問1. 〈フロストルービン〉とは何か (Was ist der Frostrubin?)
問2. 〈無限アルマダ〉は何処に始まり、何処に終わるか (Wo beginnt und wo endet die Endlose Armada?)
問3. 〈法〉は誰が創り、いかなる作用があるのか (Wer hat das GESETZ initiiert und was bewirkt es?) ※原語es bewirkt は多様な意味をもつため暫定訳。過去ファンダムでは“何が記されているか”が定番だった。
ハヤカワ版722巻『《バルバロッサ》離脱!』で、本サイクルの鍵をにぎる種族Herren der Straßenの訳語が決定した。〈ロードの支配者〉というのは、Schwarze Sternenstraßenがブラック・スターロードになった時点で、まあ予想の範囲内。最近Herrは問答無用で“支配者”なのは、主ヘプタメル関連でも書いたとおり。
でも、今回はそれじゃあかんのよ……。
ちなみに、今回の関連用語を整理してみよう。
ドイツ語
ネイスカム
ハヤカワ版
rlmdi.訳
Schwarze Sternenstraßen
?
ブラック・スターロード
星の暗黒回廊
Herren der Straßen
ドゥル・アイ・ラージムスカン
ロードの支配者
回廊の主人たち
alte Herrscher
マクラバン
古の君主
旧主
Archäonten
太古種族
始祖たち
ドイツ語→日本語という翻訳の点では、なんら間違いはない。以下は、その訳語を避けた個人的な理由である。
まず“太古種族”に関しては、エレメントの主ことヴ・アウペルティアを指すdas Alte Volkと丸かぶりなので、当時あれこれ検索して、始祖鳥(Archaeopteryx)――まあ“太古鳥”くらいの意味なので、言ってる内容としては変わらないわけだが――から採用して「始祖たち」にした。
作中、Herr der Straßenを名乗るキャラが登場するのは、実はこれより後、1474話からなのでうっかり見逃してしまうところなのだが(実際見逃していたのだがw)、後で読み返していて「ああ!」と唸ったもの。ヴルちゃんがんばってるんじゃよ……。
あと、名乗りをあげない状態では、ハヤカワ版にもすでに2名ほど登場している。
1 ペリー・ローダン=アクション
H 3Z 36話
2008-09年にかけて隔週刊行されたヘフトシリーズ。草案はモンティロン。アクション重視、らしい。
時代は西暦2166年。なので、ローダンの肩書が“連合帝国”大執政官なのである。懐かしや。
2 惑星小説(ローダン・ポケットブック)
P 415巻
E 2巻(電書のみ収録の『宇宙からのSOS』と『テラの殺人鬼』)
後述のポケットブック・シリーズと混同しそうなので、個人的には惑星小説と呼ぶ。
1964-96年にかけて月刊で出たサイドストーリー。
合併前のMoewig社から出たりPabel社から出たり、後期にはグループ会社のHeyneから、さらに外部のBurgschmidt社から出たり。複数版が存在し、また一部のみ存在する電子書籍版ではナンバリングが異なったり、意外と複雑怪奇であるw
3 ペリー・ローダン=エクストラ
H 16冊
2004ー2012年にかけて15冊が刊行された“増刊号”。年1~2回発行。新作小説に、惑星小説等の朗読CDが付録についていたりした。2017年に16号が出たのが最後。
なお、1号の「人類調査隊」は、2200話「星の私生児」に平和ドライバー視点のプロローグ、エピローグが追加されたもの。
4 ローダン・ミニシリーズ
H 11Z 132話
2014年からほぼ年1回、隔週刊行される全12話のヘフトシリーズ。草案はそれぞれ異なる。
5 ポケットブック・シリーズ
P 10Z 40巻
