ブーフメッセ・コン34のローダン企画

明日16日から、フランクフルト書籍見本市が開催される(10月16日-20日)。グーテンベルクの時代からの歴史あるイベント……なのはさておいて。“ブックフェア”になってんな、Wikipediaさん。いつのまに(笑)

ともあれ、このお祭り期間中の10月19日、フランクフルト南方の都市ドライアイヒ、シュプレントリンゲン公会堂にて開催されるファンタスティーク関連のコンヴェンションが、その名もブーフメッセ・コン。今回が34度目である。過去、ファンタスティーク大賞の授賞式がこのイヴェントの中でとりおこなわれたりもしている。

今回19:00からのプログラムには、ローダンNEOの草案作家シェーファー&ショルムを招いての新シュタッフェル宣伝企画「ローダンNEO:コンパレータ」が。他にも女性作家ミシェル・シュテルンや新人ルーシー・ガス、編集長のクラウス・フリックもパネリストとして登壇するらしい。
ローダンの生命がかかった(文字通り)コンパレータ編開幕を前に、熱い質疑応答がくりひろげられそうである。

……ん? 裏でNEO作家コーヴスの「フィレッソン・サーガ」の企画がwww

■公式News:PERRY RHODAN AUF DEM BUCHMESSECON 34
■BuchCon公式:buchmessecon.de

新シュタッフェルは〈コンパレータ〉

8月8日付けで公式サイトで公開された情報によると、ローダンNEO210巻『ローダンを救え!』からはじまる第21シュタッフェルが〈コンパレータ(Das Compariat)〉に決定したとのこと。

記事ではまだくわしい内容については触れていないが、「ローダンらは銀河の深淵で新たな種族たちに遭遇する」とある。コンパレータとは、200巻で登場したオプロン人メルコシュの属する〈オムニ・コンパレータ(das Omnitische Compariat)〉を指すと考えてまちがいあるまい。

オムニが全・総を意味し、Compariatは動詞komparieren(比較)するもの、と判断した上で、まだ全然中身わかんないしなあ(笑)という前提でつくった仮訳――ってほどでもない――が、上記オムニ・コンパレータ(万象比較局)ではあるのだが。
実は動詞komparierenには、古語として「出廷する」という用法があるようで、そっちの意味でとらえると、いきなりきなくさい雰囲気をかもしだしちゃったりする。劫火か? ローダン500年幽閉待ったなしか?(爆)
まあ、メルコシュ自身は「友好的コンタクト」のために来た、と語っているので、信じよう。うん。

それにしても、太陽系連邦シュタッフェルは現在折り返し地点だが、基本、ホンドロの陰謀は構成星系の紹介編だと思っている……にしても、NEOみたいに複数舞台を並行して進めるタイプにしては、メルコシュのことがさっぱり話題にあがらないのはどーなんだい。

■公式News:»DAS COMPARIAT« UND DIE MENSCHHEIT

ペリー・ローダンNEO/覚書

2年ほど前に、いやほど資料をかきあつめてマガンに要約を書いてもらった(笑)のだが、その掲載されたrlmdi.のサイトは諸般の事情から閉鎖されてしまった。いたしかたないので(をひ)、こちらでもほぼ同等のものをでっちあげてみる。

ローダンNEOとは

ローダンNEO(Perry Rhodan NEO)とは、2011年9月30日にスタートしたリブート・シリーズである。 サブタイトルは「新たにはじまる未来(Die Zukunft beginnt von vorn.)」。

旧ヘフト版がまさにベルリンの壁が建設された、東西冷戦まっただなかの1961年に10年後を想定してスタートしたのに対し、NEOは四半世紀後の近未来(2036年)を描く。食糧不足・資源の枯渇、経済活動の停滞、テロリズム、拡散する核の恐怖……先の見えない、暗い世相は現在を生きるわれわれを投影しているといえよう。
この新たな世界を背景に、地球外文明と遭遇した宇宙飛行士ペリー・ローダンは、明日なき人類にどんなヴィジョンを示すのか。広大な宇宙で、いかなる冒険をくりひろげるのか。

旧ヘフト版の50周年企画としてはじまったNEOは、好評を得て8年が経過した現在も継続し、この5月には200巻を超えた。

ローダンNEOの出版形態

判型はポケットヘフト(Taschenheft)と呼ばれる平綴じの新書サイズ。 隔週刊で、 草案作家が組み立てたプロットに従い、各作家が執筆する体制は変わらない。
1冊あたりの分量は広告等含めて160ページとヘフト版のほぼ倍。Wikipediaによると、第97巻から100ページに減少しているとあるが、手元にある第3期のKindle版だと、少ないときで1割程度の目減りに見える(2400/2600くらい)し、160巻とか200巻の記念号はほぼ第1巻と同程度の量。これ、97巻で確認しないとわからないかも?
同時に電子ブック版や、若干(1ヵ月程度)遅れて旧ローダンのシルバー・エディションに相当するオーディオブック版(データ形式mp3で、CD版/ダウンロード版がある)も販売されている。

2014年からは、ポケットヘフト4巻+書き下ろし短編1本のハードカヴァー合本形式の「プラチナ・エディション」が順次刊行されたが、こちらは2018年に18巻『戦争惑星強襲』をもって終了している。
ローダン本編の合本(銀本)の場合、スタートが1978年と、すでに本編が800話を超えていたのに比べて、「買い直し」にはタイミングが早すぎたのかもしれないし、当時に比べて電子ブックの普及に伴い、書籍版の必要性自体が低下していることも考えられる。あと、あちらはフォルツ・ホフマン・ヘーンゼルによる「再編集版」だしなあ……。
おまけの書き下ろし短編については、NEO-StoriesとしてKindle版に別途収録されている。

2014年初頭から perry-rhodan-neo.netという独自ドメインのサイトが公開されていたが、2017年9月の公式サイト再編にあたり消滅している。まあ、あれ、新刊の告知と公式サイトからNEO関連のニュースを引き写していただけの、ホントに広告だったしね……。

なお、Wikipediaを見るかぎり、現状で翻訳が出版されているのは日本だけのようだ。

ローダンNEOのエポックシーズン

ローダンNEOには大きな区分けとして、期(Epoche)と部(Staffel)が存在する。

シュタッフェルは、最近のTVドラマ・シリーズでいう“シーズン”に対応する言葉なのは、おそらく多くのかたがすでにご存じとおり。
ただ、複数シュタッフェルをまとめたエポックと併せると、シーズンだといまいち据わりが悪いので、個人的には上記「期・部」と書くようにしている。

一応のストーリーのまとまりであるシュタッフェルに対し、エポックは当初、担当した草案作家によって区分けされていた。シリーズ黎明期の草案を担当したフランク・ボルシュの時代(100巻まで)を第1期、ミハエル・ブーフホルツとリュディガー・シェーファーが草案チームとなった101巻以降を第2期と区別したのがはじまりである。
ブーフホルツ死去により、ライナー・ショルムを草案チームに迎えた151巻から199巻までが第3期。
この5月に刊行された200巻からを第4期とし、同時に第2期、第3期にはサブタイトルが考案されたが、第1期が空白のままなあたり、かなり便宜的なものである。

巻数 年代
第1期   1 ヴィジョン・テラニア   1-  8 2036
2 ヴェガ遠征   9- 16 2036
3 銀河の謎  17- 24 2036
4 アルコン進出  25- 36 2037
5 大帝国  37- 48 2037
6 アルコン  49- 60 2037
7 エペトラン  61- 72 2037
8 保護領・地球  73- 84 2037
9 戦場・地球  85-100 2037/38
第2期 リドゥーリ 10 メタンズ 101-110 2049
11 ポスビ 111-120 2049
12 アルコンの最期 121-130 2049
13 太陽の支配者 131-140 2051
14 メテオラ 141-150 2051. 2054/55
第3期 宇宙チェス 15 第二の島 151-160 2055
16 ミロナ 161-170 2055
17 ブルー人 171-180 2055
18 同盟 181-190 2058
19 けだもの 191-199 2058
第4期   20 太陽系連邦 200-209 2088

「大帝国」から「エペトラン」、「保護領・地球」と「戦場・地球」、「第二の島」と「ミロナ」、「同盟」と「けだもの」は、それぞれ部こそ分けられているが、ストーリーは継続したものである。

ローダンNEOの作家チーム

NEOの参加作家はすでに30名を超える。第1部、第2部で執筆したメンバーの多くはヘフト版のレギュラー作家であり、ある程度NEOが軌道に乗ると本業に戻り、特に第2期以降の執筆はほぼない。また、ある程度人気のある作家はヘフト版へ移行してしまうため、人数のわりに定着率はそれほど高くない。

  作家名 初出 担当数 備考
1 フランク・ボルシュ Frank Borsch 1 9 初代草案作家
2 クリスチャン・モンティロン Christian Montillon 2 11  
3 レオ・ルーカス Leo Lukas 3 3  
4 ヴィム・ファンデマーン Wim Vandemaan 4 3  
5 ミハエル・マルクス・ターナー Michael Marcus Thurner 5 4  
6 アルント・エルマー Arndt Ellmer 7 1  
7 フーベルト・ヘーンゼル Hubert Haensel 8 1  
8 マーク・A・ヘーレン Marc A. Herren 12 3  
9 ヘルマン・リッター Hermann Ritter 13 4  
10 ベルント・ペルプリース Bernd Perplies 15 3  
11 ミシェル・シュテルン Michelle Stern 18 14  
12 アレクサンダー・フイスケス Alexander Huiskes 21 7  
13 クリスチャン・フンベルク Christian Humberg 28 2  
14 ゲリー・ハイナリィ Gerry Haynaly 34 2  
15 オリヴァー・フレーリヒ Oliver Fröhlich 40 5  
16 オリヴァー・プラシュカ Oliver Plaschka 42 15  
17 リュディガー・シェーファー Rüdiger Schäfer 44 27 現草案作家
18 フェレナ・テムゼン Verena Themsen 46 1  
19 ロベルト・コーヴス Robert Corvus 58 5  
20 デニス・マティアク Dennis Mathiak 63 2  
21 アンドレア・ボットリンガー Andrea Bottlinger 65 1  
22 ウーヴェ・フェール Uwe Voehl 68 1  
23 ライナー・ショルム Rainer Schorm 70 27 現草案作家
24 フランク・ベーメルト Frank Böhmert 76 1  
25 ミハエル・H・ブーフホルツ Michael H. Buchholz 89 9 第2期草案作家
26 カイ・ヒルト Kai Hirdt 92 23  
27 スーザン・シュヴァーツ Susan Schwartz 105 13  
28 マデライン・プルイック Madeleine Puljic 134 6  
29 アルノ・エントラー Arno Endler 137 7  
30 ルーベン・ヴィッケンホイザー Ruben Wickenhäuser 173 4  
31 ルーシー・ガス Lucy Guth 201 1  

