訃報:ライナー・ショルム

ライナー・ショルム(Rainer Schorm)
1965.08.09. ー 2025.03.01

3月17日付けのローダン・ファンツェントラーレの告知によると、姉妹シリーズ・ローダンNEOの草案チームの一方を務める作家ライナー・ショルムが亡くなったとのこと。享年59歳。

PRFZ(実質旧PROC)の会誌SOL名誉編集長クリスティナ・ハッカーの文によると、11日にリュディガー・シェーファーから相方の訃報をうけたとのこと。病気か事故か理由は不詳。亡くなった日付については、告知後にPerrypedia当該ページの更新から。

10代の頃からキャプテン・フューチャーの翻訳などSFに親しみ、特にローダンは読者投稿欄(LKS)に葉書が載るくらい熱心なファンだったらしい。
グラフィックデザイナーとして広告代理店に勤務するかたわら、2007年からは文筆家としても活躍する。
著作一覧を見ると、〈鬼火〉(Kelter社)などと並んで、VPMの女性向けミステリ〈ガス燈〉も執筆している。ペンネームに女性名(Regina Shadow)があるのはそのためか。
(でも……このシリーズって2007年にはもうなかったような? いやでも前職で後輩のお姉さんが買ってきたという姉妹シリーズ〈ガス燈クライマックス〉の原書をもらったのは2004年? 5年?)

ローダンNEOには70巻『ナート人の叛逆』から参加。2017年に草案チームのブーフホルツが亡くなった後をうけ、150巻からの第3期以降シェーファーとコンビを組んだ。先頃、同年生まれのシェーファーの還暦を祝う記事が公式サイトに掲載されたところだったのだが……。
先週、担当する352巻『盗賊カレムブロイク』が刊行されたばかり。通例だと、シーズン終盤にもう1編が彼の作となるはずだけど、どうだろうか。
※編集部ブログの記事によると、これがショルムの最終担当巻になるそう。

ともあれ、謹んで冥福を祈りたい。

■公式サイト:Rainer Schorm
■Perrypedia:Rainer Schorm

NEO340巻『宇宙創生』――変貌した未来へ

9月27日発売のローダンNEO340巻『宇宙創生』(シェーファー)から、新シーズン〈パラゴン〉が開幕した。
前巻『静寂が来る』において、現実を書き換える黒い雪がふりしきるアルティプラノで、ラウマエ=プリマートを倒したローダン。だが、彼が生きのびたということは、〈シマイオス〉こと“すべての終わり”たる災厄はとまらない――。
そして本巻では、これまでのNEO宇宙で前例のない長期の時間ジャンプがなされるという予告がなされていたわけだが。まずは、未曾有の災厄シマイオスへといたる流れをざっと概括してみたい。

まずは、キーパースンのひとり、アラスカ・シェーデレーアについて。

正篇ではカピンとの衝突という転送事故でマスクマンとなる宿命を背負ったテラナーだが、NEOではだいぶ事情が異なる。
デンマーク生まれのアラスカ少年は、だいぶ影がうすく、気がつくといなくなっていて両親はたいそう苦労したらしい(笑) そのうちの1回、ユトランド半島でのキャンプの際、少年は失踪中に猫の顔をした女性に遭遇した。おそらくこれはダオ=リン=ヘイのことで、アラスカはジョルジュ・ダントン同様、〈深淵の姉妹〉に目をつけられた存在といえる。
NEOへの登場時は《ソル》に勤務するエンジニア。M-3へ誤転送されたテラへ駆けつけた亜鈴船はまもなく量子の泉の作用で1万年の過去へ漂着してしまう。当時のアルコン帝国や超重族レティクロンとあれこれあった後、現在時へ帰還する際、搭載艇で出動していたアラスカは、エンジンを撃ちぬかれ、ただひとり過去界へ島流しの憂き目に遭う。
メハンドール(スプリンガー)の女性との悲恋の後、さまようアラスカをダオ=リンが誘導し、たどりついた遺跡でアーティファクト〈アトラクト〉が顔に埋め込まれてしまう。その顔を見たアルコン人が狂死したことから、アトラクトと類似したホウ素素材のマスクを常用することを余儀なくされた。
同じくダオ=リンに導かれた存在であるレティクロンと邂逅、彼が復讐を誓う“テラナー”の情報源として徴用される。嘘をつかない(黙っていることはある)アラスカはレティクロンにある意味信頼され、ゴン=メカラの艦隊要員とともにコールドスリープで1万年をすごして現在時への帰還をはたした。
レティクロンが打倒され、M-3から逆転送されたステイシス状態のテラを訪れたアラスカは、ローダンの眼前で複数のアトラクトをあやつりルーワーの泉主サンティア=ペルクを殺害。踏破スーツを奪って姿を消した。その少し前、アラスカは意識不明の状態で「シマイオス。はじまる……」とつぶやいたりしているので、過去のどこかで、なんらかの情報を仕入れていた可能性はある。錯綜する記憶の中では、盲目の少女キトマさんと出会ったりしているのだが(笑)
うーん、これでもざっとではあるんだよwww

そして〈カトロン〉との対決について。

アフィリアによって太陽系を汚染し、テラナーの脳髄を自らの生体パーツにせんとしたカトロン。その直前、マゼラン星雲へ遠征した《ソル》が過去のM-87へ漂着したのは過去記事のとおり。
脳髄輸送用に建造されていた《バジス》でM-87へ飛んだローダンらは、現地の情勢をつかむとともに、カトロンの“毛細血管”システムで巨大銀河に漂着していたイホ・トロトと合流。ハルト人の得たデータから、《ソル》が深淵の姉妹の母船《ナルガ・プール》とともに次元トラップに囚われていることを知る。《バジス》の未知の動力源テッセラクトを犠牲に両船を解放した一行は、時間の流れの異なる異次元にいた結果生きのびていた《ソル》首脳部から惑星モノルの存在を知り、毛細血管システムで銀河系へ帰還するべくこれをめざした。
再びあらわれた泉主パンカ=スクリンの協力でカトロンの狂化インパルスを遮蔽する遅延スーツを得たローダンは数名のチームでモノルの九塔施設に侵入する。カトロン中枢を破壊せんとする、かつての中枢の設計者ルーワーの一団、カトロンを利用せんと試みる深淵の姉妹のチームとの三つ巴の争いの中、ローダンの眼前に出現したのは、かつてアラスカに奪われた踏破スーツ! これに宿るサンティア=ペルクの魂に導かれ、ローダンの意識ははるか過去へと旅する。
太古文明〈先駆者〉の遺跡で情報汚染されたルーワーの、最初の〈泉主〉の誕生。彼が知った、宇宙の量子構造の異常。これを正すためのカトロン建造計画は、泉主自身を含め、多大な犠牲をはらって継続された。適合する特殊な脳が大量に必要で、それを集めるには長い時間を要した。アフィリアのように、惑星ひとつまるごと種族の脳を変質させたりもした。最初の泉主の娘サンティアはこの計画にかすかな疑念を抱いたが、ルーワーはもう止まらなかった。
やがて、それ自体を宇宙に対する脅威とみなした勢力――ガルベッシュの猛攻がはじまる。カトロンは昏睡状態に陥り、おとめ座銀河団にいたルーワーは根絶された。そのすべてを、ローダンはサンティア=ペルクの目を通して体験した。
現在時では、カトロンを破壊しようとする中枢の設計者の残党と、根幹細胞を奪取し別の場所で計画を続行しようとする深淵の姉妹の艦隊が対峙していた。建造者と、反対勢力として誕生した勢力が、立場を逆転していた。めざめたローダンは、8人の泉主とともに姉妹に対抗(幼生のパンカ=スクリンに噛まれたローダンは疑似泉主)、《ナルガ・プール》はモノルに墜落し、惑星は砕けた。
最後にローダンは、クリスタルに保存されていたカトロンの知識の一部が、悲鳴をあげてジェット流に乗って局部銀河群方面へ逃げた、と思った。

そして〈プリマート〉が登場して、災厄を防ぐにはローダンを殺さないと、と主張する。
青い髪の少年ラウマエに顕現したプリマートとは、実はカトロンの残滓と、シマイオスの予兆にパニックに陥った〈それ〉の一部強硬派の融合体であったらしい。銀河系へ帰還した《バジス》でローダン暗殺に失敗した少年は惑星を転々とし、ルナの都市ひとつを破壊してテラへといたる。
しかし、「ローダンがシマイオスの引き金になる」ことは、なんだか公然の秘密だったようだ。深淵の姉妹にも、それが理由でローダン殺害を主張する一派がいたらしい。もっとまずいことになるんじゃね?という主流派の意見が通ったようだが。また、希有な災害であるシマイオスを観測しようと太陽系に飛来した《モジュール》の研究者たちもそれを知っていた。プリマートの罠で瀕死のローダンが死んだらまずいんじゃね?と、ドウク=ラングルの隠し持った機器でテラナーの生命を救う許可を出している。なのに、裏で糸をひいていたっぽい〈それ〉の内部で意見が割れるとか、おかしくないかとも思うのだが。
なんでもカトロンにつかまっていたとかゆー〈それ〉は、そう主張している。

ともあれ、〈時の担い手〉であるローダンが(意識体だけだが)立ち会ったことでカトロンは誕生し、おなじ理由でガルベッシュの襲撃でも破壊されることなく生きのびた、という。
そして肝心のシマイオスだが。黒い〈夢の灰〉は、量子空間がどーたら、潜在的未来がこーたらというから、正篇コスモヌクレオチド内空間でプシオン情報量子がほにゃららしているのと類似といえば類似。〈それ〉を物質の泉にするのだー!と某ターちゃんがやらかしたのを思い出して少し笑ったw

プリマートを倒すのに時の井戸からあらわれたアラスカが協力。マスクマンの触れたグッキーはいずこかへ転送される。
トーラは黒い雪の“ロト効果”で黒い柱に変じ、アルティプラノ高原への艦砲射撃の炎の中に消えた。
これがシマイオス、“すべての終わり”なのか?
〈それ〉はいう。〈必要なことはすべてなされた。完成のプランはまだ終わっていない……〉
カトロンの残滓を呑み込んだ時の井戸の吸引力に、ローダンは屈した。周囲に暗黒が落ちる。
最後にアラスカの声が、「静寂が来る!」


そして、時は流れ……

アコン人とテラナーのハーフ、シリコルのナウマンはトレード・シティのはずれ、酒場〈ホメロスのオデュッセイア〉にいた。取引相手のテラナー女性が提示したものは、遷移データのシソーラス。8つの惑星をもつ黄色恒星の、第3惑星へたどりつくためのもの。半信半疑ながらも大枚500クレジットを支払ったナウマン。
彼が船長の貨物船《エウポリオン》の乗員たちは、乏しい蓄えから消えた500クレジットに愚痴をこぼしつつ、冒険の準備にかかった。そう、いまや宇宙航行は冒険なのだ。超空間の“顆粒”現象により、遷移の効率は激減し、危険度は跳ね上がった。星間通商などほぼ存在しないに等しい。
失われた地球……その言葉にひかれて、貯金をはたいてみたものの、目的の座標にあったのはK型の赤色矮星、めぐる惑星もひとつだけだった。ガセネタか――落胆が乗員たちに広がる。なにがしかのカネ目のものを求めて、惑星に着陸することとなった(唯一の搭載艇は、修理用に部品を抜かれてスクラップ同然)。
惑星にドリオンと名づけたのは、8歳になるナウマンの娘クレオだった。難民惑星のひとつで知り合った女性が、数年後に手紙1枚をつけて寄こした少女は愛らしく、気難しい乗員たちにも可愛がられていた。だが、遺伝性の難病をかかえ、おそらく長くは生きられない身である。
同行をせがむ娘を押しとどめ、わずかに残ったロボットを先行させて、ポジトロン工学者のアルコン人サウロン・ダ・レブリクとともに無人の森へ分け入ったナウマンは、それを発見する。サウロンが“エメラルド・コフィン”と読んだ透明な緑色の立方体と、そこに眠るひとりの男性を。
外部から観察したかぎりでは、このテラナー男性は“生きて”いる。ステイシスに似た状態にあるようだ。不注意からナウマンがコフィンに触れると、透明な物質は消失し、男がめざめた。ブルーグレイの目が開き、
「ハロー。わたしはペリー・ローダン。ここはいったいどこか、教えてくれるかね?」

