究極の謎と〈法〉

ローダン・シリーズにおける〈究極の謎〉とは、コスモクラートが超コンピューター・ヴィールスインペリウムで解かんとする3つの謎を指す。
なお、至高の謎はないw

新銀河暦424年、ヴィールス研究者キウープに遭遇した人類は、コスモクラートが太古破壊されたヴィールスインペリウムを再建し、原初の謎を解こうと試みていることを知る。
ワリンジャーやシェーデレーアらのキウープとの対話で三つの謎の一部の文言が判明するが、最終的にすべての内容がわかるのは、騎士叙任のためノルガン=テュア銀河の惑星クラト、ケスジャン聖堂を訪れたローダンが、ポルレイターの残した“モラガン=ポルトの憲章石”に対峙したときである。
条文に曰く、

問1. 〈フロストルービン〉とは何か (Was ist der Frostrubin?)
問2. 〈無限アルマダ〉は何処に始まり、何処に終わるか (Wo beginnt und wo endet die Endlose Armada?)
問3. 〈法〉は誰が創り、いかなる作用があるのか (Wer hat das GESETZ initiiert und was bewirkt es?)
原語es bewirkt は多様な意味をもつため暫定訳。過去ファンダムでは“何が記されているか”が定番だった。

やがてローダンは、ポルレイターが220万年前に封印したフロストルービンが、敵対する超知性体セト=アポフィスによって収奪した意識断片の貯蔵庫として利用されていることを知るが、真の解答はアルマダ王子ナコールの物語るオルドバンの回想に登場する。

解1. プシオン場トリークレ=9〈モラル・コード〉の二重螺旋の一部を成す〈コスモヌクレオチド〉。
解2. 始まりも終わりもなくアルマダとなって時空湾曲内に埋め込まれている。無限アルマダ=モラル・コード。すなわち〈宇宙コスモ遺伝子ジーン

ノル=ガマネル帝国の英雄の死後、タルクシール技術で保存されたオルドバンの意識体を、秩序勢力の任務へとリクルートしに訪れたコスモクラート・ティリクが得々と語っているので、1億年前の時点で謎のうち2つまでがすでに自明のことだった……というより、最後の謎へと探求者を導く糸口にすぎない。
「フロストルービン」のようなコスモヌクレオチドを構成要素とするモラル・コードの「無限アルマダ」が、宇宙にもたらす「法則ないし戒律」の創造者とその意味――。

モラル・コードはその情報倉内のプシオン情報量子プシクスから形成された「未来」の情報をメッセンジャーを介して宇宙へもたらす。それは宇宙を織りなす“物理法則”すらも例外ではない。
〈法〉がそれら「法則」を意味するのか、それとも秩序・渾沌勢力の行動を制限する「戒律」的意味合いをもつか、現状では不明である。

創造プログラム以前の“灰色”
深淵の地でアトランら騎士たちが対峙した〈灰色の感化力〉。それによって生まれる灰色のロードたちは、曰く「宇宙に〈創造プログラム〉がもたらされる前の生命」だという。秩序=光=白、渾沌=闇=黒と仮定して、それらが分岐する以前の秩序でも渾沌でもないもの=灰色、と考えることもできる。
しかし、後に述べる理由により、この宇宙は誕生の時点から創造プログラム……〈法〉の影響下にあったと私的には考えている。

混沌の勢力はモラル・コードを〈進化の法典コーデックス〉と呼び、そのもたらす創造プログラムを憎悪している。それこそが、彼らを現在かくあらしめ、かくありつづけることを強いているのだから。
ならば、秩序勢力よりもなおいっそう、その謎を追究しているかと思えば。実はあちらには、すでに“第3の究極の謎を解いた”存在がいるという。2300話からハンガイ銀河を負の球体にせんと盛大にドンパチをくりひろげる渾沌の終末戦隊トライトアの司令官にあたる〈カオプレッサー〉、超知性体コルトロクである。
コルトロクは秩序勢力が実験的に、戦争状態にあった互いに似ても似つかぬ(片方はヴァルペルティア系のヒューマノイド)種族を強制的に精神化させ統合した存在から進化したもので、多分に精神分裂症的傾向がある。カオプレッサーとなるにあたり、トリークレ=9の暴走で生じた負の球体で修行した結果、ローダンが解答を“見た”創造の山の対となる〈負の山〉で悟得したらしい。ただ……曰く「混沌にとり、なんの役に立つのかわからなかった」のだという(爆)
以後6900万年が経過して、宇宙の天秤が混沌側に傾いていないことから、噓ではない、のだと思う。

 究極の調和の感情がかれを満たした。一時に数百万もの事象を観察したのにもかかわらず、ただひとつの混乱もうかがえなかった。逆なのだ。観察すればするほど確信できた。個々無数のできごとをつなぐ関係を感じることを。個々それぞれのプロセスは、プロセス全体と直接に結合していることを。何ひとつ孤立して起こりはしない。無意味なことなどありはしない。すべてのできごとが、ひとつの法則の顕れなのだ。
 〈法〉!

――『エスタルトゥへの道』収録の抄訳

1272話で解と遭遇する前にローダンの見たヴィジョンは、マールなりの解答だと考えることもできるが、素晴らしいけども、たしかになんの役に立つのかわからんなw

〈法〉は普遍か?
灰色の感化力のエピソードで、「では何者かがこの宇宙にモラル・コードを設置したのか?」という疑問が当然出てくるが、これは事実上否定されている。
まず、ドリフェルの例に見るように、モラル・コードは多元宇宙的マルチヴァーサルだ。それと連動して、秩序・混沌両勢力の活動もあまたの宇宙にわたっている。
七強者システムの崩壊でアブルーセを生み出した裏宇宙アレズム。強者ヌスコギヌスが由来する、トライトアの“軍需工場”化で死滅した異宇宙エウディ=アソル=ジャロソ。中でも七強者の背信で宇宙の滅亡が加速した異宇宙タルカンは、通常宇宙よりはるかに古く、すでに収縮過程の終盤だった。
また、アトプ誕生の契機となった“伝説の最初の超知性体”捜索計画だが、この宇宙最初の超知性体は、ビッグクランチを超えて“前の”宇宙から渡来した存在だったらしい。われわれの宇宙以前から、同種の進化システムが動いていることはほぼ確定しているのだ。“遺伝子”だしね。

……と、俯瞰してみると想像以上に古く根をはるモラル・コードだが、そうなると究極の謎は意外と最近のものだ。なにしろ「霜の紅玉フロストルービン」という異名自体が、暴走したトリークレ=9を1100万年前にアポりんが意識断片の貯蔵庫として利用して以降のものである。
ぶっちゃけこの条文は、フロストルービンを封印したポルレイターの後継にあたる“この”深淵の騎士団限定のものである可能性が大きい。
では、至高……じゃないや、“他の”究極の謎があるかというと、実際にある。
アトプの裁判官サエカエルの船には〈究極評議会〉なるものがあって、彼らなりの謎を論議している。

問1. 〈法〉の地平のむこうでは何が起きるか
問2. 質問者は創造の鏡のいずれの面にあるか
問3. 時間は誰のものか

例えば“〈法〉の地平”とは、進化のたまねぎモデルでいうところの「一番外側」であり、コスモクラートより進化しているという〈テズ〉ですら及ばないとか。そりゃ実際なってみないことにはわからんよな。
どの問もコスモクラートの謎と同じものの別の側面、だそうだが。いつか、解は出るのか。

以下余談。
ローダンから諸々の話を聞かされたコスモクラートの転子状船《光力》のアンドロイドは、
「その……パルラクシュント? に書かれた、“宇宙は知的生命体で満たされるべし”ってのが解答なんじゃ?」
と言ったとか言わないとか。
なお、パルラクシュントとは、ATLAN〈アトランティスの王〉サイクルで出てくる、強者イェフェナスの名を冠する超知性体の意識断片を宿したアーティファクト。集めると、巨大なお猫様が復活するみたい。
うん。〈法〉ってか、バイオフォル播け、大群造れ、って命令書なんじゃね?(笑)
イェフェナスの活躍は5000万年前なので、実はカルタン人という線はないw

■Perrypedia:Ultimate Fragen
■Perrypedia:GESETZ

だって僕は星だから

シュワちゃんの「Stellar Stellar」動画を見ていて思い出した(笑)
これまだ、ちゃんと紹介してなかった。 ATLAN550話「ヒドゥン=X」(グリーゼ)より、“高みに輝く星”ことハイ・シデリトについて。