少々見づらいが、太字が200巻あたりでも一応現役と思われる作家である。

ローダンNEOのストーリー

以下にNEOのストーリーの大略を記すが、上述のとおり、大半はペリペディアや公式フォーラムのスポイラー(ネタばれ)掲示板の記事、読者のブログ等にあげられた感想等からでっちあげたものである。そのへんをご了解のうえでどうぞ。

第1期 (テラ黎明とVS大帝国)

第1部 ヴィジョン・テラニア / Vision Terrania

月面基地連絡途絶の原因解明という極秘ミッションを携えて発進した《スターダスト》のペリー・ローダンは、月に不時着したアルコン人の宇宙船とコンタクト。滅びの縁にある人類を救うため、指導的立場にあるアルコン人クレストの白血病の治療を申し出て、彼らの協力を仰いだ。
アルコン船の技術力を背景に、ゴビ砂漠に理想郷テラニアを建設。あらゆる回線で、地球の現状に心を痛める人々に呼びかける。そして、アルコン人クレストを誘拐した米国土安全保障省(ホームランド・セキュリティ)のクリフォード・モンタニー率いるミュータント部隊の妨害をはねのけ、テラニアに集う“核戦争の恐怖のない未来”をめざす人々とともに、テラ連邦(Terranische Union))の樹立を宣言する。

Terranische Union は国連的な意味合いで「テラ連合」と訳すべきだと思うのだが、第4期の拡大版を「太陽系連邦」とした兼ね合いで、今回はこの訳語とした。

第2部 ヴェガ遠征 / Expedition Wega

諸国のすべてがテラ連邦に参加したわけではない。米国はまだ暗躍をやめない。
金星で発見された1万年前のアルコン搭載艇《トソマIX》――《グッド・ホープ》と改称――の試験飛行でヴェガ星系を訪れたローダンは、現地のフェロン人と侵略者トプシダーの紛争にまきこまれる。
一方テラでは、金星基地にいたロボット・リコの行動を発端にして、アゾレス諸島近くの海底に1万年前のドーム施設や、沈没したアルコン戦艦《トソマ》が発見される。
また、ファンタン人の紡錘船があらわれ、人・物を問わず、物珍しいもの(ファンタン語でベスン)を強奪しはじめる。テラ連邦は《トソマ》をサルベージしてこれに対抗する。
ヴェガのローダンは、トプシダーと講和条約締結にこぎつける。

第3部 銀河の謎 / Das galaktische Rätsel

ヴェガで得られた情報によれば、1万年前のラルサフIII(現在のテラ)でアルコン植民地を統治した“司令官”は、伝説の〈永遠の生命の星〉とかかわりがあった。クレストはさらなる手がかりを求め、独断でアゾレス諸島海底ドームの転送機をくぐり、消息を絶ってしまう。
シュプールをたどり、ヴェガ星系へむかったローダンは惑星ゴルで転送機を発見。時間を超えた一行は1万年前のフェロルで初代トルトの統一戦争にまきこまれ、さらにはラルサフIIIのアルコン植民地がメタン生命体マークスの攻撃により滅亡するさまを体験する。
最終的に〈永遠の生命の星〉ワンダラー――惑星切断機で両断された半球状の惑星――に招かれたローダンは、精神集合体〈それ〉から老化を防ぐ細胞活性装置を授けられるが、これをクレストに譲る。

第4部 アルコン進出 / Vorstoß nach Arkon

ローダンは《トソマ》でアルコンに向かう。途上、修理のため、ベータ・アルビレオ星系の惑星スノウマンをめぐる、銀河商人メハンドールの女族長ベリンカルが営む宇宙ステーションに立ち寄る。だが、そこにアルコン帝国の〈摂政の手〉セルグ・ダ・テフロンの派遣した、ナート人ノヴァール率いる第247境界警邏艦隊があらわれ、叛逆者クレストとトーラの引き渡しを要求する。両名を逃がしたローダンはナート人の捕虜となる。
一方、転送機の事故で惑星トプシドに漂着したエリック・マノリは、独裁者に対する反乱計画にまきこまれ、〈永遠の生命の星〉につながるという転送機からあらわれたアルコン人アトラン・ダ・ゴノツァルと出会う。細胞活性装置を得て、1万年を生きのびたラルサフIII植民地の“司令官”その人である。現在、彼はトプシドの改革勢力を指揮しているという……。
叛逆者逮捕の任をしくじったノヴァールの部隊は、タトリラ星系を占拠したトプシダーを排除せよと命じられる。絶望的な兵力差のうえに、トプシド側には増援まで到着する。指揮するのは独裁者の特命をうけたアルコン人アトラン。これとコンタクトを取ったローダンは、ノヴァールを説得してテラへと亡命させ、〈摂政の手〉セルグから新造戦艦《ヴィースト・アーク》をだまし取る。
その頃、太陽系では火星への入植が開始され、それに伴い、5万年前の第一期人類リドゥーリと〈同盟〉の戦いの痕跡がみつかっていた。

第5部 大帝国 / Das Große Imperium

アルコン人アトランは、アメリカの宇宙開発計画にもシェルルド・ゴナードソンの偽名でかかわっており、実は不時着した《アエトロン》の写真も彼がまぎれこませたものだった。そして当時、ローダン個人を狙ったものと、ノヴァ・ロケットのサボタージュという、ふたつの陰謀があったことを物語る。中国の工作を疑ったアトランはリコを派遣したが、背後関係を探りあてることはできなかった。
一方、クレストはテラが〈摂政の手〉セルグと、ひいては15年前の皇帝オルカスト22世失踪以来大帝国の実権をにぎった〈摂政〉その人の怒りを買ったであろうことを憂慮。アルコン本星の〈エペトラン・アーカイヴ〉にソル星系の座標が記録されていることを教える。ローダンとアトランは、友誼を結んだベリンカルやノヴァールの協力を得て、アルコン潜入を計画する。
未知のウィルスにより超能力者たちの脳に異変が起きる。アラン・D・マーカントは保安のため超能力者を隔離し、一般人との溝が深まる。モンクことジョシュア・モンカーダはアンティ能力で暴走する超能力者を抑えるが、この〈ジェネシス危機〉の間、タコ・カクタをはじめ多くの超能力者が死亡し、能力を失い、あるいは能力に変化をきたす。

第6部 アルコン / Arkon

大帝国の中枢、アルコン星系の〈三惑星〉ティガ・ラントンにいたったローダンらはエペトラン・アーカイブ探索を開始。アトランは現政権の転覆を狙って摂政の素性を探る。
アルコン側でも、ゴノツァル家の現当主は、オルカスト22世の寵臣だったシスラペン種族のデヌリオンの行方を探り、身柄こそ保護できなかったものの、摂政が〈永遠の生命の星〉へ連れていくと皇帝を騙して謀殺した事実をつかむ。また、皇帝三代にわたって仕えた元〈愛妾〉クルティザンヌイヒン・ダ・アクランはセルグのもとへ〈愛妾〉シータを送り込む。
一方、ワンダラーの〈それ〉に私怨を抱く〈人形使い〉カリブソは、精神集合体が目をかけるローダンを抹殺せんとはかり、その能力で生命をふきこんだ〈人形〉をテラナーの周囲にさしむける。惑星デログヴァニアの〈時間の井戸〉で時空を超え、ローダンの過去に干渉して歴史改変をもくろんだひとつが、アトランの知るスターダスト事件である。過去のローダンを護るため、〈それ〉はソルゴル人カルフェシュを派遣し、ローダンの叔父カールに化身したカルフェシュは少年時代のローダンを守護し、〈瞬間切替スイッチ〉の異名のもととなった不時着事件の際もテラナーを救ったという。
またテラでは、隔離された超能力者たちが年老いた未来のローダン――“ローダノス”――を召喚していた。

第7部 エペトラン / Epetran

ローダンは〈アーカイヴの番人〉の協力をとりつけ、多数のアルコン人の脳にデータを分散して保管するエペトラン・アーカイヴの詳細を知る。テラの座標を宿した12名中11名のデータを抹消する。
アトランは摂政が名乗る元艦隊将校ヘラク・ダ・マスガルの素性が怪しいことをつかむ。彼はその名を名乗る別人である、と。皇帝謀殺の真相とあわせて、艦隊司令官ペルティア・テル・ガレンに蜂起をうながす。
だが、計画実行の前日、青い転子状船が摂政を迎えにあらわれる。これに密航したローダンは、ティガ・ラントンと直行する軌道をもった“第四のアルコン”たる惑星〈天上界〉へといたる。過去6000年、歴代皇帝の御代に一度だけそのバリアが解かれる半球惑星……それは摂政が至上の位につき、アルコンを完全に掌握することを意味した。ローダンは半球惑星がつくられた際にとらわれたイルト族と、〈天上界〉の管理者との和解の仲立ちをした後、アルコン星系から脱出する。
自由を求めるイルト族の起こした騒ぎを、宿敵たる〈同盟〉アライアンスの攻撃と誤解した摂政は、〈天上界〉の管理者に自らの素性――〈島の王〉レグナル・オルトン――を明かすが理解を得られない。ともあれ、皇帝マスガル1世として登極した彼は、アルコンIへ凱旋する。