ナウマンはその名を知っていた。大人ばかりの船で数年をすごし、ALSに似た難病のため元気に遊びまわることもできない娘のために、できる限り船内のデータベースの情報は最新のものに更新しており、最近のクレオのお気に入りのテーマのひとつだったのだ。シマイオス以前の時代に、テラナーを宇宙へと導いたという、実在したか否かもさだかでない人物。テラナーとも、アルコン人とも、ハルト人とする説まであった。
ともあれ、テラナーを連れて《エウポリオン》へ戻ったナウマンを凶報が待ち受けていた。クレオが消えたのだ。そこまで退屈だったのか。焦るナウマンに、ローダンが「手伝おう」と捜索を買って出た。迅速・的確な行動と、驚くべき決断力で、テラナーは食肉植物に襲われていたクレオを見つけ出し、救出する。さらに、細々した作業にも手伝いを申し出て、そのできる男ぶりにまたたくうちに乗員たちの信頼を勝ち取った(笑)
とはいえ、ナウマンはローダンの内心の焦りに気づかざるを得なかった。伝承のとおりなら彼はシマイオス以前の人間だ。シマイオス自体とその後の〈時間混濁〉現象――あるものは数十年続いたといい、別のものは数ヵ月という――のため正確なところは不明だが、現在は“シム321年”とされている。テラナーは数百年を失っていた。
シマイオスの後、中央政体は存在しない。顆粒現象と、それが重力場の強いところに集中する〈無風ゾーン〉(※)の形成のため、宇宙航行はごく限定的にしか存在しない。ナウマンの知るかぎり、局部泡を超える流通は存在しなかった。ソル系近傍は巨大な無風ゾーンのため接近すら不可能。テラは消失したと伝えられていた。銀河系中枢部は黒い塵雲に覆われ、〈パラゴン〉と呼ばれているという……。
ナウマンと、すっかりローダンに懐いたクレオはわかるだけの情報をローダンに教えたが、テラナーの心は晴れない。故郷は、そして友人たちはどうなったのか。シマイオスとは何で、そもそのすべては彼の責任なのか。答えはどこにあるのか。

Kalmenzone。正篇ではエスタルトゥ十二銀河にあったプシオン網が死んでる宙域(ハヤカワ版は“凪ゾーン”)。

《エウポリオン》はドリオンから一番近い難民惑星のひとつニンバスへ寄港する。シマイオス後に人口が集中した退避所で、一部には非合法ながら星間通商をおこなう富をもつ者も存在する。つまり、貨物船の出番がある星ということだ。
ローダンにとっては、ニンバスがアルゴルにほど近いという意味があった。かつての太陽系ユニオンの構成惑星で、ソル系からわずか100光年足らず。情報や、あるいはスクラップ同然の《エウポリオン》ではなく、ソル系周囲の無風ゾーンに挑める船がみつかるかもしれない。
降下中、ローダンは都市のところどころにそびえる教会風の建築物に目をとめる。ナウマンは「パラゴン教団だよ」とこたえた。シマイオス後に興った宗教団体のひとつで、ニンバスで支配的な団体だという。
テラナーに信を置いたナウマンにともなわれ、ローダンは“クライアント”との打合せに同行する。自分の名がいらぬ関心をまねかぬよう、ローダンは“ナドール・イレプ”(※)という偽名を名乗ることにした。

Nadohr Yrrep。アルファベットの逆さ読みである(笑)

お高そうなレストランで待ち受けていたクライアントは、いかにも横柄で、運搬の依頼というよりも、“犯罪の片棒をかつがせる”においがプンプンしていた。だが、問題はそこではなかった。手元不如意なナウマンが唯々諾々と依頼を受け入れようとしたとき、近くの席にいたエルトルス人に目をとめ、思わず叫んだ。「コーレ!」いきなり名を呼ばれた方もとびあがった。「てめぇ……マダムが会いたがってるぜ」手元不如意すぎて、メハンドールからの借金を踏み倒していたナウマン。さあ困った(笑)
状況をすばやく見てとったローダンはナウマンをせかして厨房をつっきって庭へ。つかみかかってきたエルトルス人をステップでかわし、ジャンプだ! パンチ、キック! (鉄板殴ったみたいだ……)と、内心痛みにうめきつつ、稼いだ隙に外へと逃げ出した。もっとも、先行させたナウマンはコーレの連れの暗殺者みたいなテラナーにとっつかまっていたのだが、ローダンは知るよしもない(笑)

さて、ナウマンとはぐれたローダンは、ニンバスの首都イマゴの雑踏をさまよっていた。文化のるつぼ。大半はテラナー、アルコン人、アコン人だが、メハンドールやトプシダー、一度はアザラク(正篇のブルー人)を見たと思った。移動が局所泡に限定されるのであれば、アルコン人やアコン人ですら故郷を遠くはなれた根無し草である。薄暗い街角では、昔ながらの、赤いボールをカップに隠し、3つのカップをすばやく動かしてボールがどれに入っているか当てるシェルゲームで盛りあがっている一団もいた。
はじめて訪れた星の見慣れない情景。《エウポリオン》の停泊している宇宙港までの道のりもあやしい状況で、不意におのが孤独を噛みしめた。ありとあらゆる知己から、自分は最低300年の時間切り離されている。再会できるにしても、一部の長命……不死者だけ。トーラはやはり、死んだのだろうか。呼吸がうまくできない。1万年を地球ですごしたアルコンの友は、こんな気持ちを抱きつづけたのだろうか……。
ふと、脇腹になにか尖った硬いものが押し当てられた。「生命がおしけりゃ、持ってるもの全部出しな……」声の主は、小柄な少女だった。せいぜいクレオより6、7歳年長の、まだ子どもだ。すたぼろの服、寒いのだろう、くちびるは青い。
少女はローダンを建物のあいだの路地へ押し込もうとした。だが、しょせんは子どもだ。注意のそれた一瞬で、からだをひねって刃先をかわし、手首をつかんで親指でつぼをおさえれば、形勢はたちどころに逆転した。
しゃがみこんでふるえる少女に顎クイして名前をたずねるローダン。少女はあわてて目をそらした。凍えている肩に上着をかけてやり、もう一度名を問うと、「ジナ……」とこたえが返ってきた。さすがカリスマテラナー、いちころである(笑)
ローダンはジナを連れて、さきほどのゲームをしているシガ人のところへもどった。なにはともあれ、軍資金は必要である。そもそも、追い剥ぎに有り金出せといわれても、いまのローダンは無一文なのだ。《エウポリオン》であてがわれた新品のコンビネーションを担保にいくばくかの硬貨――クレジットは電子通貨で、こちらは稀少鉱物を用いたリアルマネー――をせしめると、するどい観察眼と電光石火の早業でいかさまを暴くことで3倍にしたローダン。シガ人をわからせるには、さきほどジナからまきあげたナイフが役に立った。どっちが無法者やw
ジナの案内で訪れた、“ここらで一番うまい”屋台の料理は、ハサミムシの煮込みで、半分も呑み込む前にローダンは食欲を失った。だが、少女は人心地ついたようだった。これからどうするか、ローダンが思案するより早く、声をかけてきた男がいた。ジナを捜していたらしい、かなり身なりのよい人物は、パラゴン教団のブラザー・アウグンと名乗った。

ブラザー・アウグンの話を要約すると、ジナは教会の指導者ブラザー・オベロンが“人材仲介屋”から“身のまわりの世話”のために購入したという――言葉を変えれば、奴隷である。不確かなまま少女を放り出すわけにもいかず、ローダンは教会で一晩すごせばいいというアウグンの提案を呑んだ。
パラゴン教会の神殿は、外見こそつましいが中身はなかなかに豪華だった。3人を出迎えたのは、白髪頭を短く整え、善良そうな微笑みを浮かべた太った老人だった。「どこへ行っていたのだね、心配で病気になりそうだったよ」としゃがんでジナを抱擁した老人こそ、教会指導者ブラザー・オベロンである。
ジナが入浴して“身綺麗に”するあいだ神殿を案内されながら、求められるままにローダンはブラザー・オベロンとことばを交わす。途中、医師のブラザー・トウィアンが医薬品の棚卸しをしているところに遭遇。明らかに、貧しいニンバス社会にふさわしくないほどに物資が整っている。だが、ローダンの指摘にもオベロンは悪びれることなく、貧しき者、困窮する者を救わんと欲すれば、おのずとリソースは必要なものですよ、とこたえる。テラナーの目には、そのことばに嘘があるとは見えなかった。
塔屋を登り、展望プラットフォームに出たふたりは、テラニアのような大都市に比せば貧相な、しかしまちがいなくそこには多くの人々の生活が宿る夜景を見下ろしながら、忌憚なく意見を交わした。驚くべきことに、オベロンはレストランでのエルトルス人との悶着を知っていた。《エウポリオン》のことも。シェルゲームでのナドール(ローダン)の手際も。
その情報網でつかんだ内容を知ったうえで、ある確信をもってブラザー・オベロンはローダンは対話へといざなった。彼は老人だ。そして、教団を率いる後継者を必要としていた。それだけの才をもつ人物として、ナドール・イレプをここへ招いたのだ。

黒眼銀河(NGC4826)の暗黒物質(参考イメージ)

パラゴンとは何か? ローダンの問いに、ブラザー・オベロンはいう。わたしはパラゴンのメッセージを聞いた――。
シマイオスは破局ではない。天罰でもない。滅びでもない。静寂のあとには対話がある。暗黒のあとに光がある。終わりのあとには、新たなはじまりが訪れる……。
パラゴンが誰、あるいは何であるかを、わたしは知りません。ただ、その物理的プレゼンスが銀河系中心部に顕現し、メッセージを……錯綜し混乱した思考と映像を放っていることを知るのみ。有限なるがゆえにわれわれにはとうてい知り得ない宇宙の無限性。われわれに意味などないとしたら。時間・空間・われわれ自身の存在が、偶然にすぎないとしたら。われわれに理解できる論理も法則もそこにはないとしたら……?
オベロンが宗教者であることは疑いなかった。しかし、ローダンにはそれをどう理解すべきかわからなかった。
銀河中心部は遠く、手の届かぬ場所にある。だが、地球は――無風ゾーンさえどうにかできれば――すぐそこにあるのだ。
部屋の用意ができたとブラザー・アウグンが告げにきたのをしおにふたりは神殿内へもどり、実はブラザー・オベロンの娘であるというジナと短く会話をかわした後、ローダンは床についた。

エメラルド・コフィンからめざめて以来、毎夜ローダンは夢を見る。悪夢を。
黒い柱と化したトーラを。艦砲射撃の炎を。
この夜も、汗みずくになって目をさましたローダン。だが、様子がおかしい。客室内に誰かいる。
ナイフをふりかざして襲いかかってきた男の手をはねのけ、反則の金的攻撃! 相手はひぎぃとうめいて昏倒した。
ドアの外で見張っていた別の男が駆け寄ってくるのへ、膝めがけてドロップキック! これまた相手は苦鳴をあげて倒れた。
騒ぎを耳にしたブラザー・オベロンらがあらわれた。彼が瞠目したのは、ナイフをにぎりしめた暗殺者もどきがブラザー・アウグンであったこと。アウグンは展望プラットフォームでのふたりの会話を盗み聞き、ローダンが教団の後継者と目されていること、やがて自分のものとなると思っていた富が手の届かぬところへ遠ざかることを怨んで、同様の不満を抱くものたちを扇動して謀反を起こしたのだ。
ブラザー・オベロンは自分と娘の生命が大事と、あっさり逃亡を選んだ。彼の案内でアウグンの知らない脱出路を抜け、神殿の別区画へ。そこにあった、オベロンの曰く“アーティファクト”とは、ローダンの見たこともないサイズのゲミンガ集晶(※)だ。それを袋につめ、さらに隠し戸とはしごをすぎると、昨夜ブラザー・トウィアンが棚卸しをしていた医薬品倉庫だった。オベロンがはしごに難渋しているあいだに、ローダンは棚を物色し、ある薬品を袋に放り込んだ。
そして、乱闘の際に倒れたガス灯から出火した火災で騒ぎが大きくなった隙に、3人は昔使われていた石炭用シュートから外へと脱出をはたした。