まず、ATLAN500話「ソラナー」にはじまる〈《ソル》の冒険〉サイクルの状況説明など:
時は西暦3791年(新銀河暦204年)、惑星“ネズミ取りマウゼファレ”からの強力な牽引ビームに囚われた《ソル》。打開の方策をもとめ、おなじくビームにつかまった巨大な“城”へ派遣された調査隊は、そこでめざめたばかりの男を発見する。彼はアルコン人アトラン……!
アトランには、物質の泉の彼岸へ旅立って以降の記憶がなかった。ただ、コスモクラートから与えられた使命、「《ソル》をヴァルンハーゲル=ギンストへ導く」べきことだけをおぼえていた。調査隊によってひそかにソル・セル=1へ運び込まれたアルコン人は、200年のあいだに築き上げられた艦内の醜悪なカースト・システムSOLAGと、ハイ・シデリトをトップにすえた独裁体制に驚愕する。
一方、当代のハイ・シデリト、チャート・デコンはSOLAGに混入した“異物”を排除せんとするも、認めざるをえなかった。艦内諸勢力をまとめ上げて牽引ビームを止めたアルコン人の手腕と、かつて自由を求めて旅立ちながら自らそれを失ったソラナーたちに与えられた“新たな使命”がもたらすポジティヴな変革を――。
惑星カイルを抑圧したロクスハル人、これを感化する“精神ファクター”、アル=モハンドート銀河の“ニッケル収奪者”ユステロン人……。反目し合うツートップに率いられた《ソル》の前に立ちふさがる者たちの“背後に立つ未知者”ことヒドゥン=Xはネガティヴ超知性体だった。かつてセト=アポフィスの意識片より創られ、捨てられた挿し木、鏡像体。他者を顧みず、ただひたすら力を求めた先にコスモクラートたらんと欲するその道は、実は創造者とおなじ袋小路なのだが……。

ヒドゥン=Xの座たる要塞ユステリオーンに潜入したアトランとチャート・デコン。余人をまじえぬ状況で、ハイ・シデリトが思わず本音を漏らす。

「ハイ・シデリトか」デコンがひときわはっきりと、「わしはこの職も、その名も大嫌いだ。その意味すら知らぬというのに」
「その名称を考案したのは、なかなかの智者だぞ。シドゥスが“星”を、シデリスは“星の”を意味する。インターコスモにも影響を与えた、地球の古い言語でな。ハイも、また別の昔のことばで“高い”のこと」
「では、全体での意味は?」デコンは立ち上がり、アトランへにじりよった。
「宇宙的システムにおける、高みに輝く星」と、アトラン。「まあ、意訳だがね」

――ATLAN Nr. 550 Hidden-X

アトランはやや回りくどい言いかただが、要は“英語とラテン語のチャンポン”だと言っている(笑)
SOLAGというシステムの、一番てっぺんに輝く星である、と。
ハイ・シデリトの名称は初代独裁者であるエルヴィン・グラドルの考案だが、当時の《ソル》でラテン語教育とかあったんかいなとは思う。まあ、インターコスモに駆逐されて、英語ですら死語なことは後のローダン正篇でも言及があるわけで。死語+死語なわけ。

ともあれ、デコンはヒドゥン=Xのユステリオーンにおける宿体たる彫像とともに自爆し、《ソル》を……彼の“家”を護ったのだった。 アトランと、次代の“高みに輝く星”たる息子ブレッククラウン・ハイエスに未来を託して。

アトランを頂点にすえた亜鈴船は、ヒドゥン=Xとその超兵器フレクト=ユンをうちやぶり、背後で暗躍していた反ホムンクと〈反それ〉、ひいては無名ゾーン自体にひそむ勢力との戦いを経て、いったんは失われたヴァルンハーゲル=ギンスト星域の座標をとりもどす。多くの犠牲をはらい、いくつもの銀河で〈平和セル〉を築いたはてに、収容したスプーディを携えてクランドホルの公爵領という“緩衝地帯”を、〈それ〉とセト=アポフィスの力の集合体のはざまにうちたてる。

ローダン正篇とATLANの連動、という面では、ヒドゥン=Xの正体が明らかになるのが正篇で“自転する虚無”がフロストルービンであると判明直後とか、銀河系艦隊がフロストルービン宙域で無限アルマダと遭遇するのと同時に、ヒドゥン=Xの最終兵器フレクト=ユンのあるゾーン=Xへ突入するとか、フォルツが草案を離れたあとも、グリーゼはけっこう頑張っている。これは盛りあがるw

ハイ・シデリトという名称はさらに数百年を経ても残されているが、もはやかつてのように“てっぺんに輝く星”ではなくなっていた。実に残念な話ではある。

■Perrypedia: High sideryt

※9/14 曲名の綴りまちがいを修正。さんきゅーマガン♪

PRSのサイドストーリー

先ごろ、Twitter(X)でポストした件だが、ローダン・シリーズの外伝(サイドストーリー)はどれくらいあるのか、という話。その際にも、ざっくりと、と云ったように、詳細は別の機会に譲るとして、概略をリストアップしてみたい。
で、「まだいくつもの漏れがある」とつぶやいた件については、以下の表を見ていただきたい。

これは2021年に「ペリー・ローダン5000冊」という、公式ニュースの記事を検証する際に使った表。
Excelで作った各種タイトルリストと、Perrypediaの「Zyklen」の頁をつらつら眺めながらつぶやいていたら、いわゆる“サイクル”と関係のない作品を最後まで見落としていたというわけ。困ったものだ(おいおい
というわけで、ポストしたものを若干手直ししつつ、挙げてみよう。今回も、
H=ヘフト P=ペーパーバック B=単行本 E=電子書籍 Z=サイクル(小シリーズ)

I ローダン・サイドストーリー

1 ペリー・ローダン=アクション
H 3Z 36話
2008-09年にかけて隔週刊行されたヘフトシリーズ。草案はモンティロン。アクション重視、らしい。
時代は西暦2166年。なので、ローダンの肩書が“連合帝国”大執政官なのである。懐かしや。

2 惑星小説(ローダン・ポケットブック)
P 415巻
E 2巻(電書のみ収録の『宇宙からのSOS』と『テラの殺人鬼』)
後述のポケットブック・シリーズと混同しそうなので、個人的には惑星小説と呼ぶ。
1964-96年にかけて月刊で出たサイドストーリー。
合併前のMoewig社から出たりPabel社から出たり、後期にはグループ会社のHeyneから、さらに外部のBurgschmidt社から出たり。複数版が存在し、また一部のみ存在する電子書籍版ではナンバリングが異なったり、意外と複雑怪奇であるw

3 ペリー・ローダン=エクストラ
H 16冊
2004ー2012年にかけて15冊が刊行された“増刊号”。年1~2回発行。新作小説に、惑星小説等の朗読CDが付録についていたりした。2017年に16号が出たのが最後。
なお、1号の「人類調査隊」は、2200話「星の私生児」に平和ドライバー視点のプロローグ、エピローグが追加されたもの。

4 ローダン・ミニシリーズ
H 11Z 132話
2014年からほぼ年1回、隔週刊行される全12話のヘフトシリーズ。草案はそれぞれ異なる。

5 ポケットブック・シリーズ
P 10Z 40巻
VPMではなく、Heyne社やBastei社など外部で出版されたペーパーバック版サイドストーリー。草案や巻数も作品ごとに異なる。たいていはサイクルのはざまの期間を補うような形をとる。
実は上記ミニシリーズより、こちらが先行しており、Heyne版が2002-11年。Bastei版が2019年。

6 デジタル・ファースト
E 3Z 18話
とりあえず電子書籍のみで発売し、好評なら紙版も、という手法。

7 スペース・スリラー
B 4巻
1997年に4巻がハードカヴァーで刊行された。
スリラー、の名称のとおり、新銀河暦13世紀、新設されたテラ連盟サーヴィス(TLD)のエージェントが事件を捜査する展開。シリーズ主要キャラはほとんど登場しない。
ただし1巻で主人公の助手を務めた見習いフィー・ケリンドは、後の正篇に登場。《ソル》艦長として長らく活躍する。

8 作家愛蔵文庫(Autorenbibliothek)
B 5巻
2000-2003年に5巻が刊行されたハードカヴァー書き下ろし。
80年代に出たソフトカヴァーの旧作合本企画と同名なのでまぎらわしい。内容は、トレゴン連合創設まもない時代の各銀河が舞台となる。当初4巻予定だった『メタマニウム』は未刊行。作者フィンディヒの個人サイトで冒頭2章のみ公開された。

9 コスモス・クロニクル
B 2巻
『レジナルド・ブル』(2000)、『アラスカ・シェーデレーア』(2002)の2巻。作者はともにヘーンゼル。
ブルは月着陸からアフィリー時代まで、アラスカは転送機事故からローランドレまでを、それぞれの視点で追ったもの。