第8部 保護領・地球 / Protektorat Erde

新皇帝誕生の前に、ナート人やアルコン艦隊の蜂起は失敗に終わるが、アトランは踏みとどまる。まだ、切札が残っている、と。タトリラ星系での事件のおり、〈摂政の手〉セルグをなだめるために譲渡した細胞活性装置――怪しんだセルグは、これを一時部下につけさせた後、ようやく我が物としていた――が、マスガル1世の触れた瞬間に起爆し、皇帝とセルグ両名は爆死する。いあわせた〈愛妾〉シータは、初代皇帝から受け継がれ、帝位の象徴たる銃〈皇帝の正義〉を手中におさめ、女帝エムトン5世を名乗った。
アルコン艦隊に追われるローダンは、ブルの救援を得て、ようやく逃亡に成功。だが、帰り着いた地球は、エムトン5世の派遣した第312境界警邏艦隊に先んじておさえられ、〈保護領ラルサフ〉となっていた。地球の銀河ポジションが漏れていたのだ。テラナーやナート人の抵抗を排除するため、テラニアはスターダスト・タワーを残し灰燼と帰していた。
保護領ラルサフ統治府内部では、極力穏当な治政を望む文民管理官サトラクと、《アエトロン》破壊への報復を欲する艦隊司令ヘツケルの間に軋轢があり、一貫した行動がとれない。その間に、各地で起こったテラナーのゲリラ戦は、しだいにローダンが指導する抵抗運動〈フリー・アース〉へと収斂していく。ジェネシス危機のため排斥されていた超能力者たちも、人類としてこの側に立った。
一方で、ローダンはカリブソのあやつり人形と化した少年時代の仇敵ティン・カンと対決する。

第9部 戦場・地球 / Kampfzone Erde

カイパーベルトに隠れ住む〈スターチャイルド〉との接触から、第一期人類リドゥーリの存在が知られる。5万年前に栄えたリドゥーリは非ヒューマノイド種族の〈同盟〉と争い、生物兵器〈けだもの〉の猛威の前に故郷星系を去ったという。シュプールをたどりレジナルド・ブルは太陽直近をめぐる極秘惑星ヴァルカンを発見。リドゥーリの工廠を管理するハルト人ファンカン・タイクとコンタクトする。
究極のベスンたる“不死”を求めて、ファンタン人セト=ヤンダルが地球を訪れる。その際、エムトン5世が地球のポジションを知るため彼に譲り渡した〈皇帝の正義〉がクレストの手にわたる。
ローダンは惑星デログヴァニアを訪れ、カリブソと対峙する。人形遣いは、〈それ〉への私怨はそれとして、リドゥーリの退去後放置されてきた地球が、宇宙飛行の再開と同時に再び〈同盟〉の標的となる未来を予見して、これを防ごうとしたと語る。ローダンらの去った後、デログヴァニアは〈同盟〉によって破壊される。
テラではヘツケルの暴走を防ぐため、サトラクが執政官アダムスと同盟関係を結ぶ。逆上したヘツケルが、帰還したローダンを捕らえ、テラにアルコン爆弾を使用せんとしたところで、騎兵隊よろしくブルがヴァルカンでかき集めたリドゥーリ艦艇による“テラ艦隊”が駆けつけ、間一髪ことをおさめる。アルコン艦隊はソル星系から撤収する。
重傷を負ったローダンはヴァルカンの医療ステーションで回復中、やはり死の床にあるローダノスの記憶を共有する。実は彼は未来から呼ばれたのではなかった。〈天上界〉でとられたコピーの情報が、なぜか〈同盟〉の手にわたり、ヒューマノイドの研究のため、歴代皇帝やローダンのクローンがつくられていたのだ。やはり〈同盟〉に囚われ、ローダノスを逃がしてくれたハルト人イホ・トロトの存在をローダンは知る。

第2期 リドゥーリ / Die Liduuri

第10部 メタンズ / Die Methans

西暦2049年。ローダンとトーラの間には、すでに第1子トマス・レジナルド・ローダンが生まれている。
木星の大赤斑から大破したマークスの船があらわれる。残骸から赤毛で赤銅色の肌、菫色の瞳のヒューマノイドが救出されるが、当人には〈アウロールオーロラ〉テュイレ・シタレーという名前以外の記憶がない。
ローダンはマークスの傍系のメタン生命体と接触する。メタンズは1万年前にアルコン人と戦って敗れた経緯からこれを敵視する。だが、テラナーは別の種族とみなされて深刻な対立には至らない。ローダンはメタンズのステーションで〈同盟〉由来の生体兵器〈けだもの〉マスメル・トロンクが覚醒するのに出くわしてしまう。
エリック・ライデンはリドゥーリの遺産を研究してきた。木星大赤斑の転送機は5万年前にリドゥーリが星系から逃れるのに用いた施設である。そして人類は今に生き残るリドゥーリとまみえる。5万年前、リドゥーリは故郷である星系ソルを捨てた。逃げた先の〈白の惑星環〉に固有の元素には老化を防ぐ効果があって、ここには当時のままのリドゥーリが大統領アヴァンドリナ・ディ・カルデラーのもとで暮らす。ただし老化防止の効果は当地を離れると62時間で失せるから別に装置で老化を防ぐ一部の者たちしか白の惑星環を出られない。既知の細胞活性装置はリドゥーリが開発したものという。
この宇宙には大きくヒューマノイド種族と非ヒューマノイド種族の〈同盟〉とのあいだの〈闘争リンゲン〉があり、5万年前の戦いも1万年前の戦いもこの枠組みの中にあるらしい。

第11部 ポスビ / Die Posbis

銀河系外の虚空に本拠を構えるロボット文明が銀河系に迫り、生命を根絶やしにしようとする。このロボットは単なる機械ではなくポジトロニクス回路に知性あるプラズマを組み合わせてあって意志をもつ。人類はこれを称してポジトロン生体ロボット(略してポスビ)という。
5万年前のソル星系第5惑星ティアムルはリドゥーリの一大研究施設だった。〈同盟〉の兵器と目された〈タアル塵〉への対抗策をはじめ、様々なテーマが研究されていた。スラン・ディ・ハラティンの見出した新元素はその名をとってハラティウムと呼ばれ、構造可変量子結晶金属ハラトンが生み出された。十三人評議会議長のアヴァインドラを母にもつドライン・ディ・カルデラーはハラティウムを加えた生体プラズマとポジトロニクスの神経結合を研究し、バクマーツ(後にいうポスビ)を開発した。ドラインの妻はアガイア、両名の娘ふたりはアヴァンドリナとアナテマといった。バクマーツの第一世代はタアル塵にやられて100体が停止を余儀なくされた。しばらくしてこの100体は何者かに再起動させられ、諸惑星に配備された重力兵器が暴走する。これをきっかけにリドゥーリは故郷を捨てて逃げることになった。
この時、バクマーツたちも恒星転送機で逃げ出し、銀河系外の虚空に至った。虚空の一星系で生体プラズマの培養を可能にする生物を見つけた。これにより造った生体プラズマの巨大な塊をアニクまたは中央エンティティという。バクマーツはここから生体プラズマをとって同族を生産し、また定期的に自分の中の生体プラズマを新鮮なものと入れ替える。彼らはリドゥーリが故郷にもどれるように銀河系の「本物でない生命体」を駆逐しようとしている。だがバクマーツの中にはアニクに拠らない個体群もあった。第一世代の一機アアシュラが率いる一派はリドゥーリの恩に仇でむくいようとしている。
ローダンはアアシュラを倒し、アニクと相互理解に至って銀河系への侵攻を止める。くわえてトランスフォーム砲と恒星転送機のデータを入手する。

第12部 アルコンの最期 / Arkons Ende

かつてトーラに求婚したアルコン貴族アガイオル・トトンは、闇の通商組織カント=イルルの首魁であるのみならず〈同盟〉に与するアルコン地下組織アロル・タントルの領袖であり、これを背後で操るのはトトンの母すなわちアンドルミダ銀河の惑星タマアニウにいるアナテマ・ディ・カルデラーである。
地下組織アロル・タントルはメタン生命体マークスと謀ってアルコン本星破壊計画を実行に移す。アルコン艦隊の指揮系統に割りこみ艦艇の7割をアルコンから700光年離れたスナルフォト星系に派遣して、マークスの新兵器の餌食にする。アトランは増援を送るが戦況は変わらない。一方でマークス艦隊の主力は星系アルコンに侵攻し、惑星ナートを襲い、〈天上界〉を襲い、惑星アルコンIの水晶宮を破壊する。アルコンにいたテラナー超能力者イシー・マツはアルコンの伝説の十二英雄の名をもつロボットたちを起動装置とする古い防衛機構を動かす。惑星イプラサの3つの衛星にそれぞれ5本一組の巨大な砲塔が4組あらわれて星系内のマークス艦隊を駆逐する。
ローダンがアルコン星系に駆けつけたときにはすべてが終わった後である。さらに、〈皇帝の正義〉を保持するクレストが、エムトン5世を退位に追い込み、皇帝ツォルトラル13世として即位する。実はクレストは以前瀕死のところをポスビに救われた際に埋めこまれた体内インプラントを介して、ローダンとテラを憎むアアシュラの意志に取り憑かれている。
ローダンはアガイオル・テトンと対決し、これを倒すが、クレストとの和解はならない。元エムトン5世ことシータのテラへの亡命を受け入れ、とりあえずの休戦条約を結んだのみである。
ローダンとトーラの間に、第2子ナタリーが誕生する。

