ペリー・ローダン5000冊

 電話が鳴った。受話器を取ると、いつものパリパリっというノイズに続いて、銀河を隔てたようなかすかな声。
「もしもし?」私は大声で、「もしもし? もしもーし?」
 ようやく何語か聞き取れた。「フリック! こちらはミスタ・フリックだ!」
「あのミスタ・フリック?」
「そうだ! あのミスタ・フリック! 編集長の!」
「おお、ミスタ・フリック。また急なことで」
「なこたぁないさ」ミスタ・フリックは唸った。「なあ、君が書いている小説、3134話なんだが、バッチリできてる(gut und fertig)よな?」
「もちろん」と、私。「できたも同然(So gut wie fertig)です」
 眉をひそめる音が聞こえた。「そいつが、きみも知ってのとおり、ローダン宇宙5000番目の小説になる」
「わたしが、知ってのとおり?」
「数えてないの?」
「いえいえ」私は請け合った。「4999冊目の次は5000ですよね」
「読者はきっと数えてる」と、ミスタ・フリック。「こいつは緊急案件だ」

……という導入で始まる公式News。上手に書けましたー、とやろうかと思ったが、それはさておき。
ローダン宇宙(Perryversum)における小説が5000! わたしがファンダムに足を突っ込んだ80年代後半には「ペリー・ローダン3000冊」なんてまことしやかに囁かれてたりもした。ローダン正篇(ヘフト)1300話、姉妹編ATLANが800話、惑星小説が300巻等々……だいぶ盛ってた気もするけど(笑)

ともあれ、読者としては数えねばならぬ(おい
……と意気込んだのはいいのだが。あっれぇー?

4997……微妙に足りない(汗)
9月3日に260巻を数えるローダンNEOは、NEOversumという別個の宇宙の存在なので勘定に入れないとして。短編とかの数え方が違っているのか、『プレアデス』みたいなオーディオドラマも計算すべきなのか。ぐぬぬ。

同日夜 追記:

マガンのご協力のもと、忘れていたアレコレを追加したところ。

……はみでた(爆)

ステラリス(不定期連載の外伝)は、ひょっとするともう1話くらい増えるやもしれんし。どーしよw

なお、参考までに、年鑑(1976/1999)とローダン・マガジンに掲載された短編のタイトルは以下の通り:

9/13 追記:

当該“5000冊目”の3134話「星屑計画」冒頭に、ファンデマーン自身による解説があった。
まっさきに除外したNEO260巻が含まれるんだそうな……おいこら(笑)

Heyne版のJupiter全1巻と、ヘフト版Jupiter全12話が混在するのはちょっと気持ち悪いけれど……とりあえず、短編(Kurzgeschichte)はすべて除外。惑星小説等短編集はそれぞれ1冊として計算すると……よっしゃ5000!

正直、11冊の惑星小説短編集を含むなら、記念号全7巻も入れなきゃいけない気がしないでもないのだが……もうゴールしていいよね?(笑)

■公式News:5000

ライプツィヒ書籍見本市2020中止

3月3日付けLBM公式サイトや各紙の報じるところでは、新型コロナウィルスの拡散を受けて、12日からの開催を予定されていたライプツィヒ書籍見本市が中止となった。

3月1日付けLBM公式ツイッターでは「予定通り開催します!」と告知していたのだが、ブルクハルト・ユング市長や保健所と検討を重ねた結果、本年の開催を見合わせることとなったようだ。
ローダン関係でサイン会等も予定されていたため、編集長フリックも頭を悩ませていたようで、難しい決断を下さずに済んでほっとした、とツイッターで心情を吐露していた。

→ごやてん:ライプツィヒでのサイン会

他にも、4月20日から開催予定だったハノーファー産業見本市が7月に延期を発表するなど、コロナの波紋は広がっている。

■Leipziger Buchmesse公式:leipziger-buchmeese.de

訃報:ロルフ・ビンゲンハイマー

ロルフ・ビンゲンハイマー(Rolf Bingenheimer)
1946.08.25 – 2020.02.07

ドイツのSF書籍販売会社Transgalaxis社主、ロルフ・ビンゲンハイマー氏が今月7日に亡くなったとのこと。

自身SF作家でもあった父ハインツ・ビンゲンハイマーが、ドイツSFクラブ(SFCD)の通販部としてはじめて、2年後の1957年にTransgalaxis社が創設された。彼が1964年に41歳の若さで夭折した後、ロルフ氏はSFに特化した書籍取扱会社の草分けである同社を引き継ぎ、発展させてきた。
同社は、初期のローダン・シリーズにとっても、当時のSF読者にとっても、最重要のパートナーとなった。その絆が現在も継続しているのは、訃報を受けて編集長クラウス・フリックが公式サイトへ弔文を寄せていることからも明らかである。

