想像力は必要かと

今月の「あとがきにかえて」の件。
なんだかなあと思ったのはわたしもいっしょだが、理由はまったく逆。創造力はともかく、想像力は要るんじゃないかと。tausende→2万への変換については、だから、

「とりたてて書くほどのこっちゃねーじゃん」というのが正直な感想。

それよりも、ほんの数行前、
「雲間に上極が平らな宇宙船が浮かんでいた。ゆっくりと降下してくる。」
あるいは、
「着陸床にはまだ少なくとも二万人の人間が残っているのに、着陸しようとする宇宙船を凝視した。」
って、ちゃんと訳してほしいもの。あれだけだと、なんでみんなが恐怖してるのかわからないと思う。原文を削除して、読者の想像力に期待するのは、いかがなものか。

306巻『焦点メド・センター』刊行

ハヤカワ版306巻である。著者は前半「焦点メド・センター」がクナイフェル、後半「銀河の深淵」がフランシス。訳者は渡辺広佐氏。

依然(あたりまえ)PAD編が続行中。PADの病根をもとめて悪戦苦闘中の惑星タフンに、素直に「助けてぇ」と言えないアコン人の工作部隊が潜入。迎え撃つのは、個人的にアコン人に恨みのあるUSOスペシャリスト――という前半。そして後半は……。
というわけで、いよいよ人類やレムリア系テラナー以外にも、PAD禍が拡大をはじめる。ってーか、いきなり最悪のカードな気がするのだが。

そんな中で、今回気になったのは……「オーバーバイエルンに帰りたい」のはやっぱり前の話だけだったのか?(笑) >ローダン

305巻『〈星の時〉作戦』刊行

ハヤカワ版305巻、刊行……というか、実際には10日ごろには入手していた。著者は前半「〈星の時〉作戦」がエーヴェルス、後半「テラへの巡礼」がヴルチェク。訳者はフリューゲルの田中栄一氏である。

前巻からひきつづきPAD編。病根は依然つかめぬまま、状況は悪化の一途をたどる。
「レムリア系テラナー」という用語は、もっと反撥を買いそうな気もするのだが……たいそうな作戦名で陰謀をたくらんだスプリンガー/アラス/アコン/アンティ連合軍諸氏も、明記はされていなかったようだが、たぶんPADにやられているので、そこまで頭がまわらなかったのかもしれない。

今回の見どころといえば、やっぱりストレスためこみすぎのローダン親子だろうか。ヴェルサイユにいらっしゃい状態なロワは実はアコンの策略によるというオチがついた(後半では一応マジメだし)。しかし、ローダン家がドイツ系アメリカ人というのは既訳部分で言及があったか記憶にないが、バイエルンの風景を見て「帰りたい……」とアンニュイなローダンには、アトランでなくともため息が出ようというものだ。
#余談だが、Oberbayernは一般的に「オーバーバイエルン」ではないかと……。

次巻、アトランを殴り倒してドイツへ飛んだローダンを待つ運命とは!?(嘘

アトラン対カリオストロ

アトランのミニ・シリーズ、オブシディアンの最終巻『オブシディアン断裂めざめる』が刊行された。これにてオブシディアン編は閉幕、次巻より大法官編(仮)に移行する。
まだ、モノが来ていないので詳細は不明だが、アトラン側にはコスモクラートの使いリー・ダ・ツォルトラルとヴァルガン人女性キサラ、相手はサイノスのサルダエンガル。シリーズで謎に包まれた種族のオンパレードである。しかも、このサイノス、すでに12000年前の金星、そして18世紀のヨーロッパで、アトランと遭遇していたというのだから、またあきれる。
しかし、フランス宮廷のノストラダムスといい、アトランは昔から敵が多い……(苦笑)

304巻『氷惑星の決闘』発売

並行宇宙編のひとまずの閉幕であり、悪夢のPAD(抽象奇形心身症)編の開幕であるハヤカワ版304巻『氷惑星の決闘』が刊行された。前半の著者はフォルツ、後半がダールトン、訳者は五十嵐洋氏である。
前半ではじめて〈反それ〉の名称が登場することは知っていたが……なんか、えらく前後関係に齟齬が生じている。当時悪化していたと思われるシェールの病気のためか、補佐をしていたフォルツの勇み足か、はたまた編集サイドの連携がおかしかったのか。
なんとなく、フォルツの死の直後、1200話で「究極の謎の第1・第2の回答を、実はコスモクラートはとっくに知っていたのに、ローダンたちは誰ひとり驚きもしなかった」著者マールのミスを編集・校正ともどもチェック漏れしたことを思い出すが、そういう問題とは異なるだろう。もともとこのサイクル、作家ごとに並行宇宙の設定、ちがってたし(汗)
余談:「このセクターには、スプリンガーのやつらがひそんでいる。あの劣等種族のことは知っているだろう?」(234頁)
いや、まだネガティヴ並行宇宙なんかと思ったっす(笑)

303巻『策謀のGZ』入手

『策謀のギャラックス・ゼロ』、著者はクナイフェル&マール、訳者は赤坂氏。
まだ前半だが、なんつーか、この並行世界のはらんだ矛盾はどーにかならんものか。ちなみに、オラーナさんの旧姓はオクレアー。
今月の「あとがきにかえて」は……どう反応すべきだろうか。なんだか、あの文面だけ見ると、すごくちゃんと訳しているように見うけられるのだが。

302巻『パルピロンの闘技会』

ハヤカワ版302巻『パルピロンの闘技会』を、早売り?の書店でゲット。さすが日本の夏、お盆進行というもの。いっしょに並んでいたグインと時シャリは前の巻をまだ買ってないので放置。
しかし、現在『ザ・スタンド V』(S・キング)と格闘中なので、買ったローダンもまた放置なのだった。キングといえば、今年はついに『暗黒の塔』が全7巻完結するらしい。うわ3巻から先読んでないよー。

閑話休題。
少しだけネタバレると、宇宙チェス・サイクル、現在の並行宇宙編は304巻前半まで続く。そこでの決着を考えると、今回の後半タイトル&ローダンのシメの台詞は、やっぱり「権力」ではなく「暴力」だと思うのだが。
PAD病編は色々すごすぎるので、早く来年5月(予定)からの脳オデッセイ編にならないかなー(を

ローダンハンドブック2刊行

すでに先月の話で恐縮ながら、邦訳300巻記念の一環として、早川書房より『ローダンハンドブック2』が刊行された。これまで&これからのあらすじ、作家情報、シリーズ用語小百科と、この手の販促物として必要最低限のものは揃っており、さらには2000話『それ』の完訳まで収録されている、ファン必携の一冊である。

作成の実働期間を知っていると、小百科の項目数など、かなり驚愕モノなのだが……その分、やや荒削りなのは否めない。修正だけで小冊子が作れると言うと、そんな鬼小姑のような真似はやめておけとマガンに制止された。残念。