第13部 太陽の支配者 / Meister der Sonne

西暦2051年、恒星ソルに亀裂が走る。太陽系にあらわれた非ヒューマノイドのシタラク種族は、ソルの亀裂〈カズマ〉を修復しにきた、人類は自分たちの指揮下に入れと宣告。テラ連邦は慎重に構えるがロシアが反発して攻撃をしかけ、戦端が開かれる。強力なバリアを有するシタラク艦隊はテラ艦隊を破り、テラは荒廃する。シタラクが連れてきた〈けだもの〉マスメル・トロンクが地上に降りる。かつてクレストの白血病を治療した医師ハガードは仲間を守るため〈けだもの〉相手に特攻して果てる。シタラクはカズマから漏れ出すハラティウムすなわちタアルを吸塵し、これに起因するとおぼしき疫病〈コルティコ症候群〉が人類を見舞う。そこにアルコン艦隊2万隻があらわれて皇帝ツォルトラル13世の名のもとに人類に無条件降伏を要求する。人類が頼みにするリドゥーリは折からの白の惑星環の異変で多数の個体を失い生き残ったのはわずかに1000名。リドゥーリの大統領アヴァンドリナ・ディ・カルデラーの方がむしろ人類に支援を乞う状況である。
テュイレが記憶の一部を取り戻す。かつて彼は〈それ〉に細胞活性装置をさずけられ、ロボットのリコが〈アンドロス〉の配下として改造されたのを正すため、時空を超えた追跡劇を演じた。また〈アンドロス〉と手を組むと目される〈ミロナ・テティン〉ことアナテマ・ディ・カルデラーのことを思い出す。〈アンドロス〉とは〈それ〉と対立するアンドルミダの何者かであるという。そして、テュイレの最終的使命は「亀裂を閉じること」だったはず……。
8万年前、地球はメムと呼ばれ、第一期人類はメメターと称していた。メムが巡る恒星ソルトには、実は当時から亀裂が存在し、漏れ出す成分があった。ドライン・ディ・カルデラーを中心に、その――後に言うハラティウム――の研究が進むが、そのうちに異変が生じる。メメターの中にハラティウム依存症をしめす者や、超能力をあらわす者が出て、やがて大半が欲求をなくして生ける屍と化し、ついには精神化して集合し〈それ〉を形成するに至った。リドゥーリすなわち「耐性のある者」だけが肉体をもって残った。惑星メムもリドゥールと呼ばれるようになる。
〈それ〉から分離したメメター2名が人類を助ける。シタラクはバリアを無力化されてローダンの最後通牒に従い撤退、コルティコ症候群も収束する。リドゥーリは科学者エリック・ライデンらに老化を阻止する細胞シャワーの使用を認める。
クレストはトーラと子供を人質にローダンに迫るが、もとアンティ能力者モンクに射殺される。いまわの際にアアシュラの呪縛を脱したクレストの言をうけ、帝位に復帰したエムトン5世に率いられてアルコン艦隊は撤収する。
また、事件の際にトム・ローダンと行動をともにした火星人の孤児ファロクは、後にローダン家の養子にむかえられる。

第14部 〈メテオラ〉 / METEORA

ローダンとテュイレは〈それ〉により、それぞれ別の惑星に転送され、〈メテオラ〉を探して恒星ソルにもたらすようにとの使命をさずかり、射手座矮小楕円銀河をめざす。その途上、リドゥーリの遺跡でローダンは細胞活性装置を発見する。一方、アトランもまた転送されるが、こちらはアンドロスの徴用したテティサー船《ヤタナ》で、〈メテオラ〉探索を阻止せよと命じられる。テティサーはポスビと敵対している。またテティサーにもポスビにも与しないスコルゴン(アルコン語で「覆い隠されたもの」の意)なる種族もいるという。
再建中のテラに、月からメメターの箱船《アヴェダナ=ナウ》が到来。荒廃した惑星テラを癒すため全人類は3ヵ月以内に退去せよと迫る。
ローダンとテュイレは合流し、獅子人間グラドの巡礼に同行して聖地アムバファルのブラックホールの中に〈メテオラ〉を発見する。当地で再会したハルノは自分のことをかつて〈メテオラ〉から別れたその理性であると語り、“母”のもとに還る。この際に〈メテオラ〉が8500万年前の恒星ソルで誕生したことが判明する。〈メテオラ〉とはすなわち知性を有するハラティウムの巨大な塊 。外界をのぞき見ようとしたことでカズマが生じ、怖ろしくなったハラトン知性体はソルから逃げ出したという。
ハルノを吸収した〈メテオラ〉が恒星ソルに戻り、カズマを閉じようとする。ローダンはメメターとの交渉を図るが、〈メテオラ〉の帰還がソルに変調をもたらし、テラナーに悪影響をおよぼしつつあることがわかる。アトランがあらわれて〈メテオラ〉を攻撃するが、重力爆弾を用いたテュイレの最後通牒の前に撤退する。しかしソルと〈メテオラ〉はすでに不可分で、メメターは110億の人類を箱船《アヴェダナ=ナウ》で〈楽園〉ヴィマナへと連れ去る。

第3期 宇宙チェス / Das kosmische Schachspiel

第15部 第二の島 / Die zweite Insel

主として火星に残った人類の協力を仰いで、ローダンはヴァルカン工廠で数年をかけ長距離遷移グライダー機関(LTG)を搭載した遠距離宇宙船《マゼラン》を建造。メメターに連れ去られた人々の運命を解き明かすため、リドゥーリの言語にいう「第二の島アンドルミダ」すなわちアンドロメダ銀河に飛行する。
長距離遷移の副作用で乗員たちの多くが錯乱する事件が発生。大破したLTG機関修復の資材を調達しつつ、テラナーはこの島宇宙の現状を知っていく。12人の〈島の王〉が、リドゥーリの末裔たるテティサーを補助種族として呵責なき支配体制を築き上げた〈アンドルミディア〉。パドラーやモドゥル人バール・ルン、恒星転送機でこの島宇宙に迷い込んだメハンドールたちとの邂逅を経て、やがてコンタクトした島の王の頂点ファクターI、ミロナ・テティンことアナテマ・ディ・カルデラー、そして現在はその側近にして恋人であるアルコン人アトラン。彼らはいま、〈アンドロス〉の指導のもと、異宇宙からの侵略者に対する戦争の準備を整えている最中だった。
〈アンドロス〉は、〈それ〉がソルのカズマの影響下で生まれたように、カズマをもつ恒星ハリトの惑星で誕生した。ある意味、姉妹ともいえる2体の超知性体だが、〈宇宙チェス〉においては対立する指し手である。〈それ〉がカズマと、ソル=ハリト間に広がる〈大断裂〉グレート・ラプチャーを閉じようとするのに対し、〈アンドロス〉はその危険性からむしろ両者を安定させようとしているという。
惑星マルティドンでの会談は破壊工作のため中断。混乱のなかテュイレは行方不明となり、緊急脱出した《マゼラン》は追われる身となる。

第16部 ミロナ / Mirona

アトランがひそかに送信したデータから、ローダンはミロナ・テティンの過去と、精神集合体〈それ〉と〈アンドロス〉の間で続く〈宇宙チェス〉についての背景を知る。故郷を追われ、疫病で人口を減じて諦観に憑かれたリドゥーリに飽き足らず、植民がおこなわれていたアンドルミダに活路をもとめたアナテマ・ディ・カルデラーは、〈アンドロス〉の支援をうけ、紆余曲折はあったものの、島の王によるアンドルミディア体制を築き上げた。いつか故地を奪還するために天にも等しい高位へとのぼる――“ミ・ロナ・テト・イン ” という新たな名は、その誓いだった。
また、そのためならば、それぞれの形で我が子アガイオルの死に関与している ローダンやアトランとも、恨みを呑み込み手を結ぶしたたかさを持った女傑の半生はテラナーを圧倒する。一方でアガイオルの父であるファクターII、トリナル・モラトは執拗にローダンを追い詰めるが、自らの放った暗殺者の手にかかって果てる。
逃走の途上、ローダンは〈大断裂〉の向こうからの侵略者とされる〈クレア〉と接触。その際にテラナーが伝えた“友情”の概念が互いの誤解を解く礎石となる。クレアたちの側も、こちらの宇宙から侵攻を受けたと認識しており、互いの宇宙間で交換された物質が相手の宇宙においては災害を招いている事実が判明したことで致命的な交戦は回避される。また、〈アンドロス〉の情報に虚偽が混在していたことを憂慮したミロナ・テティンが銀河系との抗争を一時棚上げすることを提案。《マゼラン》は恒星転送機で帰還する。
島の王の委託でクレア宇宙クレアヴァース――この宇宙とは時間の流れが異なる――の調査にあたっていたハルト人イホ・トロトが《マゼラン》に同行する。かつて〈同盟〉に囚われていた際にローダノスと面識があったため、テラナーには好意的である。他方、〈ファクター・ゼロ〉となったアトランと、重傷で動けないジョン・マーシャルは大使としてアンドロメダに残留する。
一方、衛星ルナでは、2044年にポスビ船の墜落してできたクレーターに未知物質が集積し、〈ネーサン〉を名乗る意識体が誕生していた。

第17部 ブルー人 / Die Blues

転送機の誤作動か、予定された銀河系中枢部ではなくイーストサイドに物質化した《マゼラン》は、この星域で抗争をくりかえすブルー人(アザラク)に侵入者として追われることになる。その途上、クレアヴァースからの渡来物質クレールが異常に集中した巨大惑星モロクの衛星イムポスで、110億のテラナーを乗せて姿を消したメメターの箱船《アヴェダナ=ナウ》が難破しているのを発見する。調査の際、イムポス地下にメメターの施設が存在することが発覚。かつてメメターは、クレールの集積から生まれたスーパーヘテロダイン存在(スープラヘト)をイムポスを始めとする42の衛星システムで封印したという。だが、箱船の墜落の際、地下施設の一部が破損したためシステムが停止。スープラヘトは覚醒しつつあった。
《マゼラン》の船医ジュリアン・ティフラーによってアザラクたちの不治の業病〈黄色の病〉の治療法が発見されたため、彼らの協力も得て、墜落地点からの箱船の再離床は成功。ローダンと、時空を超える冒険を経て合流したテュイレは、活性装置のエネルギーを用いてメメターの施設を再起動し、スープラヘトを再封印する。
箱船に同乗していたメメターたちによって、〈メテオラ〉との再融合から安定した恒星ソルの放射線は再調整され、テラの再入植が開始された。