10 大いなる冒険
B 1巻
エシュバッハによる、シリーズ前日譚。
ペリー・ローダンの誕生にはじまり、父祖のアメリカ移住まで遡り、《グッド・ホープ》のヴェガ進発までを描いたシリーズ前日譚。作中“無限アルマダ”という単語が出てくるので、新銀河暦5世紀以降のアダムスが書いた、カメラ的記憶能力による回想と、関係者への聞き取り調査をもとにした手記である。

II アトラン・サイドストーリー

1 アトラン・ミニシリーズ(新ATLANヘフト)
H 7Z 84話
1998年刊行の、新銀河暦1290年(1900話台中盤)にアトランが遭遇した事件を描いたトラヴェルサン・サイクル12話が好評を博したため、2003-06年にかけて6サイクル72話(時代は遡り新銀河暦1225年)が隔週で刊行された。

2 アルコン三部作
B 3巻
アトランの“青本”(ソフトカヴァー書籍)は、クナイフェルが惑星小説で発表した〈歴史冒険譚〉を時系列順に再編集した1~13巻、旧ATLANヘフトの〈アルコンの英雄〉サイクルを再編集した17~45巻があり、そのはざまの3巻が、編者カストルのオリジナル、いわゆるアルコン・トリロジーとなる。
西暦2044年、アルコン皇帝ゴノツァル8世となったアトランの前に立ちはだかる太古の因縁。深淵の騎士アルマダンの遺産やら、セト=アポフィスの“草”となった種族の遺産やら、いろいろてんこ盛りである(笑)

3 アトラン・ポケットブックシリーズ
P 9Z 28巻
上記ミニシリーズの完結と入れ替わるように、外部委託で刊行されたペーパーバック・シリーズ。
西暦3100年代、USO大提督アトランが、中央銀河ユニオン内部で発生した細胞活性装置をめぐる陰謀や、太古種族イロヒムの遺産をめぐる事件等に立ちむかう。サイクルごとに草案や巻数も異なる。

4 ATLAN-X(新歴史冒険譚)
P 2Z 6巻
P 1巻
E 1巻
惑星小説の歴史冒険譚は上記青本に収録されたが、惑星小説がなくなった後、2000年あたりで〈メーヴィヒ・ファンタスティーク〉というハードカヴァー叢書にて、歴史冒険譚2編、トラヴェルサンの外伝1編が刊行された(他はドラゴン、ミュトール等、ファンタジー・ヘフトの外伝等だった)。2009年に、これに加筆訂正した形でスタートしたのがATLAN-Xである。

III ローダン短編その他

増刊号(Sonderheft)やローダン・マガジンに21編。
記念号(Jubiläumsband/ペーパーバック)7冊に72編。
『ワークショップ・ファイル(Werkstattband)』に草案から執筆例題として1編。
電書特別編集(ローダン・コンパクト)に9編。
2000話付録「テラニア遊覧~太陽系政庁破壊計画」が1編。
3000話付録「新時代へようこそ!」が9編(ショートショート)。

絵本が『シラミ=ビーバー警報!』が1冊、
『リトル・ペリー』が2冊(予定)。

オーディオドラマが、
『グッキーの冒険』がCD6枚(全12話)
『プレアデス』がCD10枚。

民間貨物船《ステラリス》を舞台とした短編連作〈ステラリス〉が、
正篇ヘフトに不定期掲載が96話
PRFZ機関誌SOL他に6話
(電書で集成版も出ているが、収録作等未確認)

……いまはこれがせいいっぱい(笑)

特攻野郎・宇宙チーム

〈宇宙遊撃隊(Das Weltraumteam)はウィリアム・フォルツによる(非ローダンの)SFショート・サイクル。1980年から1981年にかけて、当時月刊で出ていたペリー・ローダン・マガジンに連載された。全14回、10章までが掲載されたが、おそらく闘病などもあり、途絶している。完結までもっていく意向は漏らしていたようだが、残念なことである。


遊撃隊:

ファルカン・コル
――は、テラナーである。
アルコウト
――は、外星人である。
ニコルのスー・アン
――は、王女である。
コスキン・アルドウ
――は、提督である。
鋼狐ローガン
――は、ロボットである。
《スパイダー》
――は、宇宙船である。

『ウィリアム・フォルツ追悼号』の半分は〈宇宙チーム〉

西暦2837年、テラと叛逆した植民惑星のあいだの戦争は熾烈を極めた。外交面からの紛争調停をめざす絶望的な作戦のひとつとして、コスキン・アルドウ提督はその宇宙船《スパイダー》で、仲介工作を依頼すべくニコル王国へ派遣された。しかし年老い、死病に倒れたニコル王にできたのは、まだうら若いスー・アン王女を軍使として送り出すことだけだった。《スパイダー》が帰到したとき、テラとコロニーの艦隊は消滅していた。ソル星系は、何者も突破しえぬ濃密な物質ヴェールの陰に姿を隠していた。ボルドン人が銀河系を強襲し、地球をその橋頭堡としたのだ。彼らだけが、その黒い船をもって、自らの造り出した物質雲を往来することができる。彼らは地球から全銀河系を屈伏させんとしている。ソル系で、そして地球で何が行われ、またはたして人類が生きているのかを、知るものはない。ボルドン人は塵のヴェールに接近を試みるものすべてを破壊してしまうのだ。帰還のその瞬間から、《スパイダー》の乗員たちは謎に満ちた侵略者との戦いを開始した。わずか数年のうちに、アルドウ提督と《スパイダー》のわずかばかりのクルーは伝説的な名声を勝ちとり、また人々が畏敬をもって口にする異名をはせていた。
宇宙遊撃隊ヴェルトラウムチーム、と!
テラの叛徒たちの目標はただひとつ。ボルドン人の独裁を終わらせ、ソル系を包む塵のヴェールを突破して地球をめざすのだ……。

Kap. 1. Rebellen für Terra / テラの叛徒
Kap. 2. Botschaft aus der Ewigkeit / 永遠からのメッセージ
Kap. 3. Rückkehr nach Nikor / ニコルへの帰還
Kap. 4. Das Raumfort / 宇宙要塞
Kap. 5. Der Staubschleier / 塵のヴェール
Kap. 6. Der Zeitnomade / 時間放浪者
Kap. 7. Der Markt von Clanzey / クランゼイの市場
Kap. 8. Das geborstene Ei / はじけた卵
Kap. 9. Das Bordonnenschiff / ボルドン人の船
Kap. 10. Die Spur / シュプール

1984年10月刊行の『ウィリアム・フォルツ追悼号(William Voltz Gedächtnisband)』に収録されているが、その後電書版等が出た様子はない。未完だし、しょうがないのかな。

以下余談:
カンタロ・サイクルが開幕した当時、元ネタはこれじゃないか、という噂があった。故郷を包む難攻不落の壁、未知の侵略者……たしかにそれっぽい要素は見受けられる。サイクル後半、ローダンの眼前で太陽系が消失したあたりも、あー、と思った記憶がある。裏付ける証言等はないので、まあ戯言ではある。

If:1400話「エスタルトゥ」

来週にはハヤカワ版が700巻『エスタルトゥ』の刊行を迎える。1399話「エスタルトゥ」/1400話「夜の神々」が収録され、広告でも1399話でのタルカン・サイクルの終結が謳われている。のだが。

ローダン・シリーズ現役最古参の作家アルント・エルマー。四半世紀にわたり読者とのコンタクト・ページ(LKS)の担当、通称“LKSおじさん”も務めた彼が、2503話のLKSで語った回想には、ちょっと驚くべきネタもある。
1982年にホイゼンスタムのフォルツ宅を訪れた際に、「フォルツは1500話でローダンを完結させることを考えていた」という。1000話で将来の人類の進化を書きあげ、究極の謎の2つまでが道標にすぎないことを1200話で示唆したうえで、モラル・コードの修復が最後の謎〈法〉の回答をもたらすとしたら、もうそこから先はないと思っていたのかも。

ともあれ、同じ回想で、エルマーは1400話前後について、こう述べている。

本来1399話ではヘクサメロンの部分的謎解きがもたらされる予定だった。ペリー・ローダンの解読したあるカセットの中で、炎の侯爵アフ=メテムが催眠暗示的手法でヘクサメロンの歴史を物語る。ローダンはすべてを“間近で”体験する。彼自身が炎の侯爵なのだ。彼自らエスタルトゥを狩りたて、苦境のただなかで超知性体は自身を分散させ、意識片としてベングエルとジュアタフに分かつことでおのれを救う。最後にローダンはハンガイ第四クォーターとともに標準宇宙へ転移し、13ヵ月が過ぎ去っていることを確認する。
1400話ではエスタルトゥの再生と、その力の集合体である十二銀河への帰還が前面に押し出されるが、1401話以降の展開も用意される。ハンガイからのハウリの銀河系侵攻のゴングが鳴らされる。
だが、実際はそうならなかった。