正篇のホワルゴニウムのような、ハイパー水晶の原石。多くは密売され、犯罪組織の資金源となった。

イマゴ中央部のホテルで人心地つけた後、今後のことをたずねるローダンに、オベロンはニンバスを離れ、伝手をたどってオリンプにでも行きます、と告げた。まあ、自殺志願者ではないので《エウポリオン》には絶対に乗りませんがね、と笑った老人は、ゲミンガ集晶の入った袋を、ついとローダンの方へ押しやると、「これは、あなたのものです」といった。
また感じたのだ、とオベロンは語る。テラナーこそ、自身や娘より絶対的にこれを必要としている、と。ゲミンガ・クリスタルの換金ひとつとっても、現在の社会では簡単な話ではない。それをさしひいても、集晶はローダンの役に立つはずである、と。
すでに“目的地”へのグライダーも手配済みとのこと。ローダンは不思議な気持ちになった。この老人と彼は、昨夜はじめて顔をあわせたばかりなのだ。まるで旧い友に別れを告げるように、テラナーは短く礼をのべた。ぐずるジナを抱きしめて、ふたりの幸運を祈ると、ローダンはホテルを後にした。

宇宙港の《エウポリオン》周囲には複数のグライダーが陣取り、屈強な男たちの姿がうかがえた。あのエルトルス人、コーレもいる。レストランでの事件を承知していたオベロンは、おそらくこの状況も知っていたか、推察していた。ローダンは堂々とコーレの前に歩み出ると、「マダムと話がしたい。負債を払いにきたと伝えろ」
マダムことカイテスト・ナイダはメハンドールの老女だった。しかし、屈強なエルトルス人たちを手ぶりひとつで従わせる威権をまとっていた。マダムにうながされ、ローダンはゲミンガ集晶を取り出した。老女の目が細められる。かすかに頬が赤みをおび、彼女の座る船長席の肘掛けを、痩せた指がわずかに握りしめた。ひと目でその価値を見抜いたのだ。ローダンは単刀直入に、
「これは望めばあなたのものだ。代価は、《エウポリオン》が修理・補給に要するすべて。借金は帳消し。あとは、あなたが名誉を重んじる大度な商売人であるのなら、ナウマンの口座に1万クレジットを振り込んでもらいたい」
「ペリー!?」ナウマンが叫んだ。(おい莫迦やめろ) それは本名だw
マダムは船長席から立ちあがり、テラナーのもとへ歩んだ。その頬に指をあてて、「自分の欲するものをちゃんとわかってる男だね。それに、見ばもいい」
いろいろと見込まれるカリスマテラナーw いかさましてたシガ人、パラゴン教団教主、今度は暗黒街のマダム。スカウトひっきりなしである。
「実に残念なことに、あなたよりもちょっぴり美しく、ちょっぴり賢い女性に絶望的な恋をしておりましてね。わたしは彼女のものなのです」
マダムはテラナーの鼻先をつつくと、
「まあいいだろう。必要なもののリストをお出し。修理と補給とやらに4日やろう。貸し借りはなしだ――と、ナウマンをにらんで――ただし、将来はニンバスに顔を見せないことだねえ」
半アコン人がガクガクと音がしそうな勢いでうなずいて、その場は手打ちとなった。ローダンは薬の箱を取り出すと、結晶の袋をエルトルス人に渡した。
「もしも気が変わったなら、あんたのことはいつなりと歓迎するよ……ペリー・・・
マダム・ナイダはそう告げて去っていった。

ローダンが神殿から持ち出した薬品は、〈リルゾタン=X〉といい、銀河医師族アラスが製造する高価なものであった。
クレオの病気はかつてのテラでも症例があり、患者である艦隊高官の息子のため、ある種の政治的取引をして取り寄せた経緯で、ローダンはその名を知っていた。だが、局所泡に経済圏が限定された現状では、たとえあったとしてもその価値は高騰して入手は絶望的だったろう。しかしそれなりの富貴を有する教団なら――。『指示通りアルファベット順に整理した』というブラザー・トウィアンのことばをおぼえていたローダンは、たやすく目的のものを発見できたのだった。
処置をうけたクレオのヴァイタル値はみるみる正常にもどり、船医のプロフォス人が歓声をあげてローダンに抱きついた。
自身が娘をもつ父であるローダンは功を誇る気はなかったが、クレオを可愛がっていた乗員たちのあいだでテラナーの株はうなぎ登りだった。借金帳消しの件よりも(笑)
修理と補給が終わり、ニンバスを出発する前夜。
クレオはローダンに礼がしたくて、トーラの情報をさがしたという。あなたはわたしを幸せにしてくれた。御礼にあなたを幸せにしてあげたかったのに。でもうまくいかなかったと、少女はしょんぼりした。
ローダンはかぶりをふって、
「きみが健康になってくれたこと。きみのお父さんが笑えること。みなが笑えることが、わたしを幸せにしてくれたのだよ。そして、一週間ちょっと前に長い眠りからめざめたばかりのわたしに、いまはこんなにたくさんの友だちがいる」
感激したクレオはローダンの頬にキスをして、「トーラはみつかるわ。だって、あなたはペリー・ローダンなんですもの!」
その夜は、ドリオンでめざめて以来はじめて、ローダンは悪夢を見なかった。

修理を終えてまっさらになった《エウポリオン》。しかし、それでも無風ゾーンを越える旅は不可能だろう。
したがって、テラナーの目標は、やはりアルゴル系第2惑星ルマルだった。かつての初期植民惑星のひとつであり、太陽系ユニオンの構成星系でもあった。ソルからの距離――かつては――93光年。
ところが、アルゴルをめざす《エウポリオン》に接近する影があった。5隻の船には認識票もなく、しかし、確実に貨物船をめざしていた。
ナウマンが苦々しげに、「海賊だ!」

Das Ende


……ということで。
パラゴン教団はもっと確信にせまるものかと思ったけど、普通に宇宙友愛教会だったなあ(笑)

しかし、最近の正篇もそうなんだけど、ローダン推しがすごくてwww
いやまあ、おもしろいからいいんだけど。デュマレストかラノベの主人公かって活躍だよね。
以降、
341巻『時の中うしなわれ』
342巻『転送機の森』
343巻『目標惑星エプサル』
と続巻予定。うーん少なくとも中盤まではソルにはたどりつけないだろうしな……。

NEO320巻『黒き架橋』

12月22日発売の320巻『黒き架橋』より、ローダンNEO新シーズン〈カトロン〉がスタートした。
テラニア中心部に突如出現した黒い碑は、太陽系を包み込んだ時間バリアとともに無愛症アフィリアを引き起こした。それは遥かなM-87銀河に座する超バイオコンピューター〈カトロン〉が、人類の脳髄をパーツとして収奪せんがため。かろうじて太陽系解放に成功したローダンらは、脳髄輸送のため建造されていた巨艦《バジス》で、脅威の源泉たるM-87へいたらんとする。西暦2113年12月17日、謎多きディメトランス・エンジンの“黒き架橋”をもって……。


ポーヴェーヒー……「果てしない創造の装飾された暗黒の源」と、2019年にEHTで初めて撮影されたブラックホール(シャドウ)を、ハワイ大学の研究者はハワイ創世神話にちなみ、こう呼んだ。おとめ座銀河団、銀河系から5500万光年の距離にある、巨大楕円銀河M-87の中枢部にある活動銀河核だ。その質量、恒星ソルのおよそ65億倍……!
高くなったり低くなったり、耳障りな音はなんだ。自分は、1秒足らずで済むディメトランス跳躍のためにコールドスリープ状態にあったのではないか。“瞬間切替スイッチ”の異名をもつペリー・ローダンは、えづくような口内の違和感をおしやって、周囲の状況を把握していく。鳴り響くアラームは、艦載脳〈ハミラー〉により停止された。司令室のホロドームには、色調補正されたガスや宇宙塵、小惑星を含む岩塊の荒れ狂うさまが映し出されていた。その心奥にあるのは、絶対暗黒の“喉”……巨大ブラックホール“ポーヴェーヒー”にちがいない。
だが、なぜまだ《バジス》はこの巨大なくるみ割り器のすぐそばにとどまっているのか。本来、M-87到着後、ブラックホールから一定の距離をおき、乗員5万名の再覚醒プロセスを実行するはずだった。司令室要員だけ、緊急に覚醒させる要件が生じたのだ。艦隊母艦の“上方”に、強い放射線を発する物体が接近しており、遷移フィールド・プロジェクターが機能しないという。
全長20mほどの“棍棒”は、ローダンには宇宙船のように思われた。しかも、損傷しているのか、動きがおかしい。このままでは、いずれ事象の地平へと引きずり込まれる――遷移できなければ、《バジス》もろともだ。一瞬相対的に静止するかに見えた棍棒艇は、まもなく《バジス》船尾に不時着――墜落――し、外壁を覆う岩石にクレーターを穿った。
いたとすれば乗員も亡くなったかと思われたが、やがて棍棒艇の先端にハッチが開き、奇妙な存在が姿をあらわした。座布団に強靱な四本足がはえたようなそれは、這いずるように進みはじめた。すでに覚醒していた艦長メルバル・カソムが戦闘ロボットを動員しており、異生命体の周囲を固めたが、相手はむしろ、ロボットが出てきたエアロックをめざした。
奇妙な状況ではあったが、ローダンは異人を“難船者”と判断し、収容を決定。未使用のラボのひとつを利用し、他のエリアから隔離することとした。棍棒艇の機能が停止すると同時に、UHF帯域に発されていたハイパー波も消失。《バジス》はポーヴェーヒーから500光年の距離を置くべく、遷移を実行した。

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遡ること1ヵ月。《バジス》はディメトランス跳躍のため、銀河系中央ブラックホール・サジタリウス*Aを周回しつつ加速をはじめていた。冷凍保存した脳髄が“毛細血管”経由で転送できないため、M-87への輸送及びその警護艦隊の母艦としてタイタンで建造された巨艦《バジス》。乗員5万名はテラ連合と太陽系ユニオン各地から結集した曲者揃い。
艦長、エルトルス人メルバル・カソム。副長、シガ人ハール・デフィン。通信・探知部門は《クレストII》からドイツ系テラナー女性サラ・マース。第一パイロット、エモシオ航法士エラス・コロム=カン。医長は伝説の《マゼラン》船医を務めたジュリアン・ティフラーの娘リア・ティフラー
科学部門の長はネクシャリスト、レス・ゼロンだが、艦載脳〈ハミラー〉の開発者ペイン・ハミラーは100歳と高齢ではじかれるところ、乗せなきゃ政府とローダンを訴えるとゴネて席を確保。NEO版エリック・ウェイデンバーンは、宙族に殺された両親の会社を継承したアンドロメダ一番の富豪で、自説STAC……“スピリチュアルに起因する完全性の配列”を科学をもって証明することに憑かれたテティサー(正篇のテフローダー)。なんでも、現在ホイッスラー・カンパニーのオーナーでもあるとか。最新の技術をつぎこんだ研究船《STAC》ごと、助言者としての参加。さらに、前巻で亡くなったライプニッツの後継にあたるロボット心理学者ガルト・クォールファールト
“大宇宙の救世主”ことグッキーや、テレポーターのラス・ツバイ、オクストーン人オマール・ホークと相棒のオクリル“ワトソン”など特殊能力者も乗り込んだ。
率いる遠征司令は、いわずと知れたテラナー、ペリー・ローダンと、アルコン人トーラ・ローダン・ダ・ツォルトラル。