第18部 〈同盟〉 / Die Allianz

西暦2058年、ルナにローリン――アトランの語った“スコルゴン”――が侵入した事件から〈同盟〉との戦いが近いことを想定したローダンは、かつてトロトが囚われていた〈同盟〉の要塞惑星トラン=ガルへ潜入。怒れるトロトは要塞をがれきの山と変えるが、すでにアルコン歴代皇帝のクローンを使った実験は失敗とみなされ、そこを管理していた種族ごと廃棄される寸前だった。
ソル系では太陽の活動が激化し、惑星ヴァルカンが破壊される。ネーサンは人類とのコンタクトを拒絶し、テラ連邦首脳部には破壊すべきとの意見もあったが、ただ2人、トムとファロクの少年たちだけがネーサン内部への立ち入りを許される。人類との協力関係が築けるか否か、月面知性体はさまざまな仮想世界を経めぐる試練を少年たちに課す。
ローリンの拠点に潜入したローダン、テュイレらは捕らえられ、尋問を受けるが、逆にローリン、自称するところのナイール種族がクレアヴァースの出身であること、この宇宙のバルジ構造をなすクレアヴァースが縮小しつづけており、200万年後には滅亡を運命づけられていることを知る。わずか12残された銀河中最大のメルカータには、恒星1200億個分の質量を持つ巨大ブラックホールがあり、死にゆく宇宙を脱出するためクレアは次元の裂け目を開こうとしていた。かつてナイールは運命論的な立場からこれを冒涜とみなしクレアと戦端を開いたが、結果として現在あるようなカズマと〈大断裂〉を生み出してしまったという。
ソル系に〈同盟〉の派遣したマークス艦隊が襲来。だが、トムとファロクの最終試練に連動してネーサンから射出されたシュヴァルツシルト榴散弾がこれを撃退する。
ローダン、トロトらは〈同盟〉拠点に潜入し、謎の〈隠者〉にも助けられて、転移ネクサスをクレアヴァースへの入口に変成する巨大装置シンクロファークを大破させる。しかし〈けだもの〉の艦隊がソル系に侵攻。現在テラには、ネーサンがあるルナにひとつ、カイパーベルトの準惑星セドナにひとつ、2つの転移ネクサスが存在した。カズマとセドナの転移ネクサスから強力なエネルギーが流入し、次元トンネルを形成。セドナ近傍に深紅の球体――〈アンドロス〉が顕現しようとする。
ローダンはアンドロメダからの急使が届けたシンボフレックスパートナーを装着して、宿敵ともいえる〈けだもの〉マスメル・トロンクと対決する。あやういところで共生体の発したパニック・インパルスは、ネーサンによって増幅され、トロンクのみならず、セドナ近辺の〈けだもの〉艦隊も無力化する。
突然あらわれたナイールの艦隊が〈アンドロス〉に対し砲火を開く。顕現しかけた深紅の球体は消滅し、〈けだもの〉の艦隊も撤退。テラナーはシンクロファークを完全に破壊する。

第19部 けだもの / Die Bestien

〈それ〉の主張によれば、2体の超知性体はアインシュタイン宇宙とクレアヴァース双方の影響をうけて誕生し、同時にどちらの宇宙も故郷たりえない、一種の病気をかかえている。〈それ〉にとっては不快感程度のものだが、〈アンドロス〉にとっては地獄の苦痛であるらしい。それゆえ、〈大断裂〉を安定化させるのではなく、「破壊する」――銀河系もアンドロメダも無事にはすまない――ことで生じる渾沌のなかでなら、その痛苦を感じずにすむ、と考えているのだという。
ソル系にポスビの船団があらわれる。かつてポスビの間に蔓延した“疫病”を駆逐したプログラムのプロトタイプを搭載したバクマーツ・モナデが、現在ネーサンのスポークスマンとしてルナに滞在していることから“巡礼”に訪れたのだという。
一方、ローダンの発信したおぼえのない救難信号に応じたとして、アトランとミロナ・テティンがソル系に来訪。発信源をたどると、火星のリドゥーリ遺跡にいたる。最後のリドゥーリであるアヴァンドリナ・ディ・カルデラーが妹を呼んだのだ。死にゆくリドゥーリは細胞活性装置をトーラに譲渡し、ローダンに〈宇宙チェス〉を決する秘策を託す。太古メメターが築いた銀河系とアンドロメダを結ぶ恒星転送機の〈星の回廊〉は、実は〈大断裂〉をふさぐために建設されたもの。ただし、それを起動する資格をもつ〈時の担い手〉は、ほぼ確実に生還できないという。
ローダンが島の王たちの協力を得て必要な恒星転送機の再起動をめざす一方、ソル系ではネーサンが開発した兵器によって〈アンドロス〉の再顕現を阻止する作業がつづく。また、テラにあらわれた〈それ〉の化身は、トーラらにテュイレ・シタレーの真の素性を語る。最後のトリマン人テュイレ・マギラが、死して〈大断裂〉を超えた一ナイールの精神を宿した存在。〈同盟〉によってその故郷は破壊され、旅路で得たアルコン人の友デムキン・ダ・アウローラも失われた。いまの彼は〈アウロール〉テュイレ・シタレー……彼もまた、〈時の担い手〉である。
《マゼラン》で恒星転送機を抜けてアンドロメダ銀河ハリト星系へいたったローダンとテュイレ。〈大断裂〉のこちらにローダンが、クレアヴァース側にテュイレが陣取る。〈アンドロス〉が完成させたシンクロファークは、しかし宇宙の裂け目から新たなスープラヘトを呼び出すことはなかった。代わりにあらわれたのはクレアの箱船――崩れたバランスは〈アンドロス〉をクレアヴァースへひきずりこむ。ほぼ同時に起動された〈星の回廊〉の作用で〈大断裂〉は閉じられ、〈アンドロス〉は死にゆく宇宙と命運をともにする。ただし、テュイレに帰還の道はなく、ローダンもあやういところを、駆けつけたアトランによって救出される。クレアの脱出ハビタットは宇宙のいずこかへ去っていった。
〈大断裂〉が封鎖されたため、やがて多くのハラトン・テクノロジーが機能を喪失していく。

第4期

第20部 太陽系連邦 / Die Solare Union

西暦2088年。〈アンドロス〉との闘いから30年を経て、複数の星系に入植地を築いたテラナーは〈太陽系連邦〉を創設している。また、連邦に属さず、中国ブロックが建設した植民星系もあるが、最近連絡が途絶しているという。
植民惑星オリンプのあるカストル星系に、オプロン人メルコシュがあらわれる。ソルから2万光年離れたアハイクス星系の生まれという“ガラスの男”は、〈オムニ・コンパレータ〉の命をうけ、平和的コンタクトのために訪れたという。
一方、〈第三課〉のエージェントとなったトムとファロクは、数年前、汚職の発覚とともに逃亡した、もと植民惑星プロフォス代表イラティオ・ホンドロを追跡する。ホンドロは現在、複数の星系にわたる、ハイパー・クリスタルに関わる陰謀を企んでいるらしかった。ふたりに協力するジェシカ・テケナーは、ホンドロの謎の能力でそのあやつり人形となった弟ロナルドの足跡をたどっていた……。

◆◆◆

……以上が、およそ200巻のストーリーの概略である。はしょったり、読み落としたり、読み違えたりした部分もあるだろうが、そのへんはご勘弁を。

その他

ローダンNEO雑感

似たような名前の似たような、似たような名前の全然ちがう、名前がちがうけどどこかで見たような、そしてまったく新規の設定・登場人物が入り乱れて、個人的には混乱することはなはだしい。レムール/リドゥーリの設定とか、ブルー人の現地名が異なるとか、そこまで変えるなら、まったく新規の設定でいけばいいじゃない、というと、「そしたら“ローダン”じゃなくなるし(by マガン)」……あー、まあ、そうかもねえ(笑)
ただ、例えばトンベ・グムナがNEOでは破壊工作者で、アトランに捕縛される前に自殺してしまうとか、そんなひどい扱いされるくらいなら出さなくていいよ、とわたしなんか思うのだが如何。

また、NEOのペリー・ローダンは、旧ヘフト版のオリジナル・ローダンに比して、そのヒューマニストの側面がかなり強調されているように見受けられる。例えば、ヴェガ星系に侵攻したトプシダーを、彼は“撃退”しない。和を結ぶ――のはけっこうだが、フェロン人もトプシダーもよく了承したものだと思う。
さらに一例として、〈アンドロス〉のソル系襲来に際して、無力化した〈けだもの〉マスメル・トロンクを、彼は“抹殺”しない。温情が通じる相手ならそれもいいが、結果、後で対決したイホ・トロトはあやうく死ぬところであった。優柔不断とまではいわないが、ヒューマニズムも時と場所を選んでほしいものだ。
……その分、NEOのアトランは外道度何割か増しな気もする(笑)

以前書いた、ヘフト版が数十年かけたところを一気に進もうとして、なんかチープな感じになっているような……という感覚は、いまも変わらない。個人的に旧ローダンはスペースオペラなんだけど(このへん、多々異論はありそうだが)。スペオペというとそれこそチープ感ただようものだが、NEOはスペオペではない。けど、なんだかチープ。ただ、NEOはNEOなりの設定を積み重ねて、独自の宇宙を作り出していることはまちがいない。

でもさあ、8年ってーとヘフト版だと作中1500年が経過し、そろそろ大群サイクルの背中が見えてくるくらいの期間で、いまだ人類の統一国家さえ果たしえないのは……ある意味リアルっちゃリアルなんだけど。人類統合は夢か。理想をしめすのもつらいねえ >ローダンNEO

ローダンNEOこぼれ話

旗艦の伝統

第2期からローダンの旗艦(プロテクターの御用艦)になる直径1000メートルのウルトラ戦艦だが、ヴァルカンで発見後改装され、就航した時点では《クレスト》と命名される。ヘフト版伝統の旗艦名だけど、まだ当人生きてるんだが……と思っていたら。アアシュラの意識にあやつられる形でクーデターを起こし、アルコン皇帝になったあげく、テラに侵攻。そのせいか、13部になった時点で《レスリー・パウンダー》に改名された(笑) パウンダーじいさん、まだ生きててもおかしくないけど……。
で、第20部開始ちょい前に就役した新御用艦の名前は《クレストII》。どうやら、汚名挽回は果たせたらしい。

フュージョン(笑)