ヘクサメロンの歴史とは、後に草案作家マールが惑星小説358巻『七日目の主』で描き出した、超知性体アイセルの力の集合体(後のエシュラア・マグハアス)の銀河クラスの支配者から選抜された“七強者”の勃興と失意の、そして混沌の勢力の傀儡としてのヘクサメロン発展の物語だろう。この本ではヘプタメルの従者バンダルの視点だったが、アフ=メテム(アルフール)はただひとりアイセルの管轄外の銀河から選出され、ヘプタメルの腹心となった存在なので、まただいぶ違った観点ではあっただろうが。
そして、文中の“ローダンが解読したあるカセット”とは、おそらく同じくマールが惑星小説309巻『アムリンガルの宝玉』で触れたデータ・キューブ、ないしはカンターロ・サイクルで登場する〈ミモトの宝玉〉と同種の、“アムリンガルの年表のアブストラクト・メモリ”であり、そこからアムリンガルの所在、ひいては〈それ〉の歴史についての手がかりが得られたと思われる。
ハウリの銀河系侵攻に関しては、カンターロ・サイクルでも“百年戦争”として話題に上るが、現実により脅威だったのは〈ブリッツァー〉なので、歴史の闇に沈んだといえる。まあ、指揮官(アス=レテル)がパニック起こして逐電しちゃってるからね……w

アス=レテル(アコス)は、元々はハンガイ銀河の支配者で、ハウリを補助種族にしていた。ヘプタメル(シリクジム)とは敵対関係にあったためか、二十の領地最大の銀河ハンガイの支配権はアフ=メテムに奪われてしまうが、時間終点計画のメーコラー・サイドは彼が担っていた……はずだ。

ストーリー予告「ヘクサメロンの王国」では、ローダンが沸騰するプロト物質の中心で“新生”する展開が告げられていたので、テラナーはなんらかの要因で再び死に瀕したタルカンを訪れる必要が生じる。実は、上記惑星小説358巻の終盤で、ウリアン/ボラムに続く“ハイパー物質シーソー”が登場する。インフレすぎるがwww
あるいは対ステーションのいらないこれを撃破するため……にしても、単身では向かわないような。ほんと、どーなったんだろ。

上記回想は、編年体でシリーズの歴史をまとめた“Perry Rhodan – Die Chronik: Biografie der größten Science Fiction-Serie der Welt”のvol.3にも収録されている。kindle版がAmazonJpでも購入できるので参考までに。

カンターロ・サイクル予告/銀河系に還る

明日10月18日にハヤカワ版699巻『炎の嵐』が発売になる。タルカン・サイクル、宴もたけなわ。アフ=メテムとの決戦である。
さて、そのタルカン・サイクルは次巻前半、1399話「エスタルトゥ」で完結……と相なるのだが。過去記事等でも書いたとおり、不評のため、急遽打ち切り。前巻前半、1395話「戦闘部隊ラグナロク」は原稿アップ後に書き直したというから、かなり切羽詰まってからの内容変更である。新サイクルの宣伝なども、当然まるでやってこなかった。いやLKSとか、付録レポート内で掲載した草案作成関連記事で“匂わせ”程度はしていたが、それは当然、路線変更前の中身であった。

そして、1399話の読者とのコンタクト・ページをまるまる使って、言い訳と予告をぶちあげたわけ(笑)
「〈それ〉サイクルと言ったな、あれは嘘だ」
「誕生史とかも、やらないよーん」
みたいな弁解後に、ほぼ見開き使った予告記事「1400話からの新サイクル」が、以下となる。サイクル名も未発表(たしか、半年後くらいのLKSで読者の質問に回答したはず)なので、この記事のサブタイトルをとって、仮称・銀河系に還るサイクルだった。かっこいいので、サイクルジンのタイトルにも使用したw
ぶっちゃけ、1418話あたりまでのあらすじ同様なので、いやだ!わたしは知りたくない!という方はまたの機会に。

銀河系に還る / Zurück in die Milchstraße

ついに起こらざるをえないことが起きた。皆が怖れ、そうはならぬよう願っていたことが。
ハンガイ銀河のタルカンから通常宇宙への転送をはじめとする多くのドリフェルへの干渉は、もはやそのようなことが起こらないよう、コスモヌクレオチドを発作的に“店じまい”させるにいたった。自己防衛、ひいては宇宙モラル・コード防衛のための対処といえよう。
高次の秩序勢力、すなわち〈それ〉やエスタルトゥを含む超知性体やコスモクラートは、モラル・コードのマスターを自認し、そのうちに宿る力を思うがまま、自在にあやつれると信じた。第三の究極の謎の回答を知らぬというのに。だが、大自然、あるいは自然じねんの宇宙秩序とでもいうべきものは、自身と宇宙構造を維持・再生するために逆襲した。
そしてそれこそ、〈システム〉がローダンと仲間たちの前に示し、おそるべき現実となった回答なのだ。ドリフェルの作用範囲たる〈5000万光年の天球〉全域に影響を及ぼす、恐怖の宇宙的大破局にいたった。
タルカン艦隊の14隻は、説明しがたい宇宙的力に捕らわれ、停滞フィールドのなか凍りついて見知った世界からもぎとられ――そして、停滞フィールドから解放されたとき、まったくことなる環境にいた。
ペリー・ローダン、アトラン、レジナルド・ブル、その他タルカンへ突入した艦艇の乗員たちは、悪夢のなかにいる自分を見出すのだ。
彼らは自問する。ここはそも自分たちの宇宙なのか。しかし、どれほど幻想的で、異質で、説明がつかずとも、明確で誤解しようのない回答が存在した。
そう、ここは彼らの、通常宇宙なのだ!
そして驚くべきことに、彼らは本来の生存圏にいた。〈それ〉の力の集合体、局部銀河群の銀河。銀河系、ピンホイール(ハヤカワ版:三角座銀河)、アンドロメダ――そして、ハンガイ銀河。
――ただ、そこはもはや、彼らの知る局部銀河群ではなかった。そして、〈それ〉の生存のきざしはない。失踪したか、あるいは滅びたか。
――高次秩序勢力はなおも力ある存在なのか、それとも自らの解きはなった力に押し流されてしまったのかという疑問も生じる。
――宇宙は、少なくとも局部銀河群は、完全にタガがはずれてしまっていた。
――破局の影響をまぬがれたものは、どこにも存在しなかった。
局部銀河群ではカオスが解きはなたれたのだ。銀河系や隣接するマゼラン星雲を含むあらゆる銀河で、暴走するハウリによって開幕したおそろしい戦乱が吹き荒れ、次のような状態にいたった。
――グラド、マークス、ピンホイール・カルタン人をはじめとする多くの種族が孤立状態に引きこもった。
――そして、ハンガイの文明はストレンジネス・ショックの長期作用抜きでも退行し、原始状態に帰った。
――カンサハリイヤは数十万の小国家群に分裂した。
ローダンと友人たちはゼロからはじめなければならない。彼らのものでありながら、自分が異邦人のなかの異邦人であると気づかざるを得ない世界で。一歩ずつ、手探りで彼らは銀河系へと進む。秘密のヴェールを一枚ずつ解き明かし、ついに思い知るのだ。ここに彼らの居場所はないのだと。

彼らはおのれの宇宙のなかの異物。
銀河系は彼らを望まない。
なぜなら銀河系は閉ざされた、堅牢に封鎖された、昏い、謎に満ちた場所になっていた。
立入禁止! 封鎖エリア!
ペリー・ローダンの名は忘れ去られ――
ただ、ポスビらわずかな者たちに語り継がれる伝説でしかなかった。