わたしがTransgalaxisの名を初めて耳にしたのは、1990年前後、ファンクラブの恵比寿月例会でのことだと思う。中古のローダン・ヘフトを取り扱う通販会社、みたいなぼんやりしたイメージだけが記憶に残った。
当時のわたしは、神田三省堂の洋書売場でローダン・ヘフトを定期購読していた……というか、数ヵ月おきにまとめてドカンと届くのだが、これはどうやら、中央洋書というすずらん通りにあった洋書取次店が、ゲーテ書房を通して輸入していた(一度、伝票が混ざっていたw)もので、ある時点からこのラインが機能しなくなり、三省堂ではヘフトの購入ができなくなってしまった。
さあ困った……というときに、マガンが開拓してくれたのが、Transgalaxis社を経由しての原書共同輸入の道であった。もともとは井口さんら先人が開いた道だったのだが、ロルフ氏は快諾してくれて、長いつきあいがはじまった(注:わたしではなく、マガンが、である)。

言ってみれば、ロルフ氏は日本ではさっぱり姿を消しつつある個人書店の店主みたいなものである。こちらからの、アレが欲しい、コレが欲しいという無理難題にも可能なかぎり応じてくれた。代わりに、当時はまだ販路がなかったのか、ハヤカワ版のXXX巻手に入らないか、ローダン関係ないけど坂本九のCDが欲しい、みたいなバーター取引も存在したとかしないとか。まあ、イロイロあったらしい(笑)

渡欧経験のないわたしは、当然、一度もお目もじしたことすらないのだが、rlmdi.では「ビンちゃん」の通称で通っていた。通販の際には、毎回マガンと直接メールのやりとりをしていたのに、近年それがパッタリ途絶えていて、さすがにお歳がお歳だし、引退されたのかねえ……と話していたのだが。
心からご冥福をお祈りすると当時に――ありがとう、ビンちゃん。わたしのSF(ローダン)ライフは、あなたのご助力があったからこそでした。

■Transgalaxis:Impressum(奥付に掲載された訃報)
■公式Logbuch:EINIGE WORTE ZU ROLF BINGENHEIMER

フリードリヒスドルフに「シェール通り」

公式ツイッターの本日のつぶやき:

Frankfuruter Rundschau紙の記事によると、フランクフルト北西フリードリヒスドルフで現在計画中の新区画に、ローダン・シリーズ産みの親のひとり、K・H・シェールにちなむ名を持つストリートが誕生するとのこと。
この〈カール=ヘルベルト・シェール通り(Karl-Herbert-Scheer-Straße)〉、2017年に地方議会で優先順位1位で可決され、市参事会の承認も得たというから、あとはもう着工するだけか。

シェールは50年代末から1991年に亡くなるまでフリードリヒスドルフの住人だった。
フォルツ未亡人の回想録にも、買ったばかりの車でオッフェンバッハからシェール宅へ足しげく通うフォルツのことが書かれている。

つーか……この記事、シェールの経歴が半分くらい占めている。ファンか、ファンなのか(笑)

■Frankfurter Rundschau:Friedrichsdorfer Straße nach Sci-Fi-Autor Scheer benannt

ライプツィヒでのサイン会

3月の12-15日にかけて、ライプツィヒ書籍見本市が開催される。
西のフランクフルト(秋)、東のライプツィヒ(春)と並び称せられるだけあって、情報も大量に流布していて、わたしのようなにわかには判別がつきかねる(笑)のだが、文学賞ひとつとってみても、ライプツィヒ・ブックフェア文学賞(Preis der Leipziger Buchmesse)、ドイツ児童文学賞(Deutsche Jugendliteraturpreis)、欧州相互理解のためのライプツィヒ書籍賞(Leipziger Buchpreis zur Europäischen Verständigung)、他に書籍つながりで世界で最も美しい本コンクール(Best Book Design from all over the World)等々……出るわ出るわ。

さすが17世紀まで遡れる歴史ある見本市。そして一方では、今年もMANGA-Comic-conが併催である。日本からも出展してるんだねえ。

プランクフルトの時、Wikipediaが“書籍見本市”→“ブックフェア”になっていると書いたが、翻訳に際しての表記揺れも多い。書籍見本市、ブーフメッセ、ブックメッセ、ブックフェア……。わたしみたく古い人間はともかく、やっぱり最近は、日本で通例の“ブックフェア”を使用するのが主流のようだ。

で、我らがローダン・シリーズも第2ホールH404で、サイン会やったりQ&Aやったりするらしい……。詳しいタイムテーブルは公式見てもらうとして。作家がミシェル・シュテルン、カイ・ヒルト、ルーシー・ガス、イラストレーターがシュルツにドレクスラー。〔予定〕
草案コンビは、さすがにいないか。

■公式News:PERRY RHODAN AUF DER LEIPZIGER BUCHMESSE 2020
■Leipziger Buchmesse公式:leipziger-buchmeese.de

ベルリン書籍見本市開催中

11月23・24日の両日、ベルリンのメルクーレ・ホテルを会場に書籍見本市BuchBerlin (Berlin Book Fair)が開催されている。
“ドイツ国内三番目に大きな”ブックフェアだ、と公式サイトで述べられている。第一は当然、フランクフルト書籍見本市だとして、二番目は……ライプツィヒかな?
こーしてみると、ホント、ローダン以外のドイツのこと知らないなあと、少々気恥ずかしいが(笑)