いわずと知れた、正篇からの転生組がぞろぞろと(笑)
カソムは150話登場USOスペシャリストの代名詞。
相棒のレミーがまだ6歳なので、サンダーボルト・チームからデフィンが代理出演w
コロム=カンは正篇では《マルコ・ポーロ》艦長。
サラさん、リアさんはNEOオリジナルのキャラクター。
レス・ゼロンは正篇でも《バジス》の首席科学者(1000話台)だが、今回はネクシャリスト。いきなり墜落してきた異星人の担当させられるあたりが、グローヴナーくんを思わせますにゃあ(笑)
ペイン・ハミラー、共同開発者が妻のデメテルさん(故人)と、こっちの方が幸せじゃんと思ったら……?
ウェイデンバーンは、NEOでは一時レティクロン側にひきこまれたりもしていた様子。今回のSTACは、はてさて何になるやら。
ガルトは正篇では半ポスビ人間であったが、こちらではどんな活躍を見せるか。乞うご期待。

5万人+αをコールドスリープ・タンクへ送り込むのはひと苦労らしく、中には「怖くない。怖くなんてないぞ!」というやつの対処も必要だったり。オクリルに拳骨くれて、ホークがあわあわする場面もあったり。父(故人?)との関係が複雑そうな描写も見られるが、名親であるふたりを「ペリーおじさん」「グッキーおじさん」と呼ぶ彼女は、なかなかの豪傑w

〈理性の光〉としてカトロン断片の片棒をかついでいた長男トマスは、アフィリアから解放され、《バジス》の情報をもたらすなど、決戦にあたり重要な役目をはたしたものの、黒い碑を破壊する際、亡くなったロワ・ダントンとリンクしていたため、その意識が共存した状態。過去の罪悪感ともども、半ば廃人の状態が続いている。
義兄弟ファロクが亡くなったとき、その分まで生きると立ちあがった息子。彼は再び立ちあがるだろうか。

Twitter(X)では同行不可っぽい、と書いたが、加速が開始されて1週間後に病室を訪れているので、どうやらトマスも《バジス》にはいる様子。

転移30分前、艦は光速の95%に達した。司令室要員も人体冷凍保存クライオステイシス状態への移行が開始される。来し方、先に逝った友のことを考え、粘っていたローダンの視界に闇が落ち……可能性の扉が開かれた。

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Powehi (EHT Collaboration)

ポーヴェーヒーから500光年の距離をおき、小惑星群に隠れて乗員の再覚醒プロセスを開始した《バジス》。作業は滞りなく完了したかに見えた……ただ1名を除いて。ペイン・ハミラーが消えたのだ。記録映像は、ディメトランスの瞬間、ハミラーの姿が消失したのを明らかにしたが、原因は皆目見当もつかない。
また、予想外の事態も起きる。艦内あちこちで乗員同士のいざこざが発生し、医務室はてんてこ舞いとなった。ある疑念を抱いたリア・ティフラーはウェイデンバーンに協力を求め、快諾したテティサーは《STAC》の特別な計測装置で、UHFのさらに上、SHF帯域の上限ぎりぎり、いわゆる“プシオン領域”とされるハイパー波が、銀河中枢核ポーヴェーヒーから発されていることをつきとめた。これはアフィリアの研究者から〈カトロン放射線〉と呼ばれるものと等しい。ソル系では時間バリアとの相互作用で脳の扁桃体に影響をおよぼしアフィリアの原因となったのだが、ここではそれとは異なり、強い攻撃性を励起するらしかった。ローダンはウェイデンバーンの助言にしたがい、さらに銀河核から距離を置くことにした。

事態が小康状態をむかえたところで、ようやくローダンはレス・ゼロンに対応をまかせていた棍棒艇の異人と面会する時間をみつけた。異人は〈研究者〉種族のドウク・ラングルと名乗った。この銀河の調査にあたる途上、うっかり銀河核に接近しすぎて遭難しかかっていたと語るラングルは無私的救助に感謝しており、その話からテラナーは多くの情報を得る。

“脳”と“コンピューター”ということで、NEO第6期(エポック)が〈バルディオク〉と〈テルムの女帝〉を意識しているのでは、とは以前書いたのだけど。正篇では“テルムの女帝の研究者”だったドウク・ラングルまで出てきた。言葉を濁したけれど、《モジュール》に所属していることは判明した。どんな勢力が派遣したものやら……。

M-87の頂点に立つのは正体不明の〈中枢の設計者〉で、その意を汲んだ〈基地のエンジニア〉ドルイス種族をはじめ、スコアル、ドゥムフリー、ペレヴォンらが重きをなすこと。中枢部の情勢は〈カトロンの血〉と呼ばれる放射線の影響で混沌としているが、設計者が銀河中枢部からの脱出を許さないこと。
おりしも救難信号が受信され、ハルト人に似たチャルナズ・バクル種族の難民が老朽化した機関の事故で立ち往生しているのに遭遇したテラナーは、自分が助けてもらって言うのもなんだが救助活動は避けた方が良いというラングルの制止をふりきり、リア・ティフラーをはじめとする医療チームを乗せた巡洋艦《ラヴァナ》で駆けつける。

老朽化した機器の爆発で大破した艦では使者も出ており、グッキーもテレポートで補助するが救助は難航する。
そこに12隻のスコアル艦隊が出現。シク(指揮官)=ジル・アーント・アイマルは“不正な”救助活動の即時停止を要求する。1時間以内に撤収しない場合は、“攻撃とみなし”対応する、という。
戦士種族スコアルの艦だが、制御をうしない《ラヴァナ》と衝突寸前だった難民船を撃沈した際の火力からみて、戦闘になっても――最悪、小惑星群に隠れた《バジス》からの援護もふまえて――こちらに分があるとトーラは見立てたが、外来者である自分たちが現地当局と事を構えるのはよろしくないとのローダンの判断で、全力で負傷者や医療チームの収容を開始。
その一方で、腹の虫のおさまらないグッキーが、ウェイデンバーン謹製のナノ・マシンを3隻のスコアル艦にテレポートで運び込み、コントロールを失う事態に。救援部隊をいまだ展開中のテラナーは「(銀河系のモラル的に)もちろん、お助けしますとも」と弁をぶち、シク=アイマルを説得することに成功する。難民船の修理の許可もおり、彼らは中枢部脱出はかなわなくとも、故郷星系まではなんとか戻れる状態にできた。

だが、ここで思わぬ展開が。アイマルの最高上司であり、この宙域担当の第一基地エンジニアたるドルイサント、キボシュ・バイウォフから、ローダンと《ラヴァナ》及びその“拠点バジス”を、この宙域の中央たるデヴェル星系へ招待するとの通達が届いたのだ。そして、エスコート部隊として、123隻のスコアル艦隊があらわれた。アイマル――そしてキボシュ・バイウォフ――は、《ラヴァナ》とスペースディスク、シックスパック(正篇でいうシフト)の能力を正確に見積もった。《バジス》の存在も探知していたようだ。
平和な意図、新たな通商域の開拓という名目から、この招待を断ることはできない。M-87へ到着してまだ3日。事態は混沌として、いかなる道行きか知ることはできない。


……というわけで、キボシュ・バイウォフさんまで登場である。このドルイサント、正篇ではローダンらにしてやられまくりで実にいいところがなかったが、さて、NEOではどんな活躍を見せるか。
なお、《ラヴァナ》の綴りは、ハイパーインメストロン搭載の《ラワナ》とは違うので、バイウォフさんも安心である(笑)
戦士種族スコアル、基地のエンジニア・ドルイスと、正篇M-87サイクルのままの秩序機構がかいま見えるが、前記事309巻での推測が正しければ、〈中枢の設計者〉は1億年も前に滅亡しているはず。これだけ長大な期間、トップなしで体制が維持できるものなのか。“丸太”が出てくるあたり、ひょっとするとエスタルトゥ編なんかも、ちょっとからんでくるのかもしれない。wktk。

以下余談。
ポーヴェーヒーの写真を2019年に撮影したEHT。イヴェント・ホライズン・テレスコープの略。“事象の地平の遠眼鏡”ですよ! ちょうかっけぇ……!

《ソル》の長い道/NEO版

12月22日発売の320巻『黒い架橋』から、ローダンNEOの新シーズン〈カトロン〉が開幕した。
ソル星系を隔離して無愛症アフィリアを撒き、あげく200億人類の脳髄をみずからのパーツとして強奪せんとしたスーパー・バイオコンピューター〈カトロン〉。いまなお潜在するその危険を排除するべく、ローダンは〈カトロン〉の端末が脳髄輸送のため建造させた巨艦《バジス》で、敵の本拠たる5500万光年かなたの巨大銀河M-87へと進発する、のだが。
これまで読者の得た〈カトロン〉にまつわる情報は、

  • シーズン〈オデッセイ〉(正篇でいう脳彷徨)でローダン脳が誘拐されたナウパウムは、M-87(カドロナール)周辺に12000存在する球状星団のひとつ。
  • パインテックのPGT装置で帰還する際、ローダン脳は〈カトロンの地〉なる仮想世界で、クレストの姿をとった〈カトロン〉に遭遇。「助けてやれることはないのか」と問うローダンは、「それは一度試みた。が、うまくいかなかった」と言われる。
  • ローダンがナウパウムで出会ったサイナック(後にロワ・ダントンと呼ばれる)はフランス人ジョルジュ・ダントンの脳をもつが、彼は幼少期〈深淵の姉妹〉に選ばれ、その船《ナルガ・プール》で特殊な教育をうけていた。
  • 〈姉妹〉によると、〈カトロン〉は太古ルーワーによって“宇宙の量子構造安定化”のため創造された、幾十億の脳髄からなる超バイオコンピューターで、その叛逆のためルーワーは滅びた。
  • 永らく休眠状態にあった〈カトロン〉が、近々覚醒するきざしがある。“暴君を打破する”ための教育を施されたダントンの脳は〈カトロン〉にとって“猛毒”にあたる。

……というもの。しかし、シーズン〈アフィリア〉開幕直前、思いがけない手段で核心に迫ったものたちがいた。
今回お送りするのは、彼ら《ソル》の人々の苦闘の物語。309巻『一億年』(シェーファー)である。

ローダン指揮のもと、テラニアに出現した黒き碑の原因を探るべくマゼラン星雲へとむかった《ソル》。現地の“時間眼”をもつ種族パーリアンは、銀河系とのはざま、マゼラニック・ストリームにポスビが築いた〈クロノパルス・ウォール〉を破るため、〈ベルカ〉なる装置――9基のステーションからなる、おそらくルーワーの九塔施設の流れを組む技術――の準備を進めていた。その試運転の際、搭載艇《パールダイヴァー》のローダンが期せずして“毛細血管”経由で銀河系へ転送される一方で、《ソル》は生じたハイパー渦に呑み込まれる。船体崩壊直前、ハイパー物理学者エリック・ライデンの機転で“流れに身をまかせる”ことで転送は安定。やがて亜鈴船は、見も知らぬ銀河の中央ブラックホール近傍に出現する。
アルコン人から受け継ぎ、アンドロメダ遠征を経てアップデートされた星図なら、局部銀河群のどこであっても特定できる、22世紀の人類の天文学知識にも該当しない巨大銀河。その銀河中枢部はちょっとした混沌の様相を呈していた。なんらかの原因で、大量の難民が発生しているのだ。救助された難民のひとりは、“時間眼”をもたないパーリアン……。
やがて、天文部のヘージ・ノックマンが、プシオン領域で計測される、200年ほど前に誕生したばかりのジェットの萌芽を発見したことから、ひとつの仮説が提示された。ここは銀河系から5500万光年はなれた球状銀河M-87である……ただし、1億年前の!