ローダンと友人たちは、艱難辛苦のなか手探りで前進せざるを得ない。彼らの目標、銀河系の秘密の解明にむかって。モザイクをピースごとにかき集め、しだいに事態の全体像をつかんでいく。だが組み合わされたモザイクは歪んでおり、ひとつ回答を得るごとにさらなる質問が投げかけられるのだ。
希望の最初の手がかりは〈四腕の予言者〉のシュプール。道筋は二百の太陽の星へといたる。だが、そこはポスビのいない世界だった。
銀河系への帰途は、マークスの宇宙駅、二百の太陽の星――ポスビのいない――、そしてポルレイターの援助の望めるM-3へと続く。
しかし彼らは人類やギャラクティカーとの関わりを拒むのだった。ただ、漠然とした手がかり、アムリンガルと密接な関係があるらしい、〈過去の支柱〉という示唆だけが与えられる。
続く、〈サトラングの隠者〉との出会い。彼は古き友だが、その素性が知れたのは、すべてが手遅れになってからのこと。
ローダンら故郷を追われた者たちの道はマゼラン星雲のグラドのもとへ。だが、グラドはローダンが彼らの故郷銀河をクロノフォシルとして活性化したことへの感謝など知らぬかの対応。事態の背景など知らぬと主張する。だが、何かを隠したいのは明らかだった。
たとえば、勢力をのばしつつある、まだ若き宇宙航行種族ベカスとのコンタクト。そしてその庇護者――宇宙の遠い領域からドリフェルの破局によって誘き寄せられ、不透明なゲームを演じる強大な未知者たち。
そのつながりで、新たな名前が浮かびあがる。畏怖をもって囁かれ、多くの推測と興奮を呼びさます名称:〈カンターロ〉
このサイボーグたちは何者か?
いかなる目的を追っているのか?
その存在の秘密とは?
そして、なにより:その優れたハイテクをどう使うつもりなのか?
ローダンは〈ブラックホールの支配者たち〉(*)の存在を知る。星の遺骸の信じがたい力をあやつる術を知り、人類には果たせずにいた「アインシュタイン=ローゼン橋」を実現した者たち。だが、これらすべての知見でも足りない。それでは銀河系への、テラへの扉を開けないのだから。
ローダンはやがて〈過去の支柱〉へと挑み、そこで彼を死んだと思っていたものと遭遇し、旧交を温める。だが、彼の渇望する答えは、〈過去の支柱〉を通過することでのみ得られる――スキュラとカリュブディスのはざまを抜ける危険なオデッセイだ。
ペリー・ローダンと友人たちがその企てに成功し、銀河系に還ることを成し遂げたとき初めて、燃えるような疑問への回答が望めるのだ:

地球はまだ存在するのか?
人類は?
銀河系の他の種族はどうなった?
〈それ〉に何が起こり、なぜ超知性体はその庇護の手を力の集合体に――人類に――差し伸べないのか?
謎に満ちた銀河系の支配者たちとは何者?
いかにしてテラナーと兄弟種族の銀河を強固に封鎖し、誰もたどりつけず――出られないようにしたのだ?

無論、同様の疑問はまだまだある。たとえば、エスタルトゥ十二銀河に残った者はどうなった/どうしているのか――イホ・トロトはM-87でいかなる運命をたどったのか――砕けた《ナルガ・サント》の残り4/5はどこにあるのか――どれほど苦痛に満ちた試練をゲシルが耐えねばならなかったか……等々。
だが、それらはここにふさわしくない。占者はすでに多くを語りすぎており、ペリー・ローダンたちの未来を読み取ったタロットをしまい込んだのだ。

*)〈ブラックホールの支配者たち〉の名称は、おそらく〈回廊の主人たち〉に差し替えられたと思われる。

カンターロ・サイクル簡易レキシコン

昨日に引き続き、カンターロ・サイクルの情報。内容紹介の際、主な用語はこう訳したよ、という。一部若干手直ししてるけど。
当然ながら、ネタバレになる部分もあるので、避けたい向きはブラウザバックで。

A

  • Absoluter Stillstand …… 〈絶対停止〉状態アブソリュート・スティルスタンド。シールドされていないハイパー機器をブロックする。
  • Abstill …… アブスティル → Absoluter Stillstand
  • Abstraktspeicher …… アブストラクト・メモリ。アムリンガルの年表の〈概要記憶装置〉。
  • Advok …… ベンゴシアドヴォク。とあるフランス革命時代の弁護士(Advokat)の名を偽名にしていた人物。
  • Amagorta ……  〈アマゴルタ〉。アマレナが隠遁したとされる場所。銀河系中枢部のブラックホール。
  • Amarena …… アマレナ。ヴィペルターとエスククエル人が合流した種族の自称。「民族」の意。
  • Amimotuo …… 〈アミモテュオ〉。アムリンガルの年表のアブストラクト・メモリ。一抱えくらいのデータ・クリスタル。
  • Amringhar …… アムリンガル。謎多き〈年表〉の所在地。
  • Anoree …… アノレー。ネイスクール銀河の「星の暗黒回廊の管理種族」。
  • Archäonten …… 〈始祖〉。アノレーらによるアマレナの尊称。
  • Assu-Letel …… アス=レテル。ヘクサメロンの〈清浄の領主〉。

B

  • Báalol-700 …… バアロル=700。1149年の「700周年」に向けて製造中のアンティ・クローン。
  • Bekassu …… ベカス族。マゼラン星雲で勃興したコウモリ型種族。大破局から救った「神々」を尊崇する。
  • Bionten …… バイオント。遺伝子実験の結果「廃棄処分」とされたクローンたち。
  • Bliss …… ブリス。荒廃した地球でローダンの出会う少女。浮浪児集団のボス。
  • Blitzer ……  雷撃者ブリッツァー。ドリフェル・ショックからまもなく銀河系にあらわれた、神出鬼没、“雷撃”ブリッツシュラークと呼ばれるハイパーエネルギーの一撃で惑星を壊滅させる、謎の襲撃者。英語のブリッツァーはストリーキングらしいw
  • Buch Log …… ブック・ログ。惑星ブガクリスの山人に伝わる《バジス》の航宙日誌。

C

  • Cantaro …… 〈カンターロ〉。ハウリとの百年戦争に揺れる局部銀河群にあらわれ、動乱を鎮めたとされるドロイド種族。
  • Chronopuls-Wall …… 〈クロノパルス・ウォール〉。銀河系に接近する生命も機械も狂わせる謎の障壁。
  • CILADA …… 〈シラダ〉。新銀河暦9世紀頃に存在した抵抗運動組織。名称はポルトガル語で、「罠」。

D

  • Deftra-Feld …… デフトラ・フィールド。デフレクターとフィクティヴ転送機の融合した、ある星系を隔離するバリア。
  • DORIFER-Schock …… 〈ドリフェル・ショック〉。新銀河暦448年前後の事件の総称。
  • Drakisten …… ドレイキスト。ドレイク機構のメンバーの通称。
  • Dreizackschiff …… 〈三叉船〉。ブルー・ナックの操る、ポセイドンの三叉戟を思わせる形状の宇宙船。
  • Droid …… ドロイド。アンドロイドというか、今回は「サイボーグ」の言い換えと理解すればいい。
  • Druithora …… ドルイトラ。M-87銀河の中枢部イディオムによる名称。
  • Dschufar ama Sunnuh …… ジュファル・アマ・スンヌー。イホ・トロトの同行者となる、ハンガイ由来の謎の人物。

E

  • ELYSIAN …… 《エリュシアン》。タフン所属のメド・シップ。正篇・外伝と数奇な数百年を送る。
  • Eremit von Satrang …… サトラングの隠者。銀河障壁の外、惑星サトラングから「銀河系の新たな支配者たち」との闘争を呼びかける、その正体は……。
  • Eskuquel …… エスククエル人。飛行都市で宇宙を放浪するヴァウペルティアの末裔。 → Amarena
  • Ewigkeitsschiff …… 永遠の船。さまざまな惑星からベカスを徴用するロボット船、ベカスにとっては神の船をこう呼ぶ。

F

  • Freihändler …… 自由商人。銀河障壁外の抵抗運動組織。「自由を商うもの」か「自由にふるまうもの」かは不明。
  • Friedenssprecher …… 平和スポークスマン。アノレーが設置した、カンターロへの呼びかけ自動放送局。
  • Funkwall …… 通信障壁。銀河系内外のハイパー無線交信をシャットアウトする。

G

  • Gastropoide …… 腹足類ガストロポイド。ナックのようなナメクジ型種族の総称。
  • Geisterschiff …… 幽霊船ゴーストシップ。サトラングで初めて遭遇する、ぼんやりしたエコーしか探知できない“生命盗人”の船。
  • General …… 将軍。カンターロの階級で、戦略家の下、一般兵の上。
  • Genfabrik …… 遺伝子ファブリ。銀河系各地につくられたクローン工場。
  • Genmüll …… 遺伝子廃棄物。 → Bionten
  • Gevonia …… ジェヴォニア。かつてリバルド・コレッロの拠点だった惑星。過去編(新銀河暦9世紀)にて登場。
  • Giga …… 〈ギガ〉。シミュセンスのネットワークを遡り、さらにタイタンから生還したとされる伝説の人物。
  • Goliath-700 …… ゴリアテ=700。1149年の「700周年」に向けて製造中のシガ人クローン。
  • Gurrads …… グラド。マゼランの獅子人間。

H

  • Herren der Straßen …… 〈回廊の主人たち〉。カンターロを支配するとされる。歴史のはざまに点在する様々な名前から、その実態は杳として知れない。
  • Humanidrom ……  〈ヒューマニドローム〉。新銀河暦800年に建造が発表された、惑星ロクフォルトをめぐる巨大な宇宙ステーション。当初は「銀河諸種族の博物館」になるとされた。 → Werkstatt der Sucher
  • Hundertsonnenwelt …… 二百の太陽の星。ポスビが予言者とともに去った後、委託されたグラドが管理している。
  • Hyguphoten …… ヒグフォト。「ヒポキサンシン=グアニン=燐化ボシル転移種」の略で、エルトルス人を元にした強化クローン。