NEOオリジナル・キャラの代表格、シド・ゴンザレスとスー・ミラフィオーレ。
テレポーターだったシドはジェネシス危機で能力がテレキネシスに変更。そして、第10部での作戦中に重傷を負って死亡する……が、第13部終盤で、やはりミュータントのホセ・モンカーダに憑依する形で復活(笑)
NEOには多重人間コンセプトという概念はないが、存在としてはこれに近い。この憑依先がスーちゃんに変わり、アンドロメダでの作戦中に完全に融合、“スド”という新しい人格になる。バール・ルン曰く、“メンタル・アマルガム”。なんてトランスジェンダー。
メタバイオ組替能力者として、オリジナルにおけるイルミナ・ポジのスーちゃん、後にスドは、NEOでは医者であるジュリアン・ティフラーの助手としてポジションを確保。《マゼラン》ではメド・ステーション、太陽系に帰ればミマスが常駐場所である。

同盟の大立て者

第13部でいきなり登場し、いろいろやらかしたすえにソル系を去っていった種族シタラク。
実は〈同盟〉でもかなり重要な種族で、マークスや〈けだもの〉も彼らが開発したものだという。〈それ〉曰く、〈アンドロス〉の最も重要な補助種族、らしい。
そのわりに、やけにあっさり敗退したようだし、第19部には、〈けだもの〉マスメル・トロンクと対決して重傷を負ったイホ・トロトを助けるシタラクなんかも登場する。
↓の記事のとおりではあるが、NEOの登場人物の旗色を判別するのは実にむずかしい……。

闘争リンゲン〉と〈宇宙チェス〉

ふたつは同一のものだが、内実はまるで別のものでもある。
第1期で草案作家ボルシュが考案した〈闘争〉は、上述のとおり、ヒューマノイド種族と、〈同盟〉に結集した非ヒューマノイド種族とのあいだに連綿とつづく抗争だ。実際、〈摂政〉こと島の王レグナル=オルトンは、アルコンを〈同盟〉との闘いを決するための大兵器廠にせんとしていた。ただ、当時から〈同盟〉のために働くヒューマノイド種族〈黄金人〉とか出てくるあたりはご愛敬。
第2期になると、〈それ〉と〈アンドロス〉の抗争は〈闘争〉の流れのなかにあるとされる。ただし、島の王は当然〈アンドロス〉の指導のもとで発展しているわけで……〈同盟〉の惑星を脱出したトロトが島の王のもとで働いているとか、矛盾も多い。
それが第3期終盤になると、「〈闘争〉とか言ったな。あれはウソだw」状態。〈それ〉と〈アンドロス〉の間の〈宇宙チェス〉が主軸で、〈闘争〉という概念は〈アンドロス〉による欺瞞らしい。
草案が変われば当然設定も変わるものだが……まあ、いろいろと過去をふりきるために苦慮したと考えたい。

卵が先か〈けだもの〉が先か

ヘフト版においてはM-87で製造された〈けだもの〉の一派がレムール人の対抗兵器によって温和化したのがハルト人だが、NEOにおいてはハルト人の細胞から合成された生物兵器が〈けだもの〉だという。
ただし、この“兵器”、すこぶるつきで暴走しやすいため失敗作とみなされていたそうだが……どの時点で製造され、どんな形で保存されており、最後にわらわら出てきたのかは、ちょっと読み取れなかった。
〈アンドロス〉編でトロトを助けてくれる謎の〈隠者〉も、正体は、原因不明ながらアヴァンドリナさんに個人的に仕えている〈けだもの〉トロ・コンだったし……えーと、失敗作?w
あと、リドゥーリを故郷から追い出したのも、ひょっとしたらこいつらじゃなかったかもしれないしなあ(下記参照)。

諸般の事情により

リドゥーリがソル系を捨てた原因も、諸説ある。
第1期:〈けだもの〉の猛威の前に。
第2期:自身の重力兵器の暴走のため。
第3期:タアル・ウィルスによる死病を避けて。
……どれも確かに致命的かもだがw 161巻『ファクターI』においては、「タアル・ウィルスに対する対抗薬を開発することにも失敗し/マークスというけだものに惑星ティアムルをも破壊され」という表現が見られるので、もろもろの問題が同時多発的にリドゥーリを追い詰めた――と、日記には書いておこう(笑)

■Perrypedia:Perry Rhodan NEO
■Wikipedia:Perry Rhodan NEO

《マゼラン》の植民星周遊

ローダンNEOの200巻『ガラスの男(Mann aus Glas)』が(Kindle版が先行して)発売になり、第4期の最初のシュタッフェル〈太陽系連邦〉がスタートした。
で、前回の紹介記事でまちがえたままほったらかしてたところを、いまのうちに訂正しておきたい。

まず、新シュタッフェルが2082年スタートと書いたが、2088年の誤り。
2082年は、舞台紹介のため公式コラムに連載された「コロニー周遊(Rundreise zu den Kolonien)」の時点だった。200話のアバンが2088年になっているので、気づいてはいたのだが……下記をまとめるのが面倒で(ry 手間取ったので訂正が遅れた。

惑星オリンプ代表アンソン・アーガイリスの招待を契機に、主立ったコロニーをローダンとトーラ(と、アーガイリス)が《マゼラン》で挨拶回りするこの企画、登場したのは以下の惑星である:

恒星 距離 惑星 代表*1
カストル 51光年 オリンプ アンソン・アーガイリス
カノープス 310光年 イマルト アジャドル・ピルム
フォーマルハウト 25光年 シガ セリム・フーロス
アルゴル 90光年 ルマル クルマル・ラブコブ
アルタイル 17光年 エプサル ノエラニ・モアナ
アークトゥルス 37光年 エルトルス アルムート・クライト
カペラ 43光年 プロフォス ネレ・スコフガールト*2

(*1) 代表の原語はObmann、女性の場合はObfrau
(*2) 前任者の逃亡による代行

ずいぶんこぢんまりしたものだ。『光世紀の世界』とか思い出したわ^^;
これ以外にも、中国ブロックが入植した星系とかいくつかあるらしいが……おい、あんだけずたぼろにされて、まだ国家のしがらみ残ってんのか(まあ、国家とゆーか同系の民族でかたまって、みたいだが)。
なお、プロフォスの代表イラーティオ・ホンドロは汚職と殺人が明るみに出たため、ローダンが到着する直前にスペースジェットで逐電している(笑)

それにしても……どうやら主に、リドゥーリ(メメター)の時代の恒星転送機(“旧街道”)があった星系を中心に入植しているっぽいのだが、重力2Gのエプサル、3.4Gのエルトルスに遺伝子操作による強化人間で植民しているのはともかく、恒星の熱量を有効利用するため細胞に葉緑素配合(イマルト)とか、食糧事情がよろしくないので体を小さくするためフローレス原人の遺伝子を混ぜ混ぜした(シガ)とか、科学者の倫理的にどーなの……。

合間々々に、自由商人が勃興していてアーガイリスを“皇帝”呼ばわりだとか、ルマルで産出するルマリウムは、ホンドロが密売に手を染めたゲミンガ・クリスタルを除けば最高品質の震動クォーツであるとか、ホイッスラー社が一大コンツェルンに成長しているとか、テラの秘密情報組織がGHOST(なんの略称かは不明)であるとか、小ネタを挟んでいて、ガラスの男といえばメルコシュだし、今度の下敷きはカピン・サイクルかなぁ?と思わせたりもする。のだが。
追記:どっかで見たと思ったら、あった。安全と信頼のための汎人類組織(General Human Organization of Security and Trust)、略してGHOST。181巻で出てたようだ……にしても、かなり無理くりだなw

〈アンドロス〉をクレアヴァースに封印してめでたしめでたし(ただしテュイレ・シタレーは道連れ)で第3期が大団円を迎えて30年。周遊時点では24年だが、テンポ早くないか? 特に“皇帝”とか(笑)
#ま、ヘフト版でもアンドロメダ戦争から30年かw >自由商人

そして、200巻をちらちら見ると、メルコシュが出てくるのはもちろんだが、前述の逃亡したホンドロがどーした、ナイク・キントがどーした、ジェシカとロナルドのテケナー姉弟とか、なんかすごいことになってるみたい……。主にキャラ的に。

トム(トーマス)とファロクのローダン家少年部隊が無事一線級に育っているのは喜ばしいかぎりだが。ナタリーちゃんが艦名になっているのが気になります(爆)
上記の植民星系リストといい、ヘフト版と同時に読むと混乱する一方なのが困ったものだよなぁ……。

■公式コラム:RUNDREISE ZU DEN KOLONIEN – TEIL 6 (最終回)

NEO第4期、開幕は〈太陽系連邦〉

5月14日に発売の200巻「ガラスの男(Mann aus Glas)」からローダンNEOは第4期に入る。その最初のシュタッフェル(200巻~209巻)は〈太陽系連邦(Die Solare Union)〉。

従来(第2期以降)のローダンNEOはxx1~x10巻の10冊単位でシュタッフェルが構成されていた。これを旧ヘフトと同様にxx0巻~xx9巻の形式に変更したのは、まあ、「200巻だよ! 第4期だよ! まったく新しいストーリーだからご新規さんにも最適だよ!」というキャンペーンのため、としか思えない。
帳尻合わせで全9巻となったシュタッフェル〈けだもの〉において、シリーズ初期からの諸々の謎に答えを出し、大きな区切りとして第4期の開幕と相成ったわけであるが……。

新シュタッフェルの開始は西暦2082年4月12日。
植民惑星オリンプの代表アンソン・アーガイリスの招待を受けたローダンは、《マゼラン》でふたご座のカストル星系を皮切りにコロニー周遊の旅をスタートする――というのが序盤の展開らしい。他にプロフォスの名も挙がっている。
199話が2058年なので、時間ジャンプは24年。その時間でテラフォーミングを行い、植民し、複数のコロニーからなる連邦(Terra Unionがテラ連合なので、太陽系連合と訳すべきかもしれない)をつくりあげ……と考えると、ちょっとどーなのという気がしないでもない。まあ、トレード・シティが人口40万というから、建設途上と言えるかもしれないが。

メインの読者層がヘフト版とは異なるそうだし、ここまでストーリーを別モノにするならもうちょい考えてほしいところ。固有名詞だけ使い回しを続けるのは、「ローダン・ブランド」を名乗り続けるためかもしれないが、少なくとも旧ヘフト版の読者には違和感ばかりが増していく気がする。