今年は、23日の18:30というから、日本だと明日の明け方に、ファンタスティーク大賞の授賞式が執り行われるはずである。BuchBerlinの主催(Schirmherrschaft)には、ファンタジー作家のベルンハルト・ヘンネンの名前が挙がっているが、こちらではどうだろうか。

■公式サイト:BuchBerlin

訃報:眉村卓

眉村卓(MAYUMURA Taku)
1934.10.20 – 2019.11.03

共同通信等によると、SF作家の眉村卓(本名:村上卓児)が本日11月3日早朝、誤嚥性肺炎のため搬送された在阪の病院にて亡くなったとのこと。85歳。

ここに来られる方なら、説明の要などいらないだろう、日本SFを代表する作家のひとりである。二度にわたる星雲賞受賞作を出した〈司政官〉シリーズや、NHK少年ドラマシリーズで映像化された『ねらわれた学園』『なぞの転校生』など、枚挙にいとまがない。

個人的には、やはり少年ドラマシリーズの原案となった短編「名残の雪」が好きだった。
いまWikipediaを見ると、『幕末未来人』(1979年)だけじゃなくて、1994年にも映像化されてるんだな、これ。しかも映画化まで(『幕末高校生』)。え、映画版、コメディなのか……。

眉村先生、長い間のご活躍と、たくさんの作品に感謝を。
謹んでご冥福をお祈りする。

ブーフメッセ・コン34のローダン企画

明日16日から、フランクフルト書籍見本市が開催される(10月16日-20日)。グーテンベルクの時代からの歴史あるイベント……なのはさておいて。“ブックフェア”になってんな、Wikipediaさん。いつのまに(笑)

ともあれ、このお祭り期間中の10月19日、フランクフルト南方の都市ドライアイヒ、シュプレントリンゲン公会堂にて開催されるファンタスティーク関連のコンヴェンションが、その名もブーフメッセ・コン。今回が34度目である。過去、ファンタスティーク大賞の授賞式がこのイヴェントの中でとりおこなわれたりもしている。

今回19:00からのプログラムには、ローダンNEOの草案作家シェーファー&ショルムを招いての新シュタッフェル宣伝企画「ローダンNEO:コンパレータ」が。他にも女性作家ミシェル・シュテルンや新人ルーシー・ガス、編集長のクラウス・フリックもパネリストとして登壇するらしい。
ローダンの生命がかかった(文字通り)コンパレータ編開幕を前に、熱い質疑応答がくりひろげられそうである。

……ん? 裏でNEO作家コーヴスの「フィレッソン・サーガ」の企画がwww

■公式News:PERRY RHODAN AUF DEM BUCHMESSECON 34
■BuchCon公式:buchmessecon.de

ローダン・フォーラム模様替え

公式掲示板であるペリー・ローダン・フォーラム(Perry Rhodan-Forum)がこの週末にリニューアルをおこなった。標準でフォント・サイズが大きくなったのはいいんだが、白を基調にしたカラーリングは、年寄りの目にはちときつい……(笑)

かつて銀河フォーラム(das Galaktische Forum)の名称で親しまれたこの掲示板、実は昨年末にカテゴリーの見直しを実施したばかりだったのだが。公式サイト自体はデザイン変更する様子もないし、このタイミングのリニューアルはいまいちわからない。
それと、週末は工事中だからアクセスできないよ~って記事、どこだったかなあ(笑)

■公式:Perry Rhodan-Forum

ブラジル版、1000話到達

9月21日付け、ローダン編集部のブログによると、ブラジル版ローダン(ポルトガル語)が1000話「テラナー」に到達したみたい。署名がEnpunktになってるから、記事を書いているのはクラウス・フリックである。
右はブラジル版サイトに掲載された1000話「O Terrano」の表紙。

ブラジル版が、複数サイクルを同時に翻訳しているとか、一時刊行がストップしたとか、ファン出版になったとかならないとか、そのへんの細かい事情は、実はよく知らなかったり。井口さんならくわしそうだけどなあ。

ブログでは「これで1話から1000話まで通して入手できるようになった」とあるが、ブラジル版のサイトを見ると、実際にアフィリア・サイクルやらバルディオク・サイクルやらが、サイクルごとワンセットで販売されてたりする。
上の方で、単発売りしてるのは、600話前後、1000話前後、こっちはアトランの歴史冒険譚6巻に……1808話? またえらくとんでるなあ。
えーと、SSPGから出版されているのは、第8サイクル(大群)から第15サイクル(宇宙城)と第27サイクル(トルカンダー)みたい。1000話到達で、コスミック・ハンザがはじまったところかな。

そっかー。かつての先達は、いまもまだ頑張っているのだなあ。

■編集部ブログ:Ein Meilenstein in Brasilien
■ブラジル版公式サイト: Perry Rhodan Brasil