I

  • Imperium von Karapon …… カラポン帝国。ハンガイ=カルタン人の分派カラポン人の星間帝国。
  • Invitro …… インヴィトロ。クローンの別称。
  • Invivo …… インヴィヴォ。胎生、すなわち旧来の生殖により生まれた生命。

J

  • Juwel von Mimoto …… 〈ミモトの宝玉〉。〈暗黒のキューブ〉と合わせて星の暗黒回廊の星図をなすとされる。

K

  • Karaponiden …… カラポン人。ハンガイ=カルタン人の分派。
  • Klirr-Klang-Gott …… クリル=クラン神。シミュセンスを体現する神として伝承される存在。
  • Konstrukteure des Zentrums …… 中枢部の設計者。M-87銀河のカースト制度の頂点。
  • Kontrollfunknetz …… 制御通信網。生のインパルス、死のインパルスを媒介する。

L

  • Lafsater-Koro-Soth …… ラフサテル=コロ=ソス。ポルレイターのスポークスマン。
  • Lokale Gruppe …… 局部銀河群。最近は、また局銀河群呼びになってきた感も。

M

  • Machraban …… マハラバン。アノレーがアマレナを尊崇する呼び名。「旧主」の意。
  • MERZ …… MERZメルツタイプの艦船、と使用する。多目的用途(MEhRZweck)、の略。
  • Monos …… 〈モノス〉。〈回廊の主人たち〉の存在を知って焦るローダンに挑戦状をたたきつけてきた敵。添付された細胞片のDNA分析の結果、“母”が消息不明のゲシルと判明。由来は「主人たち」(複数)と対蹠的な「ワタシはキミの敵」(単数)からのコードネーム。
  • Multitasker …… マルチタスカー。ドリームハンターらが使用する、シミュセンスに埋没しないための機器。

N

  • Neyscam …… ネイスカム。ネイスクールの公用語。
  • Neyscuur …… ネイスクール。銀河系から5000万光年かなたのNGC7331銀河。アノレーの故郷。

O

  • ODIN …… 《オーディン》。新銀河暦490年に就航した、MERZタイプの巡洋戦艦オーディン級一番艦。長らくデイトンの旗艦、後ローダンの乗艦に。
  • Organisation Drake …… ドレイク機構。自由商人の分派で、名称は海賊フランシス・ドレイクから。
  • Ortonator …… オルトネーター。カンターロの心臓に遺伝子操作でつくられた第5の心室。実は自爆装置……。

P

  • Pedrass Foch …… ペドラス・フォッシュ。ドレイキストのひとり。
  • Perle Moto …… 〈モトの真珠〉。カラポン皇帝が求める謎の宝物。名称がアレとかコレと類似しているが、元の所持者は実は……。

R

  • Raum-Zeit-Falte …… 時空褶曲しゅうきょく。空間をたわめてマイクロ宇宙を作り出す技術。
  • Romulus …… 〈ロムルス〉。正体不明の〈ヴィダー〉リーダー。

S

  • Sashoy-Imperium …… サショイ帝国。ハンガイ=カルタン人の分派。
  • Schwarze Sternenstraßen …… 〈星の暗黒回廊〉。太古〈回廊の主人たち〉が建造したブラックホールを介した転送網。
  • Schwarzer Kubus …… 〈暗黒のキューブ〉。〈ミモトの宝玉〉と合わせて星の暗黒回廊の星図をなすとされる。
  • Simusense …… 〈シミュセンス〉。疑似体感ネットワークとか当時はいろいろ苦慮したが、要はアクセスした者はヴァーチャル世界〈ドリーム・テラ〉にダイヴ! ただしマルチタスカーをつけていないと、夢に没入して目がさめず、本体はロボットに自動介護される状態に。
  • Stratege …… 戦略家。カンターロの階級(最上位)。
  • Supremkommando …… 最高司令部。多くの将軍、戦略家からなるカンターロの出世の頂点。

T

  • Tarkan-Verband …… タルカン部隊。タルカン艦隊(Tarkan-Flotte)とも。Verbandは軍事用語では部隊、集団。
  • Todesimpuls …… 死のインパルス。オルトネーターがこれを受信すると大爆発。
  • Traumhelfer …… ドリームヘルパー。マルチタスカーを持ち、「夢見る権利は平等」とハンターと抗争中。
  • Traumjäger …… ドリームハンター。マルチタスカーを持ち、高品質な夢を求めて人間狩り。2000年を生きた某テラナーの夢は、そりゃあ上質で……(笑)

V

  • Vierarmiger Prophet …… 〈四腕の予言者〉。ローダンの死の噂を否定し、ポスビを扇動して旅立ったその人とは……?
  • Viperter …… ヴィペルター。ヴァウペルティアの末裔(惑星定住組)。エスクエル人と合流し、新たな種族アマレナとして宇宙へと旅立つ。
  • Virenwall …… 〈ウィルス・ウォール〉。コンピュータ・ウィルスが艦船を行動不能に。あとは撃沈するだけの簡単なお仕事。

W

  • Wahnsinnsbarriere …… 発狂バリア。 → Chronopuls-Wall
  • Werkstatt der Sucher …… 〈探求者の工房〉。現在、ナックの巣窟となったヒューマニドロームのこと。
  • WIDDER …… 〈ヴィダー〉。「雄羊」「破壊鎚」の意味を持つ抵抗運動組織。

Z

  • Zeittafeln von Amringhar …… 〈アムリンガルの年表〉。エラートらが探索を命じられた謎だらけの代物。
ダールショルさん(□虚)

なんというかね……このサイクル、かなりおもしろいのよ。695年後の変わり果てた未来。ツテをたどって銀河系へ帰る苦難の道のり。倒れる味方。絶望のなか、思いもよらぬ再会もあったり。
一方、敵の側でも、アイデンティティを喪失してorzるやつもいれば、ピンチをチャンスに変えて出世街道をばく進するやつもいる。そして、えてしてそーゆー時に落とし穴が待っているものでw
でも、それも翻訳がちゃんとしてればの話なんだよなあ。いろいろ不安だなあ。

カンターロ・サイクル各話タイトル+仮訳

ハヤカワ版がちょっとアレなので、サイクルジン『銀河系に還る』のとき作ったものに、若干手を加えたものをアップしておく。将来的に、タイトルリストのページができたら削除するつもりだが、予定は未定。