ちなみにカストル系オリンプの代表、原語はObmann。まあ、英語でいえばchairmanくらいの意味らしいのだが、これ、ヘフト版におけるイラーティオ・ホンドロの称号と同じである。植民星系の代表、という意味なのかもしれない。ヘフトでは、他の種族でもたまに使用されているみたい。

4/18追記:続報に惑星イマルトも出てきたけど、やっぱりObmannですねー。そして、しちゃうんだ、遺伝子操作……。

■公式News:MIT DER STAFFEL »DIE SOLARE UNION« BEGINNT EIN KOMPLETT NEUER HANDLUNGSBOGEN
■公式News:RUNDREISE IN EINE NEUE ZEIT

記念巻の年・インタヴュー攻勢

今年はローダン・ヘフトが3000話、NEOが200巻を迎えるということで、2月9日のイベントを含め、いろいろと企画が目白押しなわけだが。年明け早々、あっちこっちで作家のインタヴュー記事が掲載されている。

(1) ファンツェントラーレ・ニューズレター

ペリー・ローダン・ファンツェントラーレ(PRFZ)の会員連絡紙ニューズレター27号の、プロモ版が公開された。宣伝用に、会員登録していない人でも読めるようになっている。
本紙では、新サイクルでヘフト本編を執筆する予定のアンドレアス・ブランホルストや、NEO草案作家のリュディガー・シェーファーなどの分も収録されるそうだが、プロモ版では2995話、2997話を担当するウーヴァ・アントンの記事が1面使って掲載されている。

インタヴュアー言うところの“サイクルを〆るスペシャリスト”には笑ったが、確かにアントンは、1999話「鼓動」に始まり、トレゴン・ラージサイクルの幕切れである2199話「仄暗い未来」、2299話「アハンダバ」、2499話「犠牲」、2699話「ニューロヴァース」、2899話「星墓」と、作家チームに参加して以来、大物どころの〆をほとんど担当している(「テズ」は…無理w)。今ジェネシス・サイクルの幕切れは、新鋭カイ・ヒルトに譲った形だが、上記2話はゲメン関連の話の終幕→銀河系への場面転換(登場人物紹介にグッキーがいるので)までを引き受けている。

実際はこれから発売される号のことなので、内容については触れていないのだが……「間に1話挿入されてるけど、典型的な前後編だよ。2997話は2995話が終わったとこからはじまるんだ」という表現に、アレ?2996話もアトランたちの話だよね?と思ったら:間の1話、アトランたち覚醒したゲショドの勢いに呑まれて回想シーンで終わってたのには苦笑したw
「2000話に続いておまけテキストで参加できる唯一の作家なのは誇らしいよ」って……あー、当時の作家、あとはもうヘーンゼルとシュヴァーツしか残ってないのね……。

(2) ガイスターシュピーゲル

オンラインマガジンGEISTERSPIEGEL(どうにも、雲外鏡.deとやりたくなるタイトルだ。おんじー)では、その間の2996話を担当したミシェル・シュテルンのインタヴューが掲載されている。インタヴュアーが同じアレクサンドラさんなのはご愛敬(笑)

ミシェル・シュテルンは、本邦未紹介の作家さんである(→新作家、ミシェル・シュテルン)。以前書いた、NEO第3シーズンのハヤカワ版が実現するなら、その2巻目『初代トルト』を担当しているので、それが初訳となるだろう。参加からまもなく、記念号である2800話「時割れ(Zeitriss)」をまかされたり、評価は高い。

今回のお題である2996話「ショド期」は、おそらくは超知性体ゲショドの記憶。これまで知られていなかった〈それ〉の補助種族メリル人の船が、超知性体として覚醒したばかりのゲショドのもとを訪れる話である。
が、これまた記事の日付が発売日前日/Kindle版の公開日なので、詳しい内容には触れていない。

なんというか、頭の切れそうな女性である。“嘘吐き”の異名をもつカピンのタマレイルを「創造性に富んだ語り部」と評したり、これまでに登場した超知性体というネタに、「ワタシがチームに参加するより前に、ワタシにちなんだ名前の超知性体が出てくるのはおもしろいわね」(2000万年前の超知性体〈星(STERN)〉のこと)と返したり。

今回の話の登場人物が、アトランを除くとほとんどが女性で占められていることにインタヴュアーが触れると、大学時代に研究のテーマのひとつとしてシリーズ物を取り上げたことがあって、女性読者の共感を呼べる女性登場人物の出てくることが当時すでに当たり前であったと回答。今回のメンツがこうなったのは、草案の指定でもあり、ローダン・シリーズも時代とともに成長しているのです、とのこと。
まあ、かつてローダン世界の星の海は(軍人さん万歳な)男の世界だった。それが変わったのは、おそらくは新銀河暦が導入されたコスミック・ハンザ時代だと思われる。ニッキー・フリッケルも、たしかもうハヤカワ版でも登場してるよね?

(3) 公式ニュース

そして今度はそのミシェル・シュテルンがインタヴュアーに転じて、NEO草案チームのシェーファー&ショルムに〈けだもの〉シュタッフェルのクライマックスとその後について訊ねる企画。同じものが2996話のLKSにも掲載されたらしい。

そして……なんでこんなにぶっちゃけてるんだコレ(笑)

「〈それ〉とアンドロスの間の宇宙チェスは終了します」
「〈闘争(Ringen)〉も終了です」

おいおいw ホントに単なる局地戦になっちゃったよ……。
ローダン・ヘフトは、いろんな作家がちょろっ、ちょろっと(意図してか、無意識にか)残した伏線を、10年20年積んだところでフォルツが取りまとめてデータファイル化して、エーヴェルスみたいな作家が好き勝手しても(笑)どうにかなるように世界構築したわけだけど。こう、次から次に舞台背景片付けてっちゃ、積立もナニもないよーな。
#ま、名前だけ同じで、まったく別モノ扱いしてて、どう転ぶかわかんないネタもいっぱいあるけどね。トマスとか、ネーサンとか。
#NEO版長女ナタリーちゃんは、ホモ・スペリオルかね?

一番笑ったのは、
シェーファー「ホントは今休暇中で……この文章も、パルマからドバイへ向かうクルーズ中に書いてるんだ。あ、でも草案作家としては常時営業中で、並行してNEO195巻と新しいe-book企画(おそらく”Mythos 失われた世紀”の一作)も書いてて、もう110%いっぱいいっぱいです」
ショルム「リュディガーが駱駝を乗りつぶして日焼けしまくってる間、相方のボクは194巻書いて、データシート作って、作家や校正さんの質問に回答して、195巻以降の草案書いて……200巻からもプラン練ったりディテールをつめたり。フォルツ御大やボルシュパイセンがどうやってこんなのひとりで何年もこなしてたのか、謎だよね」
シュテルン「わたしにも謎です(笑) ボルシュは信じられないほど構造化して動いてて、その分超早起きでした。まあ、規律なんてものは、カオティックな文筆業のクリシェとは相反するものですけどね」
#キミたち、本来必要ないものに懲りすぎるからだと思うですよ……(爆)

■公式News:EIN SONDER-NEWSLETTER DER FANZENTRALE IST ERSCHIENEN
■Geisterspiegel:Im Gespräch mit … (… Michelle Stern zu Die Phase Shod)
■公式News:»… DIVERSE ROTE FÄDEN ZU EINEM STARKEN SEIL VERKNÜPFEN …«

NEOの作家会合2018

公式Logbuchによると、去る12月7日、フランクフルトに於いてローダンNEOの作家会合が開かれたとのこと。

会場はフランクフルトのステーション・ラウンジ、“ルーム・プラトン”。貸会議室が8部屋用意されているのだが、“ルーム・アインシュタイン”は残念ながら予約が取れなかったそうだ(笑)

参加者は、編集部からクラウス・フリックともう1名、校正部から1名、作家陣が男性6名、女性2名の合計11名。作家で個人名がわかるのは草案チームの2名だけだが、先だってアップした執筆数リストからだいたいの想像はつくだろう。

10時に始まった会合は、前半が出版社からのマーケティング情報とか、従来の文法だと“間違ったドイツ語”だが現在一般的になりつつある用法を認めるかどーかみたいな話題が中心。プラチナ・エディションの打ち切りとかあったわりに、フリック曰く「草案チームの仕事には大変満足」だそうなので、全般的には好調みたい。
そのへんの一環として「日本のライセンス契約」の話が出たみたいだから、第3シーズンの出版も決定したのかな? >ハヤカワ版

お昼休憩を挟んで、シェーファー&ショルムの草案チームから、200巻以降の設定やらの解説と、ブレインストーム的な議論がおこなわれた模様。残念ながらその内容は詳らかでない。
会合は17:30で終了し、フリックらは帰途についたようだが、作家陣の数名はカフェで親睦を深めつつ議論を続けていたらしい。ふぁいと~♪

話はちがうが、以前の公式Newsで〈けだもの〉シュタッフェルは全9巻という記述があったのだが、第4期は200巻から、という理解でよろしいのかな?