  • 実はマゼラン星雲の〈城〉崩壊時に、パーリアンのひとりがペレグリン(黒き碑から分離したヒューマノイド)を“化身”(Inkarnation。正篇における超知性体の“具象”)と呼び、「我らの忠誠は、いまなお〈設計者〉に……ひいては〈カトロン〉に向けられている!」と口走るのをラス・ツバイが目撃している。が、その報告がローダンまで伝わっているかは不明。

帰還はあらゆる意味で絶望的。世代船として設計された《ソル》ではあるが、この距離、この時間にはなすすべがない。時間膨張飛行でも船体が保たないし、それだけ長期のコールドスリープで人体に影響が出ずにはすまない。
艦長チャート・デコンは“我らソラナー”と乗員を鼓舞し、初代ハイ・シデリト(“中天にかかる星)に就任するも、希望を見出せない一部の者たちがコルヴェットで離脱するのを阻止できなかった。銀河中枢部を放浪する10年のすえに、デコンも病没する。

後を継いだブレッククラウン・ハイエスは、引き続き政情不安な中枢ブラックホール“ポーヴェーヒー”近傍の放浪を継続する。
ジェットのプシオン的影響が人心に不安をもたらす効果が判明したり、ライデンらの肉体をくるむクレール塊を利用した高度なコールドスリープ〈ステイシス〉がジェフリー・ワリンジャーによって開発されたりもしたが、現状打開の大きなきっかけとはならぬまま、数十年がすぎる。
人道的救助によって、往くあてのない難民は《ソル》の人口増加を招き……いかなる論理の帰結か、艦載脳〈セネカ〉とポスビの叛乱が勃発する。ソラナーの福祉のため、すべての決定権を掌握すると告げるセネカに、ハイエスは上位コードによる強制シャットダウンで対応。統制ポジトロニクスを失った《ソル》に暗黒時代が訪れる。
ハイエスらが行方をくらまし、ハイ・シデリトの座を襲ったタンワルゼンは、〈ソル労務共同体(SOLAG)〉を創設、厳格なカースト制度を敷いた。

  • オリジナルのチャート・デコンはATLAN500話「ソラナー」の時点で《ソル》の独裁者ハイ・シデリトであった、いわばアトランの最初の敵ボス。彼の“家”たる《ソル》を守るため身を投げ出し、実は息子であるブレッククラウン・ハイエスに後を託す。今回の血縁関係は不明。
  • エリック・ライデンら旧ライデン・チームの3名は、異宇宙クレアヴァースから流入した物質クレールの塊に埋め込まれ、擬似的な不死の状態。ただ精神活動は正常で、ネーサンやセネカの提供したアヴァターとして出現する。イレギュラーな存在なので、首席科学者はワリンジャーに譲り、助言者的地位にとどまっている。
  • ローダンによる〈大断裂〉閉鎖後、クレールは失われたはずなのだが、この塊だけは維持されている。当然、補充のあてもないので、〈ステイシス〉は限定的にしか使用できない。

どうやって説得しわからせたのかセネカ復旧とともにハイエスらが復権。〈ステイシス〉によって延命しつつ指揮をとる彼らは、一部ソラナーによって“グレイト・オールド・ワンズ(クトゥルー神話における“旧支配者”)”と揶揄される。漂泊の120年を経て、銀河系などライブラリの記録映像でしか知らない世代や、そもそもこの銀河の種族由来の“ソラナー”が主流となりつつあった。
新世代の保守・管理業務への忌避感や、一部退行現象もみられるなか、グレイト・オールド・ワンズは最後の挑戦を試みる。
現地種族が神のように崇める〈中枢の設計者たち〉……神話ゆえ曖昧模糊とした表現が多いなか、とある紙媒体の記録に、ひとつの座標が示されていたのだ。物、惑星、恒星かすらさだかでない、銀河系から見て中枢ブラックホール・ポーヴェーヒーの裏側にあたるその場所はこう呼ばれていた……〈モノル〉と。
目標から数光秒の距離へと遷移した瞬間、《ソル》に暗黒が落ちた。

ほとんどのエネルギーが消失していた。かろうじて動く外部カメラがとらえた映像は、見知らぬ暗黒空間。星々はおろか、ポーヴェーヒーすら見えない。ここが〈モノル〉なのか? そして《ソル》船体にはりついた、いくつもの全長数十メートルのゼリー状の物体。暗灰色のそれは、生命体なのか? これがエネルギーを吸収したのか? エモシオ航法士コスムが応答せず、艦機動は不可能。宇宙服のマイクロ反応炉すら機能しない状態。ゼリーの移動した個所は装甲板が変質している。艦内へ侵入されれば結果は火を見るよりも明らか。ワリンジャーたちは戦闘ロボットを再充電しようとしているが、時間が足りない。
そのとき立ちあがったひとりの男がいた。コルン・ハン・ブールロ。《ソル》のM-3中核の次元泡バコル・カヴィ遠征の際に母ヘルマが妊娠中だったため“進化の跳躍”を体現した宇宙人間。ミュータント、フリークと忌避された彼が、唯一対応可能なソラナーとして、船外へあらわれたのだ。エネルギー残量の乏しい熱線銃が予想外にゼリー状生命体に効果的で、ワリンジャーらは戦闘ロボット部隊を動員する余裕を稼げた。

  • コルン・ハン・ブールロ(Buhrlo)は、ハヤカワ版では「バーロ」になっている。母ヘルマともども正篇から移行組。ヘルマの死後は、元《ソル》副長レベッカ・モントゴメリーに育てられる。ベッキーがヘルマと仲良かったのかは不明。

惑星サイボラ生まれの人類最初のエモシオ航法士メントロ・コスム。《ファンタジー》、そして《ソル》を導いてきた彼は、闇の中で不可解な声を聞いた。「ぼくにひどいことしたヒトたちの仲間なの……?」
そんなことはない。コスムは否定する。なぜか、相手が〈モノル〉なのがわかる。われわれは平和的な意図で、好奇心と探究心からここを訪れただけ。
「じゃあ、助けてくれるの?」
コスムは「できる限りのことは……うん」と、肯定した。
肯定してしまった。

ゼリー体を駆逐したものの、《ソル》への攻撃は続いていた。未知の超高周波エネルギーのビームは、リブラ・バリアのフィールドラインにナノ構造亀裂を産み、エネルギーを吸収する。負荷が急激に上昇していく。
コスムは死んだように反応がない。操舵をとりもどすためにはSERT接続を遮断する必要があるが、外部から強制切断すれば人体への影響は予測もつかない。そのとき――
外部からの通信が。メントロ・コスムからの!

〈わたしに残された時間がどれほどあるかわからない。だから、遮らずに聞いてほしい。
 皆を安全なところへ移すため、できる限りのことはした。クルム――というのは、エネルギーを吸収するゼリー体のことだ――それにメタ要塞の砲撃は、モノルへの接近に対する自動防衛反応だ。ノナスフィア周辺エリアは危険で、350年前の軍団侵攻以来、タブー領域とされている。設計者たちは、M-87中枢部の一連の種族同様、ガルベッシュのおそるべき殲滅戦にもちこたえることができなかった。以来モノルは荒廃し――立入禁止だ。少なくとも、われわれを含む、ほとんどの者が。
 充分やれたかはわからないが、そちらにツキがあるかもしれない。もっと時間があれば、放電を微調整できただろうが、どちらにせよ他に手段がない。
 モノルを包む“膜”を再度突破するのは、現状の《ソル》では耐えられない。だが、選択肢はある。これまで……ひどい……時代だった。会えなくなるのは寂しい。君たち、ひとりひとり、皆に。すべてがうまくいけば……心の底からそれを望むが……故郷によろしく伝えてほしい。そして、わたしを忘れないで……〉

  • 遮らないで、とのことなので、間のト書きも省略した(笑)
  • 聞いているハイエスは、コスムがやたら早口なのは通信途絶をおそれていると感じた。
  • コスムの状況と、ナウパウムへ脳髄を奪われたローダンの状況の類似も。
  • ノナスフィア(Nonasphäre)という単語は、明らかにルーワーが銀河系に築いた〈ノナゴン〉の系統。

通信はとだえ、《ソル》はありえないほどの加速をはじめた。まもなく必要速度に達した亜鈴船は遷移した。
次の瞬間、またしてもアラームが鳴り響いた。衝突警報。再物質化した直近に、巨大な小惑星が位置していたのだ。全長80km、最大幅20km。
《ソル》が激突するであろう環状山脈は、まるで怪物の顎のようであった。
直後、通信・探知を担当するモリナ・デンジャーが叫んだ。
「あれは、小惑星じゃない。宇宙船よ!」
そんな莫迦な、と思ったところで溶暗。


そして、物語は310巻『愛なき世界』よりアフィリア編へつづくわけだ。生殺しか(笑)

なんだか、いろいろと不整合があるのが、おわかりいただけただろうか。
マゼランのパーリアンが忠誠の対象として設計者≒〈カトロン〉としているのは、叛逆が事実であるならおかしい。
〈深淵の姉妹〉というのは、時空を超えて暗躍しているダオ=リン=ヘイとか、最近ではローダンの長女ナタリーちゃんも加入している謎の組織。シェーデレーアがマスクマンになったのも彼女らのせいである。で、ナタリーらは「設計者は〈カトロン〉の叛逆で滅んだ」とダントンに教えているのだが、本作だとガルベッシュ軍団(NEOではおそらく今回が初見)の襲撃によるとされる。
そして最後に出現した小惑星サイズの宇宙船。どう見ても、正篇1300話で出現した“丸太”(der Klotz)である。正篇どおり“丸太”=《ナルガ・プール》だとしたら、目的不明な〈姉妹〉は1億年前にM-87でもほにゃららしていたわけで。兄弟船《ナルガ・サント》は出てくるのかとか妄想がふくらむw

そして、〈カトロンの地〉でローダンが聞いた、「それ(助けてもらうの)は一度試みた。が、うまくいかなかった」というのは、おそらくコスムのことを指す。すると〈モノル〉=〈カトロン〉となるのだが。はてさて。
X(旧Twitter)でも書いたが、覚醒した〈カトロン〉が人類の脳髄を欲したのは、コスムとの関係があるとみている。1億年の時を超えて、コスムの再登場はあるのか。
タイトルリストにも“丸太”の名称は出てくるので、《ソル》の人々、もしくはその子孫なりの運命が語られる可能性もある。わりと、今シーズンのなりゆきは、楽しみにしている。

本筋と全然関係ないけど、通信・探知担当→副長のマイ・タイ・タナカが日本人って、『蹴りたい田中』でも読んだの?w >シェーファー

NEO250巻『時代の転機』

ペリー・ローダンNEO、第5期初号にして第25シュタッフェル(シーズン)〈深淵〉編の第1話となる250巻『時代の転機(Zeitenwende)』が4月16日(電書は15日)に発売となった。著者は草案コンビであるリュディガー・シェーファーとライナー・ショルム。

タイトルのWendeは「切替、節目、転換期、逆転」等の意味があり、ベルリンの壁崩壊にはじまる東西ドイツ統一の流れについても用いられた。わかりやすいところでは「コペルニクス的転回」もこれ。時代が大きく変わろうとしている、ポイント・オブ・ノーリターンということ。ヘフト版250話「第六紀元」(シェール)みたいなもんである。

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あと、本編と直接関係ないので先にいっておくと、ノナゴンの作用ですべての細胞活性装置が機能停止。ただし、〈時の泉〉でカリブソと邂逅したローダンがそうであったように、携行者は装置無しでも相対的不死性を維持しているらしい。アヴァンドリナさんが遺した(トーラ用以外の)10基の装置はすべて“冬眠”活性装置と呼ばれたように、不定期で活動不能期間が訪れる仕様だったそうなので、むしろラッキー?