  1. Kurt Mahr / Götter der Nacht / 夜の神々
  2. Arndt Ellmer / Der Herr der Trümmer / 残骸の主
  3. H. G. Ewers / Die Drachenwelt / 竜の惑星
  4. Marianne Sydow / Die fliegenden Menschen / 天翔ける山人
  5. K. H. Scheer / Diebe aus der Zukunft / 未来からの盗賊
  6. H. G. Ewers / Die Erben der Posbis / ポスビの継承者
  7. Robert Feldhoff / Barriere im Nichts / 虚空の障壁
  8. Clark Darlton / Der Eremit von Satrang / サトラングの隠者
  9. Ernst Vlcek / Ein Tropfen Ewigkeit / 永遠のひとしずく
  10. Arndt Ellmer / Sucher in M3 / M-3捜索隊
  11. Kurt Mahr / Der Droide / ドロイド
  12. Peter Griese / Eiswelt Issam-Yu / 氷惑星イッサム・ユー
  13. Marianne Sydow / Der Pirat von Magellan / マゼランの宙賊
  14. H. G. Francis / Enklave Chronopuls-Wall / クロノパルス・ウォールの飛び地
  15. K. H. Scheer / Der letzte Aufbruch / 最後の出撃
  16. Robert Feldhoff / Die Spur des Propheten / 予言者のシュプール
  17. Arndt Ellmer / Das Gebot der Götter / 神々のおきて
  18. Clark Darlton / Flug in Richtung Ewigkeit / 永遠へむけて飛べ
  19. Kurt Mahr / Die Höhle des Giganten / 巨人の洞窟
  20. H. G. Ewers / Der Tod eines Cynos / あるサイノの死
  21. H. G. Ewers / Sternentore / 星の門スター・ゲート
  22. Ernst Vlcek / Zeitzeugen / 時の証人
  23. Ernst Vlcek / Die Tage der Cantaro / カンターロの日々
  24. K. H. Scheer / Wer ist Advok? / ベンゴシアドヴォクとは誰か?
  25. Kurt Mahr / Revolte auf Phönix / フェニックスの反乱
  26. H. G. Francis / Eine Falle für die Cantaro / カンターロへの罠
  27. Peter Griese / Daarshol, der Cantaro / カンターロのダールショル
  28. Marianne Sydow / Die Reise nach Ardustaar / アルドゥスタールへの旅路
  29. Robert Feldhoff / Wächter der BASIS / 《バジス》の監視者
  30. Arndt Ellmer / Hamillers Herz / ハミラーの心臓
  31. Arndt Ellmer / Hamillers Puzzle / ハミラーのパズル
  32. H. G. Francis / Das Humanidrom / ヒューマニドローム
  33. H. G. Francis / Fluchtziel Gevonia / 逃亡の終点ジェヴォニア
  34. Kurt Mahr / Blockadebrecher / 障壁破りブロケイド・ブレイカーズ
  35. H. G. Ewers / Station der Rätsel / 謎のステーション
  36. Clark Darlton / Im Halo der Galaxis / 銀河系のハローにて
  37. Robert Feldhoff / Die Bionten von Kyon / キョンのバイオントたち
  38. Marianne Sydow / Der Weg nach Bentu-Karapau / ベンツ=カラパウへの道
  39. Ernst Vlcek / Kinder der Retorte / 試験管レトルトの子ら
  40. K. H. Scheer / Agenten weinen nicht / 工作員は泣かない
  41. Ernst Vlcek / Deckname Romulus / 暗号名ロムルス
  42. Arndt Ellmer / Schwarze Sternenstraßen / 星の暗黒回廊
  43. Kurt Mahr / Die grauen Eminenzen / 灰色の枢機卿たち
  44. Arnst Ellmer / Die Flucht der BARBAROSSA / 《バルバロッサ》の逃亡
  45. Kurt Mahr / Legende und Wahrheit / 伝説と真実
  46. K. H. Scheer / Gensklaven für Uulema / ウウレマの遺伝奴隷
  47. Peter Griese / Robotersporen / ロボット胞子
  48. H. G. Ewers / Sturmwelt am Scheideweg / 岐路に立つ嵐の惑星
  49. Marianne Sydow / Der Kaiser von Karapon / カラポンの皇帝
  50. Marianne Sydow / Die Perle Moto / モトの真珠
  51. H. G. Francis / Die Herren der Straßen / 回廊の主人たち
  52. Robert Feldhoff / Die Siragusa-Formeln / シラグサ方程式
  53. Ernst Vlcek / Entscheidung am Ereignishorizont / 事象の地平の決戦
  54. Kurt Mahr / Der unbekannte Feind / 未知の敵
  55. Peter Griese / Psychoterror / 心理テロ
  56. H. G. Ewers / Kundschafter für Halut / ハルト偵察
  57. K. H. Scheer / Fremde in der Nacht / 夜の異邦人ストレンジャー
  58. Robert Feldhoff / Bomben für Topsid / トプシドに爆弾を
  59. H. G. Francis / Die Spur der Haluter / ハルト人の足跡
  60. Marianne Sydow / Der Dieb von Sira-VII / シラVIIの強盗
  61. Arndt Ellmer / Ellerts Botschaft / エラートのメッセージ
  62. Peter Griese / Der Friedenssprecher / 平和スポークスマン
  63. Robert Feldhoff / Operation Brutwelt / オペレーション培養惑星
  64. Ernst Vlcek / Geburt eines Cantaro / カンターロの誕生
  65. Kurt Mahr / Das Phantom von Phönix / フェニックスの幻影ファントム
  66. K. H. Scheer / Schach dem Klon / クローンに王手チェックメイト
  67. H. G. Ewers / Kontrakt mit Unbekannt / 未知との契約
  68. H. G. Francis / Historie der Verschollenen / 失踪者たちの歴史
  69. Marianne Sydow / Zentralplasma in Not / 中央大プラズマの危機
  70. Peter Griese / Impulse des Todes / 死のインパルス
  71. Arndt Ellmer / Der Arzt von Angermaddon / アンゲルマドンの医師
  72. Robert Feldhoff / Museum der Archäonten / 始祖の博物館
  73. Ernst Vlcek / Loge der Unsterblichen / 不死者たちの桟敷
  74. K. H. Scheer / Jagt den Terraner! / テラナーを狩れ!
  75. Kurt Mahr / Das Supremkommando / 最高司令部
  76. Clark Darlton / Auf Gesils Spuren / ゲシルの足跡をたどる
  77. Peter Griese / Drei gegen Karapon / カラポンに立ち向かう三人
  78. H. G. Ewers / Die Piratin / 女宙賊
  79. Marianne Sydow / Planet der Sammler / 蒐集家の惑星
  80. H. G. Francis / Prophet des Todes / 死の予言者
  81. Arndt Ellmer / Die Verbannten von Maahkora / マーコラの流刑囚
  82. Robert Feldhoff / Keine Chance für Raumfort Choktash / 宇宙要塞コクタシュ万事休す
  83. Kurt Mahr / Der Alleingang des Außenseiters / アウトサイダーの単独行
  84. Ernst Vlcek / In den Ruinen von Lockvorth / ロクフォルトの廃墟で
  85. Marianne Sydow / Der Tod eines Nakken / あるナックの死
  86. Peter Griese / Werkstatt der Sucher / 探求者の工房
  87. H. G. Ewers / Mission auf Akkartil / アッカーティルに待つ使命
  88. H. G. Francis / Rebellion in der Gen-Fabrik / 遺伝子ファブリの反乱
  89. K. H. Scheer / Söhne der Hölle / 地獄の息子たち
  90. Arndt Ellmer / Offensive der Widder / ヴィダーの攻勢
  91. Ernst Vlcek / Endstation Sol / 終着駅ソル
  92. Robert Feldhoff / Transit nach Terra / テラへの転移
  93. Robert Feldhoff / Das dunkle Netz / 暗黒の網
  94. Kurt Mahr / Das Gefängnis der Kosmokratin / 女コスモクラートの牢獄
  95. Peter Griese / Jagd auf Gesil / ゲシル狩り
  96. Arndt Ellmer / Die Generalprobe / 総演習
  97. Marianne Sydow / Die Paratrans-Mission / パラトランス作戦
  98. H. G. Ewers / Unternehmen Exitus / エグジタス計画
  99. K. H. Scheer / Rhodans Tod / ローダンの死
  100. Ernst Vlcek / Das Mondgehirn erwacht / 月面脳めざめる

障壁破りは「障壁突破隊」でもいいが、章タイトルとしてちょっと弱かったので。
レトルトは「蒸留管」だが、試験管ベビー的意味合いなので。
「工作員は泣かない」初登場のヤルト・フルゲンはちょい役のようだが、諜報関係の専門家としてアトランのアルコン復興活動に協力する等長らく活躍。後々、新USOの旗艦に名が冠される。
星の暗黒回廊は、ブラックホールを結ぶので、別に暗黒星街道でもいいんだけど。
〈回廊の主人たち〉は、いろいろ検討した結果、“主人”の訳がいちばん伏線に活かしやすいと判断した。
夜のストレンジャーは作中でフランク・シナトラの曲の話が出てくる。
抵抗運動組織ヴィダー(WIDDER)は「雄羊、おひつじ座アリエス」のことだが、「破壊鎚」の意味もある。当時はそれだけ調べるのにもひと苦労だった。
1498話はローダンが敵ラスボスとともに大爆発の中に消えて幕。

空白の1000年

1000年ジャンプした400話「たそがれの人類」

ハヤカワ版ではもうじき“暗黒の700年”と呼ばれる時間ジャンプが到来するのだが、それはさておいて。
ローダン正篇のサイクルのはざまで、一番長期の時間ジャンプがおこなわれたのが、399話/400話で、実に1000年――正確には993年――もの期間が過ぎ去った。

以下に、この空白期の主立った事件を列記してみた(当然、かなり主観的に取捨選択されている)。

2437年 スレンドル・カルスアル将軍を盟主に400の星系が太陽系帝国から分離。
2440年 アルノ・カルプ、実験中の事故で死亡。(※異説あり)
2460年 旗艦《クレストVI》からパラトロン・バリアの実装開始。
2467年 惑星モスタンを中心に14の星系が第一次カルスアル同盟を結成。(→2498年)
2477年 新アルコン人シフンダスI世、アルコン皇帝に即位。(→2548年)
2498年 スレンドル・カルスアル暗殺される。
2548年 アトラン暗殺を試み失敗したシフンダスI世が退位。以後、水晶帝国建国まで空位時代がつづく。
2648年 大西洋に新アトランティス(次元エレベーター・プトール)浮上。
2651年 エルトルスの実権を握ったスレンドル・カルスアル・ジュニアが太陽系帝国から自立、第二次カルスアル同盟を建国。
2801年 精神憑依体による銀河規模の“悪の十字軍”が自称「アコンの工作員」リモアンにより撃退される。
28xx年 この頃、中央銀河ユニオンが成立。中央惑星はルディン。
2821年 テケナーとケノン、〈苦境にある人々のための独立援助機構(UHB)〉を創設。
2841年 エルトルスで革命。ヴィゲラント、シルター、フラスカティの三頭支配者が実権を握る。
2842年 最後の島の王〈グレー(コムデン・パルタン)〉との戦い。
2895年 惑星ノスモ、太陽系帝国からの独立を宣言。ダブリファ帝国の創始。
2907年 第一次ジェネシス危機。
2909年 第二次ジェネシス危機。主力ミュータントを含む多くの死者。活性装置が反テラ勢力の手に渡る。
2930年 大執政官、直接選挙制に。ただし投票権を持つのはソル系居住者のみとされた。
2931年 惑星プロフォスのパニター動乱でモリー・アブロとスーザン・ワリンジャーが射殺される。
3102年 超戦士トリリス=オクトと太古文明イロヒムにからむ一連の事件。