■公式Logbuch:AUTORENTREFFEN BEI PERRY RHODAN NEO

作家別執筆数の統計(NEO編)

せっかくなので、NEOの分もアップしておこう。

……なんでATLANじゃないかというと、公式の統計と微妙にズレがあるから。こっちはまだタイトルリストExcel化していないので、確認&修正するのがめんどくs(ヾ(^o^;
#あ、あと惑星小説もあったか…… >Excel化

作家別執筆数(NEO版)(193巻時点)

ヘフト版の作家数累計47名にも驚いたが、NEOがすでに30名ってのはさらにすごかった。まだ200巻前なのに(笑)

第2期以降、明らかに作家陣の顔ぶれがちがうのだが、このへんはまず1期の草案担当ボルシュがVPMを退社した(作家兼編集だった)こと、同時期にフェルトホフ没後の草案作家がポイントリリーフ的なアントンから現在のモンティロン&ファンデマーン・チームにバトンタッチしたこと、ヘフト側のテコ入れでシュテルン、フレーリヒが移籍したこと等、複数要因がからむので、一概には言えない。しかし、固定メンツがブーフホルツ、シェーファー、ショルムの草案作家たちにカイ・ヒルトを加えた感じになっていることは見てとれる。2期以降は別モノと考えるべきだろう。

面白いのは、オリヴァー・プラシュカが2期以降も、2年に1巻程度ではあるがコンスタントに書き続けていること。このヒト、デヴュー作がファンタスティーク大賞の新人賞をとっているので、昔から名前だけは知っていたのだけど。基本ファンタジー畑のヒトなんだよねぇ……。近年はマルコ・ポーロを題材にした歴史小説が好評だったりする。
公式の紹介を見ると、少年時代に銀本でローダンに接して、ダールトン、フォルツ、エーヴェルスが好きだったとか。三つ子の魂百までだったりしたのだろうか。彼がNEOを執筆するときは公式で予告されたりするので、根強い人気があると思われる。

あとは、最近ヘフト本編も書くようになった人気作家カイ・ヒルトが、今後どの程度NEOも担当するか、かなあ。
基本、ヘフトを書く作家はNEOはほとんど書いていない。例外は、序盤のモンティロン、“レギュラーゲスト作家”時代のスーザン・シュヴァーツくらいだ。さてさて。

NEOの第3期

ローダン・ヘフトが3000話を迎える2019年。6月にはNEOも200巻に到達し、第4期がスタートするという。前回まとめたのが第2期までなので、ここらで第3期を概括してみよう。

NEOにおける期(Epoche)は、いくつかの部(Staffel)――TVドラマ等でいう“シーズン”に相当する――が集まって構成される。とはいえ、従来のNEOでは、

第1期:フランク・ボルシュが草案担当
第2期:M・H・ブーフホルツとR・シェーファーが草案担当
第3期:R・シェーファーとR・ショルムが草案担当

という形で理解すればいい。
ストーリー展開としては、
第1期:アルコン人との遭遇から永遠の生命の星探索、アルコンによる地球占領と解放まで。
第2期:10年余の建設期を経て、メタンズの新たな蠢動に始まる銀河系の争乱。恒星ソルの〈カズマ(裂溝)〉の発見と、〈メテオラ〉を巡る〈それ〉と〈アンドロス〉の暗闘。110億のテラナーが第1期人類メメターの箱船でいずこかへ連れ去られる。

箱船騒動の折、メテオラ探索で留守にしていたローダンは、ルナや外惑星にいたためメメターに攫われなかった人々とともに、数年をかけて遠距離宇宙船《マゼラン》を建造。メメター、リドゥーリと続く第1期人類の系譜が残るアンドロメダへと進発するわけで。さて。

第15部 第二の島

アンドロメダに到着した《マゼラン》は、大破した長距離遷移グライダー機関修復の資材を調達しつつ、この“第二の島”の現状を知っていく。12人の〈島の王〉が、リドゥーリの末裔たるテティサーを補助種族として呵責なき支配体制を築き上げた銀河。パドラーやモドゥル人バール・ルン、恒星転送機でこの島宇宙に迷い込んだメハンドール(旧スプリンガー)たちとの邂逅を経て、やがてコンタクトした島の王の頂点ファクターI。だが、惑星マルティドンでの会談は破壊工作のため中断。緊急脱出した《マゼラン》は追われる身となる。
マルティドンでは、ミロナ・テティンのそばにアルコン人アトランが……。
#テュイレ・シタレーはマルティドンで消息を絶ち、奇妙な顛末のすえ17部で再合流する。

第16部 ミロナ

アトランがひそかに送信したデータから、ローダンはミロナ・テティンの過去と、超知性体〈それ〉とアンドロスの間で続く宇宙チェスについての背景を知る。また、逃走の途上、ローダンは恒星ソルとアンドロメダの恒星ハリトとの間に広がる〈大断裂グレート・ラプチャー〉の向こうからの侵略者とされる〈クレア〉と接触。その際にテラナーが伝えた“友情”の概念が互いの誤解を解く礎石となる。クレアたちの側も、アインシュタイン宇宙から侵攻を受けたと認識しており、互いの宇宙間で交換された物質が相手の宇宙においては災害を招いている事実が判明したことで致命的な交戦は回避される。また、アンドロスの情報に虚偽が混在していたことを憂慮したミロナ・テティンが銀河系との抗争を一時棚上げすることを提案。《マゼラン》は恒星転送機で帰還する。
〈ファクター・ゼロ〉となったアトランと、重傷で動けないジョン・マーシャルは大使としてアンドロメダに残留する。
#異宇宙生命体クレアであるが、ドルーフ+アッカローリー→恒星エンジニア風味とでもいうか。クレア宇宙での時間経過は、アインシュタイン宇宙の17000分の1となる。

第17部 ブルー人

転送機の誤作動か、予定された銀河系中枢部ではなくイーストサイドに物質化した《マゼラン》は、この星域で抗争をくりかえすブルー人(アザラク)に侵入者として追われることになる。その途上、クレア宇宙からの渡来物質クレールが異常に集中した巨大惑星モロクの衛星イムポスで、110億のテラナーを乗せて姿を消したメメターの箱船《アヴェダナ=ナウ》が難破しているのを発見する。調査の際、イムポス地下にメメターの施設が存在することが発覚。かつてメメターは、クレールの集積から生まれたスーパーヘテロダイン存在(スープラヘト)をイムポスを始めとする42の衛星システムで封印したという。だが、箱船の墜落の際、地下施設の一部が破損したためシステムが停止。スープラヘトは覚醒しつつあった。
ティフラーによってアザラクたちの不治の業病〈黄色の病〉の治療法が発見されたため、彼らの協力も得て、墜落地点からの箱船の再離床は成功。ローダンとシタレーは、活性装置のエネルギーを用いてメメターの施設を再起動し、スープラヘトを再封印する。
箱船に同乗していたメメターたちによって、恒星ソルの放射線は再調整され、テラの再入植が開始された。
#NEOにおけるティフラーは“医師”である。黄色病は、モルケックス精製のために幼少期、旧ヘフトでいうB-ホルモンを抽出されたことが遠因となる。

-*-

……そして、現在進行中の第18部〈同盟〉アライアンス編においては、ローリン(ナイール)によるソル系侵攻に始まる、新たな〈同盟〉の活動に対抗するローダンたちが描かれる。

さて、NEO宇宙では、ごく初期の頃から〈闘争(Ringen)〉と呼ばれる高次勢力を背景とするドンパチが示唆されてきた。ただし、最初のうちは「ヒューマノイドvs非ヒューマノイド」という漠然としたものだった。過去のメメターとけだもの、現在のアルコン人とマークスを始めとするメタンズの抗争も、この流れに沿うものとされてきた。

第2期になると、〈同盟〉で重要な役割を果たす黄金人というヒューマノイドが出てきたりして、おや? となるのだが。このあたりから、超知性体〈それ〉とアンドロスの対立が争いのバックボーンとなってくる。
それが第3期になって、より明確にされたのが〈宇宙チェス〉という表現だ。〈それ〉とアンドロスを指し手とするこのチェスゲームにおいて、〈同盟〉は明らかに後者の駒である。

また、互いの争点となっているのが恒星ソルとハリトのはざまに広がる〈大断裂〉で、これはアインシュタイン宇宙とクレア宇宙をつなぐ要因となっており、〈それ〉はどうにかこの亀裂を塞いでしまいたい。反対にアンドロスはこの状態をさらに推し進めるべくスープラヘトの増産を目論んだりする。
190巻『アンドロス来たりなば…(Als ANDROS kam …)』では、これまで回想シーンとか伝聞形ばかりの登場だったアンドロスが、とうとう表舞台に出てきそうな雰囲気。第19部、〈同盟〉最凶最悪の生物兵器・けだもの編という第3期のラストスパートに向けて、諸々解決するのだろーか。

以下、余談:
前々から、「NEOのアトランがローダンと親友って、あり得ないよねー」とマガンに云って失笑されていたのだが。だって、1万年地球に島流しでもなし。金星で決闘したわけでなし。それが、旧ヘフト版の悲恋から一転ミロナさんとくっついた(これは、長年のファンである草案作家の温情なのだろうが)結果、出番皆無となっていよいよ存在価値があやうくなってきた。
だって、ヘフト版だったらアトランが務めたであろうローダンとの昇天コマンド、全部テュイレ・シタレーの役割なんだもの……(笑)

NEO書籍版打ち切りに

昨年の7月に勤務先が変わり、時間的余裕がまるでなくなって1年余。まあ、すでに“跡地”なんで、いつ更新止まっても問題ないんだけど。
ま、言い訳めいたことはさておいて。こちらは刊行止まっちゃったお話。

ローダンNEOの合本書籍版、プラチナ・エディションが、今月刊行の18巻『戦争惑星強襲(Sturm auf die Kriegswelt)』をもって終了とのこと。

第7シュタッフェル〈エペトラン〉まで全巻収録……だが、以前ちょろっと書いたとおり、このアルコン潜入編は73話『天上界』まで続くので、合本版で追いかけていた人はちょっとフラストレーションたまるかも?
ただ、まあ、これをもってNEOは売れてない、と言うのは、また違うと思われる。

以前書いたとおり、旧ローダン・ヘフト(最近は“クラシックなシリーズ”という書き方をよく見かける)とNEOは、中心となる読者層が異なる。より年代が若いNEO読者は、電子書籍でポチッとなしてるヒトが多いのではなかろうか。
後は……この続き、28巻かけての占領されたテラを奪回するストーリーは、おそらくNEO中で最も悪評が高かった部分である。草案担当のボルシュにしてみれば、アメリカSF的な方向性をめざしたのかもしれないが、それってやっぱりアメリカじゃないと売れませんにょ(=_=;
そのへん勘案しての、今回の決断なのだろうと邪推する。
旧シリーズの銀本の方は、毎回ベストセラーリストに載っかってるみたいだしねえ。

以下、余談:
ローダンの××-Editionにはいくつか種類があるが、意外とわかりづらい。

・Platin-Edition:ローダンNEOの合本
・Gold-Edition:HJB社から刊行された、一部人気ヘフトの特装版
・Silber-Edition:Eins A Medien社から刊行されている、朗読CD

特に最後のものは、ヘフト合本版である銀本(Silberbände)と紛らわしい。これ以外に、青本(Blaubände)も2種類あるしな……

■公式News:DIE PLATIN EDITION WIRD EINGESTELLT