249話時点で活性装置携行者だったのは以下の6名(太字はNEOオリジナルキャラ):
トーラ・ローダン・ダ・ツォルトラル
レジナルド・ブル
ジョン・マーシャル
ラス・ツバイ
ヨシュア・モンカダス
――18巻で「世界の終わりは近ーいっ」という宗教者として登場……らしい。アンティ・ミュータントであることが発覚するも、ジェネシス危機の後、能力がインターラプター(電子信号遮蔽能力者)に変化。一時シド・ゴンザレスの意識の宿り先であった。
ベル・マックグロウ
――101巻で大赤斑から出現したマークス船を発見する《アリストテレス》航法士。後《マゼラン》乗員としてアンドロメダ遠征にも参加。199/200巻のどこかでジョン・マーシャルと結婚。一子ノアをもうける。

装置自体はもう動かないので、今後この方法で不死者が増えることはない模様。
なお、ノナゴンの発動は局所泡(ソル星系周辺宙域。くわしくはWiki参照)のみに限定されるので、アンドロメダにいるアトランとミロナさんの装置がどうなったかは不明とのこと。閑話休題
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%80%E6%89%80%E6%B3%A1

第1部:ごく近くにて

時は西暦2102年4月16日。ダークライフとノナゴンをめぐる事件から12年が経過した現在、太陽系ユニオンと人類は内部に抱える一大危機に直面していた。
オクストーンを除く太陽系ユニオン所属の植民星系代表と火星評議会が構成する〈コロニー自主管理委員会〉は、テラ連合憲法に含まれるコロニー住民を束縛する“協力・管理条項”を現代の奴隷制度と糾弾。874隻の民間船団が冥王星軌道に出現し、テラをめざす示威行動を開始した。
このありさまをライヴ中継するためメイセンハート・ギャラクティック・ニュースのクルー、タルドゥス・ザンクが同乗していた、監視部隊の巡洋艦《レベル・ラウザー》は、防御バリアを切っていたことが災いし、過剰反応した貨物船の発した対隕石レーザーに被弾。反応炉が暴走して脱出のまにあわなかった乗員数十名が死亡するにいたり、状況はさらに緊迫化する。
テラ艦隊旗艦《テラニア》座乗のプロテクター、レジナルド・ブルの断固たる指示と、船団を代表する火星議員タッチャー・ア・ハイヌがすばやく表明した“きわめて不幸な事故”に対する公式の謝罪で最悪の事態は避けられたものの、《クレストII》で駆けつけたローダン、テラ連合執政官ステラ・ミケルセン、太陽系ユニオン大統領シャルモン・キルテ・ダブリファらの説得は空振りに終わり、船団はテラをめざす遷移の準備に入った。

太陽系ユニオンの構成惑星は、以下の記事に挙げた7つに加え、スピカ星系の惑星サイボラ、りょうけん座アルファ星の惑星オクストーンがある。中華ブロックの植民星とかどうなったのかにゃ。
https://www.goyaku.com/neo/rundreise-der-magellan/

ここにいたり、テラ連合首脳部は〈非常事態計画ローリン〉の発動を決断。
人類の科学者がネーサンとポスビ、《PE-超便利》のパドラー、ペロクらの協力を得て開発したアンティテンポラル潮汐フィールド。全長45m程度の潮汐衛星およそ2300基がテラとルナの周回軌道をめぐっており、ソル彩層からヘリウム3を抽出、ラグランジュ点(L1)で200メガトンの水素と核融合、人工太陽として点火したものがエネルギー源となる。
未来への移行――量子力学的には1プランク時間単位の重ね合わせスーパーポジションによる「時間ベクトルの極大化」であって、通常空間の“隣”に存在を続ける形となる――それ自体は96基のATG転送ステーションがL4点に作り出す直径100万キロの転送リングによっておこなわれる。テラ=火星軌道の中間点〈X-ドア〉に設置された〈時間水門〉経由で、移行後も往来は可能とされている。
すでにカウントダウンは始まっていた。ミケルセンとダブリファは《テラニア》へと移乗……彼らは“現在時”に残るのだ。その他関係者も次々とテラ艦隊旗艦へと終結しつつあった。
デモ船団のテラへの遷移が30分後に迫る中、ATGが起動する。ブルは瞑目した。874隻の船と、およそ3万にのぼる乗組員。絶対に、彼ら“人類”に向けて発砲したくなかった。それでも、ブルはこの計画にはいやな予感を感じるのだ。まぶたを開く。テラとルナの姿は消え失せており――《テラニア》司令室に警報が鳴り響いた。

正篇におけるX-ドア
ヘフト版においてもX-ドアという名称が存在する。ただし等しいのは名称だけで、アトラン率いる“タルカン艦隊”出発にあたり、ハンガイ銀河のストレンジネス障壁から80光年のポジションにヴィールス船団との合流点として指定された。ドリフェル・ショックの時点で、この宙域には《バジス》が待機していた。
あと余談だが、ヘフト版では対応するように〈Y-ゲート〉、〈ズールー(Z)〉と呼ばれる合流ポイントも存在する。

第2部:遥か遠くにて

ラス=トオルのアウリスは、惑星ドロラーの最高峰ファロロンの頂上で“夜警”の任に就いていた。深く青い夜が世界を覆っている。首都コナルからほど近い岩山に人工的な螺旋構造体を付け加えたファロロンでの任務は、現在では自動機構の補助もあり、高等評議員に課されるほぼ儀式的な仕事といえたが、広所恐怖症に冒された大半のアコン人とは異なり、アウリスはこの夜空が嫌いではなかった。
時代遅れの旧弊と謗る者もいるが、〈大障壁〉による外界との隔絶エンティラコシオンはアコンの伝統。この平和な夜を見守る仕事も悪くない……そんなことを考えていた矢先だった。青い夜空に、赤いしみをみつけたのは。
彼女を補佐する監視ポジトロニクスも類例を知らない現象。上空数百キロに生じた赤光からは、波の伝播するようなゆらめく環が断続的に発されていた。〈大障壁〉のプロジェクター・プラットフォームの一群を指揮するトランスディム・エンジニア、エッペンのジョックスと連絡をとったアウリスは、赤光の原因は不明ながら、何かが超遠隔地から青いバリアに影響を及ぼしていると知らされる。
緊急プロトコルを発動し、評議会に指示をあおぐべく半空間ブリッジで転移したアウリスの上空では、その様相が一変していた。赤光は消え、しかし同時に、青い輝きもまた消失していた。星々のまたたく夜空――ありえない。〈大障壁〉の直径はおよそ1光年。“外”の光がドロラーへ届くまで半年はかかるはずではないか。
なんらかの時間ファクターを持つ構造震動が、星系全体を揺るがしたのだ。足下に感じる揺れは地殻変動が誘発された証。コナルの中心街は壊滅的打撃を受けていた。
そして、隣接惑星ナ=ティールは消失していた。破壊されたのではない。そこには、別の惑星が存在していたのだ。

-*-

何かが、手ひどく失敗した――ローダンは思った。周囲のすべてが揺れていた。《クレストII》の船殻すら震動していた。ようやく〈セネカ〉が介入して事態は小康状態となるが、状況はきわめて悪かった。
テラ=ルナ間に集結していたテラ艦隊1万隻のうち、最低でも2500隻が消息不明。地上でも、地殻変動やバリアから漏れたプラズマの雨で多大な被害が生じている。なにより――スクリーンに輝く青い巨星は、明らかにソルではなかった。ここは何処なのだ?

TOKIOの惨状
状況確認のため発進したスペースディスク(ヘフト版のガゼルやスペースジェットに相当する円盤艇)がまっさきに東京へ向かい、老朽化していたスカイツリーの倒壊を視認したり、落下してくるプラズマ塊から葛飾を救ったりするのは、日本の読者向けサービス? それとも両さん読んでたりするのか草案コンビ(笑)

青色巨星は比較的稀。ソル系直近のものは250光年離れたベラトリックス(オリオン=ガンマ)だが、この恒星の特徴にはあてはまらない。18ある惑星のうち、ハビタブル・ゾーンに位置するのがテラともうひとつ。重力異常の状況から、本来惑星のあった位置にテラが出現したことが判明する。
そして星系には居住者が存在した。接近した艦艇からプラズマ砲で散発的な砲撃がおこなわれ事態は緊迫するが、トーラがネーサン経由で全艦艇に応射を厳に禁じる命令を伝達する。闖入者は彼らの方なのだから。

-*-

ラス=トオルのアウリスは高等議会の命をうけ、ヘスポロンのラールクの指揮する警備艦《カルミンスール》に同乗、出現した惑星へむかう。巨大な衛星は一級の要塞。そして惑星=衛星間に遊弋する大艦隊。鎖国して久しいアコンには存在しない強大な武力である。
緊張のあまり指示を待たずに発砲した2隻を最後尾へ下げるアウリスの指示で、最悪の事態は回避され、翻訳機のデータ交換を経てコンタクトが成立する。当初、有人惑星の交換と数千隻の大艦隊の存在から未知の“攻撃”を疑っていたアコン側だが、テラの状況や、《クレストII》を訪れた際に見たテラナーたちの困惑、そしてアコン星系のポジションが3万4000光年離れたアッカティール(Accatiir)星団――テラで言うM-3球状星団――の外縁であることを知った驚愕は虚偽ではないと、ラス=トオルのアウリスは信じた。

ヘフト版におけるM-3
アコン星系のポジションが正篇の銀河中枢部ではなく、ハローの球状星団というのは驚いたが、〈深淵〉編としてはある意味当然のなりゆきだったかも。ヘフト版におけるM-3球状星団といえば、ポルレイターの隠遁地である。球状星団の中心近く、新モラガン=ポルト五惑星要塞を築いた彼らは、深淵の騎士団の前任にあたる種族だった。
アコン語の名称が、ヘフト版のナックの惑星アッカーティル(Akkartil)と似ているのは、たぶん気のせい。たぶん……。

《クレストII》のハイパー物理学者ナ・アユタヤ双生児は、〈大障壁〉が状況転送機の受入極の役割をはたしたこと、その遠因はバリアのフィールド・ジェネレーターが利用している球状星団中心部からの多次元性フラクチュエーションにありそうだという推論を提出、アウリスを驚嘆させる。とはいえ、送出極は、あのアクシデントで破壊されていないにしてもソル星系にあり、ATGを創出した潮汐衛星のエネルギー源たる人工太陽も破壊されてしまった現状では、テラとルナを元の位置へ戻す方策はさしあたりなさそうであった。
また、アコン人の言語がアルコン語のより古い系統に由来すること、胸骨板の構造などから、彼らの方がよりリドゥーリ源流に近い、アルコン人の祖先であることが推察される。
ナ=ティール消失の際、M-3の中心部、バコル=カヴィ(Bacor-Kavi)からの強いインパルスが観測されたというアコン側の情報提供に、惑星転送になんらかの関係があるとおぼしき暗黒星雲への遠征を企図するローダンだが、ラス=トオルのアウリス曰く、その宙域はいまだかつて調査船団の帰還したことがない禁断ゾーンであるらしい……。

-*-

自室で思索にふけるローダンのもとに、ナタリーがあらわれる。バコル=カヴィはとても異質で変動の激しいところ、既存の船で行ける場所ではない、と《クレストII》での遠征を止めるナタリー。

ナタリー・ローダン・ダ・ツォルトラル
2049年生まれのNEO版ローダン氏の長女。レイクサイド研究所での測定の結果、超能力をもつのは確実だが、ミュータントではない、というのがラス・ツバイの結論。成人後、オリンプへの研究飛行から帰還せず、以後消息不明……だったのだが、エラート同様、〈それ〉のエージェント的な活動をしていたらしい。その一環が、全身マスクつけて、オリンプの“皇帝”アンソン・アーガイリスを演じることだったとかいう……(爆)
時々、こーやってどこからともなくあらわれる。パパ大好きw