2437年は399話のドラン撃退直後のエピソードだが、分離っつーか、本国に見捨てられた植民地が流しのドランに対する互助協定結んだよーな感じか。
2648年からのプトール出現、消失にはじまる事件はATLAN300話からの〈アトランティスの王〉サイクル、2800年代の各事件は同じくATLANの〈人類の委託をうけて〉サイクル後半50話からの題材である。

『レジナルド・ブル』書籍版

アルコンIIIのブルー人による破壊以降、分裂した新アルコン人の国家を(かなり強引な手段で)まとめあげた皇帝シフンダスI世の話は、アトラン暗殺未遂事件として惑星小説でとりあげられた。
3100年代の話は、アトランのペーパーバック・シリーズ〈ルディン〉〈マラシン〉等の題材で、時代背景としてカルスアル同盟の由来もこちらで言及されたもの。
2931年のパニター動乱については、正篇400話の内容だと、パニターが人だか場所だかすらわからなかったのだが、以前書いたとおり『コスモスクロニクル レジナルド・ブル』で多少の流れが書かれており、プロフォスから植民した惑星パニトに拠点を置く、ホンドロ時代までルーツが遡れる秘密結社〈黒の星〉が扇動した、らしい。プロフォスの民衆は、まさか元首母娘を殺っちまうとまでは思わなかったようで、そのへんの罪悪感からテラ側にとどまる形になったようだ。
カルプ教授の没年に関する異論とは、400話の記述(「建設作業の開始からまもなく」)では500年計画のスタート時点ではまだ存命であるように見えるから。SOL3号に掲載されたライナー・カストルの短編「訣別」では、2440年の事故で半透明な非物質的存在と化したカルプをワリンジャーが数百年かけて救出し、最終的な没年が2900年代前半であるとしたが、これは必ずしも正典扱いされているわけではないようだ。

その他年表をつらつら眺めていると、知らない人名やら地名がいっぱい並んでいる。どれも、惑星小説、短篇、後のヘフトで追加された情報である。
いやほんと、掘ればまだまだいろいろ出てくるねえ、ローダンって……。

島の王の復活

島の王サイクルは、おそらく現在でもシリーズ中一番の人気を誇るだろう。
その最大の敵役であったファクターIことミロナ・テティンも、くりかえし惑星小説や短編の題材に取りあげられている。アトランが殺したのは実はデュプロ説、死んだのはオリジナルだがいまでもデュプロ原盤が存在する説……。西暦2801年に銀河系の危機を救った自称アコンの工作員リモアンは、マイクロ状況転送機内蔵のスーツを身にまとい、拳銃サイズの武器で核火災をひきおこしたというが、その名は「ミロナ」のアナグラムかもしれない(惑星小説331巻)等々。

一方で、他のファクターの場合も、死んだはずが生きていたというパターンは、実はめちゃくちゃ多い(笑)
嚆矢となるのは、1973年に刊行されたATLANヘフトに登場した敵〈グレー〉の正体が、ミロナさんに叛逆して処刑されたファクターのひとり、コムデン・パルタンだったという例。近年では、カオターク・サイクル序盤から登場しているソインテ・アビルが、やはり処刑されたはずの旧ファクターVIIである。
d-informationのネタ出しに外伝をパラパラやると、おい、アラス伝説の医師MOって島の王かよwwwなんてケースもあったり。ふと思い立って、今回ちょっと簡単にまとめてみた。

初期 終期 名前 備考 死亡時期 関連話
I (*1) アガイア・テティン ルーム星系でハイパークリスタル〈創造の息吹〉を発見。 紀元前18000年頃死亡 惑星小説288巻
(*1) I ミロナ・テティン 母の死後、ひそかに権力を継ぐ 西暦2406年死亡  
II II トリナル・モラト   西暦2406年死亡  
III III プロフト・メイヘト マルティドン脱出後、銀河系へ。 西暦2909年死亡 記念号7巻
IV (*2) ゼノ・コルチン 装置破壊による肉体死亡後、精神はPEWメタルの彫像に宿る。 新銀河暦1552年死亡 2999話
V V ネヴィス・ラタン   西暦2404年死亡  
VI (*2) アセト=ラドル モビーの創造者。その内部で殲滅インパルスを遮蔽。銀河系でアラスに偽装して生活。 消息不明 外伝〈アラス毒〉
VII (*2) ソインテ・アビル 死を偽装した宇宙船の爆発が殲滅インパルスを遮蔽。カシオペア座矮小銀河へ避難。 《光力》を奪いコンドル銀河へ先行 3058話
VIII VI トゼル=バン   西暦2404年、過去界で死亡  
IX (*2) バリム=ナントル 殲滅インパルスで装置破壊。 紀元前7600年頃死亡  
X IV ミラス=エトリン   西暦2405年死亡  
XI (*2) コリン=ウンス 殲滅インパルスで装置破壊。 紀元前7600年頃死亡  
XII VII レグナル=オルトン   西暦2404年死亡  
XIII (*2) コムデン=パルタン 活性装置を他者へ移植、深層睡眠に。怪物〈グレー〉に変容。デュプロ疑惑有。 西暦2842年死亡 ATLAN99話
番外 セラロン・メロタ 活性装置の設計者。エルミゴア、ミロナ・テティンの父。 消息不明 惑星小説288巻
トラヴェルサン12話
番外 エルミゴア ミロナ・テティンの腹違いの姉。 西暦3460年死亡 683話
番外 ネルモ・デリム パラレル・ワンダラーで活性装置14基を受領。 異時間線で非正規扱い 1573話

*1) 紀元前18000年頃、活性装置をマルチデュプリケーターで複製しようとしたミロナの試みでアガイアの装置が爆発。責任転嫁されたセラロン・メロタは銀河系に逃亡する。
*2) 紀元前7600年頃、ファクターIの正体を怪しんだ〈6者会議〉の動きがアセト=ラドルの裏切りで発覚。活性装置を破壊する殲滅インパルスで処刑された。

処刑したはずが、生きてる方が多いじゃなーい。ミロナったらお茶目さん(笑)
というか、遺体が確認されてない以上、あとの2人もいつ復活するかわかったもんじゃないなこれ……。

そもそも、島の王の成り立ちと活性装置の由来については、諸説ある(例えば〈反それ〉が与えた、とか)中、1987年に惑星小説288巻『不死を鍛つ者』(テリド)が刊行され、特殊なハイパークリスタルを発見したレムール人による自力開発、とされた。
一方、1991年の1573話「時間展望」で、テフローダーのネルモ・デリムが14基の活性装置を〈それ〉の使者エラートに与えられ、適切な携行者を選ぶよう命じられる(場面を、ローダンらが目撃する)。最新が常に正なりなローダン・シリーズなので、混乱した〈それ〉がうっかり渡しちゃったということで設定が置き換えられた、と思ったのだが。
1998年刊行のATLANトラヴェルサンで、惑星トラヴェルサンにあった時間ステーションを、セラロン・メロタがアトランの前に使用していた云々で、また元に戻った(か、そもそも違う時間線の話と考えられていた)みたい。時間遡行して、恒星転送機をより早期に“発見”してカラホル(アンドロメダ)移民を進めたり、なんやかやしている。この時代はレヴィアン・パロンが時間遡行してレムール人の〈箱船〉を建造(外伝〈レムリア〉)したり、時間転送機大活躍である。そりゃ時間警察も攻めてくるわ(汗)

さらに、このセラロン・メロタだが、その後の消息がはっきりしない一方で、1万年前の〈銀河の謎〉設置にあたり、フェロルに格子型転送機を持ち込んだ人物であるとか、変な設定が盛られている。死して〈それ〉に吸収されたのか、それとも、いまでもどこかで怪しい活動していたり……(オイ