VPMではなく、Heyne社やBastei社など外部で出版されたペーパーバック版サイドストーリー。草案や巻数も作品ごとに異なる。たいていはサイクルのはざまの期間を補うような形をとる。
実は上記ミニシリーズより、こちらが先行しており、Heyne版が2002-11年。Bastei版が2019年。
6 デジタル・ファースト
E 3Z 18話
とりあえず電子書籍のみで発売し、好評なら紙版も、という手法。
7 スペース・スリラー
B 4巻
1997年に4巻がハードカヴァーで刊行された。
スリラー、の名称のとおり、新銀河暦13世紀、新設されたテラ連盟サーヴィス(TLD)のエージェントが事件を捜査する展開。シリーズ主要キャラはほとんど登場しない。
ただし1巻で主人公の助手を務めた見習いフィー・ケリンドは、後の正篇に登場。《ソル》艦長として長らく活躍する。
8 作家愛蔵文庫(Autorenbibliothek)
B 5巻
2000-2003年に5巻が刊行されたハードカヴァー書き下ろし。
80年代に出たソフトカヴァーの旧作合本企画と同名なのでまぎらわしい。内容は、トレゴン連合創設まもない時代の各銀河が舞台となる。当初4巻予定だった『メタマニウム』は未刊行。作者フィンディヒの個人サイトで冒頭2章のみ公開された。
9 コスモス・クロニクル
B 2巻
『レジナルド・ブル』(2000)、『アラスカ・シェーデレーア』(2002)の2巻。作者はともにヘーンゼル。
ブルは月着陸からアフィリー時代まで、アラスカは転送機事故からローランドレまでを、それぞれの視点で追ったもの。
10 大いなる冒険 B 1巻
エシュバッハによる、シリーズ前日譚。
ペリー・ローダンの誕生にはじまり、父祖のアメリカ移住まで遡り、《グッド・ホープ》のヴェガ進発までを描いたシリーズ前日譚。作中“無限アルマダ”という単語が出てくるので、新銀河暦5世紀以降のアダムスが書いた、カメラ的記憶能力による回想と、関係者への聞き取り調査をもとにした手記である。
II アトラン・サイドストーリー
1 アトラン・ミニシリーズ(新ATLANヘフト)
H 7Z 84話
1998年刊行の、新銀河暦1290年(1900話台中盤)にアトランが遭遇した事件を描いたトラヴェルサン・サイクル12話が好評を博したため、2003-06年にかけて6サイクル72話(時代は遡り新銀河暦1225年)が隔週で刊行された。
2 アルコン三部作
B 3巻
アトランの“青本”(ソフトカヴァー書籍)は、クナイフェルが惑星小説で発表した〈歴史冒険譚〉を時系列順に再編集した1~13巻、旧ATLANヘフトの〈アルコンの英雄〉サイクルを再編集した17~45巻があり、そのはざまの3巻が、編者カストルのオリジナル、いわゆるアルコン・トリロジーとなる。
西暦2044年、アルコン皇帝ゴノツァル8世となったアトランの前に立ちはだかる太古の因縁。深淵の騎士アルマダンの遺産やら、セト=アポフィスの“草”となった種族の遺産やら、いろいろてんこ盛りである(笑)
3 アトラン・ポケットブックシリーズ
P 9Z 28巻
上記ミニシリーズの完結と入れ替わるように、外部委託で刊行されたペーパーバック・シリーズ。
西暦3100年代、USO大提督アトランが、中央銀河ユニオン内部で発生した細胞活性装置をめぐる陰謀や、太古種族イロヒムの遺産をめぐる事件等に立ちむかう。サイクルごとに草案や巻数も異なる。
4 ATLAN-X(新歴史冒険譚)
P 2Z 6巻
P 1巻
E 1巻
惑星小説の歴史冒険譚は上記青本に収録されたが、惑星小説がなくなった後、2000年あたりで〈メーヴィヒ・ファンタスティーク〉というハードカヴァー叢書にて、歴史冒険譚2編、トラヴェルサンの外伝1編が刊行された(他はドラゴン、ミュトール等、ファンタジー・ヘフトの外伝等だった)。2009年に、これに加筆訂正した形でスタートしたのがATLAN-Xである。