疑心暗鬼のローダンのもとへ、司令室のトーラから連絡が入る。星系外縁部に、遠距離遷移と思われる強い構造振動とともに、未知の巨船が出現したという。全長4キロの鉄亜鈴型。
それを聞いたナタリーは喜色をあらわにした。それこそ、ネーサンとポスビがとある暗黒惑星において極秘で建造していた船。テラの転送インパルスを再構築し、この星系を発見し、たどりついたのだ。その船ならば、バコル=カヴィへの飛行をなしとげられる。立体映像を指さし、
「あれが――《ソル》よ!!」

亜鈴船三種
NEOにおける《ソル》は全長4キロ。直径1500メートルのセル2基を全長1000メートルのシリンダーが結ぶ。《マゼラン》建造時に開発された遠距離遷移グライダー機関(LTG)を搭載。分離機能はなし。
正篇の《ソル》は直径2500メートルのウニヴェルズム級ソル=セル2基を全長1500メートルのシリンダーが結ぶ(後《マテリア》での改装で3000メートルに)。最新巻のあたりでは、遷移をなめらかに連続してこなすハイパータクト駆動を搭載。おそらくこれが、LTGの原型である。ミッション=ソル2以後の消息は不明。
同じくヘフト版の《ジュール・ヴェルヌ》が直径800メートルのアポロ級セル2基を全長800メートル(ドッキング部を含めると870メートル)のシリンダーが結ぶ。超空間インピーダンス増大前後両対応で、ホークIIリニア・コンヴァーターとメタグラヴを同時搭載。後に秩序の工廠惑星エヴォラクスで、トラフィトロン駆動搭載やら色々あやしい改造を施されている。アートプ法廷の罠にはまりブラックホールへ墜落。……ヴルチェク時代なら、別のブラックホールから吐き出されてるのになあ。

第3部:時代の転機

構造走査器は焼きつき、ハイパー・ベースの機器すべてが停止した。ローリン計画の何かが決定的な失敗に終わったことをレジナルド・ブルは悟った。テラとルナは、一見予定通りに姿を消している……。だが、その見かけを信じることは今のブルにはできなかった。
ソル系内では多くの艦船がその機能を失っており、ア・ハイヌも人命優先の救助活動にあたることを約束。大車輪で動力復旧した《テラニア》はX-ドアへと急行する。しかし、時間水門を擁する転子状船複合体は大破していた。先行して到着した《ナタリー》のトム・ローダンは人命の損害はなかったことを確認し、無事だったユニットへの救出活動を指揮していた。

《テラニア》
ソル直近の準惑星、第一期人類リドゥーリの秘密工廠ヴァルカン(183巻で破壊された)で建造された。直径750メートルのリドゥーリ戦艦。99巻で登場して後、テラ艦隊の旗艦。
2102年の時点で、艦長メルバル・カソム、首席科学者はアルノ・カルプ。コロニーとの関係がこじれてるところで艦長がエルトルス人なのか。正篇の伝統的にはエプサル人じゃないの。あと、レミーはどした?(笑)
カルプ教授が身長1.9メートル、体重200キロと、かなりのカリカチュア(さすがに胆汁質はなかった)。

テラとルナはどこへ行った? そこに住む160億の人々は、《クレストII》をはじめとする1万隻の艦隊は? 事態の再構築を試みたカルプ教授は、何らかの要因で、重ね合わせへの移行が“時間的”ではなく、“空間的”なものとなったと結論づけた。では、どこに? 現時点では、ソル系内及び周辺宙域を探査する〈冥王星ウルトラソニック・マルチロケーション・アレイ(PUMA)〉も限定的にしか機能しておらず、回答は見出せない。
時を同じくして、艦隊参謀本部から全星系に警報が発令された。ソル系外縁部に8000隻の転子状船が物質化、PUMAへ砲撃を加えたのだ。
ハイパー無線に姿を見せたのは、超重族。
「われはレティクロン、銀河系の第一ヘトランである! この星系はただいまより超重族の規範審議会ゴン=メカラの意志の下に置かれる。おって指示を下す。抵抗には、無警告の砲撃をもって応じるぞ?」

正篇のレティクロン
惑星パリクチャ出身の超重族。七銀河公会議の侵攻に面従腹背をもってこたえたローダンに代わって、銀河系の第一ヘトランに任命される。第一ヘトラン自体、公会議(ヘトス)に与えられた役職だったはずだが……第二ヴェシルとかと同等の扱いなのかな今回。
第一ヘトランの座を争いマイルパンサーに破れ、死後その意識は鋼鉄要塞タイタンのPEWメタルに封じられたはずだが、その後の運命については諸説ある(ヘフトと、記念巻収録の短編で異なる)。
ファン・シリーズ〈ドルゴン〉では新たな肉体を得て〈混沌の息子たち〉のひとりとして活躍中……なのかな?

-*-

……という感じで、以下次号。
次巻『暗黒星雲のかなた』では、《ソル》運用をめぐるローダン夫妻の意見の相違やら、M-3中心部の暗黒星雲へのテスト飛行で思わぬ知人に再会したりする。生還不能な宙域にひょいひょい挑む輩ときたら、もう衝動クリーニングなあの御仁(+α)で(笑) ソル側は254巻『規範審議会』まで放置かな……NEOだから、ちゃんと読むとエピソードはさまってるかな(おい
なんとゆーか、正篇がらみのあれこれをとにかくブチ込んできたなあ、と。上記以外にも、現在の軍人最高位である“星系提督”の名前はカラモンだったりする。対コロニー強硬派で、ブルとの関係はあんまり良くないみたい。でもこれ、オリジナルを知ってるから面白いんであって、NEOだけの読者にはピンとこないかもしれない。
むろん、NEOオリジナルの要素もある。アルコン遠征時に入手したアーティファクトと同じものが、アコン(ナ・ティール)に存在し、盗難を疑われたり(笑) ロボット十二英雄とか出てきてわりと謎なアルコンの過去にも光が差すかもしれない。

なにはともあれ、個人的にはじゅうぶん楽しめた。
でも、脱出艇が足りなくて死者が出るとか、テラ艦隊の安全基準はだいじょーぶなんだろうかと、そのへんは減点しておきたい。《クレストIV》だってすし詰め疎開したんだぞー(爆)

付記:〈深淵〉編タイトル
250. Rüdiger Schäfer & Rainer Schorm / Zeitenwende / 時代の転機
251. Lucy Guth / Hinter der Dunkelwolke / 暗黒星雲のかなた
252. Susan Schwartz / Kampf um SENECA / 〈セネカ〉をめぐる戦い
253. Rainer Schorm / Die Amber-Protokolle / アンバー=プロトコル
254. Rüdiger Schäfer / Die Exemplarische Instanz / 規範審議会
255. Lucy Guth / Die perfekte Welt / 完璧な世界
(以下未詳)

新シュタッフェルは〈サジタリウス〉

4月30日付けの公式サイトで、オリヴァー・プラシュカによる230巻『闇の呼ぶ声(Ruf des Dunkles)』からはじまるNEO第23部のタイトルが〈サジタリウス(Sagittarius)〉であることが告知されていた。

なんか“感染源”っぽい仮称がどっかで言及されていたと思ったのだけど、さすがに現状では誤解されそうだし、変更されたのかな(笑)
ここでいうサジタリウス(いて座)とは、ヘフト版で登場するいて座矮小銀河やデンゲジャー・ウヴェソの異名を持つ銀河中央ブラックホール・サジタリウスAではなく、いて座腕こと銀河中枢部のことらしい。

なお、現在進行中の〈アルコン覚醒〉では、アトランパパ(クローン)による大帝国の権力奪取が進行中。
NEOではトランスフォーム砲でギガトン爆弾がばーんという描写がないと思っていたら、リバースエンジニアリング中に設計図のデータを盗まれて頓挫していたらしい。そのデータがアルコン……というか、たぶん今回皇帝のクローンとか持ち出した黒幕に流れていたと思われるが、〈ダークライフ〉との関連とかどーなってんだろ。

サジタリウス

アルコン覚…醒……?(NEO第4期中途おさらい)

NEO新シュタッフェル〈アルコン覚醒〉もすでに2巻目が刊行済み。
なんとゆーか、ちょっと予想の斜め上な展開だが、第4期に入ってからの流れを簡単におさらいすると……

第20部 太陽系連邦

西暦2088年。すでに人類は複数星系への入植を進めており、〈太陽系連邦〉を創設している(2061年)。
ただし、大統領(Präsident)はテラ連合執政官マウイ・ジョン・ンガタが兼任しているし、テラ連合傘下の植民惑星自治政府間の調整機構みたい。

〈アンドロス〉との決戦後わずか3年で太陽系連邦創設ってのもすごい話だが、出てくる惑星見るにつけ、テラフォーミングろくにやってない感がバリバリである。Variable Genome Projektが2059年。どんだけ拙速やねん。
まあ、初期のヘフト版みたいに、どの惑星いってもあんま変わらないねえってのもいまどきアレなんだろうけど……。

で、テラ連合とは別口で中国も植民をおこなっており、そのうちのひとつデネブ星系のコロニー〈天津〉が突如音信を絶った。主たる要因は疫病で、このウィルス様生命体は後に〈ダークライフ〉と呼ばれることになる。
6年前に汚職と殺人の罪に問われ姿を消した植民惑星プロフォスの元代表イレイショ・ホンドロは当時〈天津〉に身をひそめており、病死するかわりになぜか暗示能力を身につける。第三課のエージェントとして〈天津〉へ調査に訪れたトム・ローダンらはこれを追跡――太陽系連邦の植民惑星を転々と――するが、ホンドロはその度に捜査の網をくぐり抜け、ついにはその能力をもってプロフォスを再び支配下に置く。

事件の渦中で、クレア宇宙との〈大断裂〉閉鎖の影響もあってかローダンの細胞活性装置が機能不全に陥り、ダークライフと、やはり謎に満ちたラシャト疱瘡に罹患してしまう。2種の業病が体内で互いに相食む状態のローダン。
おりしも植民惑星オリンプを訪れていたオプロン人メルコシュは、彼の属す〈オムニ・コンパレータ〉でもダークライフにまつわる事件は確認されており、ローダンを救えるとしたら、その研究惑星ラシャトしかない、と告げる。

第21部 コンパレータ

しかし、すでにローダンの肉体は長距離遷移に耐えることができない。
唯一の可能性は新型リニア駆動の実験艦《ファンタジー》だが、そのテスト飛行は不可解な失敗に終わっており、経済的波及効果を懸念するテラ連合政府は第三者調査委員会の査察が完了するまであらゆる運用を禁止する。テラでは「ローダンを救え!」とデモ行進がおこなわれたり……とゆーのは、以前の記事でも書いた。

実は《ファンタジー》のテスト飛行失敗は、主要エンジニアのひとりがホンドロの影響下にあることも関係しているのだが、ローダンたちはそんなことは知らない(笑)
政府の決定なんて知ったこっちゃないわいという物騒な有志一同――ブルやらデリングハウスやら政府・軍首脳、はてはネーサンまで加わっていた――は、ローダンも知らないうちにルナ地底に収容された《ファンタジー》盗難計画を立案、実行に移した。

実験艦《ファンタジー》が難破するのはヘフト版からのお約束だが、コンパレータの種族に助けられたり、トラブルを引き起こしたりしつつ(このへん読んでないw)、ようやくたどり着いた惑星ラシャト。ところが、ローダンを診た現地の医師たちは無情にも「手の施しようがない」という診断を下した。あわや宇宙英雄、一巻の終わりか、というそのとき――

え? なんでこんなところに〈時間の井戸〉が?
え? なんでそこからクイニウ・ソプトールが? 出てきてまた消えた?
意を決して〈時間の井戸〉へ踏み込んだローダンは、そこでかつての宿敵、〈人形使い〉カリブソに遭遇。こちらもとある事情で死にかけていたカリブソは、まあこれ食いねえ、これ呑みねえ、とローダンを饗応したあげく、いまわのきわに長いながい昔話を始めたり。
#ちなみにペリペの要約、あれ後ろ半分だけである。そんだけ長い(爆)

