことは、〈コンパレータ〉編でそのへん解決するか、たとえばアフィリアでブルの活性装置だけ変だったのとかと同様の論で押し通すか、どっちかなのかな。
主人公ローダン、享年90歳、じゃシリーズ続かないもんねえ。

以下余談:ついにメントロ・コスム登場……SERT技術やエモシオノートもふつーにある。
テケナー姉弟……ブラコンの姉とシスコンでギャンブル狂でろくでなしな弟。ジェシカとトムがわりといい雰囲気なわけだが。テケナーがローダンの義理の息子ポジ?(笑)

※11/3追記:
マガンが該当個所を教えてくれた >Lashat-Pocken ラスハット痘かあ……。