〈時の担い手〉――かつてローダンやテュイレ・シタレーを評して〈それ〉が述べた肩書きは、そのままカリブソのものでもあった、という。その長い半生と、過去と未来にひろがる軌跡――〈時の担い手〉だけが〈時間の井戸〉を利用して時の大海をある程度自在に移動できる――を物語ったカリブソは、わたしと同じあやまちを犯してはならないと諭して息をひきとった。
要するに、ダークライフの真のめざめは〈それ〉と〈アンドロス〉の間の争いすら顔色なからしめるものであり、これに対処できるのは、ローダン、キミしかいないんだよ、ということなのだが。宇宙開闢にまで遡る物話を聞いて、かつてローリンの惑星で遭遇した“この宇宙より古い”物質でできた櫃のことを思い出したりするローダン。ダークライフもまた、そうしたものなのかも、と。

〈時間の井戸〉から帰還したペリー・ローダンの首には、もはや細胞活性装置はかかっていなかった。だが、その脈動はいまもなおその身中にある。そして、ダークライフもラシャト疱瘡も痕跡をとどめず消滅していた。おいおい。

第22部 アルコン覚醒

コンパレータより帰還した《ファンタジー》のローダン一行。快癒はよしとして、当然のことながら、リニア艦盗難の責を問われることに。
出発直前、ブルたちの計画を知らされたときに、「全責任はわたしが負う」とかっこよく宣言したローダンは、プロテクターを解任される……だけで済んだ。実はローダンらが不在中にアルコンからの使節がソル星系を訪れており、それに応えてM-13へむかった《クレストII》のトーラがその後音信不通だという。追跡調査にむかう《マゼラン》に顧問として同乗することで委細相殺という事情(笑)

ともあれ、三惑星系へ到達した《マゼラン》だが、事態は想像以上に悪かった。女帝エムトンV世ことシータさんは大評議会によって帝位を剥奪される。まあ、帝権を象徴する〈皇帝の正義〉ももうないし、タナボタ女帝はさすがにムリがあったか……。
ともあれ、この宮廷革命を背後で使嗾する〈旧支配者〉の正体をつかむため、惑星アアラク・ラントンへむかった《マゼラン》と《クレストII》(解放した)は、メハンドールの極秘の中央星アルヘツで、数十年前テラから設計図が盗まれたトランスフォーム砲を搭載した戦闘艦が量産に移されていることを知る。

そして、〈旧支配者〉とは……。いまなおシータに忠誠を誓うセリスタの工作員が入手した写真を見たローダンは、“もうひとりのローダン”ことローダノスの記憶を思い出す。〈同盟〉の実験惑星トラン=ガルでデュプリケートされた多くのアルコン皇帝たちの姿を。
そこに写された3人の“皇帝”――
ツトモルVI世、グリシュカンXII世、そして、アトランの父ゴノツァルVII世!

……と、まあ、なんかATLANのアコン=アコン話みたいになってきた。
224巻が『アンドロメダからの来訪』なのでアトランが駆けつけるのだろう。でも、これで新皇帝がゴノツァルVIII世だとやばい。アトランとミロナさんで両銀河完全支配じゃない。

と・こ・ろ・で。
ホンドロどうなったのかな?(笑)

ハヤカワ版NEO刊行終了

%タイトル%とのこと。訳者の皆様、お疲れ様でした。

ハヤカワがどの程度の部数を見込んでいて、第3部まで続けた現状、どの程度売れているのかはわからないけど。ワンダラーへ到達したことでストーリーの大きな区切りがついたこの時点で、この判断は、やむなしか。

リブートとしてはじまったNEOは、実際にはこれ以降、しだいにヘフト本篇とは異なる流れへ進んでいく。アルコン進出の試みにはじまるメハンドール(ヘフト版スプリンガー)との接触とNEO版〈摂政〉との対立(そのさなか、アトランが颯爽と登場w)、アルコン潜入・宮廷革命の使嗾というNEO版地球替え玉作戦(座標データの抹消)が失敗したせいで、テラを占領したアルコン駐留軍との戦いが延々20巻余つづき……と、次に一連の話にカタがつくのは100巻である。〈闘争リンゲン〉――いま原書と確認したら、24巻では“苦闘”と訳されていた――とか第一期人類リドゥーリとか島の王とか伏線の埋伏もはじまるので、あとはどこで切っても尻切れトンボ感がぱない。
個人的には、NEOの本領は草案作家が交代した第2期以降だと思うのだが、あえて続けても、ハヤカワ版がそこまで保ったかは判断しづらい。第1期後半は当時あまり評判がよろしくなく、それが草案作家の更迭にもつながった。まあ、そも2期以降がほんとうにおもしろいかも、何冊か拾い読みしている程度なので断言できない。
2/27若干追記

他国語への翻訳がないNEOを刊行すると聞いて、ハヤカワ、チャレンジャーだなと思ったものだが(まして、刊行速度の差が往年のオリジナル版並みだし)。終了と聞くとやはり寂しい。

以下余談:24巻にワンダラーで出てくるイメナー。カリブソの恋人(の魂をコピーした人形)であり、これを奪われたことが人形使いが〈それ〉を憎むそもそもの原因であるが、詳しい経緯が描写されるのは219巻である。一目惚れの片思いで告白もしてないのか(笑)

第22シュタッフェル:アルコン覚醒

公式サイトNewsによると、ローダンNEOの次期シュタッフェルのタイトルが〈アルコン覚醒(Arkon erwacht)〉に決定したとのこと。220巻~229巻の予定。

現在、コンパレータの惑星ラシャトめざして出発したローダンたちは、途上《ファンタジー》が難破して悪戦苦闘中かつ〈ダークライフ〉に関する情報収集中であるが、そこからアルコン帝国再登場(215巻のタイトルが『帝国の使節』である)がどうからんでくるのか。

女帝シータさんの復権はテラのおかげでもあるので、一応友好国扱いかなあと思いつつ、そのわりには、宇宙チェスではブルー族さえ手伝ってくれたのに、アルコンの名前聞かなかったなあと思うだに、政変起こってておかしくない。
ヘフト版も、シータさん即位→暗殺はサイクル間の闇で出番がなかった(ただしヘフト版シータさんは軍人さん&アトランの恋人だったので、それ以前には若干活躍もあった)ことを考えると、新皇帝としてボスティクが登場しても全然おかしくないのだ(笑)
#まあ、読んでないから勝手なこと言ってるけども。

これまた勝手な憶測だが、第4期が〈ダークライフ〉編として、アルコンに敵にまわられると非常にやっかいなところではあるけれど、じゃあダークライフに浸蝕されたもの同士、コンパレータの助けを待つのでは再登場する意味もない。
やっぱり、太陽系連邦ないしコンパレータに進軍するしかないよーな。どうかな。

■公式News:»ARKON ERWACHT« BEGINNT IM FEBRUAR 2020

新シュタッフェル〈コンパレータ〉開幕

とゆーか、すでに先月の4日付け発売の210巻『ローダンを救え!』(プラシュカ)で開幕しているのだが、前シュタッフェル終盤からペリペのあらすじも更新されないし、公式フォーラムの方は「ペリペの方が早いから」とゆー身も蓋もない理由でNEOスポイラー板は実質死に体である。現状確認の意味で、ひさしぶりにNEOを購入してみたら……。

人類を星々へと導いたプロテクター、ペリー・ローダンの生命は風前の灯だった。ハラトン・テクノロジーの衰退もあってか、不調をきたした細胞活性装置は〈ダークライフ〉の窓口となり、ホンドロの行動の背後にもその影が見られる謎の存在をその身に宿すことになった。だが、同時にそれは、テラナーが感染したラシャト・ウィルスを中和してもいた。ローダンの体内では2つの業病が相食む状況であり、活性装置がなければとうにその体力は尽きはてていただろう。活性装置が“息切れ”したとたんに昏倒してしまうのはそのためである。
もはやプロテクターの肉体は、長距離遷移に耐えることさえできない。唯一の希望は、オプロン人メルコシュが提示した、〈コンパレータ〉の所属世界である惑星ラシャトでの治療のみだったが、そこへといたる手段がなかった。非物質化をともなわないリニア駆動を搭載した実験艦《ファンタジー》のテスト飛行は不可解な状況で失敗し、その経済的・軍事的効果の波及を憂慮するテラ連合議会は、第三者委員会による原因解明が終了するまで、一切のプロジェクトを凍結する。
テラニアでは大規模なデモがおこなわれ、人々は唱和する――ローダンを救え!

ローダン自身は、すべてを受け入れる心境だった。パウンダー、アダムス、マーカントら、すでに彼に先んじて旅立った者たち。デリングハウス、ティフラー、ンガタら、活性装置の受領を謝絶した者たち。ローダンの息子たちやブルの双子の娘もすでに独り立ちしている。人は生まれ、いつかは死ぬものなのだ。彼は一個の人間になしうる以上のことを、すでになしとげた……。
彼を叱咤したのは、妻であるアルコン人トーラだった。あなたの生命は、ひとりあなただけのものではないのだ、と。ローダンの知らぬところで、多くの人々がひとつのプランを実行に移していた。“ブルの90歳の誕生パーティ”に招かれた人々がルナに集結する。ルナ・リサーチ・エリアの奥深くにおさめられた《ファンタジー》を盗み出すために!

……そして、ヘフト版からの《ファンタジー》伝統というか、出先で難破するのだった(笑)

なんでも、NEOではテケナーよりも先にラシャト病(ラスハト、になってるんだっけ?)だけが、すでにハヤカワ版既訳分でも出てきているそうだが。テケナー、そしてメルコシュの登場とともに、またちがう意味を持たされている。
14歳で両親を失ったロナルド・テケナーは、スペース・ディスクの事故(その記憶が彼にはない)の後、それまで未知の・・・・・・・ラシャト病に罹り、医者もサジを投げたところを、奇跡的に持ち直したという過去を持つ。ラシャトが〈コンパレータ〉の惑星であるとか、メルコシュがやたらテケナーに関心を抱いているとか、伏線は敷かれていた。
そして、〈ダークライフ〉も、〈コンパレータ〉には未知の存在ではないという。……遠征して生命助かっても、行った先でヤヴァいことにまきこまれそうなにおいがプンプンするのだった。

しかし……〈大断裂〉の閉鎖にともなうハラトン・テクノロジーの衰退が、当然活性装置にも影響あるだろうなあと思ったら、第4期になってから、「アヴァンドリナさんは予備の活性装置10基もローダンに託した」って話になってたのね。現状、受理が確認できたのは、ブル、ジョン・マーシャル、ラス・ツバイ、ベル・マックグロウ(ライデン・チームの天文学者でジョンの奥様)の4名。わりとけっこうな人数(ブルの奥さん含む)に断られてて、ローダン、「彼らの方が正しかったかも……」とかやさぐれてるし(笑)
いまのところ、機能不全を起こしてるのはローダンのものだけだが……個人的にすごーく気になってるのは、エリック・ライデンの名前を見かけないこと。彼のチーム、細胞シャワーの利用権持ってたはずなんだけどね……。消されたか(方針的に)。

まあ、わざわざ数を増やしたってことは、〈コンパレータ〉編でそのへん解決するか、たとえばアフィリアでブルの活性装置だけ変だったのとかと同様の論で押し通すか、どっちかなのかな。
主人公ローダン、享年90歳、じゃシリーズ続かないもんねえ。

以下余談:ついにメントロ・コスム登場……SERT技術やエモシオノートもふつーにある。
テケナー姉弟……ブラコンの姉とシスコンでギャンブル狂でろくでなしな弟。ジェシカとトムがわりといい雰囲気なわけだが。テケナーがローダンの義理の息子ポジ?(笑)

※11/3追記:
マガンが該当個所を教えてくれた >Lashat-Pocken ラスハット痘かあ……。